「はあ〜・・・」
授業後の部活の時間、宍戸は後輩達の練習を見ながら大きな溜め息をついた。近くにいた
岳人と忍足は何事かと宍戸に尋ねる。
「溜め息なんてついてどないしたん?」
「何か悩み事でもあるのか?」
「何かさー、最近ちょっと刺激が足りないなあと思ってよ。」
宍戸のその言葉を聞いて、岳人と忍足はひどく驚く。あの跡部と付き合っていて、刺激が
足りないとはどういうことか。刺激がありすぎて悩むのなら理解出来るが、刺激が足りな
いというのは、二人には全く理解が出来なかった。
「それって跡部絡みでだよな?」
「んー、まあそうだな。」
「ありえんやろ。あの跡部といて、刺激が足りないとか。」
「そんなことねぇって。確かにいろいろ出来るんだけどさあ・・・」
そうぼやきながら、宍戸は再びコートの方へ目をやる。すると、ちょうど日吉が休憩に入
ったところであった。コートの中には、後輩に技術指導をしている跡部の姿。そんな様子
を見て、宍戸は何かいいことを思いついたという顔で、ニッと笑う。
「いいこと思いついた。」
「何だよ?いいことって。」
「んー、それは内緒。」
意味ありげな笑みを浮かべ、宍戸は休憩中の日吉のところへ向かう。何を思いついたのだ
ろうと、岳人と忍足は頭にハテナを浮かべ、顔を見合わせた。
「日吉。」
「ああ、宍戸さん。どうしたんですか?」
「調子はどうかなあって思って。次期部長だろ?お前。」
「ぼちぼちですよ。」
宍戸が話しかけてくるなんて珍しいと思いながら、日吉はいつもの調子で返事をする。
「そういえばさ、この前面白そうなゲーム見つけてさ、その内容がお前が好きそうで。」
「へぇ、どんなゲームなんです?」
「ホラーゲームなんだけどな・・・・」
日吉がホラーが好きなことを知っている宍戸は、そのネタで会話を弾ませようとする。当
然のことながら、この手の話には日吉も乗ってくるわけで、傍目から見て、二人は実に楽
しそうに会話をしていた。
「何や宍戸の奴、日吉と随分楽しそうに話しとるやん。」
「跡部の前でアレはまずいんじゃねぇか。」
遠目から見て、岳人と忍足は宍戸のしていることにヒヤヒヤしていた。ふと跡部の方へ視
線を移してみると、かなり不機嫌そうな顔で宍戸と日吉の方を睨んでいた。
「ほらほら、跡部メッチャ睨んでるぜ。」
「あそこまであからさまなのもすごいなあ。あっ、こっちの方来るで。」
宍戸と日吉が仲よさげに話しているのが相当気に入らなかったようで、跡部はかなり怒っ
たような様子で、後輩指導を中断し、岳人と忍足のいる方へ歩いて来る。二人の側を通り
過ぎる瞬間、跡部は盛大な舌打ちをしていった。
「うわー、跡部の奴、超怒ってる。」
「何しとんねん宍戸。」
「分かっててやってんのか?それだったら、逆にすごいけどな。」
「跡部怒らせたら、何されるか分からんのにな。」
忍足がそう口にした瞬間、二人は先程宍戸の言っていた言葉を思い出す。
『あ〜、なるほど。』
宍戸は先程刺激が足りないと言っていた。跡部を怒らせたら、いつもとは違うことをされ
るのは確かだ。それが目的であんな行動をとったのかと、岳人も忍足も納得するかのよう
な言葉を同時に口にする。
「宍戸もなかなか無茶なことするよな。」
「まあ、そうしたいんやったらええんちゃう?どうなるかは知らんけどな。」
「跡部だしな。きっと俺らが想像出来る以上のことするんじゃねぇ?」
「きっとそうやろ。」
これは大変なことをされるなあと思いながら、岳人と忍足は宍戸の方へ視線を移す。宍戸
もこちらの様子をうかがっていたようで、二人としっかり目が合った。岳人と忍足と目が
合うと宍戸は、ふっと楽しげの笑みを口元に浮かべた。
もともと跡部の家に泊まる予定だった宍戸は、何事もなかったかのように跡部の家に行く。
しかし、跡部は明らかに不機嫌な様子であった。
「何怒ってんだよ?跡部。」
「あーん?別に怒ってなんかねぇよ。」
そう言う跡部だが、その口調は明らかに怒り口調であった。部活の時にしたことがちゃん
と効いているなあと思いながら、宍戸は心の中で笑う。
「もしかしたら、あれか?」
「何だよ?」
「部活ん時、俺が日吉と仲良く話してたから妬いてんだろ?」
ニヤリと口元を緩ませながら、宍戸はそんなことを問う。図星だが認めるのは格好悪いと
跡部は、ふいっと宍戸から顔を背けながら否定の言葉を口にする。
「そんなんじゃねぇよ。」
「嘘だー。あの程度で嫉妬するなんて、激ダサだぜ。」
イライラしている跡部を更に怒らせるようなことを宍戸は言う。さすがにカチンときた跡
部は、ガタっと立ち上がると、クッションを抱いてソファーに座っている宍戸のもとへ行
き、何故か笑顔を浮かべる。
「宍戸。」
「な、何だよ?」
「これからビリヤードしに行こうぜ。まだ寝るには早い時間だしな。」
「別に構わねぇけど・・・・」
怒らせたはずなのに、何故だか笑顔で自分の好きなビリヤードをしに行こうと言われ、宍
戸は拍子抜けしてしまう。
「ちょっと部屋片付けて行くから、先に行ってろ。」
「おう。」
さっきまではちゃんと不機嫌だったはずなのに、一体何なんだろうと思いつつ、宍戸は跡
部の部屋を出て、屋敷内にあるビリヤード場に向かう。
(んー、作戦失敗だったかな?結構イイ線いってると思ったんだけどなあ・・・)
ビリヤード場に向かいながら、宍戸はそんなことを思う。そうこうしているうちに、跡部
の屋敷内のビリヤード場に到着してしまった。跡部はまだ来ないようなので、宍戸は一人
で中に入り、腕慣らしに軽く打ち始める。
「まあ、普通にビリヤードやるのも悪くねぇか。」
自分の予定とは少し違うが、ビリヤードをやるのも悪くないと、宍戸は気持ちを切り替え
る。しばらく一人で遊んでいたが、なかなか跡部がやってこない。
「跡部の奴、遅ぇーな。何してんだろ?」
一人で遊ぶのにも飽きてきたなあと思っていると、突然停電したかのように部屋が真っ暗
になる。
「うわっ!!な、何だ!?」
完全に何も見えないような状況に宍戸は焦る。と、次の瞬間、後ろから何者かに身体を拘
束され、手首をぎちっと縛られてしまった。
「えっ・・・なっ・・・・!?」
何も見えない状態では下手に動くことも出来ず、宍戸はされるがままになる。手が動かせ
なくなると、より抵抗することは不可能になり、宍戸は何が起こっているか分からない恐
怖に体を強張らせる。
(何が起こってるんだ?全然分からねぇ・・・)
カチャカチャ・・・・
「っ!?」
暗闇の中、何か金具を動かす音が聞こえる。そして、パサッと下に穿いているものが床へ
と落ちる音が響く。そして、その下に穿いているものも脱がされてしまった。
(ズボンが・・・脱がされた?)
あまりに無防備になっているのは分かるのだが、宍戸には為すすべがなかった。これから
何が起こるんだろうと、小さく身を震わせていると、パッとビリヤード台を照らすかのよ
うに小さな明かりがついた。
「無防備すぎるぜ、宍戸。」
「跡部っ!!」
何となく分かっていたが、暗闇の中、手首を縛ったり、ズボンや下着を脱がしたりした犯
人は跡部であった。跡部と分かるとホッとするが、やはりいきなりこんなことをされては
文句を言わないわけにはいかない。
「いきなり何しやがる!!ふざけんな!!」
「随分反抗的な態度取るじゃねぇか。テメェは今の自分の状況が分かってねぇのか?」
ふっと笑みを浮かべているが、跡部のその言葉には嫉妬という名の怒りが見え隠れしてい
た。確かに無茶苦茶な状況ではあるのだが、宍戸はいつもとは違う跡部の雰囲気にドキド
キしてしまう。
「何でこんなことすんだよ!?」
「それはテメェが一番分かってるんじゃねぇの?」
「知るわけねぇだろ!とにかくこの手の奴ほどけよ!!」
「あんまり反抗的なことばっか言ってると、お仕置きだぜ?」
心の中ではこれから行われると思われる刺激的なプレイに期待感を募らせている宍戸であ
ったが、口ではひどく反抗的な言葉ばかりを放つ。そんな宍戸に軽い苛立ちを感じつつ、
跡部はかなりの大きさのバイブをまだ閉じたままの宍戸の蕾に押し当てた。
「―――っ!!」
「言うこと聞かないと、コレ、中に入れるぜ。」
想像以上に過酷な責めを受けようとしている状況に、宍戸はゾクゾクと妖しい痺れが全身
を駆け抜け、ひどく胸が高鳴る。これはもう跡部を煽るしかないと、宍戸は反抗心たっぷ
りな口調で言葉を紡ぐ。
「入れられるもんなら、入れてみろよ。テメェの言うことなんて聞かねぇ。」
この状況で、まさかそう返されるとは思っていなかったので、跡部は無性に腹が立った。
小さく舌打ちをすると、押し当てているバイブにたっぷりとローションをかけ、力任せに
宍戸の中にそれを捻じ込む。
「ひっ・・い・・・あっ・・・あああぁ―――っ!!」
(ああ、痛っ・・・痛いけど、痛いけど・・・っ!!)
慣らされていない蕾にバイブを入れられ、宍戸は痛みと快感の入り混じった何ともいえな
い感覚に悲鳴を上げる。確かにかなりの痛みを伴ってはいるのだが、宍戸にとってはそれ
が快感を高めるための最高のスパイスになっていた。
「くっ・・・ああ・・・あっ・・・・いっ・・・・」
「言っただろ?反抗的なことばっか言ってるとお仕置きだって。」
「ハァ・・・くそっ・・・・」
心の中ではいきなりの激しい責めに悦んでいる宍戸であったが、口ではあくまでも嫌がっ
ているふりをする。そんな態度に跡部はさらなる責めを加える。
カチカチカチ・・・
「ひぎっ・・・うああぁ―――っ!!」
まだバイブが入っている状態に宍戸のそこがほとんど慣れていないまま、跡部はそのスイ
ッチを入れる。
(いきなりこんな強くするなんて・・・信じらんねぇ。けど、これはこれで・・・)
「いっ・・・あっ・・・ああ・・・・」
「テメェはドMだからな。こんな普通ならありえねぇような責めでも、感じてんだろ?」
そう問われて、宍戸はぶんぶんと首を振る。しかし、跡部の言っていることが間違ってい
るということは全くなかった。
(悔しいけど、その通りだもんなあ。ああ、でも、マジでこの感じたまんねぇ・・・)
「宍戸、この上乗れ。」
「んっ・・・ああ・・・・」
バイブに中を犯され、激しく息を乱している宍戸に跡部はそう指示する。いきなりの激し
い責めにすっかり思考回路が働かなくなっている宍戸は、跡部に言われるまま、ビリヤー
ド台の上にその身を乗せる。
「仰向けになって、足を曲げてろ。」
体を動かすたびに中のバイブが違う場所を抉り、宍戸はそのたびに声を上げる。
「ひあっ・・・ああぁ・・んっ!!」
「ほら、さっさとしろ。」
「んんっ・・・ふっ・・・・」
跡部に言われた通りの体勢になると、宍戸はふと今自分が物凄く恥ずかしい格好をしてい
ることに気がつく。しかし、そのことに気づいた時には時既に遅し。足を曲げ、跡部に秘
部を晒すという状態で、宍戸は跡部に足を縛り上げられてしまっていた。
「あっ・・・やだっ・・・ぁ・・・」
「いい格好だぜ。すっげぇやらしい。」
(ああ、ダメだ。跡部に見られてるって意識すると余計に・・・それに足に縄が食い込ん
で・・・っ)
「んっ・・・あっ・・・ふあっ・・・ああぁ・・・」
「ここもいい感じにほぐれてきてるみてぇだしな。そろそろビリヤードでも始めるか。」
跡部のその言葉に宍戸は頭にハテナを浮かべる。しかし、跡部がポケットから取り出した
ものを見て、何をされるのに気づいてしまった。跡部がポケットから取り出したもの。そ
れは、普通のビリヤードのボールより二回りほど小さなビリヤードボールであった。
「何・・・するつもりだよ・・・?」
「だから、『ビリヤード』だぜ?」
ニヤっと笑って、跡部は宍戸の中に入っている玩具を抜き、持っていたボールを宍戸のひ
くつく蕾に押し当てる。
「あっ・・・嫌だっ・・・やっ・・・・」
「ビリヤードってのは、ボールをこの棒で穴に入れるってゲームだろ?」
ビリヤードのキューを手に跡部はそう口にする。そして、そのキューを使い、宍戸の蕾に
押し当てた一つのボールのぐっと中に押し込んだ。
「ひっ・・・ああぁ――っ!!」
(嘘だろ・・・こんな・・・こんなのって・・・・)
「一つじゃ全然足りねぇよな?ほら、次のボール打つぜ。」
「嫌っ・・・やめ・・・やだっ・・・いっ・・ああ――っ!!」
首を振りながら、宍戸は嫌がるような言葉で喘ぐ。しかし、そんな言葉とは裏腹に、下の
口は跡部がキューで押し込んでくるボールを次々に飲み込んでゆく。
(すげぇ・・・いくつ入っちまったんだ?ああ、中が無理矢理広げられる感じが、激気持
ちイイ・・・・)
「あっ・・・ふあっ・・・ああ・・・・」
「四つか。結構入るもんだな。こんなことされてんのに、テメェのココはガチガチだな。
ボールを中に入れられて、そんなに感じてんのか?」
「感じてなんか・・・ね・・・」
「ココをこんなにしといてよく言うぜ。」
「ひぅっ・・・んっ!!あっ・・・ダメ・・・」
すっかり熱く硬くなっている宍戸の茎を跡部はぎゅっと握る。そして、握ったままその手
を上下に動かし始めた。
「あっ・・ああぁ・・・やっ・・・跡部っ・・・いやっ・・・」
「嫌じゃねぇだろ。そうだ、宍戸。中に入ってるもん、出してみろよ。とりあえず、俺は
抜く気はないぜ。」
「そ・・んな・・・・」
「まあ、ずっと中に入ったままでもいいっつーんなら、別にそれでもいいけどよ。」
それは嫌だと宍戸は何とか自力で中のボールを出そうとする。前を擦られながら、力むと
ボールが閉じた蕾を無理矢理広げながら外へ外へと出ようとする。入口が大きく開かされ
る感覚に宍戸の快感は一気に高まり、排泄するのを見られているような羞恥心に顔が熱く
なるのを感じる。
「んっ・・・ぅ・・・あっ・・・んんっ・・・!!」
「ほら、もう少しで一つ出るぜ。」
「んんんっ・・・ふっ・・・ああぁ!!」
コロンと一つ目のボールが出ると、宍戸はビクビクと足を震わせる。一つ目が出てしまう
と、残りのボールも続けざまにコロンコロンと宍戸の中から転がり出る。
「あっ・・・んあっ・・・ああっ・・・!!」
「あと一つだぜ。」
そう言いながら跡部は前を擦る手の動きを速くする。残りの一つを出そうとしながら、宍
戸の絶頂感は急速に高まってゆく。
(もうわけわかんねぇけど、すげぇ気持ちイイ・・・ダメだ、もうっ・・・イクっ・・・)
「あっ・・ひあっ・・・あああぁんっ!!」
最後の一つを外に出すと同時に、宍戸は跡部の手に白露をこぼす。激しく呼吸を乱しなが
ら、宍戸は気持ちよすぎる絶頂の余韻に浸った。
「中のボール出しながらイっちまうなんて、とんだ淫乱だな。それともテメェはこんな変
態じみたプレイの方が感じるのか?」
そんなことを言われ、宍戸が感じるのは腹立たしさや苛立ちではなく、頭の奥が痺れるよ
うな快感と妖しいときめきであった。達してすぐの熱が疼くのを感じながら、宍戸は睨む
ような視線で跡部を見る。
「随分挑発的な目で見てくるじゃねぇか。まだまだお仕置きが足りないってか?」
持っていたキューに宍戸の放った蜜を塗りたくりながら、跡部はそう口にする。そして、
宍戸の蜜を纏ったそれを今しがたビリヤードボールが出されたそこへ押し当てた。
(次はキューでかよ。どんだけ変態なんだよ、跡部の奴。けど、そうされて胸がドキドキ
してるあたり、俺も変わらねぇな。)
とろけそうな頭でそんなことを考えながら、宍戸は心の中で苦笑する。と、次の瞬間、跡
部の持つキューが中へと挿入される。
「うあっ・・・ああぁっ!!」
「テメェのココ、すっかりトロトロだな。こんなに自由にコレ、動かせるぜ?」
「ひっ・・・あ・・・ふああぁ・・・!!」
宍戸のそこはすっかり慣らされているため、それほどキツイ締めつけがなく、跡部は持っ
ている棒を自由に動かすことが出来た。宍戸の弱い部分を探すかのように、ぐりぐりとそ
れを動かし、前後に動かしてみたりもする。
「ひあっ・・・!!」
と一際大きく宍戸の体が跳ねる。今触れたところを、もう一度突いてやると、宍戸はビク
ビクと身を震わせ、高い声を上げる。
「ああぁんっ・・・やっ・・・ああっ・・・!!」
「すげぇ分かりやすい反応だな。そんなにココがイイのかよ?」
「あっ・・・あっ・・・やあっ・・・ああっ・・・・」
「そんなにイイなら、存分にココを責めてやるよ。」
宍戸の弱い場所を発見すると、跡部はそこばかりを狙ってキューを動かす。感じるポイン
トばかりを繰り返し責められ、宍戸の熱は再び硬くなってゆく。
(こんなにピンポイントでイイとこばっかされたら・・・またすぐイっちまう・・・)
「嫌っ・・・跡部っ・・・そこばっか・・・ふあっ・・・ああ・・・」
「そんなに感じまくってって嫌はねぇだろ。ココ、気持ちイイんだろ?」
「ひああぁんっ・・・ダメ・・・ああぁっ!!」
(ああ、すげぇ気持ちイイっ・・・もっと強く・・・)
そう宍戸が思った瞬間、跡部はニヤっと笑って、一際強くそこを抉るようにキューを動か
した。一番して欲しいことを一番イイタイミングでされ、宍戸の頭は真っ白になる。
「あっ・・・あああぁ―――っ!!」
中にあるキューをぎゅうぎゅうと締めつけながら、宍戸は二度目の絶頂を迎える。自分の
放った蜜で自分の腹を汚しながら、宍戸は甘い眩暈を感じる。
「ホーント、テメェはビリヤードが大好きみてぇだな。」
「ハァ・・・あっ・・・ぁ・・・・!」
ずるりとキューを抜きながら、跡部は笑う。ついさっきまでは、部活の時間に宍戸がした
ことにイラついていた跡部であったが、いつもより激しく乱れている宍戸を見て、そんな
ことはどうでもよくなってしまった。だいぶ自身も高まってきているので、跡部は宍戸の
足の縄をほどき、ビリヤード台から下ろさせる。
「縄ほどいてやったから、そこから下りろ。」
「乗れって言ったり、下りろって言ったり、何なんだよ・・・」
「あーん?文句あんのか?」
(別にねぇけどよ。そうは言えねぇよな。)
「ありありに決まってんだろ・・・ったく、わけわかんねぇ」
心にもないことを口にしながら、宍戸はビリヤード台から下りる。イったばかりなのと、
縛られていたので、宍戸の足はがくがくだった。そんな宍戸を、跡部はビリヤード台の角
を跨ぐように立たせる。
(何でこんな微妙なところに立たせるんだ・・・?)
かなり微妙なところに立たされているなあと思っていると、ぐっと腰を抱えられ、熱く大
きな熱の塊を先程までキューで散々弄られていた場所へと入れられた。
「んっ・・・う・・・ああぁ――っ!!」
より奥へと身を進められた瞬間、宍戸はそこに立たされた意味を理解する。跡部が動くた
びに、ビリヤード台の角が会陰の部分にちょうど当たり、外側と内側、どちらからも一番
敏感な場所を刺激されることになるのだ。
「ああぁ――っ・・・やあっ・・・跡部っ・・・ふああぁっ!!」
(コレ、すげぇ・・・中からも外からも一番気持ちイイとこに当たって・・・ヤバ・・・)
「ああぁんっ!!また、イッ・・・ちゃ・・・」
宍戸がそう口にした瞬間、跡部はぎゅうっと宍戸の熱を握る。
「いっ・・・やあぁ・・・・痛っ・・・跡部・・・放し・・・」
「俺様がイクまで、勝手にイクなんて許さねぇぜ。」
「嫌ぁっ・・・何でっ・・・ああぁっ・・・ああっ・・・!!」
「さっき二度もイカせてやったじゃねぇか。」
「けど・・・こんな・・・こんなことされたらっ・・・・ひうっ・・・」
「ホーント、お前は淫乱だよな。少しくらい我慢することも覚えろ。」
「あっ・・・ひあっ・・・ああぁっ・・・!!」
宍戸の熱を強く握ったまま、跡部は激しく宍戸の中を穿つ。イク寸前のところで激しい刺
激を繰り返し与えられているため、宍戸の体は強すぎる快感に悲鳴を上げていた。
「ああっ・・・ああぁんっ・・・あっ・・・ああぁ――っ!!」
「くっ・・・たまんねぇな。突くたびに、すごい力で締めつけてきやがる。」
「跡部っ・・・跡部・・・あっ・・・はあぁっ・・・」
「そろそろ・・・ヤバイな・・・・」
宍戸の中の気持ちよさに跡部も限界が近くなる。早く宍戸の中へ熱い蜜を放ちたいと思う
と、跡部の動きは自然と更に激しくなった。内側と外側からの強すぎる刺激と断続的に続
く大きな快感に、宍戸はもう自分の思っていることを隠せなくなっていた。
「ああぁんっ・・・跡部ぇっ・・・気持ちイイっ・・・早く、中に・・・跡部の中に出し
てっ・・・・イカせて・・・!!」
「ハァ・・・宍戸っ!!」
思ってもみない宍戸のセリフにどうしようもなく興奮し、跡部は宍戸の中に熱い雫を放つ。
そして、それと同時に宍戸の熱を堰き止めていた手を放した。
「んっ・・・あああぁんっ!!」
我慢させられていた分、宍戸はより大きな絶頂感を感じて果てる。内側に跡部の熱を感じ、
出したいと思っていた自らの熱を放ち、宍戸は意識が飛んでしまいそうな程の快感に、心
の底から満たされる感覚を全身で味わった。
「跡部ー、俺と試合しろー!!」
「アーン?今日は忙しいって言ってんだろ?」
「なら、やることが終わってからでいいからよ。なあなあ。」
「ったく、しょうがねぇなあ。なら、お前も手伝えよな?」
「おう!」
昨日の感じでは、ケンカをしていてもおかしくない二人であったのに、何故か今日は誰が
見ても分かるくらいにお互いにべったりだ。コートの上でそんなやりとりをしている二人
を見て、岳人と忍足は軽く会話を交わす。
「今日の宍戸、超機嫌いいよな。」
「せやな。あの様子だと、刺激が足りないってのは解決したんちゃうん?」
「刺激が足りないって何の話です?」
『日吉。』
昨日宍戸と話をしていた日吉も岳人と忍足の会話に加わる。
「ああ、昨日お前に宍戸が話しかけに行く前にな、最近刺激が足りないとか言って、溜め
息ついてたんだよ。で、お前に話しかけに行った後、跡部がすっげぇ不機嫌になってな。」
「たぶんお仕置きでもされたんちゃうん?あの様子やと、刺激が足りないって不満は解決
したみたいやけどな。」
「俺をダシに使ったってことですか。」
「ま、そういうことだろうな。」
「気に入らないですね。」
「そう言うなって。あの二人にケンカされるよりはマシやろ。」
「それは・・・確かに。」
跡部と宍戸がケンカをすると、周りにも被害が及ぶ。それを考えると、宍戸の不満を解決
するために利用されたことなど、大したことではないと思えてきてしまう。小さく溜め息
をついて、ふとその二人の方へ目をやると、部室にでも移動するのか、こちらの方へ向か
ってきていた。
「あっ、日吉。」
跡部が先に進んでいるのをそのままに、宍戸は日吉を見つけてパッと立ち止まる。そして、
ちょっと近づくと、小さな声でボソっと呟いた。
「昨日は悪かったな。それから、ありがとな!!」
「ああ、どういたしまして。」
岳人と忍足の話を聞いていなければ、今の宍戸の言葉の意味は分からなかっただろうが、
今しがたどういうつもりで宍戸が昨日話しかけてきたかを聞いたばかりだ。宍戸の言った
言葉に無愛想にそう答えると、日吉はちらっと跡部の方へ目をやった。
「何寄り道してやがる。置いてくぞ、宍戸。」
「おう!ちょっと待てって。今行くからよ。」
自分と話していると、また跡部が不機嫌になるのではないかと思ったが、今日はそんなこ
とはないようだ。跡部に呼ばれ、宍戸はパタパタとそちらの方へと駆けて行く。
「ホーント、あいつらバカップルだよなあ。」
「同感。日吉も大変やったな。」
「本当、迷惑な話ですよ。」
周りを巻き込むほどのバカップルさを見せつける跡部と宍戸を見送りながら、三人は苦笑
しつつ、そんな会話をする。これから部室に行って何をするんだろうなと冗談を交え、岳
人と忍足はそのまま後輩の練習を眺め、日吉はコートへと向かうのであった。
END.