静かな森の中、跡部は宍戸の手を引いて歩いていた。この連休、跡部は宍戸を誘って別荘
に来ていた。今は夜の散歩中で、跡部は森の奥にある湖に向かっている。
「これからどこ行くんだ?」
「この先に湖あるんだ。そこに行こうと思ってな。」
「湖か。けど、この時間じゃ電気もあんまねぇし、真っ暗なんじゃねぇの?」
「確かに真っ暗だろうが、その分星や月が綺麗に見えるぜ。」
「あー、それはそうかもな。まあ、東京じゃそんなに綺麗には見えねぇから、たまには真
っ暗ん中で星とか見るのも悪くねぇかも。」
自然の多いこの場所では、東京では到底見ることの出来ない多くの星を見れたり、真っ暗
な暗闇を体感出来たりする。それはかなり楽しみだと、宍戸は心を弾ませる。そんなご機
嫌な宍戸の様子を見て、跡部もふっと笑った。
「さあ、そろそろ着くぜ。」
森の道が開け、少し広い場所に出ると、そこには大きな湖が広がっていた。余計な明かり
は一切なく、空に浮かぶ大きな月だけがその水面を照らしていた。
「おー、すっげぇ。」
「なかなかの景色だろ?」
「おう!綺麗なもんだな。夜の湖も。」
目の前に広がる景色の美しさに、宍戸は目を輝かせる。そんな宍戸の手を引き、跡部はさ
らに湖に近付いた。
「宍戸。」
「ん?何だよ?」
「湖の上に出ようぜ。」
「えっ?どうやって?」
「これでだ。」
跡部が指差したのは、岸に繋いである一隻のボートであった。こんな真っ暗な中で出ても
大丈夫なのかという多少の不安もあったが、跡部と一緒ならば平気だろうと、宍戸は跡部
の誘いに頷く。
「真っ暗すぎてちょっと危ない感じもするけど、いいんじゃねぇ?なんか楽しそうだし。」
「じゃあ、決まりだな。先に乗れよ。俺はロープ外さなきゃなんねぇから。」
「了解。」
跡部に促され、宍戸は跡部よりも先にボートに乗る。それに続いて、跡部もそのボートに
乗った。岸に繋いであるロープを外すと、跡部はオールを漕いで、湖の中心に向かってボ
ートを進める。
ギッ・・・ギッシ・・・
オールを漕ぐ音だけが、辺りに響く。そんな静寂の中、跡部も宍戸も黙ってその何とも言
えない落ち着いた雰囲気に浸っていた。ちょうど湖の中ほどまで来ると、跡部はボートを
漕ぐのをやめ、その場にとどまった。
「この辺りが湖のちょうど中心だな。」
「へぇ。何か周りが真っ暗すぎて変な感じだな。なーんも見えねぇ。」
「そうだな。」
ぐるりと周りを見回しても、ぼんやりとしか森の様子も見ることが出来ない。唯一しっか
り見えるものと言えば、すぐ側に居るお互いの顔くらいだ。明かりがなくとも、月が煌々
と明るく輝いているので、自分達の顔はちゃんと見ることが出来た。
「跡部しか見えねぇや。」
「ほう、随分と嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか。」
「い、いや、そういう意味じゃなくってよ、本当にそのまんまの意味で・・・」
「分かってるぜ。俺だって、今、テメェしか見えてねぇんだ。」
そう言いながらふっと微笑む跡部の顔を見て、宍戸は何だかドキドキしてきてしまう。あ
まりにも周りが静かすぎて、何も見えなすぎて、今、この世界には自分達二人しか存在し
ていないのではないかという錯覚に陥る。
「宍戸・・・」
宍戸をじっと見つめていたら、どうしようもなくキスをしたくなり、跡部は宍戸の頬にそ
っと手を添えた。
「あ、跡部・・・?」
「今、すっげぇキスしてぇ。」
「なっ・・・何言ってんだよ、こんなとこで。」
「別に誰も見てねぇんだからいいじゃねぇか。たとえ人が居たとしたって、見えはしねぇ
よ。」
恥ずかしそうに視線をそらす宍戸が可愛いと、跡部はよりその欲求が高まる。すっと顔を
近づけようとすると、宍戸はぎゅっと目をつぶった。
(本当、こういうところがたまんねぇんだよな。)
そんなことを思いながら、跡部はゆっくりと唇を重ねる。唇が触れ合った瞬間、宍戸はビ
クッと体を震わせる。本当に可愛らしい反応ばかりしてくれると、跡部はきゅんきゅんと
胸を高鳴らせた。
「は・・ぅ・・・ん・・・んむっ・・・」
隙を見つけて、跡部は宍戸の口内に舌を滑り込ませる。ガクンと力が抜けて、宍戸はボー
トの底に身を預ける形となる。そんな宍戸の体を跡部はしっかりと支えた。
「んっ・・・んぁ・・・んっ・・んん・・・」
何度も繰り返し口づけを交わし合う音が耳に響く。周りが無音であるが故に、その濡れた
音はいつも以上に大きく聞こえる。それが、二人の興奮を煽る要素となった。
「ふぁ・・・ハァ・・・は・・・」
「宍戸。」
「な、何?」
ただ名前を呟くだけで、跡部は宍戸の問いかけに答えることなく、宍戸の服に手をかけた。
ぷちぷちとボタンが外されていくのに驚いて、宍戸は思わず跡部の腕を掴む。
「やっ・・・何だよっ・・・!」
「してぇ。」
「してぇじゃねぇ!!こ、こんなボートの上でなんて・・・」
「たまにはこういうのも悪くねぇだろ?いつもとは違う場所でってのも燃えるもんだぜ。」
「いや、だからってボートは・・・・」
「問答無用。あっ、ちなみに下手に暴れると転覆するからな。」
「待っ・・・ちょ、跡部っ!!」
一回そういう気分になってしまった跡部はもう止められない。湖のど真ん中で、しかもボ
ートの上となっては、下手に抵抗することも出来ない。こんなところでやるのは、恥ずか
しくてたまらないと思いつつも、宍戸は跡部のしてくることを退けることが出来なかった。
ボタンを外されたことで、はだけた宍戸の上半身に、跡部はちゅっちゅとキスの雨を降ら
せる。夜風にさらされ、少し冷えた肌には温かな跡部のキスがとても心地のよいものに感
じられた。
「んっ・・・ぁ・・・」
跡部の唇が肌に触れた瞬間に感じられる何とも言えない甘い刺激。それが、宍戸の頭をゆ
っくりととろかせてゆく。
「随分大人しくなっちまったな。さっきまでの威勢はどうした?」
「う、うるせー!!下手に動いたら転覆するっつったのは跡部だろ!?」
「本当にそれだけか?」
宍戸が感じているのを分かっていながら、跡部はニヤリと笑って、舌の上で胸の飾りを転
がす。
「ひあっ・・・あん・・・!」
「バッチリ感じてんじゃねぇか。」
「しょ、しょうがねぇだろっ・・・気持ちイイもんは気持ちイイんだからよ。」
逆ギレ状態で宍戸は恥ずかしがりながらそんなことを言う。全く素直で可愛いなあと、跡
部は、つつっと指先で腹筋をなぞってやった。
「あっ・・あぁ・・・・」
「ココもいいのか?」
「ち、違っ・・・」
「本当かよ?じゃあ、こうしても何とも思わねぇんだよなぁ?」
宍戸が感じていることを否定するので、跡部は先程指でなぞったところを今度は舌で舐め
上げた。その瞬間、宍戸の体はビクビクと震える。
「あぁんっ!!」
「やっぱりイイんじゃねぇか。」
「うぅ・・・跡部のアホっ・・・・」
「アーン?聞き捨てならねぇな。俺は別にそんなにひどいことはしてねぇぜ。ただこうや
って軽ーく指でなぞってやってるだけだぜ。」
「ひゃっ・・あんっ・・・」
「くく、今ならテメェ、どこ触っても感じるんじゃねぇの?」
あまりにも過敏に反応する宍戸が面白くて、跡部は腹部以外のところも触ってやる。腰の
あたりに触れても、首元をなぞっても宍戸はビクビクとその身を震わせ、甘い声を上げた。
「やっ・・・うぁ・・んっ・・・」
「どこもかしこも感じやすくなってんのな。」
「跡部が・・・変なふうに触るから・・・」
「そんなことねぇぜ。けど、テメェがあんまりにもイイ反応してくれてるから、いろんな
とこ触りたくなっちまうな。」
そう言いながら、跡部は宍戸のズボンを下ろした。それを阻止しようとする宍戸だったが、
狭いボートの上ではそれほど大きくは動けない。
「なっ・・・何ズボン下げてっ・・・!」
「だから言っただろ?いろんなとこ触ってやるって。」
「やっ・・・やだっ・・・」
「嫌じゃねぇだろ?ほら。」
楽しげに笑いながら、跡部は宍戸の内腿を指でなぞった。くすぐったいようなむずむずす
るような感覚に、宍戸はまた素直に反応してしまう。
「あっ・・・ふあっ・・・!」
「撫でられんの好きなんだろ?正直に言っちまえよ。」
「そ、そんなこと・・・ねぇもん・・・」
「ま、口は正直じゃなくても、体は正直だからな、テメェの場合は。」
口では言わなくとも、体は素直に答えてくれると跡部はしばらく足への愛撫を続けた。確
かに感じはするが、もっと感じる部分が近くにあるが故に、宍戸はその微妙な刺激に何だ
か物足りなさを感じてしまう。
「あ、跡部、跡部っ・・・・」
「アーン?どうした?」
「えっと・・・その・・・な・・・」
「何だよ?」
何となく宍戸の言いたいことの察しはつくが、跡部はあえて分からないフリをした。どう
伝えていいのか分からず、宍戸は顔を真っ赤にしながら、口をパクパクさせる。
「言いたいことがあるなら、ちゃんと言えよ。」
「足・・・も悪くねぇんだけど・・・・」
「ああ。」
「・・・・あうぅ・・・やっぱ、言えねぇ・・・・」
「ったく、しょうがねぇなあ。」
無理矢理言わせるのも悪くないが、言おうとして言えない宍戸の様子があまりにも可愛す
ぎて、跡部の方が我慢出来なくなってしまう。まだ身につけたままであった下着を完全に
取り去ってしまうと、跡部は宍戸が今一番触れて欲しいと思っているところに触れた。
「ん・・・くぅんっ・・・!!」
「ココに触って欲しかったんだろ?」
「な、何で・・・分かっ・・・」
「俺様の得意技はインサイトだぜ。これくらい分かって当然だっての。」
宍戸が言葉を言い終える前に、跡部は自信満々な様子でそう答えた。やっぱり跡部には敵
わないなあと思いつつ、宍戸はほんの少し笑ってみせた。
「―――っ!」
その表情に跡部は図らずもドキっとしてしまう。そんな胸の高鳴りを誤魔化すかのように
跡部は宍戸の熱をその手で包み、ゆっくりと上下に擦り始めた。
「ふっ・・あ・・・あんっ・・・」
「もっと強くして欲しかったら、言えよ?」
「今くらいが・・・ちょうど・・いっ・・・あぁ・・・はぁんっ・・・」
いつもよりほんの少し優しく、しかし、しっかりとした刺激を跡部は宍戸のそれに与える。
少しずつ確実に高まってゆく快感は、宍戸の心を溶かしてゆく。そう簡単に達かせてしま
っては面白くないと、跡部はその刺激の与え方を絶妙に調節して、宍戸に達する前の快感
をじっくりと長い間味わわせた。
「あっ・・・あぁんっ・・・ふっ・・・ああっ・・・!!」
「ここまで高まってんと、こんなのでも相当イイんだろ?」
「ひあっ・・・んんっ・・・!」
ピクピクと震え、先走りの蜜を溢している宍戸の熱を指先が触れるか触れないかくらいの
力で、跡部は下から上へとなぞり上げる。そんなほんの少しの刺激にも宍戸は、下肢を震
わせ、大きな反応を示した。
「んっ・・・跡部っ・・・もう・・・」
荒い呼吸を吐きながら、宍戸は今にも涙が溢れてしまいそうな瞳で、跡部の顔を見上げる。
しかし、跡部は達けるだけの確かな刺激を与えなかった。それどころか、それに触れるの
もやめてしまう。
「跡部っ・・・やっ・・・ちゃんと・・・」
「安心しろ。それに触らなくてもちゃーんとイカせてやるからよ。」
そう言って、跡部は右手の指先を舐めると、きゅうきゅうと物欲しげにひくついている蕾
にその指を差し込んだ。そして、宍戸の一番弱いところをピンポイントで刺激してやる。
「あっ・・・は・・・ああぁぁっ!!」
いきなり今までとは比べものにならない強い刺激を与えられ、宍戸は限界まで高まってい
た熱の先から白い雫を迸らせる。焦らされて焦らされて、やっと達することが出来た快感
は、全身が溶けてしまいそうなほどの甘い衝撃であった。
「ふあっ・・・ハァ・・・あ・・・」
「すっげぇきゅうきゅうしてるぜ、テメェの中。今、入れたばっかなのに、そんなにキツ
くもねぇし。」
ぐにぐにと中で指を動かしながら、跡部はニヤニヤと笑って宍戸の様子を眺める。イった
後の敏感な体に新たな刺激を加えられ、宍戸は小さな痙攣を繰り返す。
「んっ・・・あっ・・・あぁ・・・・」
「こんなだと、すぐにでも俺の入れたくなっちまうな。」
「いい・・・ぜ・・・」
「は?」
「別に・・・入れても・・・いいぜ。」
「いや、さすがにもう少し慣らした方がいいと思うぜ。」
「平気・・・今日は・・・大丈夫な気がするから・・・・」
予想だにしなかったことを口にする宍戸に、跡部は若干動揺してしまう。しかし、宍戸が
いいと言ってくれているのだ。しかも、そんな言葉を紡ぐ宍戸の姿はこの上なく色っぽい。
少しは我慢しようと思っていた跡部だが、そんな気持ちはどこかに吹っ飛んでしまった。
「なら、マジで入れちまうぜ。」
「おう・・・早く来いよ、跡部・・・・」
「―――っ!!」
腕を伸ばし、誘うようなことを言う宍戸の言葉を聞いて、跡部は余裕がなくなる。しっか
りと、自分の背中に宍戸の腕を回させると、跡部はいつもより少し狭い宍戸の中にその身
を突き入れた。
「んくっ・・・ああぁ――っ!!」
「・・・っ、いつもよりちょっとキツいが、悪くねぇな。」
と、次の瞬間、がくんとボートが揺れた。繋がったことで若干バランスが崩れ、大きくそ
の船体が傾いたのだ。
「おっと。」
「ひぅんっ・・・ああっ!!」
ボートが思ってもみない揺れ方をした所為で、中が想像以上に大きく抉られる。そんな刺
激に、宍戸はぎゅうっと跡部に抱きついた。
「お、おいおい、宍戸。」
「ボート・・・揺れ・・て・・・中がっ・・・」
「ああ、この揺れがテメェにとってはたまんねぇんだな。」
ボートが揺れることで、いつも以上に反応している宍戸の姿を見て、跡部はわざとボート
を揺らす。規則的なピストン運動に加わる不規則な刺激が、宍戸をより一層感じさせた。
「ふあっ・・・あっ・・・あぁんっ!!」
「ふっ、ボートが揺れるたびに、絶妙に締めつけてくるな。」
「んあっ・・・そんなに・・・揺らしたら・・・・転覆しちゃ・・・」
「それは平気だ。そこまで揺れないように、ちゃんと俺がバランスとってやってるからな。」
「ひっ・・・ぅんっ・・・揺れんの・・・気持ちいっ・・・あっ・・・あ・・・」
あまりの揺れにボートが転覆してしまうのではないかというスリルと実際的な刺激が、宍
戸の興奮をさらに煽っていた。ぎゅうっと跡部にしがみつきながら、高く艶やかな声を上
げる。その声や態度が、跡部の興奮を高めていく。
「結構こっちにもクるもんだな。ボートが揺れんの。」
「ハァ・・・もう・・・ヤバっ・・・すげ・・イキそ・・・」
「確かにテメェん中、絡みつくみてぇに俺のを締めつけてきてやがるもんな。これは、俺
の方だって結構キてるぜ。」
「じゃ・・じゃあ・・・一緒に・・・一緒に・・・イこうぜ・・・」
乱れる呼吸の合間に一生懸命にそんなことを紡ぐ宍戸に、跡部はきゅんきゅんしてしまう。
これはもう宍戸の望みを叶えてやるしかないと、跡部はふっと笑いながら、宍戸の顔に視
線を落とした。
「そうだな。一緒のが気持ちよさも2倍になるってもんだ。」
「あっ・・・あぁ・・・跡部っ・・・もっ・・・」
「いいぜ。一緒にイクか。」
そう呟くと、跡部は宍戸の唇に自分の唇を重ねる。そして、ぐっとその身を宍戸のより深
いところへ進め、ボートを一際大きく揺らした。その衝撃で、宍戸はビクンと体を震わせ、
真っ白な雫を跡部に向かって放つ。それと同時に跡部も宍戸の中へと、熱い雫を迸らせた。
眩しい光と小鳥のさえずる声に起こされ、宍戸は目を開いた。目を開いた先には跡部の顔
がアップであり、宍戸はあまりの驚きに声にならない声をあげる。
「〜〜〜〜〜っ!!??」
「やっと、起きたか。」
「な、あっ、跡部っ!?」
宍戸が眠っているのをいいことに、跡部は宍戸の唇にキスをしていた。そのため、目を開
いた時に、顔が目の前にあるという状態になっていたのだ。
「あんまり下手に動くと、バランス崩すぜ。」
「へっ?」
起き上がってみてあたりを見回してみると、そこにはキラキラと朝日に照らされて光る水
面と少し遠くには昨日の夜には全く見えなかった森が広がっていた。そんな景色を見て、
宍戸は今自分がボートの上にいるのだということを悟る。
「おぉうっ!?昨日、あのまま寝ちゃったのか!?」
「そうみてぇだな。」
「うっわあ、ありえねぇー。」
「でも、起きた時の気分は最高だったぜ。目の前にはテメェの顔があるし、空気はいいし、
起き上がってからの景色も最高だしな。」
「た、確かにそうだけどよ・・・」
起きて跡部のドアップが目の前にあるのは、心臓に悪いと宍戸はほのかに顔を赤らめてう
つむく。そんな宍戸の頭をぽんぽんと撫でて、跡部はニッと笑った。
「な、何だよぉ・・・・?」
「そろそろ戻るか。腹減ったろ?」
「お、おう・・・」
何を考えているのかよく分からないが、とても機嫌がよさそうなので、宍戸はそんな跡部
に従うことにした。今まで置きっぱなしにされていたオールを握り、跡部は岸に向かって
ボートを漕ぐ。何だか嬉しそうな跡部を見て、不思議に思いながらも、たまにはこういう
朝も悪くないと、宍戸もふっと口元を緩ませた。
END