Love teacher

リクエスト内容『岳忍で、学園パラレルの岳人と忍足さんの立場が
逆転して、岳人が先生で、忍足さんが生徒(裏)』

転校してきたばかりの頃、なかなか学校に馴染めずにいた俺に、子供みたいなキラキラし
た笑顔で話しかけてくれたセンセイ。俺より全然ちっちゃくて、子供っぽいくせに、時々
とても大人びた顔を見せる。幸運にも、俺は三年間、そのセンセイが担任をするクラスや
った。あのお日様みたいな笑顔が毎日毎日側で見れて、俺はホンマに幸せやった。けど、
最近はそれだけじゃ物足りひんくなってきとる。もっと俺だけを見て欲しい、俺に触れて
欲しい、そんな想いが日に日に大きくなって、我慢出来なくなっていった。
「岳人先生。」
「ん?どうした?侑士。」
帰りのHRが終わると忍足は、岳人に声をかける。今日、忍足は大きな賭けに出ようとし
ていた。この賭けに勝てば、これからの生活はより充実した幸せなものになる。しかし、
もし、この賭けに負ければ、感情を殺して生活することを余儀なくされる。そんな危険な
賭けに出ようと思ったのは、この三年間心の内に秘めていた想いが、もう胸の中にしまっ
ていられなくなったからだ。
「今日の放課後、時間ある?」
「んー、今日は職員会議があるから、その後なら別に平気だけど、結構遅くなっちゃうと
思うぜ。」
「別に構へん。待っててええ?」
「下校時間過ぎちまうから、本当は帰らせなきゃいけないけど、そんな大切な用なのか?」
「ああ。メッチャ大事な用や。」
「そこまで言うならいいぜ。教室で待ってると、日直の先生に帰れって言われちまうから、
そうだな・・・進路指導室で待ってろよ。」
「分かった。岳人先生が来るまでずっと待ってるからな。」
「おう。じゃ、また後でな。」
また後でと言われて、忍足はきゅんと胸がときめく。岳人が教室から出るのを見送ると、
忍足は小さく溜め息をついて、胸をぎゅっと抑えた。
「はぁ・・・心臓爆発しそうや。」
これから自分がしようと思っていることを考えると、忍足の鼓動は、まるで長距離を走っ
た後のように、ひどく速くなる。しかし、今日伝えると決めたのだ。逃げてはいけないと
勇気を振り絞り、忍足は進路指導室へ向かった。

「だいぶ遅くなっちまったな。侑士の奴、何の用だろ?何か大事な用とか言ってたけど。」
思ったよりも職員会議が長引いてしまったので、岳人は早足で忍足の待つ進路指導室に向
かう。下校時間はもうとっくに過ぎているので、校舎内に残っている生徒はほとんどいな
かった。
ガラッ・・・
「悪ぃ。職員会議、長引いちまって。だいぶ待ったよな?」
いきなり扉が開いて、忍足はドキッとしてしまう。しかし、そんな動揺を隠すかのように
忍足は、ふっと笑って座っていた椅子から立ち上がった。
「大丈夫やで。そんなに長く感じひんかったし。」
「そ、そっか。ならよかった。」
いつもとは少し雰囲気の違う忍足を前にし、岳人は何となくドキドキしてしまう。
(何か・・・侑士の奴、いつもと雰囲気が違う・・・?)
「で、俺に用って何だよ?何か勉強で分からないところでもあるのか?それとも、進路に
ついてか?」
「どっちでもあらへん。」
「じゃあ、何だよ?すげぇ大事な用なんだろ?」
「・・・・・」
確かに大事な用ではあるが、そう簡単に言えることでもない。うつむいて何も言わない忍
足を心配して、岳人は立ち尽くしている忍足に近づき、肩に手を置く。
「侑士?大丈夫か?」
「あっ・・・えっと・・・」
「?」
いきなり率直には伝えられないと、忍足は口をぱくぱくさせ、何から話そうか必死に考え
る。
「あ、あのなっ、岳人先生・・・」
「おう。」
「岳人先生は、今付き合ってる人とか好きな人とかいるん?」
「えっ?い、いきなり何だよ!?ま、まあ、付き合ってる奴はいないけど・・・好きな奴
は・・・・」
好きな人がいるというニュアンスの言葉を聞いて、忍足は胸がズキンと痛むのを感じる。
「・・・好きな人は、いるんか?」
「好きな人っつーか、気になる奴って感じだけど・・・」
「どんな人・・・?」
恐る恐る忍足は震える声で聞いた。もし、岳人に好きな人がいるならば、自分の想いを伝
えるのは、迷惑なことになってしまう。
「俺よりかなり年下なんだけどな、普段は冷静沈着でかなり大人っぽい感じなんだけど、
ふとしたことで熱くなったり、子供っぽくなったりするんだ。」
「・・・・・」
岳人の言葉に耳をふさぎたいような気持ちになりながら、忍足は黙って岳人の言うことに
耳を傾ける。
「男のくせにラブロマンス映画が大好きだとか言ってるし、好きな曲はひとむかし前の歌
謡曲とか演歌だったりとか、かなり変わった奴なんだよ。苦手なものは俺の大好きな納豆
で、一年生の時にこの学校に転入してきた。目はすげぇいいくせに、伊達眼鏡かけてる本
当変な奴なんだぜ、侑士。」
ニッと笑い、少し照れながらそんなことを言ってくる岳人の顔を、忍足は信じられないと
いうような瞳で見つめる。
「たぶん侑士もよーく知ってる奴だと思うぜ。」
「・・・・そんな奴、一人しかおらんやん。」
「そうだな。」
「岳人先生の気になってる人って、そいつなん?」
「そうだぜ。でも、立場上さ、こっちからそういうこと言うのはよくないと思って。」
「そないなことあらへん!!」
岳人の好きな人というのが、自分を指していると理解した忍足は強い口調で言う。もう何
も恐れることはない。正直に自分の気持ちを伝えようと、忍足は心に決めた。
「岳人先生。俺、岳人先生のこと大好きやねん。初めて会った時からずっと・・・一年生
の頃からずっと岳人先生のことが好きやった。最近はもう好きすぎて、自分の気持ちが抑
えられへん。だから、今日、そのことを伝えようと思て・・・」
「侑士から言ってきてくれるんなら、先生はそれに答えなきゃだよな。」
「えっ・・・?」
「俺も侑士のこと大好きだぜ。俺も初めて侑士を見つけた時から、もうハマってたのかも
しれねぇな。」
「岳人先生・・・」
出会った時から、お互いに惹かれ合っていたことを知り、忍足は胸の奥がじんわりと熱く
なる。今までに感じたことのないほどの胸の高鳴りと高揚感。もっともっと岳人を全身で
感じたいと、岳人の手を握った。
「俺、岳人先生にたくさん触って欲しい。で、俺のことだけ見といて欲しい。」
「侑士、好きな奴にそんなこと言われたら、男ってのは我慢出来なくなっちまうんだぜ?」
「俺がして欲しいと思うてるんやから、ええやろ?」
「ったく、本当侑士はマセガキだよな。」
「ガキやない。なあ、して?先生。」
ドキッとするような表情でそんなことを言われ、岳人は我慢出来なくなってしまう。少し
奥にあるソファに忍足を座らせると、岳人は忍足の唇にゆっくり口づけながら、ネクタイ
に手をかけ、それを解いていった。

柔らかな耳朶にキスをしながら、岳人は忍足のぷっくり赤くなった胸の飾りを指でコリコ
リと弄くる。岳人に触れられているという感覚に、忍足は頭の中がとろけてしまいそうな
気持ちよさを感じていた。
「ふぁっ・・・あん・・・」
「侑士、可愛いぜ。」
「ひゃあっ・・・岳人せんせ・・・耳元で喋らんといてぇ・・・・」
「侑士って、耳が弱いんだな。だったら、こうしたらどうよ?」
耳元で囁くだけで、可愛らしい声を上げる忍足に岳人はもっと悪戯したくなる。耳の穴の
部分をくすぐるように舐めると、忍足はビクビクと身体を震わせた。
「んんっ・・・ああっ!!」
あまりにもよい反応ばかりを見せてくれる忍足に、岳人も興奮してきてしまう。こんなに
感じているのなら、下の方もさぞかし大変なことになっているだろうと、岳人は忍足の熱
の中心にすっと手を持っていった。
「やっ・・・そこは、ダメっ・・・」
「嘘吐くなよ。もうすっかり硬くなってんじゃん。」
「で、でも・・・」
「自分じゃ絶対出来ないような気持ちイイことしてやるよ。」
そう言うと、岳人はすっかり硬くなっている熱を取り出し、パクンと自分の口に含む。ま
さかそんなことまでされるとは思っていなかったので、忍足は驚いて目を見開く。抵抗し
ようと思ったが、そこから与えられる刺激があまりにも気持ちよすぎて、力が抜けてしま
う。
「はぁんっ・・・そんなん・・アカンっ・・・あっ・・・」
「ココは全然嫌がってねぇみたいだけど?」
「そないなことされたら・・・で、出ちゃ・・・」
顔を真っ赤にして、そんなことを言ってくる忍足に、岳人はより興奮を煽られる。これは
もうイカせるしかないと、岳人はくちゅくちゅと忍足の熱を口の中で弄った。
「ひあっ・・あぁ・・・んぅっ!!」
岳人の舌技に忍足はすっかり堕ちる。岳人の髪を掴み、ぶるぶると下肢を振るわせる。脳
天を突き抜けるような快感が、体中を巡り、忍足の心をトロトロに溶かしていった。
「あっ・・・んっ・・・岳人せんせっ・・・もう・・・出るっ・・・あ・・・・」
今までに感じたことのないほどの絶頂感が忍足を襲う。そんな初めて味わう感覚に耐えら
れず、忍足は岳人の口内に熱い蜜を放った。
「ふあっ・・・ああぁ――っ!!」
忍足の甘い声を聞きながら、岳人は放たれた蜜を喉を鳴らして飲み込む。一滴も残さず飲
み込むと、岳人は忍足のそれから口を離した。
「どうよ?なかなかのもんだろ?」
荒い息を吐く忍足に、岳人ば舌なめずりをしながら尋ねる。こんなに気持ちいいことは今
までに経験したことがなかったので、忍足は素直に頷いた。
「岳人先生・・・」
「ん?何だよ?」
「今の・・・俺も岳人先生にしたい。」
「えっ?」
まさかそんなことを忍足が言ってくるとは思わなかったので、岳人は自分の耳を疑った。
「お前、何言って・・・・」
「アカン?」
「う・・・」
潤んだ瞳で首を傾げられてそんなことを言われたら、ダメとは言えない。予想だにしなか
ったことにドキドキしながら、岳人は忍足の要求を受け入れる。
「別にダメじゃねぇけど・・・」
「なら、する。」
岳人の許しを得ると、忍足は目を輝かせて岳人のズボンに手をかける。忍足の反応を見て
いたために、岳人の熱も相当昂っていた。自分以外のモノをここまでまじまじと見ること
は滅多にないので、忍足はドキドキと胸を高鳴らせる。
「・・・・っ」
パクッと忍足の口に自分のモノが入ると、腰の辺りに淡い痺れを感じる。岳人にとっても
その感覚は初めてのものだった。
(すごい熱い・・・けど、そんなにやな味はせんなぁ・・・・)
岳人の熱を咥えながら、忍足はそんなことを思う。どう口を動かしていいのか分からない
ので、忍足はアイスキャンディーを舐めるような要領で、岳人の熱を舐める。
「う・・・」
「ふはぁ・・・岳人先生、気持ちええ?」
「お、おう。侑士、こういうことすんの初めてだよな?」
「当たり前やろ。ずっと岳人先生のことが好きやったのに、他の奴にやったことあるはず
ないやん。」
「だよなあ。いや、あんまりにも上手いからさ。」
「ホンマ?だったら、俺、もっと頑張るわ。」
岳人に褒められ、忍足は嬉しそうな顔で笑い、再び岳人のそれを口に含む。笑顔と口に含
まれる刺激の相乗効果で、岳人の熱は一気に高まってしまう。
「ヤバっ・・・侑士、そろそろ出るっ・・・」
「んっ・・・んん・・・」
「くっ・・・ぅ・・・」
「んくっ・・・!・・・はっ・・・」
思っていたより勢いよく口の中に放たれ、忍足は口を離してしまう。口に入らなかった蜜
は忍足の顔にかかり、赤く染まった頬は白い雫で汚れた。
「あっ、悪ぃ。顔にかかっちまったな。」
「別に平気やで。岳人先生のやし。」
「ったく、本当お前はどれだけ俺のこと煽るんだよ。」
忍足の放つ言葉、一つ一つにドキドキしてしまい、岳人は軽く溜め息をつきながら苦笑す
る。忍足の顔についている白い雫を指で拭うと、岳人はその手を半勃ちの熱の奥へと持っ
てゆく。
つぷ・・・
「ひゃっ・・・痛っ!!」
閉じていた蕾に突然指を入れられ、忍足の身体はビクンと跳ねる。自分の放った蜜の滑り
を使って、岳人はその蕾をゆっくりと解してゆく。
「やっ・・あっ・・・そないなトコ・・・ダメぇ・・・」
「初めは少しだけ痛いかもしれねぇけど、少し我慢して。」
「んっ・・・いっ・・・ああっ・・・・」
触れられたことのない内側を弄られ、忍足は首を振って今まで感じたことのない刺激に耐
える。ほんの少しそこが緩んできて、岳人の指が少し奥まで入り、とある部分に触れた瞬
間、忍足の身体はビクッと震えた。
「あっ・・・あぁんっ!!」
「ここらへんか。ここなら気持ちイイ?」
「ひあっ・・・そこっ・・・ダメっ・・・・!」
「痛いよりはいいだろ?」
「ひあぁんっ・・・あっ・・・あっ・・・」
忍足の感じるスイートスポットを発見した岳人はそこを中心に責め、着実にその入り口を
解してゆく。痛みよりも快感の方が圧倒的に上回ってしまった忍足は、ビクビクと身を震
わせながらも、なんとか岳人の指から逃れようとする。しかし、力の入らない身体ではそ
れは全く叶わなかった。
「んあっ・・・岳人せんせ・・・そこばっかされたらっ・・・イっちゃ・・・」
「別に我慢する必要ないんだぜ。イキたいなら好きなだけイけよ。」
後ろだけで達けるのなら、それはそれで好都合だと、岳人はぐりっとそこを少し強い力で
押した。
「ひぅっ・・・ああぁんっ!!」
内側から前を刺激されるような感覚に、忍足は我慢出来ずに達してしまう。放たれた蜜は
茎の側面を伝い、蕾のところまで滴り、岳人の指をより動かしやすくさせた。
「侑士ので、さっきより動かしやすくなったぜ。これならもう一本入りそうだ。」
くちゅ・・・
「あっ・・・ああっ・・・!」
もう一本指を増やされると、忍足は思わず腰を浮かす。しかし、すっかり慣らされた蕾は
岳人の指をしっかりと咥え込み、より深いところへ導こうとやらしく収縮を繰り返してい
た。
「ほら、もう痛くねぇだろ?」
「痛くはないけど・・・中、変や・・・」
「変?どのへんが?」
ニヤリと笑って、岳人は中にある指をぐるりと動かす。壁全体をなぞられるような刺激に
忍足は甘い声を漏らす。
「ひあ・・んっ・・・中、全部っ・・・岳人・・先生に・・触られてるトコ・・・」
「触られるトコが、どうなんだよ?」
「ひくひくなって・・・熱うなって・・・」
忍足が言葉を紡いでいる間にも、岳人は指の動きを止めようとはしない。断続的に与えら
れる刺激に忍足はすっかりハマっていた。
「あっ・・ん・・・・メッチャ・・・気持ちええ・・・」
その言葉を聞いて、岳人はもう我慢出来なくなった。指を抜き、その代わりに硬く熱くな
った楔を熟れた蕾に突き刺した。
「いっ・・ああぁ――っ!!」
突然思ってもみないような質量のものが内側に埋め込まれ、忍足は悲鳴にも似た声を上げ
る。
「うわっ・・・キツ・・・」
「あっ・・あ・・・岳人・・せんせぇ・・・」
「悪ぃ・・・少し急ぎすぎた。」
「んっ・・・平気や・・・このくらい・・・・」
申し訳なさそうにしている岳人の顔を見て、忍足は苦しそうな息を吐きながらも、そんな
ことを言う。せめて全部入れてしまえば、そのまま少し動かずに慣らすことが出来るだろ
うと考え、岳人は忍足の頭を撫で、優しく耳元で囁いた。
「侑士、もうちょっと力抜けるか?息をゆっくり吐いて。」
「んっ・・・ふぅ・・・」
岳人に言われた通り、忍足はゆっくりと息を吐き、身体から無駄な力を抜こうと努める。
身体の力が抜け、少し蕾の入り口が緩んだのを見計らい、岳人は自身を一気に忍足の中へ
と埋め込んだ。
「ひっ・・・あっ・・・!!」
「ハァ・・・よし、全部入ったぜ。」
「すご・・・中・・・岳人先生で・・・・いっぱいや・・・」
「少しすれば慣れると思うから。それまで、キスしててやるよ。」
忍足の内側が自分の大きさに慣れるまで、岳人は忍足の顔にたくさんの口づけを施す。大
好きな岳人と繋がりながら、たくさんのキスを受け取る。それは忍足にとって、この上な
く心地よい瞬間であった。
「ハァ・・・岳人せんせ・・・そろそろ・・・」
「ん?何?」
「そろそろ・・・動いて・・・?」
「いいのかよ?」
「動いた方が・・・岳人先生も・・気持ちええんやろ・・・?」
「ま、まあ、確かにそうだけどよ・・・」
「それに・・・俺も・・・動いて欲しいと思うとるし・・・」
恥ずかしがるような表情を見せ、そんなことを言ってくる忍足に、岳人はきゅんとしてし
まう。忍足がそう言うなら動いてやろうと、ゆっくりとその腰を動かし始める。
「う・・あっ・・・」
「大丈夫か?本当に?」
「ホンマに・・・ホンマに平気やから・・・岳人先生のしたいように・・・して・・・」
そこまで言うならと、岳人は自分のしたいように忍足の中を抉った。多少苦しそうな声が
混じるが、忍足が放つ声は明らかに快感に濡れた艶やかな声であった。そんな忍足にすっ
かり心を奪われながら、岳人はその甘美な時間を存分に味わう。
「あっ・・ふあっ・・・せんせぇ・・・」
「侑士・・・可愛いぜ。これからは、俺の生徒じゃなくて、俺の恋人だな。」
「ホンマに・・・?」
「ああ。だって、俺、侑士のことこんなに好きなんだぜ?」
「メッチャ嬉しい・・・岳人先生・・・」
岳人の言葉を聞いて、忍足は本当に嬉しそうな顔をしてニッコリと笑う。その笑顔にやら
れた岳人は、図らずも忍足の中で達してしまった。
「うぁっ・・・侑士っ!!」
「んあっ・・・ああぁ――っ!!」
中に熱い蜜を放たれ、その衝撃で忍足も達する。三年越しの想いが実を結び、お互いの熱
を介して、その身に染み込んでゆく。とろけるような快感とこの上なく幸せな一体感。ど
ちらもその顔に微笑みを湛え、心が満たされる感覚にしばらく浸っていた。

「よし、綺麗に掃除もしたし、戸締りもチェックしたし、オッケーだろ。」
ソファや床を綺麗に掃除すると、岳人はジャケットを羽織り、時計を見る。
「うわ、もうこんな時間じゃん!!侑士、立てるか?」
「ああ、平気やで。もうだいぶ休めたし。」
「今日はすごいことしちまったな。これバレたらヤバイよなあ・・・」
「大丈夫なんちゃうん?」
帰り支度をしながら、忍足は全く慌てる様子もなくそう言い放つ。どうしてそこまでキッ
パリ言い切れるのか、岳人にはさっぱり分からなかった。
「何でそう言い切れるんだよ?」
「あれ?岳人先生は知らんの?」
「何が?」
「社会の跡部先生とA組の宍戸は付き合っとるし、司書の滝と二年の鳳も出来てるで。あ
と、体育の黒羽先生と二年の天根も付き合っとるって噂があるし、先生同士でもいくつか
カップルがあるみたいやで。」
「へぇー、そうなんだ。全然知らなかった。」
「しかも、学校内でさっき俺と先生がしてたみたいなこともしてるらしいし。だから、別
に平気やろなあと思て。」
「なるほどな。じゃあ、意外と堂々と付き合えるってことか。」
「んー、でも、俺としては学校では今まで通りで、二人きりになったら、恋人みたいなこ
として欲しいなあと思うんやけど。」
「まあ、侑士がそうしたいなら俺は別に全然構わないぜ。あっ、こんなことしてる場合じ
ゃねぇんだ!早く帰んねぇと、侑士の親御さん心配すんだろ。もうこんな時間だし。」
「せやな。」
「もう遅いから俺が家まで送ってやるよ。それなら安心だろ?」
岳人の言葉に忍足はコクンと頷く。家まで一緒に帰れるということが嬉しくて、忍足はふ
っと口元を緩ませた。
「・・・なあ、岳人先生。」
進路指導室を出たところで、岳人の服を軽く掴み、忍足は立ち止まった。
「ん?どうした?」
「もう俺と岳人先生は恋人同士なんやろ?」
「そうだな。お互い好き同士だし、既成事実も作っちゃったし。」
「なら、もっかいだけキスしてくれへん?」
まさかここでそんなお願いをされるとは思っていなかったので、岳人は少し驚くが、そん
な可愛いお願いをされたら、しないわけにはいかない。
「しょうがねぇなあ。いいぜ。」
周りに誰もいないことを確認すると、岳人は忍足の唇にちゅっと触れるだけのキスをする。
それだけでも忍足は大満足だった。岳人にキスをしてもらった唇に軽く触れ、ご機嫌な様
子で笑う。その笑顔は、いつもの大人びた笑顔というよりは、いかにも子供らしい純粋な
笑顔だった。
(こういう顔はすげぇ子供っぽいんだよなあ。まあ、まだ中学生なんだし、当然か。)
「よーし、じゃあ、帰るか。」
「ああ。何か家まで送ってもらえるってのも、恋人っぽくてええなあ。」
「ははは、確かにそうだな。侑士は俺の彼女なんだから、当然のことだぜ。」
『俺の彼女』という言葉を聞き、忍足はドキッとする。しかし、それが嬉しくてたまらな
い。にこにこしながら、忍足は岳人の手を握った。それに気づき、岳人もその手を握り返
す。

俺は自分に課した賭けに勝った。明日からは、学校へ来るのも、放課後も、休みの日も、
きっと今より何十倍、何百倍も楽しくなる。まだ、『先生』をつけないで呼ぶまではいか
ないけど、いつかは『先生』をつけずに名前を呼びたい。今はまだ、心の中だけで言うん
や。
『大好きやで、岳人。』

                                END.

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