AFTER CARE

リクエスト内容『滝鳳の甘裏で、チョタが他の人にヤられそうに
なるのを滝さんが助ける!!』

「お疲れ様でした。」
「おう。じゃあな、長太郎。」
「気をつけて帰れよ。」
部活が終わり、鳳は他のメンバーより先に部室を出て行った。引退したが何故か部室にい
る宍戸と跡部に見送られ、鳳は外へ出る。いつものように校門を出て、家路を辿っている
と、真っ黒な車が歩道のすぐ横に止まる。
「すいません。駅に行くにはどちらへ行けばいいですか?」
窓を開けて、30代前半くらいの男性が鳳に声をかける。親切な鳳は、車に近づき、駅へ
の道を口頭で教えようとする。
「駅ですか?駅は・・・」
鳳が車のすぐ近くに来たのを見計らい、その男性は自分の口をハンカチで塞ぎ、何かスプ
レーのようなものを鳳の顔へ吹きかける。
「わっ・・・」
吹きかけられた霧を吸うと、鳳は激しい眩暈を感じ、気を失ってしまった。周りに人がい
ないのを確認すると、その男性は鳳を車の後部座席に乗せ、その場を走り去った。
「鳳?」
たまたま近くを通りかかった日吉が、鳳が車に乗せられるのを目撃する。何が起こったか
一瞬理解出来なかったが、落ち着いて考えてみると大変なことを目撃してしまったと気づ
く。思わずドサッとテニス鞄を落とし、その場に立ち尽くし呆然としてしまう。
「大変だ・・・」
鞄を拾い上げると、慌てて部室に向かって走り出す。

バタンっ!!
勢いよく部室のドアを開けると、滝が今まさに帰ろうとしているところだった。跡部や宍
戸は既に帰ってしまったらしい。とりあえず、さっき見たことを誰かに伝えないとと思い、
日吉は急く気持ちを抑えながら、さっきあったことを滝に話した。
「どうしたの?日吉。忘れ物?」
「そんな悠長なこと言ってる場合じゃないんです!!鳳が・・・鳳が・・・」
「長太郎がどうかしたの?」
日吉の様子がおかしいので、滝にも緊張感が走る。
「鳳が誘拐されました!黒い車に乗せられていくのを見たんです!!先輩、どうすればい
いですか?」
普段冷静な日吉がここまで取り乱しているのだから、それが冗談とは思えない。しかし、
ここで自分も取り乱せば、鳳を助けに行くなど到底出来なくなってしまう。
「落ちついて、日吉。事情は分かった。その車はどっちの方へ向かったの?ナンバーとか
覚えてる?」
「たぶん・・・駅の方面だと思います。ナンバーは確か・・・」
焦りながらも日吉はしっかりとナンバーを覚えていた。それならば、探しに行くことは可
能だと滝は慌てて部室を出て行こうとする。
「先輩っ、俺はどうすればいいですか?」
「とりあえず、110番。誘拐事件だったら、警察にも連絡しないとだから。」
「分かりました。」
冷静な判断を下しつつ、滝は走り出す。そんな滝を見送りながら、日吉は携帯電話で、警
察に電話をした。
(ナンバーと車の特徴は分かってても、それを探すのって超無謀かも。でも、長太郎を助
けきゃ。)
とにかく滝は走り回り、日吉に教えてもらった車を探す。車で逃走したのだから、もう遠
くまで行っていまったかもしれないと不安を抱えつつ、走り回っていると、とある廃ビル
の駐車場に一台の車が止まっていた。それは、まさに日吉が言っていた車であった。
「こんな近くに乗り捨ててあるってありえるのかな?」
そんなことを思いつつ、滝はその車に近づいていく。中を見ると見たことのある鞄が後部
座席に置いてあった。それは紛れもなく鳳の鞄だった。間違いない。そう思ったが車を捜
査の目を誤魔化すために他の車に乗り換えたという可能性もある。注意深くその車のあた
りをよく見てみると、何か糸のようなものがキラッと光った。
「何だろ・・・?」
見たことのある色の糸。しかも、もっと目を凝らして見ると、その糸はドアから始まり、
際限なくどこかに向かって伸びていた。
「もしかしてっ・・・」
ブレザーを脱ぎ、滝は学園指定のベストを確かめる。色も素材もかなり似通っている。こ
の糸は鳳のベストがほどけて糸状になったものだと滝は気付いた。それならば、この糸を
辿っていけば、鳳のいる場所まで辿り着ける。細く伸びる糸を辿り、滝は歩き出した。

(うぅ・・・ここは・・・?)
薬の効力が切れ、鳳は目を覚ます。あたりは薄暗くどこにいるのかよく分からなかった。
「お目覚めかい?坊ちゃん。」
「うぅ・・・ううっ!?」
口には布で猿轡がされていた。しかも、後ろ手に縛られ、柱に繋がれているため動くこと
も出来ない。まさか自分がこんな状況に陥っているとは思っていなかったので、鳳は強い
恐怖心に襲われる。
「俺は、坊ちゃんに恨みがあるわけじゃないんだけどねー、お父さんの方にちょっとした
恨みがあってね。誘拐して身代金をもらうのはもちろんだけど、それだけじゃ足りないよ
なあ?」
声をかけてきたときとはあからさまに雰囲気の違う男を目の前にし、鳳の恐怖心はさらに
煽られる。
「自分の大事なものをずたずたにされるって気分を味あわせてやるんだ。それは、お父さ
ん本人よりも君を使った方がダメージは大きいからね。」
「ふっ・・・ぅう・・・」
じりじりと近づいてくる男を見て、鳳は目に溢れんばかりの涙を溜め、首を横に振る。し
かし、逃げることは出来ない。
(怖い・・・誰か助けてっ!!)
ぎゅっと目を閉じると、襟首を掴まれるのを感じる。このまま殺されてしまうのか、そう
思った瞬間、男はパッと手を離した。
「殺すと罪が重くなるからな。まあ、誘拐の時点で犯罪は犯罪だけど。そうだ!」
何かを思いついたような言葉を発すると、その男は持っていたナイフで制服を切り刻み、
ズボンも下着も全て脱がしてしまう。思ってもみないその行動に、鳳は目を見開く。
(何っ?何で・・・?)
「ずたずたに切り裂くよりは、ずたずたに犯すって方がいいかもしれねぇな。女をヤるわ
けじゃないから、罪悪感も薄いし。」
その目はまさに悪魔の目であった。殺されないだけマシだが、それも耐えられるものでは
ない。男の荒い息が首筋にかかると、鳳は嫌悪感からぶるりと体を震わせる。
(嫌だっ・・・こんなのっ・・・怖い、気持ち悪い・・・助けてっ・・・)
涙をポロポロ流しながら、鳳は心の中でそう叫ぶ。男の手が下半身の方に伸びようとして
いるその瞬間・・・・
バタンッ!!
ドアが開く音と共に一つのテニスボールが、飛んでくる。そのボールは男の後頭部を直撃
した。
「ぐわっ!!だ、誰だ!?」
くるっと男が振り返ると、続けざまに二つのボールが飛んでくる。しかし、その球はもっ
と多くの数が飛んできていると男の目には見えていた。
「うわああ!!」
その球は男のみぞおちと顔面にヒットする。あまりに突然の攻撃に、男はそのまま気を失
ってしまう。ドアの向こうからゆっくり歩いてくる人物。それはテニスラケットを持った
滝であった。
(滝さん・・・?)
涙でぼやけてよく見えないが、それは確かに滝であった。鳳の元までくると、滝は手早く
ロープをほどき、猿轡を外してやった。
「大丈夫?長太郎?」
「滝さん・・・・」
滝の顔を見て、安堵した鳳はそのままの状態で滝に抱きつき、号泣した。鳳の気分が落ち
着くまで抱きしめていてやると、鳳の泣き声はだんだんと小さくなる。
「ふっ・・ひっく・・・」
「歩けそう?早くここから出た方がいいと思うんだけど。」
「はい・・・大丈夫です・・・」
脱がされた服をしっかり着ると、鳳は滝の手をしっかりと握り、その場から立ち去る。気
を失っていた犯人は日吉の通報によりやってきた警察官に、現行犯で逮捕された。軽い事
情徴収を受けた後、滝は自分の家に鳳を連れて行った。

家に連れてくると、シャワーを浴びさせ、気持ちをより落ち着かせようとする。パジャマ
に身を包んでもらと、ベッドに寝かせて休ませた。
「どう?だいぶ落ち着いた?」
「はい。ありがとうございます。」
滝の言葉に鳳は体を起こしながら答える。
「でも、よかった。長太郎が無事で。日吉に誘拐されたって聞いて、すごく心配してたん
だ。」
「すっごく怖くて、もうダメかと思ってたんですけど、滝さんが来てくれて本当よかった
です。滝さんが来てくれなかったら俺・・・」
またその時のことを思い出してしまったのか、鳳の目は涙で潤み、体は小刻みに震えてい
る。そんな鳳の体をぎゅっと抱きしめ、滝は小さい子をあやすような口調で宥める。
「大丈夫、大丈夫。もう心配ないよ。俺がここにいるじゃない。」
「・・・そうですよね。スイマセン。」
「しばらくは仕方ないよ。あんな怖い思いしたら誰でもそうなっちゃう。」
しばらく抱きしめててもらいながら、鳳はより滝を感じたいという気持ちになる。先程の
ことを完全に忘れてしまいたい。そんなことを思いながら、鳳はゆっくりと口を開く。
「あの・・・滝さん。」
「ん?どうしたの?長太郎。」
「・・・したいです。」
「えっ?」
「さっきのこと、まだ頭の中に残ってて・・・それに滝さんのこともっと全身で感じたい
から・・・」
さっきの今でそういうことをするのはどうかと思ったが、鳳がそれを望んでいるのならし
ないわけにはいかない。優しくベッドに押し倒すと、滝は鳳の頬に軽くキスをした。
「本当にいいの?」
「はい。」
「長太郎が望むなら・・・・」
そんなことを呟きながら滝は鳳の唇にキスをする。滝の優しいキスに酔いしれながら、鳳
は滝の首に腕を回した。

滝が助けに来たときと同じような格好で、鳳は滝の熱を咥えている。いつもより夢中にな
ってそれを咥える鳳に、滝は戸惑いつつも全て受け入れていた。
「ハァ・・・そんなに奥に咥えたら苦しいでしょ?平気なの?」
「はっ・・・平気です。滝さん、嫌ですか?」
「いや、全然嫌じゃないけど。むしろ、いつもより気持ちイイ。」
「それならよかったです。俺の中、滝さんでいっぱいにしたいんです。だから、たくさん
俺の中に出してください。」
いつもは言わないようなセリフを言ってくる鳳に、滝の下半身はモロに反応してしまう。
もう一度咥えられて、くちゅくちゅと口の中で転がされれば、そう長くはもたない。
「くっ・・・ぅう・・・」
「んんっ・・・!!」
ドプンと口の中に放たれた蜜を鳳は喉をならして飲み込む。全てを飲み込むと、鳳は大き
く息を吸いながら、滝を見上げた。
「ハァ・・・気持ちよかったですか?滝さん。」
「うん。すっごく。」
「嬉しいです。そしたら今度は・・・」
ニッコリと笑う鳳の表情に耐え切れなくなり、滝は鳳の肩に手を置いた。ドキッとしつつ
も鳳は、滝の目を見据えている。
「今度は俺が長太郎を気持ちよくさせる番。」
「・・・はい。」
鳳が頷くのを確認すると、滝は鳳の後ろに回り、はだけたパジャマの隙間から手を入れ、
胸の突起を揉みしだく。くりくりと突起を弄られ、鳳は体をびくびく震わせる。
「あっ・・・あんっ・・・」
「ココ、気持ちいいの?」
「は・・い・・・気持ちイイです・・・」
「そっか。じゃあ、もっと弄ってあげる。」
固くなってくるそれを指先で転がすと、鳳は素直に反応してくれる。それが嬉しくて、滝
は、柔らかい耳朶を軽く食んでやる。
「ひあっ・・・!」
「耳も感じるでしょ?長太郎の耳朶、ふにふにしてて気持ちいいよ。」
「あっ・・・滝さんっ・・・」
耳朶と胸を弄られ、鳳は滝に触れられているということで頭がいっぱいになる。先程の恐
怖心が完全に消えてゆく感覚に鳳は、例えようもない安心感を覚える。
「あぅ・・・あんっ・・・滝さん、もう・・・俺っ・・・イっちゃいます・・・!」
(胸と耳だけでっ!?うわあ、今日の長太郎、メチャメチャ感度いい。ちょっとビックリ。)
「うん、いいよ。イっちゃって。」
滝が耳元でそう囁くと、鳳は一際大きく体を跳ねさせ、白い蜜を放つ。あまりに感じやす
く、可愛い鳳に、滝はいつも以上にドキドキしていた。
「ハァ・・・ハァ・・・」
「大丈夫?」
「はい・・・へーきです・・・」
「そう。よか・・・」
そう言いかけた瞬間、滝は鳳に唇を塞がれる。
(えっ・・・?)
唇を離すと鳳は切羽詰ったような表情で、滝の服を掴む。そして、服からパッと手を離し、
四つん這いになってみせた。
「なっ・・・長太郎・・・?」
「ここ、早く慣らしてください。それで、滝さんでいっぱいにしてください。」
「う、うん。」
あまりに積極的な鳳の態度に戸惑いながらも、滝はちゅくっと自分の指を濡らし、まだ閉
じたままの蕾にその手を持っていく。その指が入ることを期待しているのか、鳳のそこは
ひくひくと収縮し始めた。
ちゅぷ・・・
「あっ・・・ああっ!!」
一本指が入るだけで、鳳は過敏に反応する。ゆっくりと指を抜き差ししてやれば、そこの
口はどんどん柔らかくなってゆく。
「長太郎ん中、すごく熱い。」
「はっ・・・あっ・・・ああ・・・」
「何かこれだけですごくドキドキしてきちゃう。ね、もっと指増やしていい?」
そんな滝の問いに、鳳はこくこくと首を縦にふって返事をした。いったんそこから指を抜
き、中指と人差し指をくっつけるようにして、滝は再び鳳の中へ指を入れる。鳳のそこは
すんなりとその指を受け入れ、ある程度の深さまで入るときゅうきゅうとその指を締めつ
けた。
「あっ・・・あぁっ・・あん・・・」
「すご・・・超締めつけてくる。」
「滝さん・・・もっと指・・・動かしてくださ・・・ぃ・・・」
潤んだ目で後ろにいる滝を見つめながら、鳳はそんなことを言う。そんな鳳を見て、滝の
中で何かがぷつんと切れた。鳳の一番弱いところを擦り上げるように指を動かす。敏感な
粘膜を激しく掻き回される感覚に、鳳はぶるぶると体を震わせる。
「ひあっ・・・あっ・・はぁんっ・・・!!」
「長太郎の中、ひくひくしてる。全部が俺を誘ってるみたい。」
「はぁ・・・気持ち・・いいです・・・滝さん・・・」
「このまま指でイカせていい?」
「いや・・・指じゃ・・嫌です・・・・」
「じゃあ、何がいいの?」
「滝さんの・・・がいい・・・です・・・」
濡れた声でそんなことを言われ、滝の背筋にぞくぞくとした痺れが走る。
(もう・・・我慢出来ないっ・・・!!)
鳳の体を反転させ、仰向けにさせると、滝は膝を折るようにして、鳳の脚を開かせた。
「ゴメン、長太郎。加減、出来ないかもっ。」
余裕のなくなった滝は、容赦なく自分のモノを鳳の中に埋め込んだ。滝が中へと入ってく
る感覚に、鳳は背中を仰け反らせ、声にならない声を上げる。
「ぁ・・・・はっ・・・」
「すごい・・・長太郎の中、ヤバイくらいイイ・・・」
鳳の中のよさに滝は口元が緩む。少しでも動こうとすると、鳳の体がビクビクと跳ね、中
にある滝の熱を締めつけた。
「ひぃんっ・・・あっ・・ああ・・・」
「ゴメンね、さっきあんなことがあったばっかなのに。」
「いいんですっ・・・滝さんにされるのは・・・すごく気持ちいいから・・・」
「でも・・・」
「滝さんのじゃないと・・・俺、嫌ですっ・・・滝さんがしてくれると・・・嫌なこと全
部・・・忘れられるからっ・・・あっ・・・んんっ・・・」
激しく呼吸を乱しながらそんなことを言ってくる鳳を、滝は本当に愛おしいと思う。なら
ば全て忘れさせてあげようと、滝はいつもより激しく動き、鳳の弱いところばかりを攻め
た。
「ああぁんっ・・・滝さんっ・・・激しっ・・あ・・あぅぅ・・・」
「俺だけを見て、俺だけを感じて。嫌なこと全部忘れて。」
「は・・い・・・はあっ・・・んっ・・ぁ・・・」
滝が与えてくれる快楽に鳳は心も身体も委ね、他のことは頭の中から消し去る。もっと物
質的に身体を満たして欲しいと、鳳は滝に縋りながら中に出して欲しいとねだった。
「滝さん・・・中に、俺の中に・・・たくさん出してくださいっ・・・」
「えっ、でも・・・」
「お願いします・・・もっと滝さんをいっぱい・・・感じたいんです・・・」
「そんなに言うなら・・・別に俺は全然構わないけど・・・」
「ありがとうございます・・・」
涙を流しつつ、にこっと笑ってそんなことを言う鳳に滝はやられた。思わず中にあるモノ
も大きくなってしまう。
「あぁんっ・・・!」
「ゴメン、長太郎があまりにも可愛いからっ・・・」
「気にしないでください・・・むしろ、そっちの方が俺は嬉しいし・・・」
「長太郎・・・」
「滝さん・・・俺、滝さんと一緒にイキたいです・・・いいですよね?」
「も、もちろんっ!俺も長太郎と一緒がいい・・・」
そんな会話を交わしつつ、二人は唇を重ね、甘いキスをする。どこもかしこも繋がってい
るような感覚に、二人はお互いのことしか考えられなくなる。一際奥で二人が触れ合った
瞬間、二人は同時に達した。

滝と体を重ねたことで、すっかりとろけている鳳は、ぼーっとしながら天井を見上げてい
た。そこへ、飲み物を持ってきた滝が戻ってくる。
「飲み物持ってきたけど、飲む?」
「あっ、はい。すいません。」
「ちょっと、無理させすぎた気がするけど大丈夫?腰とか・・・」
「全然平気ですよ。滝さんがしてくれることですし。」
嘘のない笑顔でそう言われ、滝はホッとする。持ってきた飲み物を飲みながら、滝は鳳
の寝ているベッドに腰かける。
「水、俺が飲ませてあげる。」
「へっ・・・?」
ニヤリと笑って、滝は水を口に含み、口移しで鳳に飲ませた。まさかそんなことをされ
るとは思っていなかったので、鳳は真っ赤になる。
「な、何するんですかぁ。」
「だって、起きるのだるいでしょ?俺ってば、優しいー。」
「もう・・・」
いきなりの滝の行動にドキドキしてしまうが、それが鳳にとっては嬉しくてたまらない。
大事にされていると実感出来る瞬間。それが今の鳳には非常に心地がよかった。
「滝さん・・・」
「何?」
「今日は本当にありがとうございました。」
「長太郎は、俺の大事なお姫様だもん。助けに行って当然でしょ。なんちゃって。」
「ふふ、俺、お姫様っスか?ちょっとごつすぎません?」
「いいの、いいの。」
「でも、今日の滝さんは本当に王子様みたいで格好よかったですよ?」
「本当?ちょっと嬉しいかも。」
そんな冗談めいたことを言いながら、二人は笑い合う。滝のおかげで、鳳の心の傷はす
っかり消え去った。ほんわかとした雰囲気の中、鳳は滝の服をぎゅっと掴んだ。
「滝さん。」
「ん?どうしたの?」
「俺、滝さんのこと大好きです。」
ふいにそんなことを言われ、滝の顔はかあっと赤く染まる。そんな反応をする滝を見て、
鳳はくすくす笑った。
「滝さん、顔真っ赤です。」
「い、いきなりそんなこと言われたらこうなるって。」
「だって、本当のことですもん。」
何故だか照れまくっている滝をからかいながら、鳳は本当に楽しそうに笑う。そんな鳳
の笑い顔を見て、滝も安堵感を覚えながらつられて笑った。本当は起こってはいけなか
った出来事。しかし、鳳は滝がいたことで、それほど大きなダメージを受けずに済んだ。
この出来事で、鳳はさらに滝を好きになるのであった。

                                END.

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