「よっしゃー、俺の勝ち!!約束だからな、凛っ!!ちゃーんと、俺の言うこと聞けよ?」
「う、嘘だろ・・・?裕次郎、強すぎやっし。あー、あんな約束すんじゃなかったー。」
とある休日のこと。甲斐と平古場は、二人でテニスをしに来ていた。ただのテニスじゃ面
白くないと、負けた方が勝った方の言うことを聞くという賭けテニスをすることになった。
こういうことになると、力を発揮するのは甲斐の方で、いつもは試合をすると互角な勝負
になる平古場をあっという間に負かせてしまった。
「はあ〜、まさかここまでこてんぱんにされるとは思ってなかったから、でーじヘコむわ。」
「そりゃあんな約束したらな。燃えるってもんだぜ。」
「言うこと聞くって奴かぁ?」
「おう。もう試合する前から、何してもらうかは決めてあるんだぜ。」
ふふーんと勝ち誇ったような笑みを浮かべながら、甲斐は少々ヘコんでいる平古場にそん
なことを言い放つ。初めから勝つ気満々だったのかと心の中でつっこみながら、平古場は
それが何かを一応聞いてみる。
「俺にさせたいことって、何?」
「ずーっと前からして欲しいと思ってたんだけどな、なかなかそういう機会がなくてさー。
普通に言ったら絶対凛嫌がるだろうし。」
「そ、そんなに・・・ひどいこと・・・?」
「いや、別にそこまでじゃないぜー。ただ、凛が女の子の制服着たら可愛いだろうなーっ
て、思ってさー。というわけで、凛には女の子の制服着てもらいまーす。」
「なんだそんなことか。」
もっとひどいことを要求されると思っていた平古場は、思わずそんなことを口にしてしま
う。
「へぇ、意外と平気って感じか。」
「まあ、着るくらいだったらな。他の奴らの前でとかじゃないんだろ?」
「当たり前やし!!凛のそんな可愛い格好見ていいのは俺だけだ!」
「じゃあ、別に構わんぜ。」
他の部員の前でと言われたら、嫌がろうと思っていた平古場であったが、甲斐の前だけと
いうことであれば、そこまで嫌ではない。負けを認めないのも格好悪いし、甲斐だったら
どんな格好しても褒めてくれるだろうと平古場は思っていた。
「したら、明日学校に持ってくから。午後の授業サボって、屋上でな。どうせ俺が教室に
居なかったら、あの先生、凛に探しに行かせるだろ。」
「んー、ああ・・・・って、ちょっと待て!!学校ですんのか!?」
「だって、明日学校じゃん。今日は俺、用事があって凛の家には行けないしー。」
「ま、待て待てっ、別に女の子の制服着るのはいいけど、それを学校でするなんて・・・」
「大丈夫だって。授業中だったら、みんな教室にいるわけだし、それに基本的には屋上は
立ち入り禁止だからな!」
「それ、ダメだろ・・・。」
「とにかく凛は負けたんだから、文句は言わない!!大丈夫、俺がなかなか見つかりませ
んでしたーって言えば、それでオッケーさー。」
「俺、一応風紀委員なんだけど?」
「風紀委員だからこそ、出来る作戦じゃん。じゃ、明日楽しみにしてるからな!!」
(スイッチ入った裕次郎は、マジ止めらんねー・・・)
あまりにもキラキラとした笑顔を浮かべる甲斐を前に、平古場は何も言えなくなってしま
う。はあーと大きな溜め息をつきながら、平古場は明日が来なければいいなあと頭の隅で
こっそり思った。
来て欲しくないと思っていても時間は勝手に進んでいくもので、あっという間に次の日の
昼休みになってしまった。昼頃から甲斐はどこかへ行ってしまい、後5分で授業が始まる
というのに、全く戻ってくる気配はない。
(裕次郎の奴、本当にサボる気ぃだな。はあー、何か無駄にドキドキしてきたし・・・)
何をしていいのか分からないと、自分の席で溜め息をついていると、昼休みの終わりを告
げるチャイムがなる。当然甲斐は教室には帰ってこない。そうこうしているうちに、次の
授業の担当の教師が教室に入ってきた。
「よーし、じゃあ授業始めるぞー。」
「先生ー、甲斐がいませーん。」
甲斐が授業をサボることはさほど珍しいことではないので、他のクラスメイトも冗談半分
な口調で、そのことを告げる。またかと呆れたような溜め息をついて、その教師は平古場
の名を呼んだ。
「平古場、お前風紀委員だろ。甲斐のこと探して連れて来い。」
「はーい。」
ガタンと椅子から立ち上がると、平古場は教室を出て行き教室のドアを閉める。どうしよ
うかと歩き出そうとすると、ポケットに入っている携帯電話がブルブルと震える。
「っ!!??」
ドキッとして携帯を開くと、そこには新着メールありのメッセージが表示されていた。メ
ールを開くと、そこには甲斐からのメールが表示される。
『ちゃんと教室抜け出せたか?屋上で待ってるからな。早く来いよ!!』
「ったく、裕次郎の奴・・・」
人の気も知らないでと呟きながらも、平古場は屋上へ続く階段に向かって歩き出した。
ガチャ・・・
普段は鍵がかかって開かないはずの屋上の扉はいとも簡単に開いた。甲斐が居るのは確か
らしいと思いつつ、平古場は屋上へ足を踏み出す。しかし、そこに甲斐の姿は見当たらな
い。
「あれ?」
少し歩みを進めると、突然後ろから羽交い締めにされる。それと同時に、ガチャっと鍵が
しめられる音が響いた。
「うわっ・・・」
「遅いぜー、凛。待ちくたびれたぜ。」
「ゆ、裕次郎・・・ビックリさせんな!」
「ははは、悪ぃ悪ぃ。」
パッと腕を話すと、甲斐はいつもの笑顔を見せる。そんな顔で笑うなんてずるいなあと思
いながら、平古場はほんの少しだけ膨れてみせる。
「そんな顔すんなよ。」
「だって、裕次郎が・・・」
「ま、俺は凛がどんな顔しても可愛いと思うけどー。」
「なっ・・・!!」
「というわけで、凛、これに着替えて。」
「どんなわけだ!!」
「約束だろー。ほら、着替えて着替えて。」
「う〜・・・」
完全に甲斐のペースで話が進み、平古場は多少イライラしながらも、甲斐からその服を受
け取ってしまう。
「き、着替えるからっ、あっち向いてろ!!」
「えー、着替えてるとこ見た・・・ぐはっ!!」
「あっち向けって言ってるだろー!!」
「・・・はい。」
ただでさえ恥ずかしいのにと、平古場は思わず甲斐に一発くらわせてしまう。平古場も当
然のことながら沖縄武術をたしなんでいるので、不意にくらった一発でもなかなかの攻撃
力である。そんな平古場の攻撃に、甲斐は素直に頷くしか出来なかった。
(制服って、ここのかと思ったらモロにセーラー服やし。こんなんどこから持ってきたん
だよ、裕次郎の奴〜。)
心の中で文句を言いながら、平古場は用意された服に着替える。着替え終わると、向こう
の方を向いている甲斐のワイシャツをくいっと引っ張った。
「裕次郎・・・着たけど・・・」
くるっと平古場の方を振り向くと、そこには今どきな女の子の姿をした平古場が立ってい
た。あまりにも似あうその格好に、甲斐のテンションは一気に上がった。
「うわあっ、凛、可愛い〜!!でーじ、可愛い〜!!写メ撮っていい!?いや、もうしに
似合いすぎやし。さっすが、凛さー。」
「そ、そんなに似合ってるか・・・?」
「もうでーじ似合ってる!!完璧さー!!」
そこまで褒められると、何となく平古場もいい気分になってきてしまう。まだ少し恥ずか
しいが、甲斐がそこまで喜んでくれているならと、平古場はふっと笑ってみせた。
「っ!?」
そんな平古場の笑顔を見て、甲斐の理性の糸はプツンと切れる。がしっと平古場の肩を掴
むと、甲斐は噛みつくように平古場に口づけた。
「ふっ・・・んんっ・・・!?」
突然のキスに驚く平古場だが、あまりに激しい甲斐のキスにだんだんと頭がぼーっとして
きてしまう。
(あー、ヤバ・・・なんか気持ちよくなってきた・・・)
何度も繰り返される口づけに、平古場はふるふると身を震わせ、力の入らない手で甲斐の
服を掴んだ。甲斐が唇を離すと、平古場はトローンとした瞳をして小さく息を乱していた。
「はっ・・・ふはぁ・・・ハァ・・・」
あまりに艶やかな表情の平古場に、甲斐は息を飲む。もう止められないと、平古場をぐっ
と抱き寄せ、スカートを捲くり上げ、下着の上から平古場の双丘の中心に触れた。
「やっ・・・待っ・・・裕次郎っ!!」
「凛があんまりにも可愛いから、我慢出来なくなったさー。」
「き、着るだけって・・・言ったのにぃ・・・・」
「俺だってこんな予定はなかったさー。凛が可愛すぎるのがいけないんだばぁよ。」
真っ赤になりながら、甲斐はそう漏らす。一枚の布を隔てて入口を弄られる感覚は、何と
も言えない疼きを伴う。直接触っていなくてもひくひくとその入口がひくついてくるのが
分かり、甲斐はドキドキと胸を高鳴らせる。
「んんっ・・・ゆうじ・・ろぉ・・・」
「凛・・・」
「な、なあ・・・パンツの上からじゃなくて、直にして・・・」
「何で?」
「だってよぉ・・・これだと、中の方まで弄ってもらえんだろー。」
「弄って欲しいんだ?」
「・・・ゆ、裕次郎が、そんなとこ触るからだろっ!!」
恥ずかしがりつつも、平古場は自分の欲求には正直で、直に弄って欲しいと甲斐に頼む。
こんな平古場も可愛いなあと思いながら、甲斐は下着の中に手を入れ、平古場のリクエス
トに応える。
「あっ・・・はぁっ・・・!!」
「すご・・・自分から飲み込んでいくみたいに入るぜ。」
「んっ・・・裕次郎っ・・・あっ・・・ふあぁ・・・・」
直接されるのは、布越しにされるのとは比にならない刺激で、平古場はぎゅうっと甲斐に
しがみつきながら、ビクビクと身体を震わせた。時折、甲斐の指が一番感じる部分に触れ
ると、平古場は一際高い声で甘い悲鳴を上げる。
「ひっ・・・あぁんっ!!」
「ココ?」
「あっ・・・そ、そこっ・・・んっ・・・いっ・・・ああ・・・」
「可愛い声。それに、前の方も相当キてるみたいだし?俺のアレにモロに当たってるから、
こっちまで興奮するさー。」
「ハァ・・・ゆうじろ・・のだって・・・・大きくなってるだろ・・・・」
「凛のこんな姿見せられたら、ならないほーがオカシイさー。」
平古場の内側を指で弄りながら、甲斐は平古場の熱さに興奮する。甲斐の指が出入りする
たびに、平古場は何度もイキそうになるが、下着を汚したくはないと必死で我慢する。
「うっ・・・ああっ・・・ん・・・」
「凛、もしかして我慢してる?」
「そ、そんなことっ・・・な・・・」
ぐりっ
「ひうっ・・・くっ・・・はあぁっ!!」
「やっぱ、してるし。下着、脱がしてやるからちょっと待ってろ。」
平古場が気にしていることに気づいて、甲斐はいったん指を抜いて、下着を脱がせてやる。
スカートの下の下着を脱がすという普段は絶対ありえない行為に、甲斐は無性にドキドキ
してしまう。
「何か・・・でーじエロいよな。」
「はっ・・・な、何が・・・?」
「スカートの下、何も穿いてないって・・・すごい状態だと思わん?」
「た、確かに・・・ズボンじゃありえん状態だもんな。」
「ホントもう、さっきから心臓ドキドキしっぱなしで俺のコレ、暴発しそー。」
「どんな下ネタかよ?」
「今、してること考えたら大したことないだろー?」
「ま、まあ・・・そうだな。」
まだ冗談を言い合える余裕はあるが、熱が集中している部分はほとんど余裕がない状態に
近い。と、突然下着を脱がすためにしゃがんでいた甲斐に合わせるように、平古場がしゃ
がみ込んだ。
「裕次郎・・・立って。」
「へっ?」
「ほら、早く。」
「お、おうっ。」
よく分からないが、平古場がそう言うならと甲斐は立ち上がった。すると、平古場は何を
思ったか甲斐のズボンのベルトに手をかけ、それを外した後、チャックを下ろす。
「えっ・・・!?り、凛っ!!??」
「はあ・・・あむっ・・・・」
すうっと息を吸うと、平古場は何のためらいもなしに、甲斐の熱を口に含んだ。あまりに
突然の出来事に、甲斐の頭は真っ白になる。
「なっ・・・あ・・・凛っ!!」
「んっ・・・んむ・・・」
「くっ・・・そ、そんなことされたら・・・」
口でされるという思ってもない状況に、甲斐は素直に感じてしまう。しかも、今の平古場
はセーラー服を着ているという何とも萌えな状況だ。視覚的な刺激と感覚的な刺激があい
まって、甲斐はあっという間に限界点に達してしまう。
「凛っ・・・う・・・ああっ!!」
「んんっ・・・んぐっ・・・ふっ・・は・・・」
全部飲み込みたいと思ったが、それほど慣れているわけではないので、平古場は途中で口
を離してしまう。そうなれば、当然甲斐の放った雫は平古場の顔にかかる。達した衝撃で
息を乱しながら、甲斐がゆっくりと目を開けるとそこには、今までで一番やらしい姿の平
古場が、瞳を潤ませながらペタンと座っていた。
「どうしよ・・・裕次郎・・・」
「わっ、ご、ゴメンっ!!顔にかけるつもりはなかっ・・・」
「違うって。裕次郎のして、裕次郎のが口に入ってきたら・・・何か俺も気持ちよくなっ
て・・・イっちゃった。」
そう言いながら、平古場はぺらっとセーラー服のスカートをめくる。スカートの内側は平
古場が放ったと思われる白い雫で汚れていた。そんな平古場を見て、甲斐の熱は再びその
熱さを取り戻す。
「凛っ・・・!!」
「わっ・・・」
思わず平古場を押し倒してしまった甲斐だが、もう自分で自分を止められることは出来な
かった。がばっと平古場の足を開くと、先程存分に慣らした入口に自分の熱を押しつける。
「やっ・・・裕次郎っ・・・・」
「無理っ、止めらんないっ!!」
「んっ・・・ああぁ――っ!!」
もう我慢出来ないと、甲斐は自身を平古場の中へと突き入れる。その衝撃はかなりのもの
であったが、痛いという感覚は感じなかった。むしろ、指では届かない場所まで熱い楔を
入れられ、ぞくぞくと甘い痺れが全身を駆け抜けるように平古場は感じた。
「凛の中、あっつい・・・」
「ふあっ・・・あっ・・・中・・・きゅうってするぅ・・・」
「気持ちイイ?凛。」
「んっ・・・気持ちイイ・・・でーじ気持ちいいよぉ・・・」
「やっぱ、凛、やらしいー。けど、そんなエロいとこも大好き。」
「ゆうじ・・ろぉ・・・俺・・・俺っ・・・・」
「何?」
「今日っ・・・変・・・裕次郎が動いても・・・動いてなくても・・・・全部気持ちいく
て・・・すぐ・・・イっちゃ・・・」
「いーぜ。どうせ、教室戻るときはもとの制服に着替えるんだし。その制服は、どんなに
汚しちゃっても構わないぜ。」
「そ、そんなこと言われたら・・・あっ・・・あっ・・・」
甲斐の言葉に、平古場は素直に達してしまう。平古場はこういうプレイに燃えるんだなあ
と思いながら、より平古場を気持ちよくさせるために大きく動く。
「あっ・・・ああっ・・・今イったばっかなのに・・・・またっ・・・・」
「もっと俺を感じて、凛。」
「ゆうじろっ・・・んっ・・・裕次郎っ・・・はあっ・・んんっ!!」
「大好き、凛。また、その格好してくれるか?」
「んっ・・・ゆ・・じろぉが・・・・喜ぶなら・・・するぅ・・・・」
「ホンット可愛いことばっか言ってくれるよな。」
「うあっ・・・また・・・イクっ・・・裕次郎っ・・・イっ・・・」
「ヤバっ、俺もイキそうかも・・・・」
「んあっ・・・ああぁぁ―――っ!!」
「うあっ・・・ああ・・・っ!!」
ぎゅうっとお互いの手を握り締めながら、二人は同時に絶頂を迎える。二人の放った雫で、
平古場の着ていた制服はすっかり汚れてしまった。しかし、そんなことよりも身体が感じ
る快感の方が断然大きく、女装用に用意した制服が汚れてしまったことなど、全く気にも
とまらなかった。
後始末や休憩をして、二人が教室に戻ったのは授業が終わる5分ほど前であった。
「ただいま戻りましたー。」
「随分遅かったな。もう授業終わるぞ。」
「裕次郎が全然見つかんなかったんですよー。」
「ごめんちゃい。」
「とにかく早く席につけ。全く甲斐のサボり癖にも困ったもんだな。」
ぶつぶつと文句を言いながら、その授業担当の教師はもう少しで終わる授業を続ける。二
人席に着き、ノートを机に出したと思った瞬間、授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
キーンコーンカーンコーン・・・
「はい、今日の授業はここまで。誰か平古場と甲斐にノート見せてやれよ。」
教師から見れば、甲斐に否はあるにしろ、それを探しに行った平古場には何の否もない。
しかも、自分が頼んだことである。そのため、授業をほとんど受けていない状態であって
も特に二人を叱るようなことはしなかった。
「はあー、何かどっと疲れたし。」
授業が終わると平古場はぐだーっと机に突っ伏して、そんなことを呟く。そんな平古場の
もとへ筆記用具と教科書を持った甲斐がやってくる。
「大丈夫かぁ?凛。」
「あー、大丈夫大丈夫。ちょっとだるいだけだから。」
「次の授業、移動教室だぜ。歩くの平気か?」
「そんなに心配しなくても平気だって。ほら、移動教室だったら早く移動しなきゃだろ?」
そんなことを言いながら立ちあがる平古場だが、ズキンと腰が痛むのを感じ、机に手をつ
き、腰を押さえる。
「うおぉ・・・結構キてるなこりゃ。」
「凛の荷物、俺が持つさー。凛がそうなってるのも俺の所為やし。」
「悪いな。でも、ま、それくらいはしてもらわんと。よっし、じゃあ行くか。・・・そんな
に早く歩けそうもないし。」
腰を押さえながら、ひょこひょこと歩く平古場を見て、可愛いなあと思いつつ、少し可哀
想なことをしたと、甲斐は苦笑する。次の教室に向かって廊下を歩きながら、甲斐はボソ
っと平古場の耳元で囁いた。
「また賭けテニスしよーな、凛。」
「なっ・・・!!つ、次は絶対負けないんだからな!!」
「俺だって負ける気ぃなんて全然ないさー。今度はどんな格好させようかなあ?」
「ゆ、裕次郎ーっ!!」
からかうようにそんなことを言う甲斐に、平古場はバッチリ乗せられる。本当に仲のよい
二人だなあと思いながら、クラスメイトは二人のやりとりを見てクスクスと笑うのであっ
た。
END.