Jealous Play

リクエスト内容『岳忍の裏で、岳人嫉妬ネタ』

「さてと、今日は何を借りてこうかなあ・・・」
学校帰りにレンタルショップへ寄った岳人は、DVDのコーナーを適当に見て回っていた。
アクション系のものを中心に見て回っていると、少し先に見たことのある顔が見えた。
「あれ、侑士じゃん!!」
そこに居たのは忍足だった。もちろん忍足が居る場所は恋愛もののコーナーだった。近づ
いて声をかけようと思った岳人だったが、忍足が誰かと喋っていることに気づく。
「へぇ、そうなんですか。」
「この話もなかなかおすすめでな、ストーリーが・・・」
忍足と話をしているのは、立海の柳生であった。柳生も映画やDVDを見るのは好きな方
なので、好きな映画の話題で非常に会話が弾んでいるのだ。そこへ入っていくのが、何と
なく気まずくて、岳人はその場で二人の様子を窺っていた。
「いやあ、私の周りにはここまでいろいろな話が出来る人はいないんで嬉しいですよ。」
「ホンマに?まあ、俺の周りにもそこまで映画好きな奴はおれへんなあ。」
「ですよね。また、機会があれば・・・痛っ!」
楽しそうに話をしていた柳生だったが、突然眼鏡の上から瞳を覆う。
「どないしたん?」
「い、いえ・・・少し目にゴミが入ってしまったようで・・・大したことはありません。」
眼鏡を外して、柳生は少し目を擦りながら目に入ったゴミを取ろうとする。しかし、そう
簡単には取れないようで、柳生は片目からポロポロと涙を流す。
「あー、擦ったらアカンって。」
「す、すいません・・・痛っ・・・」
「ちょっと見してみぃ。」
目を覆っている柳生の手ははがし、忍足は柳生の目を覗き込む。その姿が岳人の居る位置
からは、あらぬことをしているように見えた。
「っ!!」
それがショックで岳人は、忍足から目を背ける。そのため、その後のことを見ることはな
かった。
(侑士のバカバカ!!他校の奴と仲良くなんかしやがって!!あんなん浮気じゃねーか!)
誤解とは言えども、岳人はかなりショックを受け、胸が痛んだ。忍足に腹立たしさを感じ
ながら、岳人は店を出てしまう。
「あー、まつ毛が入ってるみたいやな。」
「そうですか・・・なかなか取れないもんですね・・・」
「俺のツレに何しちょるん?」
岳人に誤解を与えてたことなどつゆ知らず、忍足が柳生と話し続けていると、そこへ仁王
がやってくる。
「あっ、仁王君。どうやら目にまつ毛が入ってしまったようで・・・・」
「どれ?見してみ。」
「はい。」
柳生が仁王に顔を向け、目を開けると、仁王は何の躊躇いもなく柳生に瞳を舐めた。
「ひゃっ!!」
「どうだ?取れただろ?」
「えっ・・・?あっ、本当だ。」
「目に入ったゴミは舐めれば一発ぜよ。ほら、柳生。早く借りるもん借りて帰ろうぜ。」
「そうですね。それでは、忍足君、私はこれで失礼します。」
「あ、ああ。」
今の一連のやりとりを見て、忍足は多少唖然としつつ、何故かドキドキしてしまっていた。
(何かメッチャ見せつけられた気分やな・・・)
見せつけられるだけ見せつけられて、微妙な気分の忍足は、とりあえずラブ・ロマンス系
のDVDをいくつか借りて、柳生と仁王が店を出てからしばらく時間をおいてから、店を
出た。

店から逃げ去るように出てきてしまった岳人は、その帰り道でたまたま跡部と会った。こ
のイライラ感を誰かに話して解消したいと、岳人は跡部を呼び止める。
「おーい、跡部ー!!」
「アーン?何だ、向日じゃねぇか。」
「ちょっと聞いてくれよ、さっきレンタル・ショップで侑士がさあ・・・・」
「俺はもう帰るんだ。大した話じゃねぇなら、聞く気はないぜ。」
「大した話なんだって!!それでちょっと跡部にアドバイスがもらいたくてよ。」
「チッ、仕方ねぇなあ。」
あまり聞く気はなかったが、これから特に急ぎの用事があるわけではないので、跡部は岳
人の話を聞くことにする。道端で立ち話も何だということで、二人は近くの喫茶店に入っ
た。
「で、忍足がどうしたって?」
「そうそう、さっきレンタル・ショップ行ったらさ、侑士が立海の奴と浮気してやがった。
マジ、ムカツクし!!」
岳人のことなので、きっと早とちりの誤解だろうと思いながらも、跡部はそれをあえて否
定しなかった。
「そうかよ。で、テメェは俺様に何ついてのアドバイスが欲しいんだ?」
「跡部はそういうふうなの目撃しちゃったらどうするかなあと思って。」
「そんなの決まってんだろ。お仕置きだ。縛って抵抗出来ないようにして、俺様のもんだ
ってことを身体に刻み込んで、二度とそんなこと出来ねぇようにしてやる。」
ふふんと鼻で笑いながらそんなことを言う跡部だが、岳人からすればそれはかなり過激な
ことであった。しかし、今の心理状態だとそういうことをしてもいいかなあと思ってしま
う。
「で、でもよ、そんなことしちまったら侑士に嫌われねぇ?」
「それはテメェ次第だぜ。お仕置きっつても、別に痛いことばっかするわけじゃねぇし。
むしろ、他の奴らじゃ絶対に与えられねぇような快感を与えて、俺様に夢中にさせるって
のが目的だしな。」
「・・・さすが、跡部だな。」
そういうことをこの場でポンポンと言えるのがすごいと、岳人は心から感心する。そんな
お仕置きならありかもしれないと、岳人の心はそういうことをしたいという方向に傾いて
ゆく。
「それってさ、俺にも出来る?」
「出来んだろ。何だったら道具も貸すし、場所も用意するぜ?」
「マジで!?」
本当に岳人が実行に移すなら、なかなか面白いことになると跡部はかなり乗り気になって
いた。そこまでしてくれるならと、岳人は跡部の好意を受け取ることにする。
「だったら、やるぜ俺は。あんなん絶対ぇ許せねぇもん!!」
「そこまで言うならいいぜ。いろいろ用意してやるよ。」
「おう!!侑士は俺のもんだってこと、分からせてやるぜ!!」
これは面白いことになってきたと、跡部はニヤニヤと顔を緩ませる。岳人の怒りはだいぶ
治まってきていたが、それは跡部の所為であらぬ方向に働こうとしていた。

「それにしても、どういう風の吹き回しやろな?跡部がこないな豪華なホテルの宿泊券く
れるなんて。」
「さあ、またどうしようもない気まぐれなんじゃねぇ?とにかくラッキーだったってこと
で、楽しもうぜ!」
忍足に対する怒りを隠し、岳人は跡部が用意したホテルに忍足を連れてやってきていた。
次の日が休日ということもあり、少しくらい激しいことをしても大丈夫だろうと思いつつ、
岳人はこれからすることの計画を頭の中で練る。この前跡部と話した通り、その部屋には、
様々な道具とそういうことをしやすい環境が整っていた。
「こんなとこに泊まることなんてそうそうねぇから、何していいか分かんねぇな。」
「確かにな。とりあえず、シャワーでも浴びひん?」
忍足のこの言葉を聞いて、岳人はピンときた。跡部の言うお仕置きとやらを、そこで実行
しようと思いついたのだ。
「いいぜ。せっかくだから一緒に浴びようぜ、侑士。」
ニヤリと意味ありげな笑みを浮かべて、岳人はそう忍足に誘いをかける。何も知らない忍
足は岳人の誘いに快く頷いた。
「たまにはええかもしれへんなあ。一緒に入るか。」
「おう!」
目的が目的なので、岳人はどこにどんな道具があるかをあらかじめ跡部に聞いていた。忍
足がシャワーを浴びる準備をしている間に、岳人はそういうことをする準備をする。
「岳人、俺、先にバスルーム行ってんで。」
「おう。俺も準備が出来たらすぐ行くぜ。」
岳人より一足先に忍足はバスルームへと向かう。使いたいものをバスタオルの中にそっと
隠しつつ、岳人もバスルームへと向かった。

岳人より早く入った忍足は先に髪や体を洗うのを済ませておこうと、早めに洗い始めてい
た。
「あれ?侑士、もう洗ってんの?」
「ああ。シャワー一つしかないから、先に洗っといた方がええかなあと思て。」
「ふーん、そっか。そっちの方がいろいろと都合いいもんな。」
する前から体が綺麗になっているのは、都合がいいと岳人はふっと笑う。忍足が体を洗い
終えるのを待ちつつ、岳人は忍足の隣に座った。
「もうすぐ終わるから待ってな。」
「うん。」
忍足の体を包んでいた泡が全て流されると、岳人はここぞとばかりに忍足の手を取る。
「何?岳人。」
「んー、侑士、ちょっと目つぶって両手出して。」
「こう?」
何をするか分からないが、忍足は素直に岳人の言う通りにする。忍足の両手が出されると、
岳人は目にも止まらぬ速さで、その手にガチャンと手枷をはめた。手の自由がきかなくな
ったことに気づき、忍足は慌てるような素振りを見せる。
「な、何すんねん!?」
「さあ、何だろうね。」
「ちょ、岳人、冗談やめ・・・っ!?」
「今日はお仕置きだから、文句は言わせないぜ?侑士。」
ニッと笑いながら、岳人は忍足の口に口枷もはめてしまう。何が起こったか全く理解出来
ない忍足は、喋れない口で必死で何かを訴える。
「んぅー、んん――っ!!」
「侑士、この前、レンタル・ショップで立海の奴と浮気してたよな?」
「んんっ!!んんんっ!!」
そんなことはないと忍足はぶんぶんと首を横に振る。しかし、岳人の目は嫉妬心に燃えて
いた。
「だから、お仕置き。でも、安心しろよ。痛いことはしねぇから。」
「んうぅっ!!んんっ!!」
痛いことはしないと言われてもこの状況は異常だと、忍足は多少嫌がるような素振りを見
せる。いくら手を使えなくしていると言っても、本気で抵抗されたら困ってしまう。そこ
まで激しく抵抗される前に、そんな気をなくさせてしまおうと、岳人は忍足の熱をきゅっ
と握った。
「ん・・うぅっ!!」
「俺がこれを綺麗にしてやるよ。さっき洗ってた様子見た限りでは、そんなに丁寧に洗っ
てるようには見えなかったからな。」
そう言いながら、岳人はシャワーを出し、忍足のそれにお湯をかけながら擦る。普通に使
うより水の勢いを強くしているために、シャワーの刺激はなかなかのもので、擦られる感
覚とあいまって、忍足は心ならずも感じてしまう。
「んぁっ・・・・ふっ・・・んんぅっ!!」
「どうよ?俺、洗うの上手いだろ。侑士のもうこんなになってるもんな。」
「んんっ・・・うぅっ!!」
忍足の反応を見ながら岳人はシャワーの水の勢いをより強くする。一番敏感な部分に熱め
お湯を注ぎ続けられ、忍足はビクビクと体を震わせる。次第に快感は高まってゆき、もう
すぐにでも達してしまいそうになる。
「ふぅ・・・うっ・・・んんんっ!!」
「さてと、これで少しは綺麗になったかな。」
「んっ!?んんっ!!」
あとほんの少しの刺激で達することが出来るというところで、シャワーをかけられるのも、
擦られるのもやめられてしまう。体に疼く熱を放出出来ず、忍足はうるうると目を潤ませ
て、岳人の顔を見る。
「うぅ・・・うう・・・」
もっと触って欲しいということを訴えようとしても、口枷のためにそれを伝えることが出
来ない。忍足がどうして欲しいか分かっていながら、岳人はあえてそこには触れず、つー
っと指を足に滑らせる。
「んんっ・・・!!」
「俺は侑士が超好きだからな。こんなことも出来るんだぜ?」
そう言いながら、岳人は忍足の足首を掴み、その足を自分の口元へ持ってゆく。そして、
その足を舐め始めた。
「んっ・・・んぅんっ!!」
「足舐められるってどんな感じ?気持ちいい?くすぐったい?」
普段ならばくすぐったいとしか感じないだろうが、達する直前まで高められた身体には、
それは快感にしかなりえなかった。忍足の様子を見つつ、岳人は足の指の一本一本を口に
含み、嬲るように指の間を舐める。そんなことをされるのは初めてなので、忍足はくぐも
った喘ぎ声をひっきりなしに漏らした。
「んぐっ・・んっ・・・んぁっ・・・んんっ!!」
「気持ちいいんだ。じゃあ、こっちの足もしてやるよ。」
「ふうぅっ・・・んんっ・・・!」
これ以上そんな刺激は耐えられないと首を振る忍足だったが、岳人は容赦なくもう片方の
足を舐めた。その瞬間、忍足の熱は弾け、白い蜜を迸らせる。
「んん――っ!!」
パタパタと床に落ちる白い雫を見て、岳人はニヤリと笑った。
「足舐められてイクなんて、侑士、やらしいー。」
「ふっ・・・うう・・・」
どうしてこんなことをされなければならないのかと、忍足はポロポロと涙を流す。その涙
が岳人にとっては、さらに興奮を煽る材料となった。
「泣いてる侑士、超可愛い。口枷越しの声も悪くねぇけど、そろそろちゃんとした声聞き
てぇかも。」
涙を拭うかのように頬にキスしながら、岳人は忍足の口を塞いでいた口枷を外す。先程ま
では、言いたいことが山ほどあった忍足だが、一回イカされたことで頭の中が真っ白にな
ってしまう。
「ふはっ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
「そろそろ後ろも弄ってやらねぇとな。」
シャンプーやボディソープと一緒にならんでいるボトルに手をかけ、岳人はその中身を手
に垂らす。ヌルヌルとしたそれは、甘い花の香りを漂わせ、忍足の意識をぼーっとさせる。
「んあっ・・・!!」
甘い香りのローションで濡れた手を忍足の蕾に持ってゆき、岳人は指をその中に埋め込む。
ローションの滑りのおかげで、ほとんど抵抗なくその指は内側に入っていった。
「すっげぇ簡単に入っちまった。やっぱ、こういうの使うと違うな。」
「が、岳人ぉ・・・あっ・・・ひあっ・・・!!」
くちゅくちゅと音を立てるように、岳人は忍足の蕾の中を弄る。何本かの指を使って、そ
こを慣らしてゆくと、忍足の腰が次第に揺れてくる。誘うように動く腰の動きに、岳人は
ごくりと唾を飲む。
「ココ、弄られてそんなにいいのかよ?すっげぇ腰揺れてるぜ。」
「んっ・・はぁ・・・その、トロトロがぁ・・・」
「ふーん、そっか。じゃあ、もっとたくさん使ってやるよ。」
忍足がローションの所為でいつもより感じていると分かると、岳人は忍足の体を反転させ、
四つん這いにさせる。そして、ローションのボトルの口を蕾に押し当て、それを傾ける。
「ひっ・・・やああぁっ!!」
直接ローションが注ぎ込まれる感覚に、忍足は悲鳴にも似た嬌声を上げる。存分に注ぎ込
み、中がトロトロになったのを確認すると、岳人はキュポンとそのボトルを抜いた。
「あっ・・・ああ・・・中・・・が・・・・」
「すげぇ・・・今にも溢れてきそうだぜ。」
「こんなん・・・ダメぇ・・・・岳人っ・・・助け・・・」
「ああ、そのままじゃ確かにキツイよな。安心しろよ、ちゃーんとイイモノ入れてやるか
ら。」
そう言いながら、岳人はコードのついたピンクローターを忍足の中に入れる。たっぷり注
がれたローションのおかげで、何の抵抗もなく入ったが、無機質独特のその異物感に忍足
はぶるりと体を震わせる。
「ひぁっ・・んっ!」
「スイッチON。」
カチカチ・・・
何の躊躇いもなしに岳人はコードの先についているスイッチを最強レベルにまで動かす。
中を激しく掻き回されるような刺激に、忍足は悲鳴を上げる。
「やああぁぁっ!!ああぁ――っ!!」
バイブ音とローションが掻き回される濡れた音がバスルームの中に響く。それらに忍足の
嬌声が重なり合い、岳人は体を巡る血が沸騰したように熱くなるのを感じる。
(うわあ、これはかなりヤバイかも。メチャメチャ、クる・・・)
「ああぁ―っ!!岳人っ・・・止め・・・止めてぇっ!!」
「嫌。」
「中・・・おかしくなってまう・・・ひっ・・ああぁんっ!!」
「じゃあ、俺のこと好きって言って。心を込めて。そうしたら、これは止めてあげてもい
いぜ。」
「俺、岳人のことっ・・・好きやっ・・・好きっ・・・岳人・・・あああぁんっ!!」
内側をぐちゅぐちゅと掻き回される刺激に耐えきれず、忍足は岳人に“好き”という言葉
を伝えながら、達してしまう。快感に溺れながらの告白を聞いて、岳人はドキドキと胸が
高鳴り、この前のことなどもうどうでもよくなってしまった。
カチカチ。
「んくっ・・・うっ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
約束通り岳人はローターのスイッチを切った。そのままローターを中から引き抜くと、蜜
が溢れてきているかのように、中に注がれていたローションが忍足の内腿をつたう。それ
を見て、岳人はもう我慢が出来なくなった。
「侑士・・・」
忍足の乱れた姿を見てすっかり高まっている熱を蜜の溢れる忍足の蕾に突き刺す。ロータ
ーを抜かれて弛緩した体がまた一気に緊張する。
「ひああぁぁっ!!」
「侑士ん中、トロトロで熱くて気持ちイイ。侑士は?侑士は俺に突っ込まれて、どうなん
だよ?」
「あはっ・・・あぁんっ!熱いっ・・・熱くて・・・あっ・・・ひあぁっ!!」
「ちゃんと言って。そうしたらもっとよくしてやるぜ。」
「き、気持ちエエ・・・気持ちよすぎてっ・・・中、とけそうや・・・」
「手縛って、玩具使って、こんなに無理矢理してるのに?」
「だって・・・岳人やもん・・・好きな奴にやられるんやったら、そういうのも・・・あ
りなんちゃうん・・・?」
そんなことを言ってくる忍足に、岳人は罪悪感を感じてしまう。跡部に言われてこんなこ
とをしてしまったが、少しやりすぎたと岳人は思った。後ろからぎゅっと忍足を抱きしめ
るようにしながら、岳人はボソッと謝罪の言葉を述べた。
「ゴメンな、侑士。いくらなんでも、これはやりすぎだったかも。侑士はちゃんと俺のこ
と好きなのに。立海の奴と浮気なんて絶対ありえないよな。」
「んー、まあ・・・せやな。岳人は・・・早とちりやから・・・けど、誤解されるような
ことした・・・俺も悪いし・・・」
「侑士は何にも悪くねぇよ。俺が全部悪い。」
「そう思うんやったら・・・ちゃんと岳人ので俺のこと気持ちよくさせて・・・最高にえ
え気分でイカせて・・・?」
「侑士・・・」
本当に最後まで嬉しいことを言ってくれると、岳人はきゅんと胸が熱くなる。そんなこと
を言われてしまったら、これはもう存分に気持ちよくさせてやらないとということで、岳
人は忍足を激しく優しく後ろから責めた。
「ふあっ・・あっ・・・ああっ・・・あぁんっ!!」
初めはあまりにも無理矢理されている感たっぷりで、少々腹の立っていた忍足だったが、
ここまでくればもうそんな気持ちはどこかへ消え去ってしまう。岳人が自分の中で動き、
敏感な内側を擦られるたびにとろけるような快感を感じる。それが忍足の心を夢中にさせ、
岳人への愛しさが溢れんばかりに募ってくる。
「岳人・・・好きぃ・・・んあっ・・・ああぁっ・・・」
「俺も、俺も侑士のこと・・・くっ、もうヤバイかもっ・・・」
「んああっ・・・そないに動かれたらっ・・・ひっ・・あっ・・あ・・・」
絶頂感が高まってくるのを感じ、岳人は動きを激しくする。動きが激しくなれば、忍足が
感じる快感も必然的に高まる。その快感が最高到達点まで達すると、二人はほぼ同時に熱
い雫を迸らせた。
「うあっ・・・侑士っ!!」
「あっ・・あっ・・・もう・・・アカンっ・・・ひあ・・・ああぁんっ!!」
体がとろけて一つになるような快感の中で、二人はお互いの本当の気持ちを感じあい、相
手に感じていた不満を綺麗さっぱり消し去るのであった。

バスルームということもあり、普段よりその後始末は簡単で、もう一度体を洗うと、二人
はゆっくりと湯船に浸かった。
「侑士、怒ってる?」
いつもより忍足が無口なので、岳人は恐る恐るそんなことを尋ねてみた。しかし、忍足は
苦笑しながら首を横に振る。
「別に怒ってへんよ。岳人が早とちりで、突拍子もない行動に走るのはいつものことやん。」
「じゃあ、何でそんなに黙ってんだ?」
「いや・・・ちょっとな。」
どこか困ったような表情で、忍足はそんなことを言う。やはり、自分のしたことがよくな
かったのかと、岳人は心配そうに忍足の顔を眺めた。
「あー、そんな顔で見られたら、何か心苦しいやん。」
「だって・・・」
「ホンマに岳人に対して怒ってるとかはないから安心しぃ。」
「だったら、何で・・・」
「いやあ、ほんの少しだけだけどな・・・宍戸の気持ちが分かるなあと思うて。」
「は?宍戸??」
いきなり予想もしていなかった名前が出てきて、岳人はきょとんとしてしまう。どういう
ことなのかさっぱり分からないと、岳人は首を傾げた。
「今日は・・・手縛られて、口塞がれて、ホンマに無理矢理されたやろ?」
「ま、まあ、そうだな。」
「それが何や初めは腹立ったんやけど、してくうちにドキドキしてきて・・・いつもより
感じてまうっていうか・・・何かそうされてることが気持ちよくなってきて・・・・」
「侑士、マゾだったの?」
「ちゃうわ!!・・・と思うけど。」
「何でそこで思うけどになるんだよ?あはは、それで宍戸の気持ちが分かったになるのか。」
忍足の爆弾発言を聞いて、岳人はケラケラ笑う。あの跡部と付き合っているのだから、宍
戸はマゾ以外の何者でもない。しかし、そう考えれば岳人自身も跡部の気持ちが分かるな
あと思ってしまう。
「そしたら、俺も跡部の気持ち結構分かるかも。」
「跡部の?何でや?」
「だって、侑士の泣き顔とか嫌がってる素振りとか、結構いいなあと思っちゃったもん。
まあ、そんなに毎回はしたいとは思わないけど。」
「というか、今回のは跡部が半分加担しとんのやろ?このホテルにしろ、さっき使った道
具にしろ。」
「あ、あはは・・・まあね。」
「全く跡部も岳人にどうしようもないこと、吹き込んでくれたなあ。」
岳人一人だけではあそこまでは出来ないと、忍足は跡部に対する愚痴をこぼす。しかし、
そこまで本気で怒っているわけでもない。
「くせになったらどないすんねん・・・」
「えっ?」
「い、いや、別に何でもあらへんよ!今のは聞かなかったことにしといてや。」
「あんまり何言ってるか聞こえなかったけど・・・」
「ならええわ。ほ、ほら、岳人、そろそろ出ないとのぼせてまうで。」
思わず口から出てしまった言葉を誤魔化すかのように、忍足は笑いながら繕う。変だなあ
と思いながらも、岳人はそれほど気にせず湯船から上がった。
「あっ、そうだ!侑士。」
「何や?岳・・・」
振り向きざまに岳人は忍足の唇にキスをする。突然のキスに忍足はドギマギしてしまう。
「えっ・・あ・・・?」
「今日はまだしてなかっただろ?だから。」
「あー、そう・・・」
唇を押さえながら忍足は血液が顔に上ってくるのを感じる。お湯にはのぼせてないが、こ
れでは岳人にのぼせてしまうと思いつつ、岳人の後をついて行き、バスルームを後にした。
(ヤキモチやかれようが、あんなことされようが、やっぱ俺、岳人のことホンマに好きな
んやなぁ・・・)
自分の胸のときめきっぷりに忍足はそんなことを思う。火照る体を持て余しつつ、忍足は
自分のあまりの岳人好きさにふっと微笑うのであった。

                                END.

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