Sugary Afternoon

リクエスト内容『休み時間に教室で甘える宍戸さんに我慢できず、
お持ち帰りする跡部様』

お昼の時間が終わり昼休みに入ると、跡部は一息つこうと、鞄の中から一冊の本を取り出
し、それを広げ読み始める。数行読んだところで、跡部の視界に見慣れた顔がふっと入っ
てきた。
ストン
声もかけようともせず、その人物は跡部の前の席の椅子に座り、跡部と向かい合うような
形で机に両腕をつき、じっと跡部の顔を見上げた。
「何か用か?宍戸。」
「んー、別にぃ。」
「だったら、どうしてそこに座って俺のこと見てるんだ?」
「別にいいじゃねぇか。」
いつもとは少し態度の違う態度の宍戸に、跡部は若干胸がときめくのを覚える。宍戸がこ
んな態度を取っている理由は全く分からないが、とりあえず用がないのなら本を読み進め
ようと、再び本に目を落とす。すると、宍戸がおもむろに手を伸ばし、金色の前髪に指を
絡めるようにして触れてきた。
「何がしてぇんだ?テメェは。」
少し不機嫌気味な声でそんなことを問うと、宍戸はぱっと手を離し、バツが悪そうにそっ
ぽを向いて、ボソっと小さな声で何かをぼやく。
「別にテメェに構って欲しいから、こんなことしてるわけじゃねーんだからな。」
それを聞いて、跡部はふっと口元を緩ませる。そして、くしゃくしゃと宍戸の髪を撫でる
と、本を閉じそれを鞄の中にしまいこんだ。
「本当素直じゃねぇなあ。」
「ウルセー。」
宍戸から構って欲しいというようなことをここまであからさまに表現してくることはそう
そうないので、跡部はニヤニヤしながらほのかに赤くなっている宍戸の顔を眺めた。そん
な視線に気づいたのか、宍戸はさらに顔を染めながら、反抗心に満ちた目で跡部を睨む。
「そんな顔で睨んだって、俺にとっちゃ可愛いとしか思えねぇぜ。」
「なっ!」
「まあ、出来ればもっと素直に可愛く甘えてくれたりしたら、より嬉しいけどよ。」
「んなこと出来るわけねぇだろ!!」
バンっと跡部の机を叩き、宍戸は恥ずかしさから軽く怒鳴る。机を叩く音と宍戸の怒鳴り
声を聞いて、教室にいたクラスメート達は一斉に二人の方を見た。注目されているのに気
づき、宍戸は気まずそうにうつむく。いくら外面的には怒ったように見せていても、心の
中では跡部にもっとちゃんと構って欲しくて仕方がないのだ。
「そんなにイライラしてんなよ。」
「別にイライラなんてしてねぇし・・・」
「別に馬鹿にしたり、笑ったりしねぇからよ、俺様にして欲しいことがあったら素直に言
え。そうしねぇと、またケンカになっちまうだろ?」
せっかく宍戸が自ら自分と接触することを教室内でしてくれているのだ。こんなオイシイ
状況を見逃すわけにはいかない。跡部はなるべく宍戸の機嫌を損なわないような口調でそ
んなことを言う。その言葉を聞いて、宍戸は鼓動が速くなるのを感じる。
「さ、最近さ・・・」
「ああ。」
「跡部、生徒会の仕事とか部活の引継ぎ作業とかで忙しいだろ?」
「そうだな。」
「だから、あんま跡部と一緒に居れる機会も少ないからよ・・・」
「でも、鳳とか他の奴らとつるんでるだろ?テメェは。」
「それとこれとは、話が別だ!俺は跡部と・・・」
そこまで聞いて跡部は思わず顔がニヤけてしまう。最後まで言われなくとも、次に続く言
葉が分かってしまったからだ。
「俺と?」
「俺はテメェともっと一緒に居てぇし、もっとたくさん構って欲しいんだよ!!」
相当恥ずかしいようで、宍戸の目は若干潤んでいる。そんな瞳で見つめられ、そんなこと
を言われたら、理性もぶっ飛んでしまう。跡部は率直に自分に構って欲しいと言ってくる
宍戸の可愛さに我慢出来なくなり、ガタンと立ち上がった。そして、宍戸の手をぐいっと
引き、教室から出て行こうとする。
「えっ?あっ、跡部っ!?」
「テメェがあんまり可愛いこと言ってきやがるから我慢出来なくなった。」
「はぁ!?どういう意味だよ、それ?」
「お持ち帰りしたくなった。」
「だ、だって、まだ昼休みだぜ!午後の授業どうすんだよ!?」
「アーン?んなもんサボるに決まってんだろ。これから俺様の家で十分に構ってやるぜ、
宍戸。」
あまりにも強引な跡部に困惑しまくりの宍戸だが、思いきったその行動に胸がときめいて
いるのも確かであった。午後の授業を真面目に受けるのと跡部に思う存分構ってもらうの
とを天秤にかければ、もちろんその皿は跡部に構ってもらう方に傾く。ドキドキと胸を高
鳴らせながら、宍戸は跡部に連れられるままに教室を後にした。

家に宍戸を連れてきた跡部は、早速自分の部屋へ連れ込みガチャンと鍵をかける。そして、
荒々しく宍戸を自分のベッドの上へ転がした。
ドサッ!!
「わっ!!お、おい、もうちょっと優しくっ・・・」
文句を言う宍戸に覆いかぶさるように、跡部は馬乗りになる。跡部のすっかりその気にな
っている顔を見て、宍戸はドキっとしてしまう。
「今日はそういう気分じゃねぇんだよな。」
「そういう気分じゃねぇって・・・?」
「アーン?分かるだろ?」
そう言って笑うと、跡部は自分の唇を宍戸の唇を重ねる。そして、宍戸の手に自分の手を
しっかり絡め、ベッドに押し付けると、じっくりと弄るように宍戸の口内を自らの舌で犯
した。
「んっ・・ん・・・ふぅ・・・」
久しぶりに跡部に触れてもらえる感覚に宍戸はあっという間に堕ちてしまう。ピチャっと
濡れた音を響かせて跡部が唇を離すと、宍戸は名残惜しそうな表情で跡部の顔を見つめた。
「ハァ・・・」
「物足りねぇって顔してるぜ。」
「う・・・だってよ・・・」
「だって、何だ?」
「跡部にこういうことされんの・・・久しぶりだから・・・もっとして欲しいなあとか、
思っちまって・・・」
「キスは後で存分にしてやるよ。今はもう少し先に進もうぜ。」
もっと進んだことがしたいと、跡部は自分のネクタイを緩め、宍戸の制服を脱がしにかか
る。あらわになった肌の上に、小さいながらも存在感のある胸の突起を見つけ、跡部はそ
れをきゅっと指の先で抓んだ。
「ひゃっ・・あっ・・・!!」
「さすがいつも弄ってやってるだけあるな。いい感度だぜ。」
少し抓んでやるだけでも、大きな反応を見せてくれる宍戸に跡部は気をよくする。両方の
突起を指で弄りながら、跡部はつーっと首から顎に向かって舌を這わせた。
「あっ・・あっ・・・」
喉を仰け反らせ、宍戸はひくひくと体を震わせる。そんな宍戸の反応を楽しみつつ、跡部
は一際強く胸の突起を抓んでやった。
「ああっ・・!!」
ビリッと電気を流されたような刺激に、宍戸はビクンと跳ねる。痛みにも似た強すぎるそ
の刺激は、宍戸のMっ気を発動させるスイッチをONにした。
「そんなに・・・強く抓まれたら・・・痛ぇよ・・・・」
「でも、気持ちいいんだろ?」
「そんなこと・・ねぇもん・・・」
素直に認めない宍戸をもっと素直にさせてやろうと、跡部はもうぷっくりと立ち上がって
いる突起の先にぐっと爪を立てた。
「ひぐっ・・・!」
「痛いよなあ?こんなことされたらよ。」
「あっ・・ひぁ・・・ああっ・・・!」
どう考えても痛いことをしているはずなのに、宍戸の口から漏れる声は快感を訴える甘い
喘ぎ以外の何ものでもなかった。ぐっと力を込めて押しつぶしたり、ふと力を抜いて指を
離してやったりを絶妙なタイミングで繰り返していると、宍戸の声はいっそう高くなって
いった。
「ああっ・・・んっ・・く・・・ひあっ・・ああっ!!」
「胸だけでこんだけ感じられるんだったら、この先はもっといい反応が期待出来るな。」
「あ・・跡部っ・・・ハァ・・・あっ・・・」
ふるふると震えながら、涙を零して宍戸は跡部の顔を見る。あまりにも色香の漂うそんな
宍戸の顔を見て、跡部はぞくっと背筋が震えるような興奮が全身を駆け抜けるのを感じた。
(いつ見てもこの顔はたまんねぇな。)
ドキドキと胸が高鳴るのに任せて、跡部はつっと指を胸から腹を伝ってズボンの縁まで滑
らせる。そんな刺激にも宍戸は過敏に反応する。
「ふああっ・・・」
「ズボン越しでも分かるぜ、ここの形、変わってんの。」
「んなこと・・・言うなっ・・・」
「コレ、どうして欲しい?そのまま放置しとくか?それとも触るか?」
意地悪く笑って跡部は宍戸にそんなことを問う。当然宍戸がして欲しいのは後者だと分か
っているが、あえてそれを宍戸に言わせたいのだ。
「そ、そんなの・・・決まってんだろっ・・・言わなくてもよ・・・」
「俺はテメェの口からそれを聞きてぇんだ。」
「うぅ・・・」
羞恥心を煽られ、宍戸は潤んだ瞳で跡部を睨む。しかし、跡部はニヤニヤしながら、宍戸
が言葉を放つのを待っている。何も言わなければ、自分のして欲しいことをしてもらえな
いと悟った宍戸は、恥ずかしさを噛み殺して、ゆっくりと口を開いた。
「触・・って・・・欲し・・ぃ・・・」
宍戸からおねだりの言葉を聞くと、跡部はニヤリと笑って下着ごとズボンを下ろす。そし
て、すっかり蜜を滴らせている宍戸の熱をきゅっと握った。
「んあっ!!」
「もうすっかりトロトロじゃねぇか。こんなに溢しやがって。」
「ハァ・・・あぅ・・・あっ・・・」
「エロ。でも、マジ可愛いぜ、宍戸。」
ちゅくちゅくと宍戸の熱を何度も擦り上げながら跡部は呟く。跡部に擦られるのが、たま
らなく気持ちよく、宍戸は足を震わせながらひっきりなしに喘いだ。頭がとろけてしまい
そうな快感に宍戸は甘い眩暈を感じる。
「ああっ・・・ひぅ・・んっ・・・はぁ・・・」
「いい反応だな。その反応見てるだけでもかなりクるぜ。」
「あっ・・・跡部に触られんの・・・すげ・・・イイっ・・・」
「当然だろ。俺様を誰だと思ってやがる。テメェのいいところは全部知り尽くしてんだか
らな。」
「はは、だよなぁ・・・んっ・・あ・・・ヤバっ・・・も・・・イキそ・・・」
「イっちまえよ。バッチリ見ててやるから。」
「んな・・・恥ずかし・・こと・・・嫌っ・・・ぁ・・・」
「今更何言ってやがる。ほら、イっちまえ。」
「ひぅっ・・・ああぁ――っ!!」
絶妙に熱を扱かれ、宍戸は跡部の手の中に白濁の蜜を放つ。あまりの気持ちよさに宍戸は
しばらく身体が痙攣するのを止められないでいた。絶頂の甘い余韻に浸り、恍惚とした表
情の宍戸に、跡部は軽く触れるだけのキスを施す。
「イイ顔見せてもらったぜ。」
「ハァ・・・変態・・・」
「アーン?聞き捨てならねぇな、その言葉。」
「恥ずかしいから・・・嫌だっつってんのに・・・」
自分ばかりそういう顔を見られて納得がいかないといった様子で、宍戸は少し拗ねたよう
な口調でそんなことを言う。そんな態度を取る宍戸もこれまた可愛らしいと、跡部はふっ
と笑った。
「そんなに拗ねんなよ。」
「別に拗ねてなんかねーよ!!」
一生懸命に否定の言葉を述べる宍戸の前に、跡部は宍戸の蜜ですっかり濡れた手を差し出
した。自分のものをあからさまに見せられ、宍戸はドキっとする。
「な・・・何だよ・・・?」
「舐めろ。」
「えっ?」
「テメェのだろ?自分で綺麗にしろよ。」
「う・・・」
無茶苦茶な要求をしてくる跡部の言葉に宍戸は困ったような顔を見せる。しかし、頭で考
える前に体が先に動いていた。宍戸は跡部の手首を掴み、指の先から舌を這わせた。
「ん・・・」
ペロペロと白い蜜を舐める宍戸の仕草に跡部の目を釘付けになる。しばらく目をつぶって
跡部の指を舐めるのに夢中になっている宍戸だったが、ふと瞳を開け跡部の顔を見上げる。
あまりに色っぽいその表情に跡部はぞくっとしてしまう。まだ完全には綺麗になっていな
い手を引き、跡部は残りの蜜を自分で舐め、先程まで宍戸が咥えていた指を自分の口の中
へ持っていった。
「あ、跡部・・・?」
「テメェの味。最高だぜ?」
妖しく微笑む跡部に宍戸の顔は火がついたように赤くなる。心臓が喉から飛び出そうな程
高鳴り、信じられないくらい速いスピードで全身に血液が送り出される。そんな興奮状態
にさらに追い打ちをかけるように、跡部は宍戸の蜜と唾液と自分の唾液ですっかり濡れた
指を二本まとめて、宍戸の蕾に挿し込んだ。
「ひっ・・ぅんっ!!」
「結構楽に入っちまうもんだな。」
「あっ・・やっ・・・ぅ・・・」
いきなり指二本を咥え込まされるという刺激に宍戸は言葉にならない声を上げる。中をほ
ぐすかのように指を動かしてやれば、宍戸の身体はビクビクと震えた。
「んぁっ・・・あっ・・・ああっ・・・・」
「テメェの中、俺の指に絡みつくみてぇに吸いついてきてるぜ。」
「ハッ・・・しょうが・・ね・・だろっ・・・・」
「アーン?」
「あ、跡部に・・・弄られてるって思うだけで・・・・体が勝手に反応しちまうんだから
よっ・・・」
息も切れ切れにそんなことを言ってくる宍戸に、跡部はどうしようもなく嬉しくなる。そ
れだったらもっとよくしてやろうと、さらに指を増やし、宍戸の一番感じやすい箇所をぐ
りぐりと刺激した。
「ひあっ・・ああぁ・・・っ!!」
「指、喰い千切られちまいそうだぜ。」
「あっ・・そこは・・・やっ・・ぁ・・・」
「ココは嫌だって?だったら・・・」
ピンポイントで感じる部分は嫌だという宍戸の言葉を聞いて、跡部はわざとその部分を避
け、そのポイントからほんの少しだけずれているところを万遍なく刺激する。一番感じる
場所には決して触れられない焦らされるようなその刺激に、宍戸は次第に物足りなさを感
じ始める。
「ふっ・・・く・・・跡部っ・・・」
「どうした?」
「やっぱ、さっきのトコ・・・して欲しぃ・・・」
「でも、さっき嫌だって言ってたじゃねぇか。」
意地悪く跡部はそんなことを言う。その間にも跡部はぐちゅぐちゅと濡れた音を響かせな
がら、宍戸の中を弄っていた。
「んっ・・・だって・・・そんな焦らされるみてぇに・・・弄られたら・・・・」
「つーか、もう指じゃ我慢出来ねぇんじゃねぇの?なあ、宍戸。」
「・・・っ」
図星を指され、宍戸はひくっと喉を鳴らす。そんな反応をする宍戸を見て、跡部は宍戸の
蕾から指を全て抜いてしまった。
「ふあっ!?」
「さあ、どうする?宍戸。俺様の何が欲しい?」
「うっ・・・ずりぃぞ・・・こんな状況で、そんなこと言うなんてっ・・・」
内側に何もなくなってしまった物足りなさから、宍戸は小刻みに身体を震わせる。跡部の
熱い楔で自分の中を貫いて欲しい、そんなことを心の中で思ったが、羞恥心から宍戸はそ
れを口に出来なかった。
「あ・・跡部の・・・」
かろうじて出た言葉がそれだった。しかし、なかなかその先は言いにくく、宍戸は口を噤
んでしまう。
「俺の?何だよ?ちゃんと言わなきゃ分かんねぇぜ。」
「うぅ・・・マジで言わなきゃダメ・・・?」
「モロにとは言わねぇよ。テメェが言える範囲で、俺にちゃんと分かるように言えればい
いぜ。」
少しは譲歩してやらないと可哀想だろうと、跡部はそう言った。どう言えば跡部に伝わる
かは分からなかったが、宍戸は一生懸命考える。もう身体に疼きも限界に達するというよ
うな状況で、宍戸はぎゅうっと跡部に抱きつき、跡部の耳元で思いつく限りの言葉を紡い
だ。
「も・・・我慢出来ね・・ぇ・・・跡部が欲しい・・・俺ん中に、跡部自身を・・・入れ
てっ・・・」
「・・・・ッ!」
予想以上に直球なおねだりをされ、跡部の理性の糸はぶっつり切れた。ぐっと宍戸の足を
広げるとその中心に自分自身を突き刺す。一番欲しかった場所に跡部の熱がダイレクトに
当たり、宍戸は達してしまった。
「あっ・・・ああぁ――っ!!」
達した衝撃で宍戸の蕾はきゅうきゅうと締まり、跡部の熱を締めつける。その締めつけが
心地よく、跡部は宍戸の熱を感じながら熱い吐息を漏らした。
「ハァ・・・これ、かなりクるぜ。」
「あっ・・あ・・・ぅ・・・」
「まだ、テメェん中、びくびくしてるぜ。」
「はぁ・・・跡部ぇ・・・」
「少し力抜けよ。そんなにしがみつかれてちゃ動けねぇ。」
身体が壊れてしまいそうな程の快感の衝撃に耐えようと、宍戸は跡部の首にしっかりしが
みついていた。しかし、跡部にそう言われ、ゆっくりと腕の力を緩め、全身の力も抜こう
と、宍戸は深く息を吐いた。
「ふ・・ぅ・・・・」
宍戸の身体から力が抜けたのを見計らうと、跡部はより奥へと身を進ませる。深々と跡部
の熱が自分の中へ入ってゆく感覚に、宍戸は全てを跡部に侵食されてしまいそうな錯覚を
感じる。
「んああっ・・・深っ・・・」
「おら、全部入ったぜ。」
跡部自身も呼吸を乱しながら宍戸の中の熱さに浸る。宍戸と繋がっているという実感をも
う少し長い間味わっていたいと、跡部はそのままの状態で、宍戸に深い口づけを施す。
「んっ・・・」
舌の柔らかさや熱さを確かめるかのように、跡部は宍戸の舌を食むように何度も角度を変
えてキスをする。そのキスがひどく心地よく、宍戸はうっとりとしながら、跡部のするこ
とを享受していた。
(全部とかされちまいそう・・・)
全身が痺れるような甘い快感に宍戸はそんなことを思う。とろけるような表情で自分のキ
スを受けている宍戸の顔を見て、跡部は余裕がなくなっていった。
「そろそろ本格的に動くぜ。」
心ゆくまで宍戸の舌と唇を味わった跡部は、ゆっくりと宍戸の唇から自分の唇を離し、優
しく宍戸の頬を撫でながら呟いた。その言葉に宍戸はこくんと小さく頷く。中にある熱を
中を探るように跡部が動かし始めると、宍戸は自らも腰を揺らしながら、甘い声を上げる。
「あっ・・・ひあっ・・・んんっ・・・」
「やっぱ、こういうことはもっとたくさんしねぇとダメだな。」
「何・・で・・・?」
「テメェのそういう顔、もっと見てぇし。それにこういうことしてる時のテメェは素直で
可愛いしな。」
「でも・・・授業サボってまでするのは・・・よくねぇかもな・・・」
今がまだ真昼間で、本当ならば午後の授業を受けていなければならない時間なので、宍戸
は苦笑しながらそんなことを言う。しかし、しなければよかったなどとはさらさら思って
いない。最近跡部に構ってもらえなかった分、十分愛されているような感覚を全身で感じ、
それはもう幸せの絶頂だった。
「跡部・・・・」
「何だ?」
「たまにはさ・・・こういうふうに・・・いっぱい甘えさせてくれよな・・・」
「ふっ、当然だ。テメェが満足するまで存分に愛してやるよ。」
そんな会話を交わしながら、二人はどちらからともなく唇を重ねる。お互いを好きだとい
う気分が十分すぎるほど高まると、身体の方も余裕がなくなる。もう一度奥の奥で繋がる
と二人は同時に絶頂に達し、甘い快楽の海に堕ちていった。

終わってから少し休憩をすると、二人はもともと着ていた制服を着直し、汚れたシーツや
何やらを片付けた。
「はあー、今すっげぇ気分いいぜ。」
「満足か?」
「おう!!」
「さてと、これからどうする?宍戸。」
制服に着替えたからには学校に戻ろうかと考えたが、若干面倒くさい気もする。
「うーん、鞄とかも置いて来ちまったし、とりあえず学校戻らねぇ?」
「宍戸がそうしてぇなら俺はどっちでも構わねぇぜ。」
「あと、今から戻れば部活には間に合うだろ?部活はやっぱ出なきゃだぜ!」
今さっきまであんなことをしていたのに、部活には出るのかと跡部は感心してしまう。
「大丈夫なのかよ?さっきの今で。」
「平気平気。ちょっと腰はだるいけど、テニスはまた別だぜ。」
「さすがだな。そんなにやる気があるなら、今日は特別に俺様が練習の相手してやっても
いいぜ。」
「本当か!?」
跡部が練習の相手をしてくれるということを聞いて、宍戸の目はキラキラと輝く。本当に
テニスバカだなあと思いつつ、跡部は笑って頷いた。
「ああ。本当だぜ。ただし、事後だからって容赦はしねぇからな。覚悟しとけよ?」
「おう!跡部とテニスするのも超久しぶりだから、わくわくするぜ!!」
「ははは、そんだけの気合があるなら大丈夫だ。じゃあ、学校戻るか。」
「そうだな。」
満面の笑みで宍戸は部屋を出ようとする跡部の後について行く。たまには素直に構って欲
しいと言ってみるのもなかなかだなあと思いつつ、宍戸はご機嫌な様子で、跡部の腕に抱
きつくのであった。

                                END.

戻る