古い神社の秘密の倉で

「侑士ー、次どこ行く?」
「せやなあ・・・」
休みの日に街に買い物に来ていた岳人と忍足は、ショッピングモールの中心を歩いている。
次はどこに向かおうかと話していると、目の前から見知った顔が歩いて来るのに気づく。
「なあ、侑士、前から歩いて来るのって・・・・」
「あー、立海の・・・」
二人の前から歩いて来ているのは、立海大付属中の丸井と切原であった。10mくらいま
で近づくと、さすがに向こうの二人も気づき、声を上げる。
『あっ・・・』
「氷帝の向日と忍足じゃーん。」
「偶然っスね。」
「お前らも買い物?」
「まーな。休みの日くらい遊ばねーと、やってらんないじゃん?」
「そりゃそうやな。」
テニスの大会も終わっている後なので、四人はそこまでライバル心むき出しの雰囲気では
なく、普通の友人と話す感覚で会話を交わす。他愛もない会話を交わしながら、岳人はあ
ることに気づく。
「丸井、そのチョーカーカッコイイな。」
「だろぃ?今日買ったばっかなんだぜ。」
「へぇー、いいなー。どこで買ったんだ?」
丸井がしている羽根モチーフのチョーカーに目を惹かれ、岳人は丸井にそんな質問をする。
それから話が発展し、二人は好きなアクセサリーについて話し始めた。
「俺、こういうモチーフのが好きでさー。」
「ああ、分かる分かる!俺、結構いいの売ってる店知ってるから、今度教えてやるよ。」
「マジで!?そりゃ嬉しいな。あっ、それからさー・・・」
街で他の者に会うとこんなふうになることはよくあることなので、忍足は二人の話を落ち
着いた様子で聞いている。しかし、切原の方はと言えば、丸井を取られたように感じ、だ
んだんとイライラしてくる。
(切原の奴、えらい不機嫌になってきてるなあ。やっぱ、まだまだ子供やな。)
「でさー・・・って、おりょ?」
放っておかれるのに耐えられなくなり、切原はぎゅうっと丸井の体を後ろから抱きしめる。
「何だよー?赤也。」
「先輩、今日は俺と遊びに来てるんスよ。」
「それくらい分かってるし。バカにすんなよ?」
「じゃあ、向日さんとばっか話してないで、俺と・・・」
あまりに必死な切原を見て、岳人はニヤニヤと笑ってからかうようなことを言う。
「なーに、ヤキモチ焼いてんだよ?」
「何だよ、お前、向日にヤキモチ焼いてんのか?」
「なっ!べ、別にそんなんじゃ・・・・」
「なら、俺と向日が話してんの邪魔すんなよ。」
丸井にそんなことを言われ、切原はあからさまに不機嫌な顔になりそっぽを向く。丸井が
岳人とばっかり話しているのは気に入らないが、これ以上からかわれるのも癪に障る。そ
んな切原を見て、さすがに可哀想だと思い、忍足は岳人に声をかける。
「岳人、俺、これから行きたいとこあるねん。」
「マジで?なら、行くか。」
「話してるところ悪いなあ、丸井。俺も岳人とデートやねん。返してもらうで。」
「おう!じゃあ、またな。」
楽しげに話をしていたものの、内容はそれほど重要なことではなかったので、丸井は特に
引きとめることもなく、岳人を忍足に返す。ひらひらと手を振り、二人は見送ると、丸井
はそっぽを向いている切原の肩に腕を回した。
「あの程度でヤキモチ焼くなんて、お前もまだまだ子供だなあー、赤也。」
からかうような笑みを浮かべ、丸井はそんなことを切原の耳元で囁く。子供扱いされるの
は腹が立つが、そういう態度を取ってしまったのは確かだ。否定するような言葉を返すの
も分が悪いし、だからと言って、この状況では丸井からは離れられない。どうしようか考
えながら、しばらく黙っていた切原だったが、ふと丸井の顔がひどく近距離にあることに
気がつく。
「何か言えよ、赤・・・」
あまりに黙っている切原に業を煮やし、丸井はそう声をかける。しかし、その言葉は、切
原の唇によって遮られた。
「〜〜〜〜っ!!??」
しっかりと丸井の唇に自分の唇を押しつけた後、切原はパッと顔を離し、ニヤっと笑って
みせた。
「な、な、な・・・何してんだ!?こんなところで!!」
「俺、まだ子供なんでー、したいと思ったことはしたくなっちゃうんスよ。」
「こ、こんなとこ、真田や柳に見つかったら大変だぞ!!」
「大丈夫ッスよ。丸井先輩が言わなけりゃ。」
「おっまえ、何開き直ってんだよ!?マジ、信じらんねー。」
「丸井先輩が俺のこと、子供扱いするからいけないんです。俺とデートしてんのに、向日
さんとあーんなに楽しそうに話してるし。」
ここまでハッキリ言われると、どんなに文句を言っても切原は止められないと、丸井は何
も言い返せず黙ってしまう。真っ赤になりながら、黙り込んでしまった丸井を見て、切原
は勝ち誇ったように笑って、そっと耳元で囁いた。
「まっかっかな丸井先輩、かーわいいー。」
「っ!?う、うるせぇ!!お前の所為だろーが!!」
「そりゃ悪かったですね。でも、後悔はしてないっスよ?」
「〜〜〜〜っ。」
公衆の面前でキスをされ、可愛いとからかわれる。何だか負けている気がして、丸井はほ
んの少しの悔しさを感じながら、このヤキモチ焼きで自分勝手な後輩を、どう教育し直し
てやろうかと、本気で考えるのであった。

丸井と切原と別れた後、岳人と忍足は特にどこかへ向かうでもなく、ショッピングモール
を抜けるような形で歩いて行く。
「にしてもさー、切原のあのあからさまなヤキモチ、ちょっと笑えるよなあ。」
「まあ、まだ俺らより年下やからな。仕方ないやろ。」
「侑士は俺が他の奴らと仲良く話してたりしても、全くヤキモチとか焼かないのか?」
「全く焼かないってわけやないけど、岳人が一番好きなんは俺やって自信持ってるし。」
「へぇ、言ってくれんじゃん。ま、確かにそれは間違っちゃいないけどな。」
先程の話をしながら、二人はそんな会話を交わす。しばらく歩いていくと、ふと何かを思
い出したように声を上げた。
「あっ、そうだ、侑士。」
「ん?何や?」
「まだ時間あるだろ。ちょっとこの前面白い場所見つけてさー。ちょっと行ってみねぇ?」
「面白い場所?どんなところや?」
「それは行ってからのお楽しみ〜。」
「別に行くんはかまへんで。けど、そないに言ってておもろくなかったら、帰るからな。」
「厳しいこと言うなあ。でも、大丈夫。きっと面白いからさ。」
何故か自信満々に岳人はそう言い切る。そこまで言うのであれば、さぞ興味深いところな
のだろうと、忍足は岳人について行った。

岳人が忍足を連れてやってきたのは、かなり古びた神社であった。もう管理がされていな
いようで、敷地内は草が生い茂り、建物自体も傷だらけであった。
「随分ボロボロな神社やなあ。」
「そうなんだよ。この前、ぶらぶらしてたら見つけてさー。一応、中も見てみたんだけど
よ、本堂は床とかも傷んでて、歩くのも危なかったな。」
「これが岳人の言ってた面白い場所なん?」
こんなボロボロの神社の何が面白いのかと首を傾げながら、忍足は問う。そんな忍足の質
問に岳人はニヤリと笑って首を振った。
「面白いのはこの奥にある倉みてぇなトコ。そっちもある程度ボロボロなんだけどよ、中
は結構面白いぜ。」
「へぇ、そうなん?そりゃ見てみたいなあ。」
興味があるというような忍足の言葉を聞いて、岳人の胸は高鳴り、期待に胸を躍らせる。
「だったら、早く行ってみようぜ!!」
「わっ、ちょ・・・岳人っ!!」
忍足の手を引き、岳人は神社の本堂の裏にある倉に向かって駆け出した。本堂の裏は、膝
の高さくらいまで草が伸びており、その倉を隠しているかのように辺り一面を覆っていた。
草に隠れた木の戸を開けると、何のためらいもなく岳人はその倉の中に入る。そんな岳人
に連れられ、忍足もその薄暗い倉へと足を踏み入れた。
「何や薄気味悪いなあ・・・」
「電気は通ってねぇみたいだから、暗いのは仕方ねぇだろ。」
上の方にある窓から日の光が差し込んではいるものの、それは微々たる明かりにしかなら
ず、倉の中は全体的に暗かった。こんな場所に勝手に入っているのがバレるとやはりまず
いということで、暗いながらも岳人は戸を閉めてしまい、中から鍵をかけてしまう。
「確か蝋燭と蝋燭立てがあったと思うんだよな。それ使えば、ちっとは明るくなるだろ。」
この倉は神社で使用する物がしまってある場所らしく、蝋燭以外にも様々な物がところ狭
しと置いてあった。どこからか見つけてきた蝋燭立てに蝋燭を差し、マッチで火を灯すと、
岳人は燃えやすいものがない場所にそれを置いた。
「確かに・・・少しは明るくなったな。」
「この倉すごくってさー、いろんなもんがあるんだぜ。で、俺がここで何をしたかったか
と言うと・・・・」
実に楽しそうな口調でそんなことを言いながら、岳人は一つの箱の中をがさがさとあさる。
その箱の中から岳人が取り出したのは、神社ではよく見かけるあの衣装であった。
「じゃーん!!」
「じゃーんって・・・そんなん出してどないするん?」
「そんなの決まってんじゃん。侑士が着るんだよ!」
その衣装を見た瞬間そうは思ったが、本当にそう言われると、何だか残念な気持ちになる。
嫌だと言おうとも思ったが、あまりにもキラキラとした目で岳人が自分を見てくるので、
忍足は大きな溜め息をついた後、その衣装を手に取った。
「俺が巫女服着たって、そんなに似合わんと思うで。」
「いや、絶対似合うって!!なあなあ、侑士、着てみろよ!!」
「はあ・・・仕方あらへんなあ。」
受け取った巫女服は、意外とサイズが大きく本当に忍足も着れるようなものであった。ど
こからこんなものを見つけてきたんだと半ば呆れながら、忍足はその服に着替える。
(巫女服って、意外と複雑なんやなあ。着替えにくい・・・・)
あくせくしながら巫女服に着替えている忍足をじっと眺めながら、岳人はドキドキと胸を
高鳴らせる。やはりここに連れてきて正解だったと思いつつ、忍足が着替え終わるのを待
った。
「こ、こんな感じで・・・ええんかな?」
恥ずかしそうにしながら忍足は岳人の方を振り返った。予想以上に巫女服を色っぽく着こ
なしている忍足を見て、岳人の興奮は最高潮に達する。
「すっげぇ似合うぜ、侑士!!可愛い過ぎっ!!」
「そ、そうか・・・?」
「うんうん!!もうこのまま犯したいくらい!!」
「は・・・?」
そう口にした岳人の行動は忍足が想像していたよりも俊敏で、あっという間にその場に押
し倒され、組み敷かれてしまった。
「・・・やっぱりこうなるんかい。」
「だって、思った以上に侑士可愛すぎなんだもんよ。こーんなに可愛い格好見せられたら、
嫌でも興奮しちまうって。」
「全く岳人は・・・」
「なあ、してもいい?」
「この状態でそれ聞くんか?嫌や言うたらやめてくれるん?」
「やめるわけねぇじゃん。」
「だったら、聞く意味ないやん・・・・」
「一応、聞かないとなーと思ってさ。」
「ったく、ホンマに岳人にはかなわんわ。こんな場所誰も来ぃへんだろうし、少しくらい
なら・・・ええで。」
恥ずかしいと思いつつも、忍足は岳人の問いに肯定的な返事を返す。忍足の許しももらえ
たということで、岳人はご機嫌な様子でそういうことをし始めた。

やっとのことでしっかりと身につけた巫女服は、岳人の手によって乱されていた。純白の
白衣と襦袢の胸元は大きく開き、緋色の袴は白衣と共に腰のあたりまでまくり上げられて
いる。
「巫女服って、こんな構造になってんのな。」
「ハァ・・・何や知らなかったんかい。」
「だって、外から見ただけじゃどうなってるか分かんねぇじゃん。でも、この格好、すっ
げぇエロいぜ、侑士。」
ただでさえ恥ずかしいのに、そんなことを言われれば、余計恥ずかしくなってしまう。岳
人の顔をまともに見れず、着物の裾で顔を覆っていると、剥き出しの下肢に直接的な刺激
が与えられた。
「あっ・・・」
「顔、見せろよ。隠してねぇでさ。」
「い・・やや・・・恥ずかしい・・・・」
「見せないと、こうだぜ?」
「ひ・・あっ・・・あっ・・・やあ・・・」
左手でぎゅっと根本を握りながら、右手で激しく先端の方を擦る。そんな強すぎる刺激に、
忍足はがくがくと足を震わせ、堪え切れない喘ぎを漏らす。
「はっ・・・ああ・・・が、岳人ぉ・・・」
「やめて欲しかったら、どうすればいいか分かるだろ?」
「う・・・」
羞恥心で心臓が壊れそうになりながらも、忍足は顔を覆っていた腕をどける。白い着物の
下に隠れていたのは、袴と同じくらい鮮やかな緋色に染まった忍足の顔であった。そんな
忍足の表情を見て、岳人の胸は激しく昂ぶる。
「こんなイイ顔隠すなんて、ひどいよなあ侑士。」
「ん・・あっ・・・岳人っ・・・もう・・・手離して・・・・」
「何で?」
「そないに・・・強く握られてたら・・・・痛いねん・・・・」
「痛いのに、こんなに硬くして、俺の手濡らしてんのか?」
「・・・そ、それは、岳人が・・・たくさん・・・弄るから・・・・」
意地悪なことばかり言う岳人の言葉に、忍足は恥ずかしさを必死で堪えながら答える。羞
恥で潤んだ瞳に、紅潮する頬、荒い呼吸の合間に紡がれる言葉は、岳人の理性を少しずつ
奪っていった。
「たくさん弄られて気持ちイイ?それとも、嫌?」
右手を離し、利き手の左手で、岳人はゆっくりと忍足の熱を上下に擦り始める。ぞくぞく
と全身を駆け抜ける甘い痺れ。先程の激しい擦り方とは一味違う弄られ方に、忍足は思わ
ず腰を揺らしてしまう。
「あ・・んっ・・・・ふあ・・・・」
「答えろよ、侑士。俺にココを弄られて、どう感じてんだ?」
「んっ・・・き、気持ちええ・・・あっ・・・ひあっ・・・・」
「よく出来ました。」
聞きたかった言葉を聞けて上機嫌になった岳人は、ニヤリと笑いながら、一際大きく根本
から先端に向かって忍足の熱を擦り上げる。既に限界近くまで高まっていた忍足の熱は、
そんな刺激を受け、先端から真っ白な濃いミルクを放った。
「ああっ・・・ああぁ―――っ!!」
巫女服を身に纏い、甘い声を上げ、達する忍足の姿はこの上なく艶やかであった。そんな
忍足の色香にやられ、岳人は体の奥がひどく熱くなっていくのを感じる。
(本当たまんねぇ。侑士、超可愛い。)
そんなことを考えながら、手についた蜜を舐めていると、後ろでドサッと何かが落ちる音
が聞こえる。驚きつつ後ろを振り返ってみると、一つのダンボールが倒れ、その中身が辺
りに散乱していた。
「何だ、ダンボールが倒れただけか。バランス悪そうに置いてあるのもあったもんな。」
辺りに散らばっている物を見回していると、岳人の目にある物がとまった。金色の何かが
入った小瓶と、壊れた祭具についていたと思われるいくつもの鈴。これは少し使えるかも
しれないと、岳人はそれらを手に取った。
「何持ってるん・・・?岳人。」
「んー、何だろうなと思って。・・・椿油?あー、あの髪とかに塗るとサラサラになるとか
いう奴か。」
小瓶に入っている金色の液体の正体は椿油であった。油であるのであれば、そういうこと
につかえるかもしれないと、岳人はその瓶の蓋を開け、自分の手の平に垂らしてみる。
「これってさー、きっと慣らすのに使えるよな?」
「は??」
「何にもないよりかは、きっといいよな。ちょっと使ってみよう。」
「ちょ・・・ちょっと待ち・・・岳人っ・・・って、ふあっ!」
忍足が制止するのを無視して、岳人は椿油を絡めた指を忍足の蕾に持っていく。椿油が潤
滑油の役割を果たし、岳人の指はいつもより簡単に忍足の中に埋められた。
「やっぱ、こういうの使うと違うよな。ほら、もうこんなに指が動かせる。」
「ひあっ・・あっ・・・んっ・・・岳人っ・・・!」
「侑士も楽だろ?あっ、そうだ♪」
痛がる様子もなく、忍足は指を動かされるたびにビクンとその身を震わせる。これは使え
ると思いながら、岳人はまた新しいことを思いつく。
「侑士、これなーんだ?」
「す、鈴・・・?」
「正解♪これにもさっきの椿油を絡めまして・・・」
「な、何するつもりや・・・?」
「へへへ、こうするんだよ。」
落ちていた鈴に椿油を絡めると、岳人はそれを忍足の蕾に押し付ける。そして、それを指
で蕾の内側へと押し込んだ。
リン・・・・
「ひあぁっ・・・冷たっ・・・!!」
「あと、二つくらいは入るよな。」
「いやっ・・・嫌やぁ・・・ひぐっ・・・ふああぁっ!!」
リン・・・リン・・・
近くに落ちていた鈴を三つ程、岳人は忍足の中へ埋め込む。その何とも言えない冷たさと
凹凸感に忍足はぶるぶると下肢を震わせる。
「あっ・・・やあ・・・取ってぇ・・・・岳人ぉ・・・・」
「せっかく入れたんだから、もうちょっとそのままにしとこうぜ。」
「嫌や・・・こんなん・・・変になってまう・・・・」
「しょうがねぇなあ。」
そう呟きながら、岳人は再び忍足の中にぐいっと指を入れる。もともとそんなすぐに取っ
てやるつもりなどさらさらなかったので、岳人は内側に入れた指でコロコロと中の鈴を転
がした。
「ひ・・うっ・・・あっ・・・んあぁっ・・・!!」
「あっれー?上手く取れねぇなあ。」
コリ・・・コリ・・・・
「ひああぁっ・・・ダメぇ・・・岳人っ・・・動かしちゃ・・・ああっ!!」
鈴の凹凸が敏感なところを刺激し、忍足はいやいやと首を振って叫ぶ。しかし、そんな忍
足の反応に味をしめた岳人は、わざと感じる部分に当たるようにゴリゴリと鈴を押し付け、
指でそれを転がした。
「ああぁっ・・・あっ・・・岳人っ・・・ひっ・・ん・・・ふああぁっ!!」
「そんなにイイ声で鳴いて、本当は取って欲しくねぇんじゃねぇの?」
ぐり・・・
「うああぁっ・・・岳人っ・・・岳人っ・・・ああぁ――っ!!」
敏感なところばかりを鈴で責められ、忍足は岳人の名前を口にしながら大きく身体を震わ
せ達してしまう。鈴から指を離し、ずるりと指を抜くと、収縮する蕾が中にある鈴を吐き
出すかのように外へと押し出した。鈴が蕾を通り過ぎる感覚にも忍足は感じてしまい、治
まらない絶頂感に吐精を繰り返す。
「あっ・・・あ・・・ぁ・・・・・」
「鈴入れられて感じちゃうなんて、侑士、やらしいー。」
「だって・・・ふっ・・・ぇ・・・・」
あまりの恥ずかしさに忍足は本気で泣き出してしまう。さすがにやりすぎたと岳人は焦り
ながら、忍足の目からこぼれ落ちてくる涙をペロペロと舐めて拭った。
「あー、ちょっと言い過ぎた。ごめん、侑士。」
「ふっ・・・ひっく・・・」
「もうこれは使わねぇから。な?」
「なら・・・」
「ん?何だよ?」
ぐいっと岳人の服を引っ張ると、忍足は岳人の耳元で何かを囁く。それを聞いて、岳人は
驚いたような顔をした後、苦笑した。
「侑士がそう言うんだったら、遠慮しないぜ。」
「・・・・・。」
もうこれ以上何かを言うのが恥ずかしくて、忍足は黙って腕を伸ばし、ぎゅうっと岳人に
抱きついた。袴と白衣をしっかりとたくし上げると、岳人は自分の熱を忍足の十分に慣ら
された蕾に押し付け、ぐっとその身を進める。
「んっ・・・ああぁっ・・・」
「平気か?侑士。」
「平気や・・・んっ・・・ハァ・・・・」
「椿油使ったからか、今日はちょっと動くのいつもより楽かも・・・」
潤滑油的なものを使ったこともあり、いつもよりスムーズにそれを動かすことが出来た。
スムーズに動かせるということは、岳人が気持ちよく感じられるのはもちろんのこと、忍
足にとってもそれは大きな快感になり得る。岳人が動くたび、忍足の内側はとろけるよう
な快感で埋め尽くされ、よりその心地よさを求めようと、自然に腰が動いていた。
「あっ・・・あんっ・・・ああ・・・あっ・・・」
「すげぇ気持ちいいぜ、侑士。その顔も格好も最高に可愛いし。」
「なぁ・・・岳人・・・・」
「何?」
「キス・・・したって・・・・?」
「ふっ、いいぜ。侑士が満足するまで、いっくらでもしてやるよ。」
より岳人との一体感を感じたいと、忍足はそんなことを口にする。こんな状況での可愛ら
しいおねだりに、岳人の胸はひどくときめいた。紅潮した顔のいたるところに口づけ、最
後は小さく開いた唇に深く甘いキスを施してやる。身体の中心と重なり合う唇の内側で、
お互いの蜜が混じり合う。全てがとろけてしまいそうな甘い快感を感じながら、二人は何
度も口づけを交わし、快楽の高みへと昇りつめていった。

汚れてしまった巫女服を脱ぎ、もともと着ていた服に着替えると、忍足はぐったりと壁に
寄りかかり、疲れた体を休めていた。
「はあ・・・」
「大丈夫か?侑士。ちょっと無理させちまった感たっぷりなんだけど。」
「ああ、少し疲れてるけど、そこまでではないから大丈夫やで。別に心配せんでも。」
「そっか。」
忍足のことを考えるともう少し休んでいった方がいいだろうと、岳人は忍足の隣に腰を下
ろした。
「それにしても、侑士があそこまで巫女服が似合うなんて思ってなかったぜ!」
「それ本気で言ってるん?」
「もちろん。やっぱ、あーいう格好ですると、気分の盛り上がり方が違うよな!!」
「俺は恥ずかしいだけやったけどな。」
「その恥じらいがまたいいんじゃん。あの格好はまた是非してもらいたいもんだな。」
あまりにも岳人が力説するように言うので、忍足は思わず吹き出してしまう。あんな格好
であっても、そこまで似合う似合うと言われれば、それほど嫌な気はしない。
「ま、気分が乗ってる時やったら、別にまた着てやってもええで。」
「マジで!?」
「気分が乗ってる時だけやからな。そう滅多には着ぃへんで。」
「それでも十分だぜ!!よーし、だったらこれ持って帰って、また着てもらえるように、
洗おうっと。」
「それ、窃盗にならへん?」
「こんなボロボロな場所にあるもん誰も着ねぇだろ。一着くらい平気だって。」
汚れてしまった巫女服を抱えながら、岳人は満面の笑みでそんなことを言う。ちょっと余
計なことを言ったかなあと思いつつも、忍足も岳人につられて笑ってしまう。
「家の人に見つからんようにな。家に巫女服なんかあったら、怪しまれるやろ?」
「あー、確かに。それは気をつけねぇとだな!」
「さてと、そろそろ帰るか。夜になるまでこないなところに居るのもアレやしな。」
「もっと休んでいかなくて大丈夫なのか?」
「ああ、もう平気やで。」
まだ少しだるい気はするが、岳人と話しているうちにだいぶ気分は楽になった。よいしょ
と立ち上がると、忍足は岳人に手を差し出す。
「ほな、行くか。」
「おう!!」
忍足の手を取り立ちあがると、岳人はニッと笑いながら、ぎゅっと忍足の手を握る。そん
な岳人の手を握り返し、忍足もふっと笑った。二人そろってその倉を出ると、既に太陽は
西の方に傾き、空を赤く染めていた。そんな夕焼け空の下、二人は家に向かって歩き出す
のであった。

                                END.

戻る