六月の花嫁

リクエスト内容『跡宍で、激甘裏。
宍戸さんにウェディングドレスを着させて』

「だあー、もう何でこんな雨ばっかなんだよー!!」
「梅雨なんだから仕方ねぇだろ。」
跡部の家に遊びに来ていた宍戸は、不機嫌そうにそうぼやく。そんな宍戸のぼやきに、跡
部が呆れたような口調でつっこんだ。梅雨なので雨の日が続くのは当然なのだが、あまり
にも雨の日が多すぎると、テニス大好きな宍戸はストレスが溜まってしまう。
「あー、晴れた空の下でテニスしてぇ!!」
「テニスコートなら、うちにもあるし、室内で出来るところなんていくらでもあんだろ。」
「そうなんだけどよー。俺は外でテニスがしてぇの!」
「ガキかテメェは。どんだけわがままなんだよ?」
「テメェに言われたくねぇし。」
「アーン?それはどういう意味だよ?」
「跡部の方がよっぽどわがままじゃん。自覚してねぇのかよ?」
「俺様が言うことは不可能なことじゃねぇから、わがままになんねぇんだよ。」
飄々とそう言う跡部にカチンとくる宍戸だが、こんなことでよりイライラを高めても仕方
ない。早く雨がやまないかなあと、跡部に向けていた視線を窓の外に移した。
「はあー、つまんねぇ・・・」
ぼそっと宍戸がそう呟くと、跡部は読んでいた本を置いて、ソファに座っていた宍戸の横
に座る。
「俺様と一緒に居て、つまんねぇとは聞き捨てならねぇな。」
「だってよー、雨ばっかでテニス出来ねぇしー。」
「さっきまで、テメェの好きなビリヤードを存分にやらせてやったじゃねぇか。」
「それはそれ。これはこれだ。」
「ったく・・・で、テメェが望んでることは、『晴れたところで、外でテニスをする』っ
てことなんだよな?」
「えっ?んー、まあそうだな。これで跡部が試合をしてくれたりなんかしたら、より嬉し
いけど。」
それを聞いて、跡部はニヤリと笑う。何故いきなりそんなことを聞いてくるのかと、不思
議に思う宍戸だが、素直に自分のしたいことを口にした。
「だったら・・・」
「お、おう。」
「俺様がテメェのわがままな願い事を叶えてやる。その代わり、お前も俺の望みをちゃん
と叶えろよ?」
「お前の望み?」
「ギブ・アンド・テイクってヤツだ。どうする?テメェの願い、叶えるか?」
「出来んのか?そんなこと。」
「俺様に不可能はねぇ。テメェの子供みてぇな望みを叶えるなんて朝飯前だぜ。」
「子供みてぇって失礼だな。で、テメェが俺に叶えて欲しいことは、俺に出来ることなの
か?」
「ああ。出来るぜ。むしろ、お前しか出来ねぇって感じだな。」
跡部の望みがどんなものかは分からないが、自分の望みを叶えてもらえるというのは、な
かなかオイシイ。少し悩んだ後、宍戸は跡部の言葉に頷いた。
「出来るんだったら、してもらいてぇな。」
「なら、決まりだ。出かけるぞ。」
「えっ・・・?」
「善は急げだろ。ほら、さっさと用意しろ。」
「お、おう!」
本当にそんなことが出来るのかと疑いつつも、宍戸は出かける用意をする。宍戸が用意を
している間に、跡部は誰かと電話をし、何かを指示しているようであった。

出かける準備が終わると、宍戸は跡部の家の自家用機に乗せられた。出かけるってどこへ
だと、心の中でつっこみつつ、宍戸はそんなことは口にはせず、目的地に着くのを待った。
程なくして、二人を乗せた自家用機は目的地へ到着する。自家用機から外へ出ると、眩し
いくらいの日差しが、宍戸の目をくらませた。
「うおっ、眩し。」
「ほら、快晴だろ?雨、降ってないぜ。」
「どこだよ、ここ?」
「俺様の別荘がある島だ。少し南の方にあるから、梅雨はもう明けてる。」
「マジかよ。」
確かにそれなら、晴れているであろうし、跡部の別荘があるということで、テニスコート
も間違いなく完備されている。本当に不可能に可能にしてしまうのだなあと、宍戸は悔し
いが、感心せざるを得なかった。
「とりあえず、日が暮れるまではテニスしようぜ。俺と試合したいんだろ?」
「おう!!今日は負けねぇぜ!!」
まずは宍戸の望みを叶えてやろうと、跡部は別荘近くにあるテニスコートへと宍戸を連れ
て行く。初めは跡部の無茶苦茶っぷりに少々戸惑っていた宍戸であったが、実際に自分の
したかったことが出来るとなると、テンションは一気に上がり、その表情は嬉々としたも
のになっていった。

空が茜色に染まる頃まで、二人は試合を続けていた。点数としては跡部の方が圧勝してい
たが、もう途中からは点数なんて関係ないと、とにかく二人で球を打ち続けていた。
「はあー、すげぇテニスしたあ!!」
「本当、ここまでするのは久しぶりだな。」
「すっげぇ楽しかった!!さすが、跡部だぜ!!」
「当然だろ。どうだ?満足したか?」
「おう!激満足♪雨の所為で溜まってたストレス、完全に解消されたって感じだな。」
「そうか。そりゃよかったな。」
本当に満足そうに笑う宍戸の顔を見て、跡部はふっと笑う。自分の望みを叶えてもらうと
いうのもあるが、宍戸が嬉しそうに笑っているのを見るのも、跡部にはなかなか乙なこと
であった。
「とりあえず、すげぇ汗かいちまったから、屋敷に行ってシャワー浴びるか。」
「そうだな。あと腹も減ったから、飯も食いてぇ。」
「もう用意させてある。行くぞ。」
「ああ。」
テニスをして存分に汗を流した二人は、跡部の別荘の屋敷へと向かった。テニスコートか
ら、屋敷までは少し離れているので、しばらく歩くことになる。自然の多い道を歩いてい
ると、宍戸の目にあるものがとまった。
(へぇ、こんなところに教会なんてあんのか。)
それほど立派というわけではないが、小さいながらも趣のある教会が宍戸の目に入る。
「宍戸、よそ見してると置いてくぞ。」
「お、おう・・・」
少し気になりはするが、今は屋敷に帰ってシャワーを浴びたり、夕食を食べたりしたいと
宍戸は少し先を歩く跡部を追う。跡部を追いかけながらも、やはり先程見た教会が気にな
り、宍戸は何度かチラッとそちらの方を振り返った。

屋敷にある大きな風呂で汗を流し、豪華な夕食を終えると、二人はゆったりとくつろぐ。
ある程度時間が経ち、夜もだいぶ更けた頃になると、跡部は宍戸のもとへ何かを持ってく
る。目の前に置かれたそれが何か分からず、宍戸は首を傾げた。
「何だよ?これ。」
「昼間は俺がテメェの望みを叶えてやっただろ?今からは、テメェが俺の望みを叶える番
だぜ。」
「テメェの望みって?」
「この時期らしいブツを着てもらおうと思ってな。ちゃんとテメェ用に作ったもんだから、
サイズはピッタリ合うと思うぜ。」
またコスプレ系かと思いながら、宍戸は目の前に置かれた箱や紙袋の中身を見る。この時
期らしいという言葉がピンと来なかったが、その中身を見て、跡部の放った言葉の意味を
理解した。
「・・・マジかよ。」
「約束は約束だからな。着ないって選択肢はないぜ。」
「分かってるよ!!うわあ、マジでこれ、俺用に作ったのか・・・。ありえねぇ。」
箱に入っていた服をまじまじと眺めながら、宍戸はそう呟く。跡部が宍戸に用意した服。
それは真っ白なウエディングドレスであった。
「今の時期にピッタリだろ?」
「ジューンブライドってか?よくやるよなあ、お前も。」
跡部の行動力に半ば呆れ、半ば感心しながら、宍戸はどう着ればよいのか、そのドレスの
作りを観察する。そんなに着るのは大変ではなさそうだと分かると、宍戸はパッパと今着
ている服を脱ぎ始めた。
「ほぅ、今日は随分潔いんだな。いつもだったら、相当嫌がるだろ。」
「まあ、今日は俺のしたいと思ってたことをしてくれたからな。あそこまでされたら、断
れねぇだろ。」
宍戸のその言葉に、跡部はふっと口元を緩ませる。宍戸がハーフパンツを脱いだところで、
跡部はその動きを止める。
「そうだ、宍戸。ドレスを着る前にしなきゃいけねぇことがあるんだ。」
「へっ?何だよ?」
首を傾げ、質問を返す宍戸の言葉に答えもせず、跡部は紙袋の中から何かを取り出した。
そして、おもむろに宍戸に近づき、ぎゅっとその体を抱きしめる。
「わわ、い、いきなり何っ・・・って、お前どこに手ぇ入れて!!ひっ・・あ・・・!」
いつの間にか跡部の指はローションで濡らされており、その濡れた指で跡部は宍戸の蕾を
抉じ開けた。いつも跡部に慣らされているそこは、それほど時間をかけずにある程度ほぐ
れる。指が二本くらい軽々入るようになると、跡部はそこに何かを挿入した。
「んあっ・・・んぅ・・・」
「よし、後はこれを足に固定してと・・・」
挿入した何かから伸びるコードを太腿の部分に張り付けるように固定すると、跡部は宍戸
の下着を脱がしてしまう。いきなり後ろを慣らされ、その上異物を挿入され、宍戸は混乱
しすぎて、文句の言葉も出てこなかった。
「あ、跡部・・・」
「もうドレス着ていいぜ。あ、下着は穿くんじゃねぇぞ。」
意味が分からないと思いつつも、宍戸は跡部の言葉に従ってしまう。ところどころで、宍
戸の着替えを手伝いながら、跡部は少し動くたびに敏感に反応を示す宍戸の様子を見て楽
しんでいた。
「よし、完璧だな。すげぇ似合ってるぜ、宍戸。」
「ハァ・・・そんなこと言われても、嬉しくねぇ・・・」
「俺様が褒めてやってるんだ。素直に喜べ。」
「こ、こんな状態でっ、素直に喜べるか!!」
完全に花嫁姿になった宍戸を見て、跡部は満足気な笑みを浮かべる。しかし、宍戸からす
れば、ノーパンにさせられている上、内側に玩具を入れられ、女装をさせられているのだ。
いくら、似合っていると褒められてもそう素直には喜べない。
「さてと、それじゃ出かけるか。」
「・・・は?」
「花嫁だったら、結婚式だろ。この近くに教会があるからよ、そこに行くぜ。」
「じょ、冗談じゃねぇ!!こんな格好で外に出るなんて・・・・」
「大丈夫だ。そこまでの道もその教会もうちの敷地内だから、他の人間に会うことなんて
100%ねぇから。」
「けどよっ!!」
「これが俺の望みだけど、文句あるか?」
「う・・・ありありだけど、そう言われちまうと・・・くそっ。」
文句はあるが、そう言われてしまったら、文句は言えなくなってしまう。羞恥心と内側か
ら疼くような感覚を抱え、宍戸は仕方なく跡部の言うことに従うことにした。

教会までの道のりは、それほど長いものではなかったが、宍戸にとっては果てしなく長い
道のりに感じられた。外に出ると、跡部は宍戸の中に入っている玩具のスイッチを入れる。
しかし、いきなり強い刺激を与えるのは面白くないと、ほんの少し振動する程度の強さで
じわじわと内側を責める。
(うう・・・歩くたびに中が変な感じで、おかしくなりそ・・・)
「ん・・・ハァ・・・・」
「宍戸。」
「・・・んだよっ。」
「そんなに歩くのキツイんだったら、抱いて行ってやろうか?」
ふるふると小さく震えながら、少しずつ歩みを進める宍戸に跡部はそんなことを言う。し
かし、負けず嫌いの宍戸は、そんな跡部の提案を突っぱねた。
「別にそんな必要ねぇし・・・」
「ほぅ。だったら、ちゃんとその足で俺様について来いよ?」
「言われなくてもっ・・・分かってるっ・・・・」
強気な発言をする宍戸に、跡部はニヤリとその口元を緩ませる。先程より少し速いペース
歩いてやると、宍戸はそれを追いかけるように歩みの速さを速めた。
「ぁっ・・・ん・・・っ・・・!」
速く動こうとすれば、それだけ内側への衝撃は大きくなる。それでも宍戸は必死に跡部に
ついて行こうそのペースを落とすことはしなかった。
「着いたぜ、宍戸。」
「ハァ・・・ぁ・・・ハァ・・・」
教会に着くころには、宍戸の息はすっかり乱れ、顔は紅潮し、足はがくがくと震えていた。
森の中の暗闇に映える白いドレスに、赤く染まった宍戸の顔、そのどちらもが跡部の胸を
鷲掴みにしていた。
「もうがくがくじゃねぇか。」
「んなこと・・・ねぇ・・・」
「強がってるところも可愛いが、もうこれ以上は、歩けねぇって顔してるぜ。」
「してねぇ・・もん・・・・」
「俺様は優しいからな。中には抱いて連れてってやる。」
「やっ・・・ちょっと待っ・・・・あっ・・・!!」
かなりいっぱいいっぱいな顔をしている宍戸を跡部はひょいっと姫抱きする。今の今まで
は、気を張り詰めて何とか堪えていたのだが、跡部に体に触れられ、そして、思ってもみ
ない体勢にされたため、宍戸はその身をビクビクと痙攣させた。
「――――っ!!」
「どうした?随分震えてるみてぇだが?」
分かっていながらも、跡部はそんなことを問う。腕を跡部の首に回し、顔を肩に埋めなが
ら、宍戸は尚も強がるような発言をしてみせた。
「べ、別に何でもねぇよっ・・・・」
「何でもないねぇ。ま、中に入ったら、確認させてもらうからいいけどな。」
「うう・・・」
中に入ると教会自体は薄暗く、祭壇の近くだけスポットライトを浴びるように、青白い光
で照らされていた。そこに繋がるバージンロードの上を跡部は歩き、ライトに照らされた
ところまで来ると、宍戸を優しく下に下ろした。そして、へたりとその場に座り込む宍戸
の額に、跡部はちゅっとキスをした。
「宍戸。」
「な、何・・・?」
「ここからが本番だぜ。二人だけのジューンブライド、存分に楽しもうぜ。」
ふっと頬笑みながら跡部はそんなことを言う。そんな跡部の言葉に、何故か宍戸の胸はひ
どくときめいた。
(何か俺・・・すげぇドキドキしてねぇ?)
羞恥心や無理矢理与えられている刺激からくる動悸とは違う明らかな胸の高鳴り。特に花
婿の格好をしてるわけではないが、今目の前に立つ跡部の姿に宍戸はすっかり魅せられて
いた。

祭壇の上には、数種類のベリーと紫陽花の花で彩られたウエディングケーキが飾られてい
た。そのウエディングケーキの上にあるベリーに生クリームをたっぷりとつけ、跡部はそ
れを自らの口へと運ぶ。
「上出来な仕上がりだな。」
「は・・・?何が・・・?」
「結婚式にはウェディングケーキが付き物だろ?ほら、ベリーと生クリームの甘さが混じ
っていい味だぜ?」
もう一度同じようにベリーを口に運ぶと、跡部はそのまま宍戸の唇にキスをした。そして、
生クリームを纏った真っ赤なベリーを宍戸の口の中へと移す。そのまま、しばらくキスを
交わしていると、口の中でベリーは潰れ、甘さの中にほのかな酸味をもたらした。
(すげぇ、甘酸っぱくて美味い・・・)
口の中に広がる心地よい甘酸っぱさに、宍戸はうっとりと目を閉じる。しばらく跡部のキ
スとベリーの味に酔いしれながら、宍戸は全身に広がる甘い快感の波にその身を委ねてい
た。
「ふは・・・ハァ・・・」
「どうよ?ウェディングケーキの味は?」
「すげぇ美味い・・・」
「だろ?さっきお前、随分頑張ってたみてぇだからな。俺様がこのケーキを存分に味わわ
せてやるよ。こっちの方もちゃんと気持ちよくさせてやりながらな。」
そんなことを口にしつつ、跡部は宍戸のウェディングドレスの後ろの裾をまくり上げた。
そして、背中のちょうどチャックがある部分にカチャッと固定してしまう。もともとこう
いうことをするのを前提で作ってあるので、宍戸が着ているウェディングドレスには、こ
んなちょっとした細工が施されているのだ。
「なっ・・・何でこんなっ・・・!?」
「こっちの方がいろいろ都合がいいだろ?ほぅ、俺の入れてやった玩具はちゃんと咥え込
んだままだな。」
「やだっ・・・こんなの恥ずかし・・・・」
「そんな恥ずかしさ、忘れるくらい気持ちよくさせてやるから安心しろ。」
そう言いながら、跡部はウェディングケーキの生クリームは指で掬い、宍戸の口元へと差
し出す。それと同時に、宍戸の中に入っている玩具の強さを『中』程度まで上げた。
「ああぁっ・・・あっ・・・んんっ!!」
「ほら、美味しいケーキだぜ?食えよ。」
突然強くなった玩具の振動に喘ぎながらも、宍戸は跡部の指を口に含み、生クリームの甘
さを味わう。頬っぺたが落ちそうなほど美味しいケーキと、内側から与えられる快感に宍
戸の頭の中はすっかりとろけていた。
「次はイチゴを食わせてやる。」
「ハァ・・・あ・・・あむ・・・・」
「どうだ?美味いか?」
「ん・・・うん・・・・」
「そうか。正直に美味いって言った褒美だ。こっちの振動、もっと強くしてやる。」
カチカチカチ
「ひあっ・・・ああぁ―――っ!!」
自分の手からケーキを食べ、内側を弄られて素直に感じている宍戸に、跡部の興奮はかな
り高まっていた。もっと宍戸のいい表情が見たいと、玩具の振動の強さを最大限にする。
当然宍戸は、より高く大きな声を上げ、スカートをめくられていることで、跡部の目にさ
らされている双丘をビクビクと震わせた。
(ああ、中・・気持ちイイ・・・口の中甘くて美味い・・・気持ちイイ・・・)
宍戸の頭の中は、『気持ちイイ』と『美味い』という言葉で埋め尽くされていた。しかし、
そう簡単にイカせてしまっては面白くないと、跡部はところどころで、玩具の振動は弱に
したり、頭を撫でるなど、宍戸に与える刺激を少なくする。
「ほら、もっと食えるだろ?生クリームだぜ。」
「あっ・・・んむ・・・んっ・・・んんぅ・・・・」
「可愛いぜ、宍戸。次はどうして欲しい?何が食いたい?」
「もっと・・・気持ちよく・・・して・・・・」
すっかり快感に身体を支配されている宍戸は、恥ずかしげもなくそんなことを口にしてし
まう。かなり長い時間、身体を痺れさせるような甘い快感は続いているが、決定的な刺激
はまだ与えられていない。もっともっと激しい快感が欲しいと、宍戸の身体は熱く火照り
始めていた。
「具体的にはどうして欲しいんだ?」
「中の一番強くして・・・あと・・跡部のコレ・・・」
熱に浮かされるような潤んだ瞳で跡部を見た後、宍戸は跡部の熱をズボンの中から取り出
す。さすがに跡部も、この行動にはドキッとしてしまった。
「これ・・・食いたい・・・・」
「ふっ、いいぜ。テメェの望み通りにしてやるよ。」
そこまで言われてしまっては、もう我慢出来なくなる。中の玩具の振動を最大にし、跡部
は自身の熱を宍戸の口の中に捩じ込んだ。上と下、二つの口に与えられた大きな刺激に、
宍戸の身体は歓喜の悲鳴を上げる。
「んんっ・・・んん―――っ!!」
「ハァ・・・たまんねぇぜ、テメェの口の中。身体もビクビク震えてて、すげぇエロい。」
「んっ・・・んんっ・・・・んんぅっ!!」
「ちっ、これじゃそんなにもたねぇな・・・・」
口の中でさらに大きくなる跡部の熱に、宍戸はどうしようもなく興奮する。内側を掻き回
す玩具は、宍戸の敏感な部分を繰り返し激しく擦り上げ、宍戸を絶頂という名の高みまで
一気に運び上げる。
(もう・・・イクっ・・・!!)
「んっ・・ん・・・んん―――っ!!」
「くっ・・・宍戸っ!!」
宍戸が達したのとほぼ同時に、跡部は宍戸の口の中へ熱いミルクを迸らせる。ビクビクと
その身を痙攣させながら、宍戸は跡部の放ったミルクを嚥下した。
『ハァ・・・ハァ・・・』
二人分の吐息が響き、薄暗い教会内は静まり返る。しばらく絶頂の余韻に浸った後、跡部
は宍戸の中の玩具の電源を切り、ずるっと宍戸の中から抜いた。
「んあっ・・・」
「ウェディングドレス、汚しまくりだなあ、宍戸。」
宍戸の着ているウェディングドレスの内側は、宍戸の放った雫のために、ところどころ汚
れていた。横を向いて、その身を横たわらせている宍戸の身体を動かし、跡部は四つん這
いのような格好にさせる。
「玩具抜いても、テメェのココ、ひくひくしてるぜ。」
「・・・っるせ、しょうがねぇだろっ・・・!!」
「しょうがないねぇ。なら、このままでいいって言うんだな。」
「えっ・・・?」
「何か物欲しそうにしてるから、何かを挿れてやろうかと思ったけど、そんな反抗的な口
調で言われちまったらなあ。」
そんな跡部の言葉を聞いて、宍戸の下肢はひくんと疼く。まだ、跡部のモノを入れてもら
っていない。そう思った瞬間、宍戸は急に不安になった。
「や・・だ・・・・」
「何が嫌なんだよ?」
「このままじゃ・・・嫌だ・・・・」
「なら、どうして欲しいんだ?」
そんなことを言うのは恥ずかしくてたまらないが、跡部の性格を考えると、言わなければ
この続きはしてもらえない。羞恥心に顔を真っ赤に染めながら、宍戸は自分の望みを口に
した。
「跡部の・・・入れて欲しい・・・」
「ふっ、ちゃんと言えるじゃねぇか。おねだり上手な花嫁だぜ。宍戸。」
そう言いながら、跡部は満足気に笑って、宍戸の中に自分自身を突き入れた。自らの中に
入ってきた熱の塊を歓迎するかのように、宍戸のそこはぎゅうぎゅうと跡部の熱を締めつ
ける。
「ああっ・・・ああぁ――っ!!」
「くっ・・・すげぇ締まるな。」
「ハァ・・・あっ・・・ああ・・・」
「どうよ?宍戸。花嫁姿で俺に貫かれた感想は。」
「あっ・・・気持ちイイ・・・ふあっ・・・あっ・・・ああ・・・」
「その言葉に嘘はねぇみてぇだな。ここの具合、すげぇたまんねぇし。」
「跡部っ・・・あっ・・・はぁ・・・」
跡部の熱が内壁を擦るたび、宍戸は全身を貫くような快感にその身を震わせる。こんな格
好でこんな場所でこんなことをされて、こんなに気持ちよく感じるなんて、自分はおかし
いのでないかと思いつつも、次から次へと打ち寄せる快感の波に、宍戸はすっかり翻弄さ
れていた。
「なあ、宍戸。」
「んあっ・・・な、何・・・?」
「結婚式に身につけると幸せになれるサムシング・フォーって知ってるか?」
「聞いたことはあるけど・・・中身は知らねぇ・・・・」
「なにかひとつ古いもの、なにかひとつ新しいもの、なにかひとつ借りたもの、なにかひ
とつ青いものってのが、サムシング・フォーの中身だ。今日の宍戸はその全部を身につけ
ていたんだぜ。」
「マジで・・・?」
「まず、なにかひとつ古いもの。これは、この教会だ。この教会、100年以上前に建て
られたものなんだぜ。次のなにかひとつ新しいもの。これは、テメェが今着てるウェディ
ングドレスだ。テメェのために新しく作られたんだから当然だな。で、なにかひとつ青い
もの。これは、さっきまでテメェの中に入ってた玩具だ。テメェは気づいてねぇかもしれ
ねぇが、あの玩具の色は綺麗な青色だ。そして、最後になにかひとつ借りたもの。それは、
花嫁の姿を『借りている』テメェ自身だ。」
なかなか無茶苦茶なサムシング・フォーであるが、確かに全てそろっていた。こんな突拍
子もないことのわりには、いろいろこだわっていたんだなあと、宍戸は何となく感心して
しまう。
「そりゃ・・・すげぇな・・・・」
「だろ?だから、テメェは最高に幸せな花嫁になれるぜ。」
「はは、そうかもしんねぇな・・・・」
「ま、俺様にこんなに愛されてる時点で相当幸せな状況なんだけどよ。」
いつもなら、またそんなこと言ってと呆れる宍戸であるが、今回は状況が状況であるため
に素直にそれを認めてしまうような言葉を思わず口にしてしまう。
「・・・そうだな。」
まさかそう返されるとは跡部も予想していなかったので、ずきゅんと心臓を打ち抜かれる
ような衝撃を受ける。これはもういろいろ我慢出来ないと、跡部は先程よりも激しく宍戸
を犯し始めた。
「もう今日はテメェ可愛すぎだっ!!」
「ふあっ・・・なっ・・・いきなりそんなっ・・・あっ!!」
「もう手加減出来ねぇから、覚悟しろよ。」
「あっ・・ああっ・・・ああ―――っ!!」
急に激しくなった跡部の動きに宍戸はより感じてしまう。もうここまで来たらどうにでも
なれと、跡部も宍戸も今のこの状況を存分に楽しむのであった。

やることをやって、満足をした二人は屋敷に戻り、もう一度シャワーを浴びた後、寝室へ
戻ってきた。
「疲れたあ〜。」
「まあ、あんだけテニスして、あんだけHすればな。」
「跡部の望みって、本当そんなんばっかだよな。どんだけ変態なんだよ?」
「アーン?好きな奴の可愛い格好が見たいと思って何が悪い。テメェだって、あんなによ
がってたじゃねぇか。」
「そ、それは・・・仕方ねぇだろ。気持ちイイもんは気持ちイイんだからよ。」
「それじゃ、テメェだってとんだ変態だぜ?」
自分から言い出したことだが、跡部にそう返されてしまい、宍戸はそれ以上何も言えなく
なってしまう。これ以上何かを話すと、また自分が恥ずかしいだけになってしまうので、
宍戸はボフンと布団を被り、跡部に背を向けるように横になった。
「もう寝るっ!!」
「もう寝るのかよ?」
「寝るったら寝るんだ!!」
「まあ、今日は確かに疲れたしな。少し早目に寝るのもありだろ。」
いつになく素直な跡部に、宍戸は少し拍子抜けしてしまう。しかし、疲れているのは事実
だ。横になったら余計に眠くなり、宍戸はもう半分夢の中も同然であった。
(けど、今日は何だかんだ言って、すげぇ楽しかったんだよなあ・・・)
うとうととしながら、宍戸はそんなことを考える。本当に寝る寸前のところまで行くと、
宍戸は無意識に思っていることを口に出してしまった。
「跡部・・・」
「どうした?」
「今日・・・楽しかった。ギブ・アンド・テイク・・・またしてもいいかも・・・」
「ほう、お前にしては珍しく素直だな宍戸。」
「・・・・・・」
「宍戸?」
いつもはそんな言葉を言えば、反抗的な言葉を返してくる宍戸が何も返してこない。不思
議に思って、宍戸の顔を覗き込んでみると、もうすっかり気持ちよさそうな寝息を立てて
いた。
「寝てんのかよ。全く、いつもこれくらい素直だと、もっと可愛げがあるんだけどな。」
そんなことを口にしながら、跡部も布団の中に横になった。目の前にある宍戸の首筋に軽
くキスをして、跡部はふっと微笑みながら目を閉じた。
「おやすみ、宍戸。」
そう一言呟くと、跡部も夢の中へと落ちてゆく。6月の晴れた島で、二人だけのジューン
ブライドはこうして幕を閉じた。

                                END.

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