Encounter

リクエスト内容『跡宍の18禁で知り合う前の話&出会い話』

小学校の卒業式を終え、今はちょうど春休み。宍戸は特に目的も持たず、商店街に出向い
た。今日は朝から曇りで正午を過ぎるといかにも雨が降りますと言わんばかりに、空は暗
さを増していく。
何か本格的に曇ってきちまったなあ。雨降らないうちに帰った方がいいかな。
宍戸はそんなことを考えつつもぷらぷらと歩道を歩く。そんなことをしているので、結局
雨は降り出してしまった。もちろん宍戸は傘なんて持って来ていない。
ヤッベー、降ってきちまった。うわっ、それもかなり大粒じゃん!!早く雨宿りしないと
〜。
宍戸はどこかで雨宿りをしようと走り出した。

ちょうどそれと時を同じくして跡部は新学期に使う文房具を買いに商店街を来ている。雨
が降りそうだと思ってはいたが、すぐに帰れるだろうと思い傘は持って来なかった。だが、
突然の大雨。宍戸と同じく雨宿りをしようとバシャバシャと走り出す。
くそ、ついてねーな。あーあ、傘持ってくりゃよかった。少しくらい濡れるの覚悟でこの
まま家に帰るか。早く帰んねーと、せっかく新しくした文房具が濡れちまうもんな。
跡部はどこかで雨宿りということはせずに真っすぐ家へと向かうことにした。

宍戸はどこか雨宿りできそうなところはないかと周りを見回しながら、走り続ける。その
時、金髪で同じくらいの年の少年がふと視界に入った。
こいつスゴイ髪の色してんな。ハーフか何かか?あー、顔見えねぇのが惜しいなー。
跡部に気を取られ、宍戸は気が抜けたのであろう。雨で滑りやすくなった地面に足を取ら
れ、派手に転んだ。
「うわっ!!」
バシャンッ!!
転んだ瞬間発せられた声と大きな音を聞き、跡部は走るのを止め、後ろを振り返った。
何だこいつ?無様に転んでやがる。つーか、こいつ女なのか男なのかどっちだ?
跡部が近づいて来たことにも気づかず、宍戸はむくっと起き上がり不満いっぱいのセリフ
を放った。
「痛ってー!!もう、最悪っ!!何で俺がこんな目にあわなくちゃいけねーんだよ!!」
「随分派手に転んでたみてぇだけど大丈夫か?」
「えっ!?」
しゃべったのを聞いて跡部は宍戸が男だということを悟り、普通に声をかけた。宍戸は予
想していなかったことに動揺して何も言えなくなっている。
うわあ、どうしよう〜。今の激見られてたよな!?俺、激ダサじゃん。恥ずかしい〜。
「えっ・・・あっ・・・えっと・・・」
「何どもってんだよ?俺んちこのすぐ近くなんだけど寄ってくか?この雨じゃ帰んの大変
そうだし、お前見たところ傘持ってなさそうだもんな。」
「えっ、いいのか?」
「別にかまわねーよ。今、家に親いねぇし、ちょうど暇してたところだからな。」
宍戸に手を伸ばし、跡部は軽く笑顔を見せる。宍戸も素直にその手を取った。
こいつすごい綺麗な顔してるなー。金髪に青い目だよ。でも、何か雰囲気は普通に日本人
っぽいよな。やっぱ、ハーフかな?
宍戸は思わず跡部の顔に見惚れる。跡部も宍戸の顔はかなり好みのようだ。
すっげぇ、こいつ男のくせに髪の毛超綺麗だよ。顔もなかなか可愛いじゃん。いいよなあ
こういうまんま日本人系の顔って。
黒髪に一重という日本人の特徴を兼ね備えた宍戸の顔は、跡部にとってかなりツボだった。
だが、こんなところで止まっていては雨でどんどんビショビショになってしまう。二人は
一緒に跡部の家まで走り出した。

跡部の家に到着すると、二人はすぐに風呂場へと向かう。雨は強くなる一方だったので服
はビチョビチョ。まして宍戸は思いきりこけたので、その濡れ方は尋常ではない。なので、
一緒にシャワーを浴びてしまおうということになったのだ。
「俺、着替え持ってくるからお前先入ってろよ。」
「えっ・・・でも・・・」
「鍵は開けとけよな。俺も入るからよ。」
「・・・うん。」
いきなり知らない人の家の風呂に入れと言われて、戸惑わないはずがない。宍戸は跡部が
戻って来るまで待ってようかとも思ったが、ここの家の主が入れと言っていたのだから、
そうしないわけにはいかない。ドキドキしながら濡れた服を脱いで、おそるおそる浴室に
入った。
風呂場激広いな。うちの何倍あるんだ?あれ?そういやタオルもないよな。どうしよ、隠
せねぇじゃん・・・。
入ったもののどうすればいいのか分からなくて、宍戸はしばらく茫然としている。そのう
ち跡部が戻って来て、普通に浴室に入って来た。
「あれ?お前何もしてねぇの?」
「だって、何使っていいのか分かんねぇし・・・人んちの風呂入るのも初めてだからよ・
・・。」
「別に風呂場なんてどこも同じだろ?ほら、シャワー使って温まれよ。」
跡部は蛇口をひねり、シャワーからお湯を出す。軽く髪や体を洗い、そのままそろって風
呂場から出る。
「さっぱりしたな。」
「おう。」
「一応、服は俺の適当に持ってきたけど、たぶん着れるよな?」
「たぶん大丈夫だと思うぜ。」
二人は用意してある服を着る。大して身長が変わらないのでサイズはピッタリだった。
「おっ、ピッタリじゃねーか。」
「ま、まあな。」
「じゃあ、俺の部屋行こうぜ。まだ、雨すごいからよ。少しうちで休んでけよ。」
「いいのか?」
「ああ。さっきも言ったろ?暇してるって。」
初対面でここまでしてくれるなんていい奴だなあと思いながら、宍戸は跡部の後について
行く。タオルを首にかけたまま二人は跡部の部屋に入った。
「お前の部屋、激広いな。」
「そんなことねぇと思うけど。」
「いや、絶対広いって。それにキレイだしさ。」
「そんなことどうでもいいじゃねぇか。早くもっと奥に入れよ。」
「あ、ああ。」
自分の部屋より何倍か広く、キレイに片付いた部屋に入り、宍戸はちょっと緊張気味。二
人は部屋に入ったものの何もすることがなく、会話もなし。いくら年が同じくらいといっ
ても初対面では何を話したらいいか分からない。
うーん、何話しゃいいんだろ?話のネタがねーよ。それにしてもこいつ本当可愛いよな。
跡部は言葉は発しないがじーっと宍戸の方を見る。宍戸はその視線に気づき跡部の方を見
る。
「な、何だよ?」
「会話に困った時は、キスで時間を埋めろって親に言われてる。」
「はあっ!?」
な、な、何だよそれ〜!?あー、でも、この顔っつーことは親のどっちかが外人ってこと
だよな。じゃあ、それが普通ってのも全然ありえるし・・・うわっ、こいつ本気でする気
だ。顔が近づいてくる・・・・
跡部は宍戸の顔に手を添え、そっと顔を近づけていく。避けようと思えば避けることは出
来たし、抵抗して突き飛ばすことも出来た。だが、宍戸はそれが出来なかった。驚きと緊
張で固まってしまっているというのもあるのだが、綺麗だと思ってしまった顔がだんだん
と自分の顔に近づいてくる。それに見惚れてすっかり頭の中が真っ白になってしまったの
だ。跡部はまず軽くくっつける程度のキスを宍戸に施す。それからいったん唇を離し、指
で下顎を下げ、ほんの少し口を開かせる。そして、そのまま2回目の口づけを施した。
「・・・っ!!・・・んぅ・・・」
跡部は上唇と下唇の隙間から舌を滑り込ませ、ゆっくりと宍戸の舌に絡めていく。今まで
に味わったことのない奇妙な感覚に宍戸はビクッと体を震わせた。だが、気持ち悪いとい
うわけではない。確かにそれほど跡部のキスはとても上手いというわけではなかったが、
優しくて、だけれども激しくて、むしろ気持ちイイと言った方が正しいものだった。
「う・・・んんっ・・・・ふっ・・・ぁん・・・んっ・・・」
その気持ちよさに耐えられなくなり宍戸は小さな声を漏らす。その声があまりにも色っぽ
くて、跡部はそれを聞きだんだんと興奮してきてしまう。
ヤッベェ、何こいつ。超いいじゃん。声も可愛いし。このままこれだけで終わらすのって
勿体なさすぎだよなー。
ある程度、宍戸とのキスを堪能すると跡部は満足そうに唇を離した。された方の宍戸は顔
を真っ赤にして、口を押さえながらヘニャへニャと近くにあったベッドに座り込む。
「い、いきなり・・・・何すんだよぉ〜。」
「だから、会話が弾まないからキスで時間を埋めてやっただけだぜ。別に気持ち悪くはな
かっただろ?」
「う〜、確かに悪くはなかったけど・・・・」
「それより、俺、今のお前の声すげぇ気に入っちまった。もっと聞かせてくれよ。」
「今の俺の声って・・・・?」
「こんな声だよ。」
そう言って跡部は、宍戸の下半身をズボン越しに触り始める。
「んっ・・・!あっ・・・」
「そうそう。その声。」
「いや・・・あっ・・・お前どこ触って・・・!!」
「ちゃんと反応してんじゃん。ズボン邪魔だな。取っちまえ。」
「ちょっ・・・やめっ・・・嫌だ!!」
嫌がる宍戸だが跡部にベッドに押し倒され、あっという間にズボンと下着を取られてしま
った。
何なんだよこいつ〜。つーか、何する気だよ!?どうしよう、これって結構ヤバイ状況だ
よな。
「やっ・・・だ・・・あっ・・・ホン・・トに・・・やめろよぉ・・・!」
「嫌だって言ってるわりには、お前のここちゃんと反応して濡れてきてるぜ。気持ちいい
だろ?」
「ふあっ・・・ああ・・・ダメぇ・・・触るなあ・・・」
人のやるのなんて初めてだけど、これメチャクチャおもしれー。どうしよう、マジでこい
つ可愛いんだけど。
跡部は宍戸に馬乗りになるような感じで、宍戸のモノに触れその反応を楽しんでいる。宍
戸はというと息を乱して、必死で跡部にその行為を止めさせようとしているが、文句を言
うだけで行動には出れないでいた。
「はぁ・・・ああっ・・・・あっ・・・んっ・・・!」
「いいぜ、お前。マジで可愛い。お前もこういうの興味あるだろ?ここまでしたんだから
最後までやっちまおうぜ。」
「俺は男だ・・・!!・・・最後までって・・・何だよぉ・・・?」
「男なのはどう見ても分かるって。女にはこんなのついてねーだろうが。」
「やっ・・・だから・・・そこ弄るの・・・やめろってば・・・」
「これからもっと気持ちよくしてやるよ。今だって結構キてんだろ?もう溢れそうだぜ。」
「お前が・・・そんなに弄るからっ・・・んっ・・あ・・・やだ・・・も・・・」
宍戸は熱がだんだんと昂ぶっていくのを感じ、顔を手で覆った。そして、一際体をビクン
ッと震わせると跡部の手に堪えきれなくなった熱を放つ。
「ああ――っ!!」
やだやだもうすげぇ恥ずかしいー!!何でこいつはこういうことしてんだよ?つーか、何
で俺、もっと抵抗しねーんだ?あー、もう訳分かんねぇー!!
ハァハァと肩で息をしている宍戸にさらに追い打ちをかけるように、跡部は宍戸の双丘の
中心に指を持っていく。
「最後までってのは、ココに俺のを入れるってことなんだけど。」
「はあ!?そんなの無理に決まってんだろ!!」
「大丈夫だって。出来るだけ痛くないようにしてやるから。」
「絶対無理!!・・・っ!・・・いっ!!」
宍戸の意見も聞かず跡部はさっきの宍戸の液で濡れた指をぐっと挿し込む。触れたことの
ない場所に指を入れられ宍戸は必死で逃げを打とうとした。
「くっ・・ああっ・・・痛っ・・・」
「おいっ、あんまり動くな。ちゃんと慣らしてやるから大人しくしてろ。」
「嫌だぁっ・・・そんなとこ・・・無理っ・・・・」
「大丈夫だって言ってんだろ!」
あまりにも宍戸が抵抗するので、跡部は何とかして大人しくさせようと考えた。指はその
ままでもう片方の手で体を支え、宍戸にキスをし始める。
「んんっ・・・・んぅ・・・ん・・・」
跡部にキスされた瞬間、宍戸は少し大人しくなる。それを見計らい跡部は自分のモノを入
れられるくらいまで慣らす。指がもとから濡れているということもあり、それにはそんな
に時間はかからなかった。
もうそろそろ大丈夫だよな。よっし、挿れてやるか。
「おい、挿れるけどいいよな?」
「ハァ・・・あっ・・・ハァ・・・ハ・・・」
もう宍戸は跡部の質問にも答えられない程、頭の中がゴチャゴチャになっていた。痛いん
だか、気持ちいいんだか分からない。自分の体が自分のものではないような錯覚にもとら
われる。そこにまた大きな衝撃が宍戸を襲った。
「っ!!くっ・・・ああ――っ!!」
「はぁ・・・すげぇ・・・」
「痛っ・・・痛い・・・ああ・・・あっ・・・!!」
指とは比べものにならない程の質量が内臓を圧迫する。痛くないはずがない。宍戸は足を
ガクガク震わせ、力の限り跡部にしがみついた。
「そんなにしがみつくな。つーか、もっと力抜いてろ。」
「んなこと言われても・・・・ふっ・・・んあ・・・はっ・・・」
「でも、これかなりいいぜ。お前ももうそろそろよくなってくるんじゃねーの?」
「ひっ!・・・あ・・・ああっ・・・やっ・・・」
跡部の言う通り宍戸は痛みを超え、感覚の全ては快感の高みにだんだんと昇っていく。今
までに経験したことのない気持ちよさと熱さを感じて宍戸はもう意識を失いかけていた。
「ふ・・・はぁ・・もう・・・ヤバイ・・・俺・・・おかしいよ・・・」
「お前だけじゃねーよ。俺だって、かなりもうヤバくなってきてる。」
「ん・・・もう・・・ダメ・・・あんっ・・・うあっ・・・」
「お前とこういうこと出来てよかった。なあ、一緒にイクか?」
「う・・・うん・・・一人では嫌だ・・・・」
二人はお互いに手を絡め、口づけを交わしてほぼ同時に果てた。声変わり途中の少し子供
っぽい高めの声が部屋の中に一瞬響く。外では雨がたくさん降り続いていたので、それが
どこかに聞こえてしまうということはなかった。

何となくな成り行きでしてしまった行為を終え、二人は軽く睡眠をとっていた。窓から差
し込むオレンジ色の光で起こされ、二人は雨がやんだことを知った。
「あっ、雨止んでる。」
「本当だ。じゃあ、俺もうそろそろ帰らなきゃなあ。」
「そっか。あっ!おい、見てみろよ。虹が出てるぜ。」
「わあっ、すっげー!!なあ、知ってるか?虹に願い事すると叶うんだぜ。」
「へぇ。でも、そんなの迷信じゃねーの?」
さっきの雨の影響で夕焼け空には大きな虹がかかっていた。宍戸は虹に願い事をすると叶
うんだというジンクスを前々から信じている。だから、ここでお願いをしなきゃ損だなん
て思ったりもしていた。
「じゃあ、試してみようぜ。」
「まあ、試すくらいなら別にかまわねーけど。」
「そうだ、そういやお前の名前何ていうんだ?」
「俺か?俺は跡部景吾だ。」
「跡部だな。俺は宍戸亮。春休みが終わったら中学生になるぜ。」
「そうなのか?俺もだ。」
「そっか。じゃあ、願い事しよーっと。」
宍戸は虹に向かって手を合わせ願い事をする。跡部は試すと言っておきながら何もしてい
ない。宍戸は願い事を終えると跡部の方を向き、ニコッと笑って見せた。
「どんな願い事したんだよ。」
「んー、内緒。」
「何だよ、ちゃんと教えろよ。」
「じゃあ、今回だけ特別だぞ。」
「ああ。で、何なんだよ?」
宍戸は跡部の耳元でちょっと照れくさそうに小さな声で言う。
「また、跡部と会えますように。なーんてな。」
宍戸は恥ずかしさを誤魔化すように笑った。跡部もそれを聞いてうれしくなり自然に笑顔
になる。
「じゃあ、俺、本当にもう帰るな。何か結構すごいことしちまったような気がするけど、
まあ、気持ちよかったし、楽しかったからいいや。じゃあ、またな。」
「ああ。またどこかで会えるといいな。」
こんなふうにして二人は手を振り合った。どちらも心のどこかでまたどこかで会えると思
いながら・・・。

数日経って、氷帝学園の入学式。宍戸は入り口近くに貼られた自分のクラスの名簿を見て
声を失った。
「おいおい、マジかよ・・・・。」
『出席番号 1 跡部景吾 男』
そう跡部も自分と同じ氷帝学園に入学していて、それも同じクラスになったのだ。入学式
は出席番号順で1番から20番、21番から40番とそんな感じで2列に座ることになっ
ている。ちなみに宍戸の出席番号は『21番』。つまり宍戸の座る席は偶然にも跡部と同
じというわけだ。
「よっ。跡部。」
「ああ、宍戸。まさかお前がこの学校に入学するなんてな。」
「俺も思ってお前がいるなんて思ってなかったぜ。だから、今かなりビックリしてる。」
「でも、虹への願い事叶ったじゃねーか。『また、俺に会いたい』ってな。」
「ほら、俺の言った通りだろ?」
宍戸の表情は本当にうれしそうだ。もちろん跡部も。こうして跡部と宍戸は出会った。そ
して、一緒に同じテニス部に入るのであった。

                                END.

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