〜夜明け前〜

リクエスト内容『あま〜い跡宍(裏)』

丑の刻も過ぎた頃、宍戸はふと目が覚めた。まだ夜が明けるには時間があり、二度寝をし
ても全く問題のない時間だ。しかし、宍戸はそうすぐには眠ることが出来そうもなかった。
(むー、完全に目ぇ覚めちまった。)
隣には、跡部がすやすやと気持ちよさそうな寝息を立てて眠っている。昨日行為を終えて、
そのまま眠ってしまったので、跡部は何も身につけていない。
(眠ってんと、女みてぇに綺麗な顔してんだけどなあ・・・)
金色の髪を指でつまみながら、パサパサと額に落とす。本当の熟睡しているのか、そんな
ことをしていても、跡部の反応は全くなしだ。
(本当、うらやましいくらい綺麗な顔してやがる。)
じっと跡部の顔を眺めていると、何だか無性に触れたくなった。少しのことでは起きない
だろうと、宍戸はそっと跡部の右目の下にある泣きボクロにキスをする。それだけでは飽
き足らず、額や頬、ついには唇にまで、ちゅっちゅっと軽い口づけを落としてゆく。
「おい・・・」
さすがにここまですれば、跡部も目を覚ます。突然、声をかけられ、宍戸は心臓が止まる
かと思うほど驚いた。
「あ、跡部・・・?」
「そんなことして、俺様が起きねぇとでも思ったのか?」
「う・・・だって・・・」
今更ながら自分のしてしまったことを恥ずかしく思い、宍戸は顔を真っ赤に染め、うつむ
いてしまう。そんな宍戸を見て、跡部はクスクス笑った。
「テメェの所為で、完全に目が覚めちまった。」
「わ、悪ぃ・・・」
「まあ、まだ朝まで時間あるしな。さっきのキス、テメェから誘ってきたってことにして
やるよ。」
「はあ!?お、おい、ちょっと跡部っ!」
かけていた布団を捲り上げ、跡部は宍戸に覆いかぶさる。ここまで完璧に上に乗られると、
もう抵抗することは不可能だ。
「き、昨日もたくさん・・・」
「だから何だ。テメェは俺にされるのが嫌なのか?」
「べ、別に嫌じゃねぇけど、そんなにたくさんやるのはあんまり好きじゃ・・・」
「犯らせろよ、宍戸。」
アダルティな低音ボイスで囁かれ、宍戸は全身が痺れるのを感じる。そのまま耳を舐めら
れ、思わず声が漏れる。
「ん・・あっ・・・」
「何だよ?嫌がってるわりにはやる気満々じゃねぇか。」
「ち、違っ・・・ひゃっ・・耳、やめろよぉ・・・」
嬲るように耳を舌で弄ばれ、宍戸はピクンと身体を震わせる。そんな反応が楽しくて、跡
部はゆっくりと指を滑らせ、宍戸の赤く熟れた小さな実を摘んだ。
「ひぁっ!!」
「テメェは言葉では素直じゃねぇくせに、身体は面白ぇーくらいに素直だよな。もうした
くてたまんねぇんだろ?」
中途半端に高められた熱は、宍戸の理性をだんだんと崩していっていた。しかし、まだど
こかで、このままされてたまるかという反抗心が残っている。その反抗心が宍戸の首を横
に振らせていた。
「ふん、素直じゃねぇなあ。でも、絶対テメェの口からもっとして欲しいって言わせてや
る。」
ニヤリと笑う跡部の顔は、何とも形容し難い妖しさを含んでいた。それはまるで、悪魔か
堕天使の微笑みと言ったところか。そんな笑みを浮かべながら、跡部は宍戸の唇に口づけ
る。上唇を食み、下唇を食み、ゆっくりと舌で唇の形をなぞった後、唇全体を覆うように
重ねる。何度かそんなキスを繰り返された後、下顎に指を添えられ、無理矢理口を開かれ
された。
「ハァ・・・」
「おら、もっと口開けろ。で、舌を出せ。」
繰り返されるキスで、すっかり頭の中がとろけてしまっている宍戸は、跡部の言葉に素直
に従う。出された舌に跡部は自分の舌を絡ませる。じっくりその熱さと柔らかさを味わう
ように、吸ったり食んだりするのを繰り返す。
「ふぅ・・・うぅん・・・んっ・・・!」
くちゅくちゅと唾液の混じる音が響き、宍戸はその気持ちよさに理性を奪われる。
(すげぇ・・・気持ちイイ・・・)
糸を引きながら跡部の唇が離れると、宍戸の口からは甘い吐息が繰り返し漏れる。これで、
まだしたくないと言うのは、完全に嘘になる。
「どうよ?まだ、したくねぇか?」
「した・・い・・・」
「ふん、初めから素直にそう言やあいいんだよ。」
すっかり跡部のペースに流され、宍戸は合意の言葉を口にしてしまった。それなれば、も
う跡部は何も気にせずに、自分の思うことが出来る。それを嬉しく思いながら、跡部はも
う一度、宍戸の唇にキスをした。

「あっ・・・やぁ・・跡部っ、そこ・・やだぁ・・・」
既に宍戸の蕾には、跡部の綺麗な指が二本も入っている。ぐりぐりと指を動かされれば、
宍戸は嫌でも感じてしまう。
「テメェのココ、超濡れてるぜ。」
「そ、それはテメェが昨日・・・」
「俺が、何だよ?」
「テメェがウザイくらいに、中出ししやがるからだろ!」
ある程度の後始末はしたが、まだ少し跡部の出した蜜が宍戸の中に残っていたようだ。そ
のおかげで、いとも簡単に宍戸のそこは解れた。しかし、まだまだ跡部は弄くり回す気満
々だ。
「もう一本くらい入っちまいそうだな。」
まだ余裕のある宍戸のそこに跡部は指をもう一本増やしてやる。
「ひっ・・・!」
ぐちゅっと卑猥な音を立て、宍戸のそこは跡部の指をさらに一本飲み込む。
「三本も俺様の指を飲み込んじまうなんて、テメェのココは相当欲張りだな。」
中に入った三本の指を抜き差ししながら、跡部はピアノでメロディーを奏でるかのように
指を動かす。そうすれば、濡れた音と宍戸の口から漏れる喘ぎが、素晴らしいハーモニー
を奏でてくれるのだ。
「あっ・・あ・・・ひっ・・あん・・・」
「イイ音。テメェはこの部分を擦られるのがすげぇ好きなんだよな?ここは特別にフォル
テで奏でてやるぜ。」
前立腺のあたりを三本の指を使い、巧みに刺激を与える。一番感じるポイントをピンポイ
ントで擦られ、宍戸は背中を仰け反らせて、その快感に喘いだ。
「はあぁっ!!イッ・・あっ・・・跡部っ・・ああっ!!」
「ふーん、随分よさそうじゃねぇか。もっとしてやろうか?」
「あっ・・やぁん・・・も・・イッちゃ・・・」
「アーン?もうイクって?」
「うぁ・・・だって・・マジ気持ちイイ・・・から・・・」
「だったら、イッちまえ。俺様の美技に酔いながらな。」
ふっと笑うと跡部は、フォルテシモでその部分を擦ってやった。その瞬間、宍戸の茎の先
からたっぷりと白い蜜が放たれる。
「くっ・・ああぁんっ!!」
締めつける蕾がある程度緩むと、跡部は中に入っている指を一気に抜いた。さっきまでは
いっぱいだったそこが空っぽになってしまうと、宍戸のそれは物欲しげにヒクつく。
「あっ・・ハァ・・・ハァ・・・」
「たっぷり出たな。だが、まだまだこれくらいじゃ物足りねぇ。」
「へっ・・・?」
もっとたくさん宍戸を鳴かせ、何度も何度もイカせてやりたいという欲求が、跡部の中に
生まれる。広げられた脚にちゅっとキスをしてゆき、蜜にまみれた熱に口づける。
「あっ・・・」
「すげぇトロトロ。ハチミツがかかってるみてぇ。」
「やだ・・・口、つけるなあ・・・」
「こんなに美味そうなのに、我慢出来るかよ。じっくり味あわせてもらうぜ。」
そう言いつつ、跡部は宍戸のそれを口に含む。その瞬間、宍戸の身体はビクンと震える。
数秒も経たずして、跡部はまるでアイスキャンディーを食べているかのように、舌と口を
動かし始めた。
「あっ・・・はぁ・・あっ・・あん・・・」
跡部がペロペロとそれを舐めれば、断続的に宍戸の口から高い声が漏れる。ちゅっと蜜を
吸うかのように先の方を吸ってやれば、ビクンと身体が跳ね、一際大きな喘ぎが聞ける。
そんな宍戸の反応を楽しげな様子で見ながら、跡部はしばらく口での愛撫を続けた。
「ふっ・・あっ・・・んくっ・・・」
「さっきよりもトロトロだぜ。そんなに俺に食われるのが嬉しいのか?」
「う、嬉しくなんか・・・」
「嘘つくな。正直に言ったら、もっともっと気持ちよくしてやるぜ?」
ニヤニヤと笑いながらそう言う跡部に多少の腹立たしさを覚えながらも、快感を感じてい
る身体は素直だ。もっと気持ちよくさせてやるという言葉を聞いて、宍戸の心臓はドキド
キと速まった。
「う・・・」
「う?」
「・・・・嬉しい。」
思わず口から出てしまった言葉に宍戸は激しい羞恥心を感じる。しかし、そんな羞恥心を
吹っ飛ばしてくれるほどの快感が、突然下半身から駆け上ってきた。
「ひあっ・・・ああっ!!・・・あっ・・あ・・・」
自分が持っているテクニックを駆使し、跡部は宍戸のそれに刺激を与える。今にも蜜が溢
れ出てきそうな入り口を舌を使って嬲り、時折、今までにないほどの力で吸ってやる。だ
が、そうすぐにイカせては面白くないと、根元をしっかりと押さえながらそんなことを繰
り返す。ただただ高まり続ける絶頂感に宍戸は、もう乱れまくっていた。
「いやっ・・・あっ・・・あ・・はぁん・・・」
髪を掴み、激しく喘ぐ宍戸の声を聞きながら、跡部自身の興奮もだんだんと高まってゆく。
「跡部っ・・あっ・・・イイっ・・・もう・・・おかしくなっちまう・・・」
「もっと言えよ。そしたら、イカせてやる。」
「あっ・・・気持ちイイ・・・跡部っ・・気持ちイイ・・も・・・イカせ・・・て・・・」
「フッ、たっぷり俺に飲ませろよ?」
根元を押さえている手を離し、跡部は溜まった蜜を全て吸い取るかのように、宍戸の熱を
吸った。その途端、その入り口からは大量の白蜜が溢れてくる。ビクビクと身体を痙攣さ
せ、宍戸は全てを跡部の口内へと放った。
「あっ・・ああぁ――・・・ッ!!」
喉を鳴らして出された蜜を飲み込むと、跡部は満足気な吐息を漏らし、いまだに熱の治ま
らないそれから口を離した。快感の余韻に浸り、宍戸は放心状態だ。
「ハァ・・・ハァ・・・」
「やっぱ、テメェの蜜は最高だぜ。さてと、そろそろ本番にいかねぇとな。」
乱れる宍戸が跡部のやる気を俄然高めていた。跡部自身そろそろ我慢の限界なのだ。すっ
かり力の抜けている宍戸の脚をより開かせると、ヒクヒクと収縮を繰り返す蕾に跡部は自
身を押し当てた。
「ふっ・・・く・・・」
「まだ入れてねぇぜ。そのまま力抜いたままでいろよ?」
本当は一気に貫きたい気持ちでいっぱいなのだが、今の宍戸を見ていると無性に焦らした
くなる。先の方だけを中に入れ、ぐりぐりとその入り口を掻き回してやると、宍戸は切な
げな声を上げる。
「ひぅ・・・やぁ・・・あとべぇ・・・」
「どうした?」
「こんなん・・・やだぁ・・・」
「何が嫌なんだ?ちゃんと言わなきゃ分かんねぇだろ。」
「も、もっと・・・ちゃんと・・・挿れ・・・」
宍戸がそこまで言いかけると跡部は、ニヤリと笑ってまだ入っていない部分を一気に突き
入れる。
「あっ・・・は・・・っ!」
「ふっ、こうされたかったんだろ?宍戸。」
あまりの衝撃に宍戸は声が出ない。ガクガクと脚を震わせて、潤んだ目で跡部を見上げる。
「いい顔してんじゃねぇか。でも、まだこれだけじゃ、物足りねぇよなあ?」
「んっ・・・ああっ!!」
中に入っているそれをギリギリまで引き抜き、また、内側に埋め込む。内壁を擦られる快
感に宍戸は、自然と腰を揺らしていた。
(あー、すげぇあちぃ・・・気持ちイイ・・・どうしよ〜・・・)
「うあっ・・・あっ・・あん・・・跡部っ・・・」
ギシギシと音を立てるベッドに合わせ、宍戸の喘ぎ声が響く。身体が溶けてしまいそうな
気持ちよさに宍戸はすっかり夢中になっていた。
(くそっ、今回のはいつにも増してイイじゃねぇか。ヤベェ、宍戸がイク前に俺の方がイ
ッちまいそうだ。)
いつもより締めつけられる感覚に跡部も相当感じている。何度か抜き差しを繰り返してい
ると、我慢が出来なくなり、ふとしたはずみに跡部は達してしまった。
「くっ・・・ぁ・・・・」
「ひ・・あっ・・・!」
中に熱い滴がたっぷりと放たれるのを感じ、宍戸はビクンと身体を震わせる。しかし、そ
こで達するということは出来なかった。
「悪ぃ。テメェの中があんまりにも気持ちイイから、思わずイッちまった。」
「すげ・・・中が、跡部のでいっぱい・・・」
腹の中で感じる跡部の熱に宍戸は恍惚とした表情になる。その表情に跡部の熱は再び固さ
を取り戻した。
「テメェはまだイってねぇんだろ?だったら、テメェがイクまでしてやるぜ。」
そう言うと跡部は宍戸の体を起こしつつ、自分も起き上がる。ちょうど向かい合って座る
ような体位になり、宍戸はさらに奥へと入ってゆく跡部の熱に歓喜の声を上げた。
「はぁんっ・・・跡部のが、奥に入ってくる・・・」
「今度はテメェのペースで動けよ。そうしたくてたまんねぇって顔してるぜ。」
「おう・・・」
自分でも動けるような体位になり、宍戸はもうそうしたくて仕方がなかった。跡部の首に
腕を回すと、トロトロになっている蕾の内側に跡部の熱を自ら激しく擦りつける。
「あっ・・・あっ・・・あぅ・・んあっ・・・」
「いいぜ・・・その調子だ。」
「跡部・・・好きぃ・・・あっ・・・あぁんっ・・・」
「俺もテメェのこと、すげぇ好きだ。チクショー、テメェ可愛すぎだぜ。」
「はあ・・・跡部っ・・跡部・・・あっ・・あ・・・」
「ハア・・・宍戸・・・っ・・・」
宍戸の腰の動きが速くなればなるほど、跡部の余裕もなくなってゆく。高まる快感を止め
られず、とにかく頂点に上りつめるまで、二人は抱き合い、お互いの熱を絡ませ合った。
身も心も相手の熱でトロトロに溶かされた頃、二人は絶頂へと上りつめる。
「あっ・・・跡部っ・・もうダメぇ・・・イクっ・・・イッちゃう・・・!」
「俺も・・・もう・・・ハァ・・・宍戸っ・・・!」
『・・・・・ッ!!』
お互いの身体にしがみつきながら、二人は同時に果てる。そろそろ空の色も変わり始めて
きている暁の頃、二人は再び布団の中に沈み込んだ。

それから数時間ほど眠り、二人はやっと目を覚ます。もう既に夜は明けているので、今度
はしっかりと起きなければならない。
「うーん・・・」
「起きたか、宍戸?」
「あー、跡部・・・はよ。」
「おはよう。どうだ、気分は?」
中途半端な時間にかなり激しい行為を行ってしまったので、跡部は一応気を遣う。
「うーん、ちょっと腰がだりぃけど別に大したことはないぜ。気分的には、どちらかと言
えば、すっきりしてるしな。」
「そうか。」
「ふあー、何かよく寝た感はあるけど、まだちょっと眠みぃかも〜。」
大きなあくびをしている宍戸に、跡部はちょっと悪戯をしてやろう考える。あくびをして
いた口が閉じた瞬間を見計らい、うちゅっと唇にキスをした。
「どわあっ!?いきなり何しやがんだ!!」
「目覚めのキスだ。どうだ?目、覚めただろ?」
「た、確かに覚めたけどよ、いきなりそういうことするんじゃねぇ!!」
「別にいいじゃねぇか。夜明け前にしたことを考えりゃ、キスなんてどうってことねぇだ
ろ。」
「ウ、ウルセー!!それとこれとは、話が別だ!!」
夜明け前の行為はあんなにもノリノリだったにも関わらず、今はたかがキス一回程度で恥
ずかしがる。そんなギャップがまた可愛らしいと跡部はくっくと声を殺して笑った。
「本当、テメェは最高だぜ。」
「な、何がだよ?」
「さあな。それは自分で考えてみな。」
「何だよー、教えろー!!」
跡部のからかいの言葉に宍戸は素直に反応し、どさっと跡部に飛びかかる。まるで、猫の
ようにじゃれあいながら、二人はまだまだベッドから出ようとはしなかった。

                                END.

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