Let’t Sing Songs!!

リクエスト内容『オールキャラのカラオケネタ』

関東大会青学戦が終わり、だいぶ自由な時間が出来た氷帝メンバーは気晴らしにとみんな
でカラオケに行くことになった。跡部、宍戸、岳人、忍足、ジロー、滝、鳳、樺地、日吉
レギュラーメンバー全員でカラオケへと向かう。この人数なので、部屋は一番大きな部屋
で歌うことになった。
「お前ら、時間どのくらいにするよ?」
「そうだなあ・・・3時間くらい?この人数だし。」
「3時間だな。」
跡部は代表して名前を書き、時間や部屋を受付に出した。大きな部屋なので、だいぶ奥の
方になってしまうが、ある意味このメンバーにとっては都合がいいのかもしれない。
「このメンバーでカラオケ来るのって俺初めて。」
「そういや、この前は滝と日吉はいなかったもんな。楽しいぜ。」
「でも、滝さん俺とはよく行きますよね。」
「うん。みんなどんな歌歌うのか楽しみだなあ。」
滝はこれだけの人数でカラオケにくるのは初めてだったので、実に楽しそうだった。
「さてと、誰から入れる?」
岳人が尋ねるとジローが手を上げて、自分から入れると言い出した。
「はいはい、俺から入れる俺から!!」
「ジロー先輩、今日はどんなの歌うんですかね。」
「いつも結構すごい歌歌うもんな。」
「へぇ、そうなんだ。楽しみ♪」
ジローはピッピッと番号を押して、曲を入れた。しばらくして、画面が変わり曲が始まる。
チャンチャンチャーン♪
「そうだおそれないでみんなのために♪愛と勇気だけが友達さー♪」
楽しそうにジローは歌い始める。まさかアンパンマンを歌うとは思わなかったので、他の
メンバーは唖然とするものもあれば、爆笑しているものもいる。もちろん前者は滝や日吉。
後者は岳人や忍足だ。
「何のために生まれて 何をして喜ぶ♪分からないまま終わる そんなのはいーやだ♪忘
れないで夢を♪こぼさないで涙♪だから君は行くんだどこまでもー♪」
「違和感ないのがジローのすごいとこやな。」
「ホント、ホント。おもしろいくらいにあってるよな。」
岳人と忍足はさすがジローと褒めてる。ジローが楽しそうに歌ってる間、滝や鳳、跡部や
宍戸は曲本を見て、歌う歌を探している。
「滝さん、何か一緒に歌いません?」
「いいよ。いきなり一人で歌うの恥ずかしいしね。何にしようか?」
「やっぱ、Kinkiとかが歌いやすいんじゃないっスか。」
「じゃあ、『to Heart』にしよう。長太郎、歌えるよね?」
「はい。バッチリ歌えますよ。」
滝と鳳は次に二人で歌おうとリモコンで曲を入れた。
「何、歌おうかなー?」
「お前、アレ歌えないか?」
「アレ?アレって何だよ?」
「えっと、何だっけ、ほら堂本剛の。」
「堂本剛ったって、アルバム出してるから結構曲あるぜ。」
「えっと・・・そうだ!アレだ!!『溺愛ロジック』。」
「『溺愛ロジック』か。たぶん歌えるぜ。」
「じゃあ、お前それ歌えよ。俺、お前がそれ歌ってるの聞きてぇ。」
「別にいいぜ。」
というわけで、宍戸は跡部のリクで滝と鳳の次に曲を入れる。
「ア、ア、アンパンマン優しい君は♪行けみんなの夢守るため♪」
ジローはバッチリアンパンマンの歌を歌い終えた。満足そうに笑いながらマイクを置く。
「はぁ〜、楽しかった。」
ジローは樺地の隣の席にポスンと座った。
「樺地は何か歌わないの?」
「ウス。」
「何か歌ってよ。俺、樺地の歌聞きたーい。」
そう言ってジローは樺地に曲本を渡す。樺地は少し困惑するが、パラパラとページをめく
り歌えそうな歌を探し、曲を入れた。それを見て、ジローはパアっと笑顔になる。
「マジで樺地歌ってくれるんだ!!うっわー、すっげー!!今日は絶対寝れないね。」
二人がこんなやり取りをしている間に滝と鳳の曲が始まった。
「この想いを君に伝えたい ありふれた言葉でいい♪どこか遠く離れていくような不安覚
えた夜♪」
「携帯で繋いだ運命♪広い空の片隅で♪」
「どんな遠く離れていても 届くはずさ My Heart♪」
『君がいる ただそれだけで 壊れるくらい強くなれるよ♪切なさの全てをかけて 僕は
信じる Heartは届くと♪』
滝から歌い始め、画面の表示に合わせパートを分ける。サビの部分は二人で一緒に歌う。
「何かラブラブー。」
「ホンマやな。最近この二人もいい感じやん。」
「侑士ー、俺達も何か歌おうぜ。」
「ほなら、岳人に向けて歌ってやるで。」
「マジで!?うわあ、うれしいVv」
滝と鳳が歌っている間に忍足はとある曲を入れる。一応、岳人に向けてということらしい。
「夜は夜になるため 太陽を犠牲にするという♪」
「永遠なものなんてない♪」
『それでも星は二人の上で光る♪』
曲も最後の方へ差し掛かったところで、二人は顔を見合わせ笑う。こういう何気ない仕草
が二人がラブラブなのだなあというのを表している。この二人の曲が終わるとすぐに宍戸
の曲が始まった。
「女らしさのカケラもないのアタイ♪そこいらの男達よりも頑丈♪涙滲まない 引きずる
音キライ♪」
宍戸が意外な曲を歌っているなあと滝や鳳は感心する。
「宍戸さんがこの歌歌うなんて意外ですね。」
「ああ。でも、宍戸って歌詞とかあんまり気にしないタイプじゃない?」
「確かに。この前みんなで行ったときもそうでしたもん。」
本当にただ歌っているだけという感じで、宍戸は普通にサビに入る。
「抱いて 抱いて 抱いて 抱いて ズキドキさせて♪心臓揺さぶって 唇塞いで体温を
頂戴♪誰も知らない 誰も知らない 真実のバラ♪腰を振るのはあなたの鼓動の中だけ 
Ah Ha− Ha−♪」
そんな宍戸の歌にニヤニヤしながら跡部は聞き入る。それを見て忍足と岳人は呆れたよう
な表情になる。
「これ、絶対跡部の奴が歌わせたな。」
「うん。宍戸も普通に歌ってるしな。この曲結構エロいのに。」
「それに気づかないところが宍戸のおもろいとこだけど。」
「まあな。」
何だかんだで宍戸の歌は終わってしまう。歌い終えた宍戸も満足そうだったが、それ以上
に跡部の方が数倍満足そうな表情だった。
「よかったぜ。宍戸。」
「そうか?そういや跡部は何か入れねぇの?」
「そういやまだ入れてなかったな。入れるか。」
跡部も何か曲を入れたようだ。
「次、誰?」
「ウス。」
樺地が返事をするとそこにいた全員は驚いたような表情を見せた。樺地の歌を聞くのは誰
もが初めてだったのだ。何をどんなふうに歌うのかとメンバー全員息を飲む。そして始ま
ったのは・・・・なんと『瑠璃色の地球』だ。
「樺地、こんな歌歌えるんだ・・・。」
「何かスゴイっスね。」
「でも、結構うまくねぇ?女の人の歌をよくここまで歌えるよな。」
意外にうまい樺地の曲にみんな聞き入った。
「朝日が水平線から 光の矢を放ち♪二人を包んで行くの 瑠璃色の地球♪」
2番の歌詞は樺地が歌うと何故だかとても説得力があった。これは純粋な樺地ならではの
ものであろう。歌い終わると思わずメンバーは拍手をしてしまった。樺地は少し照れなが
ら、ぺコッと頭を下げ、マイクを置いた。
「やるな、樺地。」
「ウス。」
跡部も思わず素直に褒める。とそのまま、次の曲が始まった。
「次は俺やな。」
「頑張れ侑士!!」
一回ふぅーっと溜め息をつくと、忍足は歌い始める。
「心配性すぎなあなたは 電車に乗せるのを嫌がる♪まるで かよわい女の子みたいでな
んだか嬉しいの♪」
忍足が歌い始めたのは、KinkiKidsの『愛のかたまり』だった。岳人は自分に向
けての歌だと聞いていたので、とてもうれしそうだ。
「思いきり抱き寄せられると心 あなたでよかったと歌うの♪�勝韮蹌瓧鵑覆鵑討い蕕覆い�
らい 日々が愛のかたまり♪明日の朝も愛し合うよね♪」
「侑士、最高!!」
岳人はもううれしくてしょうがなかった。あまりのこの二人のラブラブさに他のメンバー
はもう勝手にやってくれ状態。
「ホント、仲いいっスね。あの二人。」
「そうだね。俺も長太郎に向けて何か歌おうかな。」
「えっ!?本当っスか!?」
「うん。楽しみにしててね。」
滝も忍足のように鳳に向けて何か歌うようだ。
「日吉は何か歌わないの?」
「えっ・・・。」
さっきからずっと黙っている日吉に鳳は声をかける。日吉はせっかく来たんだからと曲本
を開き始めた。
「じゃあ、これにするか。」
「えっ、何歌うの?」
「何でもいいだろ。」
日吉はちょっとつきはなすような感じで鳳を見る。少し照れているようだ。
「子供みたいに甘える顔も 急に男らしくなる顔も♪あたしには全てが宝物 幾度となく
みさせて♪」
このあたりの歌詞はこの二人のペアにピッタリだ。それは誰もが思った。
「次は俺だな。」
忍足が終わると次は跡部の番。跡部が歌う曲はいつもどこか微妙にエロい。岳人達は今回
はどんな歌を歌うのだろうと少しワクワクしている。跡部以外のメンバーが想像していた
通り、中学生が歌うにしてはかなり微妙な歌だった。
「絶好調じゃん♪腰もキれてる♪たわわな胸にあらら♪」
そう郷ひろみの『獣は裸になりたがる』だ。少し古い上にこんな歌詞。岳人や滝、忍足は
笑うのをこらえていた。そして、サビの部分に入るとこのメンツは宍戸をからかい始める。
「Mo Mo Mo Mo もっともっと 焼けてよ♪切ないカラダの入江まで♪CHA
CHA CHA CHA ちゃんとちゃんと 見せてよ♪抱きしめて 脱がされて 剥が
されて 仰け反って そそり立て あの波のように♪獣は裸になりたがる♪」
「ここらへんってさあ、絶対宍戸に向けてだよね。」
「なっ!?何でだよ!!」
「せやなあ。そうとしか思えへんし。」
「そんなことねぇ!!」
「えー、どう考えてもそうでしょ。」
「ウルセー!!黙って聞けよお前ら!!」
宍戸は真っ赤になりながら怒鳴る。岳人達がそんなことをいうのでこのあとの歌詞はほと
んどまともに聞いていられなかった。
「獣は裸になりたがる♪」
跡部は大満足というような感じで歌いきった。宍戸はいまだに顔を赤くしたままだ。
「何そんなに赤くなってんだよ?」
「べ、別に何でもねぇよ。」
「お前、ホント可愛いな。なあ、次デュエットしようぜ。」
「お前と?」
「当然。俺達もラブラブなところ見せてやろうぜ。」
「別に見せなくても・・・」
「とにかく入れるからな。」
跡部は今歌い終わったにも関わらず、また曲を入れる。今度は宍戸とデュエットをするよ
うだ。跡部の次は滝。さっきの話によると鳳に向けての歌のようだが・・・。
「Tour tour pour ma Cherie ma Cherie・・・・♪
窓ごしに 揺れる木漏れ陽と♪かわいた風に指をからませ 君を さらって ここまで来
たけど♪気まぐれな恋人同士、うまくいくかな?♪」
「これ誰の曲?」
「たぶんもと歌はフランス語曲だと思ったけど、誰だ?」
「この曲SHAZNAの曲だよー。」
「そうなのかジロー。知らなかった。」
「滝さん、やっぱり歌うまいですVv」
自分に向けての歌だということで、鳳の顔は緩みっぱなしだ。
「くちびるが想いを伝える♪言葉だけじゃ足りないなら くちびるあげる♪君が欲しい 
未来をかさねて♪君の全てに涙が あふれそうになる♪」
滝は本当に楽しそうに歌いきる。鳳も実にうれしそうだ。
「どうだった長太郎?」
「すごくよかったです。ありがとうございます滝さん。」
「もうあの二人イチャつきまくりだねー。」
「そういや岳人、何か曲入れへんの?まだ、何にも入れてないやろ。」
「あっ、本当だ!!入れなきゃ。」
岳人は自分が何も曲を入れていないことに気づき、慌てて入れた。
「あれ?そういえば長太郎ソロで何か歌ったけ?」
「えっ、まだ歌ってませんけど・・・。」
「じゃあ、何か入れてよ。俺、長太郎の歌聞きたいな。」
「分かりました。じゃあ、俺も滝さんに向けてみたいな曲にします!!」
「ホントー?やった♪」
鳳も岳人に続いて曲を入れる。その間に日吉の曲が始まっていた。
「風の中のすばる 砂の中の銀河♪みんなどこへ行った 見送られることもなく♪草原の
ペガサス 街角のヴィーナス♪みんなどこへ行った 見守られることもなく♪」
「『地上の星』?」
「日吉、なかなか渋い曲歌うよな。」
「でも、あってるよな。うまいし。」
日吉は『地上の星』を歌い始めた。これも意外な選曲だとみんな思った。
「つばめよ 高い空から♪教えてよ 地上の星を♪つばめよ 地上の星は今どこにあるの
だろう♪」
淡々と日吉は歌い続ける。その光景に他のメンバーはぼーっと見入ってしまった。
「もう終わりましたけど。次誰ですか?」
「あっ、終わったのか。」
「じゃあ、俺達だな。」
跡部は傍にあったマイクを隣に座っている宍戸に渡し、日吉からマイクを受け取る。始ま
った曲は『LOVE SONG』。そういうタイトルの曲なのだ。
「聴いた風な流行にまぎれて 僕の歌が やせつづけている♪安い玩具みたいで 君に悪
い♪」
「ひどいもんさ 生きざまぶった 半オンスの拳が うけてる♪僕はそれを見ていたよ 
横になって♪」
「へぇ、CHAGE&ASKAかあ。跡部達なかなかスゴイ曲歌えるんだね。」
「この曲、CHAGE&ASKAなんですか?俺、あんまりそのあたりの曲は知らないな
なあ。」
鳳はCHAGE&ASKAなどの少し古めの曲はあまり知らないようだ。
『抱き合う度にほら −secret river side−♪欲張りになって行く 
−We can’t go back−♪君が想うよりも 僕は君が好き♪』
「何や、この二人にしては普通のラブ・ソングやな。」
「確かに。この二人が歌う曲って、いっつも変な曲ばっかだもんな。」
岳人と忍足は笑いながら、そんなことを話している。それを聞いて、歌っていた二人は少
しカチンと来ていた。
『抱き合う度にほら −secret river side−♪また君増えて行く −
We can’t go back−♪君が想うよりも 僕は君が好き♪』
一番最後のサビを歌い終えると跡部は持っていたマイクをテーブルの上に置き、マイクを
持っている方の宍戸の腕を掴んで、そのまま軽くキスをした。こんなことはもちろん予測
出来ていなかったので、ほんのちょっと触れるくらいのキスだったにも関わらず、宍戸の
顔は一気に真っ赤になった。
「なっ、あっ、跡部!?」
「こういう曲を一緒に歌った後だ。これくらいいいだろ?」
「でも・・・」
「宍戸、真っ赤ー。可愛いー。」
「な、何言ってんだよ岳人!!」
「ホント、ホント。やるねー、宍戸。顔、さくらんぼみたいで可愛いぜ。」
「滝まで〜。」
からかうつもりで言ったのだが、それが跡部は少し気に入らなかったらしく宍戸をぎゅう
っと抱きしめて、二人に言い放った。
「宍戸は俺のだ!そんなに可愛い可愛い連発すんな!!」
「分かってるよー、そんなこと。俺には侑士がいるし。」
「俺だって、長太郎がいるもん。ちょっと、からかってみただけだって。」
岳人や滝も跡部と同じようにそれぞれの相手を抱きしめる。
「あー、お前らずっりー!!じゃあ、俺は樺地だもんねー。」
ジローも負けじと樺地に抱きついた。
「そういうふうにしてるのは、別にかまわないと思いますけど、向日先輩もう曲始まって
ますよ。」
相手がいない日吉は冷静に岳人に対して忠告した。岳人はそのことに気づいて慌てて、マ
イクを持ち、歌い始める。
「Yo Say 夏が胸を刺激する 生足魅惑のマーメイド♪出すとこ出してたわわにな
ったら 本物の恋はやれそうかい♪」
岳人が入れていた曲はT.M.の『HOT LIMIT』のようだ。ハイテンションなこ
の曲は岳人にピッタリであろう。
「うわあ、いかにも岳人って感じの曲だな。」
「でもさ、名前だけ考えたらGacktの曲でもよくねぇ?」
「えー、でもそれは向日先輩のイメージじゃないっスよ。」
「せやなあ。やっぱ、岳人はこういう曲の方があってんのとちゃう?」
元気よく歌う岳人を見ながら、飲み物に手を伸ばしたりしてそれぞれいろいろ話す。最後
の方の盛り上がりになると岳人のテンションはさらに高くなる。
「都会のビルの海じゃ 感じなくなってる君を♪冷えたワインの口付けで 酔わせて と
ろかして 差し上げましょう♪」
「何気にこの歌も結構アレだよな。」
「そうだな。やっぱ、忍足に向けてみたいな?」
「そ、そないなことあらへんよ!」
「じゃあ、あとで岳人に聞いてみようぜ。」
からかいの対象が今度は忍足になった。最後の方のサビの歌詞が結構きわどいので、忍足
はなんとなく顔を赤らめる。岳人は全くそんなことを気にしていないようだ。
「はぁ〜、楽しかった。」
「なあ、岳人。さっきの曲ってやっぱ忍足に向けて?」
「まあ、そうだろうな。他にいないだろ。」
「何で岳人そのまま素直に答えんのや!!」
「えー、だって本当のことだし。」
「ほらな、やっぱりそうじゃん。忍足もなかなかやるねー。」
「う〜〜〜。」
宍戸も滝も楽しそうに忍足をからかう。宍戸はさっきの仕返しというのもあるのだろう。
岳人のソロが終わると次は鳳だった。鳳の歌う曲は『君の前でピアノを弾こう』だ。
「恋をしてるよ クレッシェンドなハートで♪少しクールな瞳をしている君にね♪たまに
話すとき 胸が苦しい くやしいけど♪切ない夜 手紙を書いた きっと渡せないけど♪
きっと傍に届けたくて♪」
さわやかに歌う鳳に滝はメロメロ。はにゃにゃーんとしている。
「滝、メチャクチャ幸せそう。」
「まあ、自分に向けられた歌ってのはやっぱうれしいもんだろ。」
跡部はさっきの宍戸の歌でそれがよく分かっている。
「なあ、侑士。俺達だけまだデュエットしてないよー。」
「せやなあ。」
「俺達もデュエットしようぜ。」
「別にええよ。曲はどないする?」
「うーんと、CHEMISTRYとかどうよ?」
「ええな。じゃあ、入れるで。」
「おう!」
岳人と忍足も次にデュエットをするようだ。それもどうやらCHEMISTRYの曲らし
い。
「今夜ピアニストになる 振り向いた 君に渡そう 僕の招待状♪君のためにピアノを弾
こう♪微笑んだ その瞳に 駆け出したよメロディー♪伝えてよこの気持ち♪君の前でピ
アノを弾こう♪へたくそでも ちゃんと届くまで♪君の前でピアノを弾こう♪へたくそで
も 聞いていて欲しい♪」
ピアノが趣味な鳳にはこの曲はピッタリだったりする。でも、実際本当にピアノを弾いた
ら、へたくそでは決してないだろう。歌い終えた鳳に滝は思わずほっぺたにキスをした。
「滝さん!?」
「跡部のマネ♪長太郎の歌すごくよかったよ。」
「ありがとうございます。」
二人がまたイチャイチャしている間に岳人と忍足はマイクを持ち、準備万端だ。
「きっと気づけなかった 君に初めて出会う時までは♪一人で生きていけると 思って歩
いてたんだ♪」
「じっと抱え込んでた どんな迷いもどんな心残りも♪あどけない微笑みが 全部吹き飛
ばしてくれた♪」
二人が歌い始めた曲は『君をさがしてた』だ。歌おうとするとなかなか難しい曲だが二人
は何の問題もなしに歌っている。
『ずっとずっと君のそばで 誰よりも近いこの場所で♪何よりも強い気持ちで僕は 君を
守り続ける♪』
岳人が高音部を忍足が低音部を歌い、ピッタリハモっている。流石、氷帝のダブルス名コ
ンビだ。
「こいつらもなかなかやるじゃねぇか。」
「まあ、この二人だしな。息合うのは当然だろ。」
『今日も明日も明後日も どれだけの時が経っても♪これだけは変わらないんだ僕は 君
だけを見つけている♪ずっとずっと君のそばで 誰よりも近いこの場所で♪何よりも強い
気持ちで僕は 君を守り続ける♪』
最後の方になると二人の息はさらに合う。半音くらい上がってもハモリ度は変わらない。
『きっと分かってたんだ 君に初めて出会ったその時には♪探し続けてたんだ 僕は君を
探してた♪僕は君を探してた♪僕は君を探してたー♪』
バッチリ歌いきり二人はふぅっと満足気な溜め息をついて、マイクを置いた。このあと時
間が来るまで、氷帝レギュラーメンバーは思う存分歌いまくった。最後のしめは『世界で
一つだけの花』。マイクを回しながらみんなで歌う。歌詞も雰囲気もこの曲はこのメンバ
ーにとてもよく合っている。それを歌い終えたところでちょうど時間が来てしまった。
「あー、楽しかったー。」
「やっぱ、カラオケはいいな。」
「また、このメンバーで来たいね。」
「そうですね。」
「で、やっぱりジローは寝てるし。」
「ホント世話の焼ける奴だよな。連れて来い樺地。」
「ウス。」
今日のカラオケもみんな満足のようだ。またこのメンバーで来たいと誰もが思うのであっ
た。

                                END.

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