跡部の家に遊びに来ている宍戸は、ただいま目の前にある二つのグラスを見つめ、うーん
と真剣な表情で悩んでいた。
「まだ、決まんねぇのか?」
「ちょ、ちょっと待てって!えっと・・・じゃあ、こっちにするぜ!」
そう言って宍戸が手にしたのは、赤い水が入ったグラスであった。事の発端は、ほんの数
分前の事。跡部が赤い水と青い水の入ったグラスを持って来た。そんな得体の知れないも
のは普段は拒絶する宍戸であったが、今回は自分が先に選び、必ずもう一方を跡部が飲む
という条件つきであった。そうなると、飲まないわけにはいかない。しかし、どんな効果
のある飲み物かは分からないため、かなり慎重に宍戸はどちらの水を飲むかを選択した。
「赤だな。それじゃあ、俺はこっちの青い方のを飲むぜ。」
「マジでこれ、何なんだよ?」
「ふっ、それは飲んでからのお楽しみだ。」
「嫌な予感しかしねぇ・・・」
そう呟きつつも、宍戸は手にしたグラスに口をつける。それと同時に跡部も青い水の入っ
たグラスに口をつけ、ゴクゴクと飲み始める。跡部が思った以上に何の抵抗もなしに飲み
始めるので、宍戸もつられてグラスの中身を飲み干した。
「別に特別まずいってわけじゃねぇな。」
「まあ、味はほとんどあってないようなもんだからな。」
「これを飲んだからって、どうってこと・・・・」
そこまで言って、宍戸はある違和感に気づく。何やら跡部が大きくなっているように見え
るのだ。そして、ふと気がつくと着ていた服がかなりだぼだぼな状態になっていた。
「あ、あれ・・・??」
「5歳マイナスってとこか。つーことは、俺は5歳くらいプラスになってるってわけか。」
「5歳マイナスって・・・」
「小学校四年くらいか?髪も長めで、女の子みたいで可愛いぜ。」
そう言われて、宍戸は近くにあった姿見を覗きこむ。そこには、見たことはあるが、今は
ありえない自分の姿があった。
「マジかよ!?ちょっ・・・ふざけんな!!何で俺はこんな小さくなってて、お前は変わ
ってねぇんだよ!?」
「俺様も一応変わってるぜ。青い水は年齢を上げる効果があるからな。テメェが10歳く
らいになってるってことは、俺は20歳くらいになってるはずだ。」
そう言われてみれば、少し顔立ちが大人っぽくなっているかもしれないと、宍戸はまじま
じと跡部の顔を見る。幼い宍戸にじっと見つめられ、跡部の胸はひどく高鳴る。小さな体
に腕を伸ばし、跡部は宍戸をひょいっと抱き上げた。
「うわっ!!」
体が縮んだことで、宍戸の服はぶかぶかになり、跡部に抱き上げられた途端に全て下に落
ちてしまった。何も身につけていない状態になった宍戸を見て、跡部はさらに興奮する。
「本当、全部が小さくなっちまってるな。」
「なっ!?お、下ろせよ!!てか、何か着させろ!!」
「そんなもったいねぇことするわけねぇだろ。安心しろ。ちゃーんと、可愛がってやるぜ。」
そう言うと、跡部は宍戸を自分のベッドへ連れて行く。ベッドに宍戸を下ろすと、宍戸は
バタバタと暴れ、跡部の腕から逃れようとした。
「大人しくしてろ。」
「嫌だ!!何考えてんだよ、変態!!」
「ほぅ、言ってくれるじゃねぇか。」
宍戸の言葉に、跡部はふっと意味ありげな笑みを浮かべる。そして、どこからか細く長め
のタオルを出すと、宍戸の手首を縛り、これ以上暴れられないようにベッドへ括りつけて
しまった。宍戸がいくら暴れたところで、10歳と20歳では力の差がありすぎる。あっ
という間にベッドに固定され、宍戸はこれ以上抵抗出来なくなる。
「ほどきやがれ!!」
「テメェが大人しくしてりゃ、こんなことはしねぇ。」
「こんな状況で、大人しく出来るわけねぇだろ!!アホ!!」
「アーン?仮にも今は俺様はお前より10も年上なんだぜ?その口の利き方はねぇだろ。」
「うるせぇ!!そんなこと知るか!!」
「言うこと聞かない奴はお仕置きだぜ。」
ニヤリと笑いながらそう言う跡部の言葉に、宍戸は言葉をつまらせる。動けない宍戸を横
目に跡部は引き出しの中からあるものを出し、それを持って来た。そして、小学生サイズ
になっている宍戸のモノに、それをしっかりと括りつける。
「やっ・・・」
「いつもより小さいから、これだけでも十分な刺激になると思うぜ?」
宍戸の可愛らしい茎に括りつけられたピンクローターのスイッチを跡部はONにする。初
めはゆっくり嬲ってやろうと、それほど強くはせず、ぶるぶると小さく震える程度の強さ
にしてやった。
「ふあっ・・・あっ・・・!」
弱い振動とは言えども、今の宍戸には茎全体に刺激を与えられているのと同じことなので、
ピクンピクンとその身を震わせながら声を漏らす。
「んっ・・・あっ・・・あ・・・」
「どうだ?気持ちいいだろ?」
「あ・・んっ・・・違う・・・気持ちいくなんか・・・っ」
「でも、ここはちゃんと硬くなってきてるぜ?」
「ひゃぅ・・ん・・・!!」
二つのローターに挟まれた茎の先に触れてやると、宍戸は一際高い声を上げ、ビクンと体
を震わせる。いつもよりも高い幼い喘ぎ声と感じやすい体。そんな宍戸が可愛くてたまら
ないと、跡部はローターを持って来るのと同時に用意しておいた小さなカメラで、その姿
を写真に収める。
「こんな小さい体でもココをこんなにして、感じまくって、本当やらしいな。」
「んっ・・・やぁ・・・違う・・・」
「違くねぇだろ。マジ、たまんねぇぜ。」
「んっ・・・んんぅ・・・・んぁ・・・」
小さく開かれたその口にしっかりと口づけ、跡部の宍戸の口の中を舌で犯す。跡部の舌が
自分の舌に絡む感触に、宍戸は言いようもない快感を覚える。頭の中がとろけてしまいそ
うなその感覚に、宍戸はただただ翻弄されるしかなかった。
「んん・・・んっ・・・ふっ・・・」
抵抗することなく口づけを受ける宍戸の表情も撮っておきたいと、跡部は右手でカメラを
自分と宍戸の顔の方へ向け、シャッターを押した。シャッター音がしないような設定にし
ているため、跡部のキスに夢中になっている宍戸はそんなことに気づくはずもなかった。
「ぷぁっ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
「いつもより口の中も狭くて、いい感じだったぜ。」
そんな跡部の声が聞こえているのかいないのか、宍戸はかなりとろけたような表情で胸を
大きく上下させていた。抵抗する気が0になった宍戸をさらに責めてやろうと、跡部はロ
ーターのスイッチに手をかける。
「こっちもいい感じに大きくなってきてやがるし、もっと気持ちよくさせてやるよ。」
カチカチカチ・・・
「ひあっ!?あああぁ―――っ!!」
突然大きくなった刺激に、宍戸はビクッとその身を大きく跳ねさせる。先程とは比べ物に
ならない激しい振動に、宍戸は再び暴れるような素振りを見せる。
「いやっ・・・やだぁっ・・・あっ・・・ひあぁんっ!!」
「そんなに暴れるほど、気持ちいいのか?」
「あっ・・・ダメぇ・・・イクっ・・・イっちゃう・・・あっ・・・ああぁ――っ!!」
小さな体はその大きな刺激に耐えられず、二つのピンク色のローターの間から白い雫を放
つ。体は小さくなっても、出るものは出るのだなあと跡部は少々感心する。
「ちゃんと出るんだな。」
「ひあっ・・・跡部っ・・・・も・・・止めてっ・・・」
「アーン?もうちょっとその可愛い顔見せろよ。」
「やあっ・・・止めてっ・・・止めてぇ・・・!!」
「そんな顔でそんなこと言われたら、止めようにも止められねぇなあ。」
「あっ・・・ひあぁっ・・・やっ・・・ああぁ―――っ!!」
達した状態がずっと続いているような状態に、宍戸はがくがくと下肢を震わせ、茎の先端
から何度も蜜を放つ。止まらない絶頂感に、幼くなった宍戸はぼろぼろと涙を流しながら、
必死に跡部に懇願した。
「ああぁんっ・・・もっ・・やあぁ・・・ひっ・・・止めて、止めてぇっ!!」
「まだダメだぜ。」
「・・・ぁっ・・・ひっく・・・跡部・・・お願いっ・・・やあぁんっ!!」
「イキっぱなしのお前がこんなに可愛くなきゃ、すぐにでも止めてやるだけどな。」
「ふあっ・・・くっ・・・ぅんっ・・・!!ふえっ・・・ぅああんっ・・・!!」
大泣きしながらイキまくり、自分の名前を何度も呼ぶ宍戸に、跡部はすっかり心を奪われ
ていた。しばらくそんな宍戸を堪能し、その姿を存分にカメラに収めると、跡部はやっと
満足する。
「ああぁ――っ!!跡部っ・・・もう無理ぃ・・・ひあぁんっ・・・!!」
「そんなに止めて欲しいか?」
「止めてぇっ・・・あっ・・・あああぁ――っ!!」
「ま、そろそろ他のところ弄ってやりてぇしな。仕方ねぇから止めてやるよ。」
スイッチを切り、ピクピクと震える宍戸のモノからローターを外してやると、跡部は手首
を縛っていたタオルも外す。自由に動けるようになった宍戸だが、既に跡部に抵抗する気
力など残っていなかった。ベッドにその身を横たえたまま、激しく呼吸を乱し、長すぎる
絶頂の余韻に小さくその身を震わせていた。
「今日はいつもとは勝手が違うからな。後ろも小さくて狭くなってんだろ?けど、じっく
り慣らしてやるから安心しろ。」
宍戸を少し休ませながら、跡部はほんの少し離れたベッドの真向かいにある棚へローショ
ンを取りに行く。ローションを撮るついでに、持っていたカメラをそこに置き、静止画モ
ードから動画モードへと切り替えた。
「・・・もう意地悪しねぇ?」
「ああ。」
跡部がベッドに戻ってくると、宍戸はゆっくりとその身を起こし、泣き過ぎて赤く腫れた
瞳で跡部を見上げる。何て可愛い表情で見てくるんだと、跡部の胸はひどくときめいてい
た。
「・・・んじゃ、別に続きしてもいーぜ。」
「言われなくてもするつもりだがな。」
ベッドにあぐらをかくように座ると、跡部は宍戸を抱き上げ、その膝へ乗せる。10歳差
の体格差は予想以上に大きなものであり、宍戸の身体は跡部の腕にすっぽりと収まった。
「足広げろ。」
「ん・・・」
跡部の言う通りに足を広げると、宍戸はそのまま跡部の胸に寄りかかった。急に素直にな
ったなあと思いつつも、これはこれで可愛いと跡部は顔を緩ませる。
「今日はココをいつも以上にトロトロにしてやってからしてやるからな。」
「・・・おう。」
恥ずかしそうに頷く宍戸の髪にちゅっとキスをしてやると、跡部は持って来たローション
をたっぷりその指に絡める。そして、ひくひくと何かを求めるかのように収縮している宍
戸の小さな蕾に触れ、ゆっくりと濡れた指を入れ始める。
「あっ・・・」
「やっぱいつもより少し狭いな。」
「・・・・もっと」
「アーン?もっと、何だ?」
「もっと・・・奥まで・・・指で、して欲しい・・・」
いつもより幼い声でそんなことを言われ、跡部の心臓は大きく跳ねる。急ぎすぎず、しか
し、しっかりと、跡部は宍戸のそこを慣らしていった。
「あっ・・・ふあっ・・・」
「ココだけじゃなくて、尻全体も小さいからよ・・・」
「んっ・・・な、何・・・?」
「こういうことも出来ちまうぜ。」
「ひゃうんっ・・・!!」
宍戸の内側をぐりっと指で抉りながら、外側に出ている指で双丘を揉むように掴む。いつ
もならそんなことは出来ないので、その未知の感覚に宍戸は胸を高鳴らせる。
「やっぱいつもより柔らけぇな。すげぇいい触り心地だぜ。」
「あぅっ・・・あっ・・・んんっ・・・」
「どうよ?内側と外側を同時に弄られる感覚は。」
「お尻・・・全部・・・気持ちよくて・・・・すげぇ・・・たまんない・・・・」
「そうか。んじゃ、もっとたくさんしてやるよ。」
宍戸がなかなかイイ反応をしてくれるので、跡部はしばらくそれを続ける。ローションま
みれの手で中も外も弄られ、宍戸の双丘はすっかりヌルヌルのトロトロになっていた。
「ハァ・・・んっ・・・あ・・・・」
「これだけヌルヌルだったら大丈夫だろ。」
「跡部の・・・入れるの・・・?」
「ああ。早く欲しいだろ?」
「・・・うん。」
赤く染まった顔で素直に頷く宍戸に、跡部は我慢出来なくなる。自分のモノを出し、宍戸
の体を軽く持ちあげると、すっかりヌルヌルになっている蕾にそれを押しつけ、ぐっと宍
戸の体を下ろす。
「あっ・・・ああぁんっ!!」
「もっとキツイと思ったが、ちゃんと慣らしたからそうでもねぇな。」
「はっ・・・跡部の・・・おっきい・・・」
「お前が小さいんだ。でも、まあ、その体で俺様のをやすやすと受け入れられるのは、さ
すがだと思うぜ。」
そう言うと、跡部はさらに奥へと自分のモノを突き入れる。狭い内側を跡部の熱く硬い楔
でいっぱいにされる感覚に、宍戸は声にならない声を上げる。
「――――っ!!」
「いつもより奥の方に入っちまったか?」
「あっ・・・ぅ・・・あぁ・・・・」
「お前の中の壁がぎゅっと締めつけてくる感じがたまんねぇ。」
「ハァ・・・あっ・・・跡部ぇ・・・」
「そろそろ動かすぜ。」
「んっ・・・」
くっと唇を噛み、頷く宍戸の表情がたまらないと思いつつ、跡部は宍戸の小さな体を上下
に動かし始める。隙間なく触れ合っている熱と壁が擦れ合い、果てしない快感を生み出す。
その快感をより感じようと、跡部はより激しく宍戸の体を動かした。
「ひあっ・・・あっ・・・あぁんっ・・・あっ・・・!!」
「ハァ・・・最高だぜ。宍戸。」
「跡部の・・・気持ちいっ・・・中・・・熱くてヌルヌルで・・・ふあっ・・・」
「テメェの体が小さいから、片手でこっちも弄ってやれるぜ。」
右手で宍戸の腰を支え、左手でぷっくりと赤くなった胸の突起を跡部は弄る。予想外の刺
激に宍戸は、思わず背中を仰け反らせた。その瞬間、跡部の熱が宍戸の内側の中で一番弱
いところを抉る。
「あああぁぁ――――っ!!」
熱の先から蜜を放ち、宍戸はぎゅうぎゅうと跡部の熱を締めつける。跡部にとってもそれは
大きな刺激になり、宍戸の中へ熱いミルクを迸らせた。
「あっ・・・腹に・・・跡部のが・・・・」
「ああ、お前があんまりにも強く締めつけるから、思わずな。」
「中・・・熱くて・・・・気持ちいい・・・」
うっとりとした表情でそう呟く宍戸の言葉を聞いて、跡部の熱はすぐに硬さを取り戻す。宍
戸の中に自らのモノを入れたまま、跡部は宍戸を四つん這いのような体勢にさせた。
「ひゃっ・・・あ・・・!!」
「一回だけで終わらすのはもったいねぇだろ?もっとたくさんしようぜ、宍戸。」
宍戸の返事を聞く前に、跡部は大きく動き始める。後ろから激しく犯されるような状況に、
宍戸はただただ言葉にならない声を上げるしかなかった。
「ああっ・・・ひあっ・・・ああぁんっ・・・!!」
「可愛いぜ、宍戸。もっと鳴いて、たくさん出せよ。」
「あっ・・・やっ・・・跡部っ・・・跡部っ・・・!!」
「ふっ、その声で名前呼ばれるの、本当たまんねぇな。」
「んっ・・・ああっ・・・またっ・・・あっ・・・あ・・・・」
「いいぜ。ほら、奥まで俺様のをくれてやるよ。」
一際深く宍戸の中を突いてやると、宍戸はビクビクと全身を震わせ、何度目か分からない
絶頂を迎える。その反応と熱に伝わる直接的な刺激がたまらず、跡部も再び宍戸の中で達
した。
「はっ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
「宍戸・・・」
ずるりと宍戸の中から熱を抜くと、中に留まっていられない白い蜜がトロリと溢れる。い
つもより小さな体との組み合わせに、跡部の興奮はとどまるところを知らず、さらに大き
くなるばかりであった。
「あー、ダメだ。我慢出来ねぇ。」
「えっ・・・?」
「本当お前可愛すぎだ。今日はとことん付き合ってもらうぜ。」
「ふあっ・・・ちょっ・・・跡部っ!!あっ・・・ああ――っ!!」
興奮冷めやらぬ跡部に、宍戸は全く抵抗出来ず為すがままになっていた。体位を変え、何
度も繋がり、深く甘いキスを繰り返す。そんないつもより少し長い交わりに宍戸も夢中に
なっていたが、いつもより幼くなっているため、体力の限界は早かった。何度も何度も達
しているうち、宍戸は跡部の腕の中で気を失ってしまった。
宍戸が気を失い、そのまま眠ってしまったので、跡部は繋がってからの一部始終を録画し
た動画を確認する。
「いい感じに撮れてるじゃねぇか。また、一つコレクションが増えたな。」
満足気にそう漏らすと、跡部は用意しておいた赤い水を飲む。赤い水は5歳マイナスにな
るので、青い水を飲んで年齢が上がっていた跡部はもとの年齢に戻った。
「宍戸にも飲ませておいてやるか。いつ起きるか分からねぇしな。」
寝ている宍戸にコップで飲ますというのはかなり難しいので、跡部は青い水を口に含み、
宍戸に口移しで飲ませた。寝ていながらも、コクコクと喉を鳴らし、宍戸はそれを飲み込
む。
「宍戸が起きる前に、片付けねぇとな。これ見つかったらヤバイしな。」
だいぶ汚れてしまったベッドの上を片付け、幼くなった宍戸の写真と動画が収められたカ
メラを引き出しの奥へとしまう。とりあえず問題ないというところまで片付け終えると、
跡部は軽くシャワーを浴びに行った。
跡部が戻ってきてからしばらくして、宍戸は布団の中で目を覚ます。宍戸が眠っている間
に服を着せ、シーツを変えた布団に寝かせてやっていたのだ。
「うーん・・・」
「お、起きたか。」
「はれ?俺、寝てたんだっけ?・・・小さくもなってねぇし、服も着てる。あれ、夢だっ
たのか?」
ムクリと体を起こし、宍戸は少し顔を赤らめながらそんなことを呟く。夢と思われては困
ると、先程数枚だけ印刷した小さくなった宍戸の写真を跡部は見せた。
「あれってのは、コレのことか?」
「っ!!??」
「小さい宍戸、マジ可愛かったぜ。たまには、こういうプレイもありだな。」
「なっ、なっ・・・ふ、ふざけんな!!何でそんな写真撮ってやがる!!」
「アーン?撮らないともったいねぇ可愛さだったからな。」
「渡せっ!!捨てろっ!!・・・ぐあっ!?」
跡部からその写真を取り上げようと、ベッドからしっかり起き上がろうとした宍戸だった
が、腰が痛くて動けない。その腰の痛さで、夢かもしれないと思ったあの出来事が現実に
あったことだと痛感する。
「くそ・・・動けねぇ・・・」
「今日はかなり激しかったからな。俺的には大満足だけどよ。」
「うー・・・」
「大人しく寝てろ。心配するな。これは俺様一人で楽しむ用の写真だからな。」
「・・・それがやなんだよ。そんな写真、好きな奴が持ってると思ったら、恥ずかしくて
死にそうだぜ。」
顔を真っ赤にして、ぶつぶつとそう呟く宍戸を見て、跡部の胸はひどく高鳴る。どうして
こう自分好みの反応をしてくれるのかと、顔を緩ませながら、跡部は宍戸の隣に腰かけた。
「テメェは俺がどれだけお前のことを好きか分かってねぇみてぇだな。」
「へっ!?」
「俺はお前のどんな表情もどんな姿もどんな声も、俺の物にしたいと思ってる。あーいう
ふうな姿でいれるのは、ほんの短い時間だけだ。それを残しておきたいと思って何が悪い。
それに、俺はあの年齢の頃のお前を知らねぇ。それが目の前にあったんだ。どんな手を使
ってでも、残したくなるだろう?」
「そ、そんなの知らねぇよ!!それに俺の物にしたいって・・・俺は物じゃ・・・」
宍戸がそこまで言いかけたところで、跡部は宍戸の口を自らの唇で塞ぐ。唇を合わせるだ
けの普通のキス。あまりに近距離にある跡部の顔に、宍戸の心臓は跳ね上がった。
「物だなんて思ってねぇ。俺はお前が好きだ。お前の全部が欲しくなるくらい、心の底か
らお前のことを好きだと思ってるぜ。」
「〜〜〜〜〜っ!!」
この状況でそんなセリフを言うのは卑怯だと、宍戸はリンゴのように顔を赤くして、うつ
むく。嬉しさと恥ずかしさと悔しさとで、宍戸の頭の中はかなり混乱状態であった。
(恥ずかしいのに、悔しいのに、何でこんなに嬉しいと思っちまうんだよ!!ずるい、ず
るい!!あー、もう、俺ってば激ダサだぜ。)
「あ、跡部っ!!」
「どうした?」
「さっきの写真、絶対絶対他の奴に見せんなよ!!」
「当然だ。あんな可愛い宍戸を他の奴らに見せてたまるか。テメェは俺だけのもんだぜ。」
自信に満ちた笑みを浮かべて、そんなことを言う跡部の言葉に、少々呆れつつ、宍戸は小
さく溜め息をつく。
(ムカつくのに、こんなに好きなんだもんなあ。全く本当しょうがねぇな、俺は。)
何だかんだで自分も相当跡部のことが好きなんだなあと思い、宍戸は苦笑する。跡部のよ
うにハッキリと口にはしないが、『好き』という想いを込め、宍戸は跡部の服をぎゅっと
掴みながら、コテンと頭を跡部の肩へくっつけた。
END.