ある日の放課後、宍戸は他のクラスの女子に呼び出されていた。もちろん告白されにだ。
あー、どうせ告白されたって断んなくちゃいけねーから面倒くせぇんだよなあ。さっさと
済ませて跡部んトコ行こう。
宍戸はだるそうに呼び出された場所へと向かった。
「あっ、宍戸くん。」
「何だよ?用って。」
ま、そんなこと分かりきってるけど。
「私、前から宍戸くんのこと好きだったの。だから、これ!!」
その女子は宍戸に一枚のチケットを握らせた。宍戸が返そうと顔を上げた時にはもうその
女子は目の前にいない。少し離れたところで手を振っている。
「じゃあね。宍戸くん。日曜日の9時に駅前で待ってるから!!」
「えっ!!ちょっ、ちょっと待て・・・・あー、行っちまった。」
チケットを握らされたまま、宍戸は呆然と立ち尽くす。その日は跡部とプールへ行く約束
をしていた。もちろん宍戸は跡部とのデートをとるつもりだ。だが、待っていると言われ
て断りもせずに行かないのはどうだろうとしばし悩む。
何なんだよあいつ。ちゃんと人の話を聞けっての!!でも、マジでどうしよう・・・。こ
の場で断れなかったとなると、当日行って断るしかないよなー。
ぼんやりとしながら宍戸は教室へと戻っていく。教室に到着すると跡部が待ちくたびれた
という様子で自分の席に座っていた。
「遅くなってゴメンな跡部。」
「本当、マジ遅ぇーよ。」
「だから、ゴメンってば。」
「で、当然断って来たよな?」
「えっ・・・?」
って、断れてねーよ俺!どうしよう〜、ここは誤魔化すしかねーよな。
「も、もちろん断ってきたぜ!!」
「本当か?」
「あ、ああ。」
どうみても宍戸の様子おかしいよな。こいつ絶対断ってねーな。あれ?宍戸の奴、何、手
に持ってんだろ?
「宍戸、じゃんけんしようぜ。じゃんけんぽん。」
宍戸はとっさにチケットを持っていた手でパーを出してしまった。宍戸の手の上にあるチ
ケットを跡部はさっと取る。
「あっ!!」
「何だよコレ?何々、遊園地無料招待券?」
「返せよ!!跡部!!」
「お前、これ行くわけ?俺がいるのに。」
「違ぇーよ!!無理やり握らされて、さっさと帰られちまったんだ。」
「それで、断れなかったって?これいつ行くんだ?」
「確か・・・日曜日の9時だったかな。」
それを聞いた瞬間、跡部の顔が引きつった。日曜日と言えば二人でプールに行こうと約束
をしていた日だ。もろに不機嫌を顔に出しながら、宍戸に問い詰める。
「どうすんだよ?」
宍戸も初めからその日はプールに行く日だと分かっていたので、もうどうするかは決めて
いた。
「そんなの決まってんじゃん。まずはその女子のところに行って・・・・」
バンッ
「!!」
「・・・・・。」
宍戸が話し終える前に跡部は机を思い切り拳で叩き、宍戸の顔を睨んだ。宍戸はその鋭い
目に恐怖を感じ話を続けられなくなってしまう。跡部の怒りは既にMAXに達していて、
宍戸を置いて、教室から出て行ってしまった。
くそっ、宍戸の奴、俺よりそのわけの分かんねぇ女子を取るのかよ!?
跡部のイライラは全く持って収まらない。一方、残された宍戸は今の状況を理解して、焦
り始める。
ヤッベー、跡部怒って帰っちゃった。って、ちょっと待てよ!!あそこまでしか話せなか
ったつーことは、かなり誤解が生じるじゃねーか。あー、跡部絶対誤解してるー。何とし
てでもこの誤解は解かないと・・・。
宍戸は慌てて跡部を追いかけようとした。だが、もう跡部の姿はなかった。
次の日から二人は何だかとても気まずい雰囲気だ。宍戸は必死で誤解を解こうと跡部に話
しかけようとするが、跡部は全く持って聞く耳を持たない。相当、怒っているようだ。そ
して、そのまま誤解は解けないまま問題の日になってしまう。
宍戸はまず告白してきた女子のところに行こうと考えた。幸い跡部との約束の時間とは一
時間くらいずれているので、断るだけなら何とかなる。そう考えて、宍戸は水着やタオル
などの水泳道具を持ち、駅へと向かった。
こっちのはキッパリ断っちゃえばいいけど、問題は跡部の方だよな。俺、プール楽しみに
してたんだけどなあ。
女子のことは本当にもうどうでもいいらしい。気になるのは跡部の方で、今日来てくれな
かったらどうしようとなどと考えている。駅に到着するとその女子はもう待ち合わせ場所
に来ていた。
「あっ。」
宍戸を見つけると告白してきた女子はうれしそうな表情を浮かべる。だが、宍戸は大きく
深呼吸をし、チケットを握りしめて、その女子の目の前を歩いて行き、キッパリと思って
いたことを口にした。
「俺、お前とはつきあえねぇ。他に好きな人いるし。それに今日だってそいつとデートす
る約束してんだ。」
「そ・・・だよね。宍戸くんだったら、彼女いてもおかしくないもんね・・・・。分かっ
た。じゃあ、もう宍戸くんのことは諦めるよ。じゃあね。」
その女子はポロポロを涙を流しながら、その場から去って行った。宍戸は女の子を泣かし
たにも関わらず、飄々としていて、ふぅーっと安堵の溜め息をついた。
「跡部の場合、彼女っつーより彼氏だよなあ。」
「宍戸。」
「っ!!」
ボソッと宍戸がそう呟くと、後ろから突然声をかけられた。ここ2、3日宍戸のことをほ
とんど無視していた跡部だが、やはり宍戸のことが気になってしまい、今日こっそり後を
つけていたのだ。
「あ、跡部っ!?」
宍戸はメチャクチャ驚き、動揺しまくった。跡部はさっきの話を聞いていたようで、ニヤ
ニヤしながら、宍戸に今まで何もなかったかのように話しかける。
「今日は俺とデートなんだろ?」
「な、何で跡部ここにいるんだよ!?」
「今日はプールに行くって約束してたじゃねーか。」
「そうだけど・・・・。」
跡部も宍戸と同じく水泳道具をバッチリ用意していた。もう今すぐにでも出発が出来る状
態だ。
「行こうぜ宍戸。」
「・・・・・。」
急に機嫌のよくなった跡部の顔を見て、宍戸も何だかうれしくなり笑顔になり頷いた。
「おう!!俺、今日のプールすっげぇ楽しみにしてたんだ。早く行こうぜ!!」
「ああ。じゃあ、さっさと切符買うか。」
楽しそうに話す二人だが、会話の内容がだんだんとこの前の告白のことになっていく。
「そういえば、この前何で俺の話最後まで聞かねぇで帰っちまったんだよ。」
「だって、お前がまずはあの女子のところへ行くとか言うからだろ?」
「だからー、まずはあいつのところに行って、ちゃんと断ってからお前とデートに行こう
と思ったんだよ。なのにお前怒って帰っちゃうし。」
「お前がハッキリその場で断んねーのが悪いんだろ、バーカ!!」
「なっ!?俺が悪ぃのかよ!?跡部がヤキモチ妬きすぎるのがいけねぇんだろが。」
「はぁ!?悪いのはお前だ!!」
いつものように軽く言い争いをしながら、二人は電車に乗り、プールへと向かった。二人
が行こうとしているプールはかなり大規模でいろいろな種類のプールがあるようなとこで
ある。
更衣室で着替えを終えた二人は準備運動をして、まずは波のプールへと向かった。ここの
プールは全て屋外にあり、ギラギラの太陽の下思う存分遊ぶことが出来る。
「跡部、早く行こうぜ!!」
「ちょっと待て宍戸。日焼け止め塗らねーと日焼けすんぞ。」
「別にいいよそんなの。俺は早く遊びたいんだ!!」
「ダメだ!!ほら、こっちへ来い。」
はしゃぎまくる宍戸は跡部が日焼け止めクリームを塗れと言っても、全く聞かない。跡部
は宍戸の腕を掴み、無理やり自分の方へ引き寄せると勝手に日焼け止めクリームを宍戸の
体に塗り始めた。
「うっわ、やめろよ跡部。くすっぐってぇ。」
「テメーが素直に俺様の言うことを聞かないからいけないんだろうが。」
「だってよぉ・・・」
「はい終わり。もう行ってもいいぜ。」
「跡部も一緒に来いよ。まずは波のプールからだ!」
宍戸に手を引かれ、跡部は引きずられるように波のプールへと入った。始めの方は膝くら
いの深さで、沖へ行くごとにだんだんと深くなっていく。もちろん波のプールなので、波
がざぶんっと沖から寄せる。宍戸は足のギリギリ着く場所で波の感覚を楽しんでいる。
「何かおもしれー。体が勝手に浮くぜ。」
「そんなに楽しいか?俺はいまいち楽しいとは思わねぇけど。」
「お前、冷めてんな。ほら、こうやって足を浮かせるとな・・・・」
宍戸は跡部の方を向いていて気づいていないが、後ろから今までにないほどの大きな波が
迫っていた。もちろん跡部はそれに気づいている。だが、あえて言わない。
ざばーんっ
宍戸は足を浮かせたことでバランスを失い、見事に波に飲まれた。跡部はうまく波に乗り
軽やかにその波を流す。
「・・・・ぶはっ、ゲホッ・・・ゲホッ・・・」
水の中から浮き上がってきた宍戸は、やはり即座に対応出来なかったらしくゴホゴホとむ
せまくっている。それを見て跡部は大爆笑。
「あははは、お前おもしれーな。波が来るのくらい体で感じろっての。」
「ハァ・・・テメー、分かってたんなら教えろよ!」
涙目で宍戸は跡部に訴える。
「あーん?何で俺様がお前に波が来る程度のことを教えなくちゃいけねーんだよ?」
跡部は実に楽しそうな表情で宍戸にこう言った。宍戸は納得いかない〜と怒るが、跡部に
これ以上何を言っても無駄。しょうがないので他のプールへと移ることにした。
「あー、あれ楽しそう。」
「ウォータースライダー?俺はやらないぜ。」
「何でだよー。すっげぇ楽しそうじゃん。」
「じゃあ、お前だけ行って来いよ。俺はここで見てるから。」
「そっか。じゃあ、行ってくんな。」
ひらひらと跡部に手を振り、宍戸はウォータースライダーの方へ走って行った。しばらく
して、上に上がった宍戸が長いすべり台を滑り、バシャンッと水の中へ突っ込んだ。大き
な水飛沫が上がり、楽しそうな声が聞こえる。
「跡部ー、これ激楽しいぜ!!もう一回やってもいいか?」
「ああ。でも、あと一回だけな。見てるだけだと飽きちまうし。」
「じゃあ、跡部もやりゃいいじゃん。」
「俺はいいって言ってんだろ。」
跡部的にはこんなガキくさいことはやってられないという感じなのだ。だが、宍戸はその
ガキくさいことを思いっきり楽しんでいる。まあ、跡部からすれば宍戸が楽しそうに笑っ
ているのを見るのが楽しいことなのであろう。
「あー、楽しかった。」
「で、次はどこ行くんだ?」
「次は流れるプール。でも、その前にちょっと腹減ったからアイスでも食おうぜ。」
宍戸はお腹が空いたと跡部にアイスをねだった。跡部は基本的に甘い物が苦手なので、食
べないが、宍戸は球状のコーヒーアイスを跡部に買ってもらった。宍戸がこのアイスを選
んだのには理由がある。このアイスは食べ終わった後、アイスがつまっていたゴム状の袋
に水を入れると水風船のようになる。宍戸はこれが作りたかったのだ。流れるプールに入
るまで、宍戸はそれを隠しながら歩いていた。そして、流れるプールで遊び始めようとし
たその瞬間、宍戸は水風船を跡部に向かって投げつけた。
ボスッ
水風船は跡部の頭にクリティカルヒット。宍戸はそれを見て、まるで小学生のように笑っ
ている。
「あはは、跡部の頭直撃ー。」
いきなり水風船を当てられ怒った跡部は思い切り力を込めて宍戸の方へと投げ返す。投げ
返された水風船は宍戸の顔面に直撃。相当思いきり投げられたようで、宍戸の顔にぶつか
ると同時にその水風船は破裂した。
「痛ってー・・・何すんだよ!!跡部!!」
「あーん?テメーが先にやってきたんだろ?」
「だからって、あんなに強く投げ返すことねぇだろうが!!」
宍戸は怒りながら跡部の方へと流れに逆らい歩いて行く。跡部は流れに乗って宍戸から逃
げようとした。もちろんのこと、これはどう考えても跡部の方が有利だ。だが、負けず嫌
いの宍戸は跡部の元へ行こうと必死である。真ん中辺りは端に比べて少し深くなっていて
そこを通ろうとした瞬間、宍戸に異変が起こった。
「ぐっ・・・」
苦しそうな声を上げて、宍戸は水の中に沈んだ。跡部は慌てて駆け寄る。跡部が近くに来
ると宍戸は思い切り跡部に抱きついた。
「うっ・・・わ!!おいっ、宍戸!!そんなにしがみつくんじゃねぇ。俺まで沈む!!」
「あ、跡部・・・足・・・」
悲痛な声を上げて跡部に助けを求める。どうやら足に異変が起こったようだ。
「どうした宍戸?」
「足・・・つった。」
あまりの痛さに宍戸は跡部にしがみついたたまま動けないでいる。おそらく手を離したら、
またさっきのように沈んでしまうだろう。
「ったく、しょうがねー奴だな。あっちまで連れてってやるからもうちょっと力抜け。俺
が腕で支えててやるから。」
「うん。」
宍戸が腕の力を緩めると跡部は宍戸の体を浮かせた状態で、うまく流れに乗りプールサイ
ドまで移動する。そして、宍戸をプールから出し、そこへ座らせた。
「あんなにはしゃいでるからこういうことになるんだぜ。もっと気をつけろよな。」
「ゴメン。」
「いったん休憩して、それからまた遊べばいいだろ?今はちょっと休もうぜ。」
「ああ。・・・・サンキューな跡部。」
「別に礼なんていらねーよ。」
宍戸の足が治るまでしばらく休憩をすることにした。休憩を終えると再び二人は遊び出す。
跡部が飛び込みをしたり、二人でボート式の浮き輪に乗って滑るウォータースライダーを
やるなどありとあらゆるものを満喫した。お昼をはさみそれから1、2時間遊ぶ。もうこ
れ以上遊べないというとこまで遊びつくして、二人は帰ることになった。
存分に遊び終え、家に帰ると二人は真っ先にシャワーを浴びようとバスルームに入る。跡
部の家のバスルームはかなり大きいので、二人で入っても何ら問題ない。しかも、夕方に
近いがまだ昼間だと言える時間帯にも関わらず、バスタブによい香りのするお湯がしっか
りと溜められていた。
「何でこんな時間帯なのにバスタブにお湯が溜まってんだよ?」
「一日の中でいつでも入れるように常に新しいお湯が溜まってんだよ。体についた塩素流
したら入ろうぜ。」
「さすが跡部んちだな。」
宍戸は感心しながら、ぬるめのシャワーを頭から浴びる。太陽の光で火照った体にはこの
くらいの温度がちょうどよかった。一通り洗い終えると二人は湯船に入る。このお湯もそ
んなに熱いものではなく、どちらかといえばさっき入っていたプールより少しだけ温かい
程度の温度だ。
「気持ちイイな。ちょうどいい温度だ。」
「そうだな。」
バスタブもかなり大きいとはいえ、ある程度の身長のあるこの二人が同時に入ってしまえ
ば、必然的に体は密着する。何にもしてなくても二人の鼓動はだんだんと早くなっていっ
た。
「なあ、跡部。お前サカってんだろ?」
「テメーだって変わんねーんじゃねーの?」
跡部は宍戸を自分の方へ引き寄せ、唇を重ね合わせる。宍戸も跡部の首に手を回し、深く
なっていく口付けを素直に受け入れた。
「ん・・・んん・・・」
キスをしながら、跡部は両手を宍戸の下半身へと持っていく。入浴剤の所為で中の様子は
全く見えないが、疼き始めている二つの場所に直接触れられ、宍戸は身体をビクンッと震
わせた。
「・・・んんっ・・・あ・・・跡部・・・」
いきなり始められ、宍戸は少し戸惑った。お湯の中に入っているにも関わらず、跡部はゆ
っくりと普段は閉じているべき場所を解いてゆく。お湯が入ってくるような奇妙な感覚に
宍戸は身を捩った。
「やぁ・・・跡部・・・・水がぁ・・・」
「心配すんな。ちょっとくらい入ったって害はねぇよ。意外と慣らしやすいんだな水の中
って。」
「あっ・・・くっ・・・何か・・・すげぇ変な感じ・・・」
「前の方ももっとしてやろうか?」
後ろを慣らすのに専念していた跡部だったが、宍戸の反応を楽しむべく前の方も同時に弄
り始める。その磨きぬかれたテクニックに宍戸は翻弄されまくりだ。
「ああっ・・・はぁ・・・・あっ・・・!!」
跡部にしがみついて宍戸は下から迫りくる快感に悶え、喘ぎ声を漏らす。跡部はそんな宍
戸の反応が楽しくて、意地悪そうな笑みを浮かべながら、その行為をし続けた。
「やっ・・・あん・・・跡部っ・・・も・・・ヤバ・・・」
前も後ろも弄られ続け、宍戸に限界が訪れそうになる。だが、跡部はそう簡単にそれを許
さない。前を少し強く握り、イケないようにしてしまう。
「いっ・・・・ひぁ・・・ヤダっ!!跡部!!」
「そう簡単にイッちゃおもしろくねーだろ。もうちょっと楽しませろよ。」
「うぁっ・・・あっ・・・跡部・・・く・・はぁ・・・・」
宍戸が苦しそうに喘ぐのを跡部はしばらく楽しみ、それと同時に自分のモノを挿れる準備
も忘れない。指が二本は余裕で入るくらい宍戸の蕾を慣らして、たまにそこから指を抜き、
抑えられている箇所の根元を器用に揉み解す。
「あぁん・・・そんな・・・ダメェ・・・・・」
「また少し大きくなったぜ。水の中なのにここの先だけヌルヌル。」
「手・・・離せよぉ・・・・」
「嫌だ。そんなふうにイケなくて悶えてるお前の顔って最高なんだぜ。そう簡単にやめて
たまるか。」
「変・・態!!・・・なぁ本当・・・お願い・・・」
「い・や・だ。」
跡部が全く手を離してくれそうにないので、宍戸は最後の手段とばかりにこれ以上なく甘
く切ない声で跡部の耳元で囁いた。
「お願い・・・跡部ぇ・・・・イカせて・・・」
こんなふうにねだられて、さすがに跡部も動揺してしまった。思わず手を緩めてしまう。
その瞬間、宍戸は今まで我慢していた熱を一気に放った。
「あっ・・・ああ――っ!!」
力なく寄りかかった宍戸の顔に軽くキスをすると跡部はバスタブの縁に座り、宍戸の頭を
自分のモノの目の前に持っていく。
「俺のしろよ。その方がたぶん入れやすいと思うんだよな。」
「ハァ・・・水の中でやるんだったら変わんねぇんじゃねーの?」
「絶対変わるって。ほら、早くやれ!」
「分かったよ。」
宍戸はしぶしぶ跡部のモノを咥えた。石鹸の匂いと入浴剤の匂いとが混ざり、頭の中がぼ
ーっとしてくる。しばらく、咥えていると跡部は髪を掴み、もういいと言って再び湯船の
中に入った。
「このまま宍戸が乗るような感じでいいよな?」
「マジで水の中でやんの?」
「ここまで来たんだから別にどうでもいいだろ。さっさと繋がろうぜ。」
「・・・ああ。じゃあ、跡部。俺の体ちゃんと支えてくれよな。」
「分かってんよ。」
宍戸はゆっくりと跡部のモノを自分に挿入させる。水が入る隙間などないほど、宍戸の身
体は跡部で満たされた。
「ああっ・・・はぁんっ!!」
「すげぇ、熱ぃ。水がぬるいから余計にそう感じるな。」
「あっ・・・跡部・・・すげ・・・イイっ・・・・」
「ああ。でも、宍戸。もっと奥入れられるだろ?」
まだ中途半端にしか入っていなかったので、跡部は宍戸の体をずっと下に落した。一気に
奥まで入れられ宍戸は背中を仰け反らせ、悲鳴にも似た嬌声を上げる。
「ひっ・・ああ――っ!!あっ・・・うあぁっ・・・」
「うわっ、最高。メチャクチャ気持ちいいぜ。」
「ああっ・・・あ・・・あぁんっ・・・」
バシャバシャと水が跳ねる音と宍戸の声、それから跡部の乱れた呼吸がバスルームに響き
渡る。跡部がさらなる繋がりを求め宍戸に接吻をしたその瞬間、二人は同時に果て、二度
目の水遊びは終わった。
「ひゃあ、涼しい〜。」
「シャワー浴びる前に冷房入れといたからな。」
「何かすっげぇ疲れた。今日、家帰んの面倒くせぇよ。跡部んち泊まっていいか?」
「ああ。全然構わないぜ。」
もう遊び疲れ、やり疲れ、宍戸はかなりの疲労を感じていた。帰るのが面倒くさいと跡部
に家に泊まっていいかと尋ねた。もちろん跡部の答えはYesだ。
「でも、今日は本当楽しかったよな。」
「ああ。誰かさんが浮気するかしないかで俺はひやひやしまくってたけどな。」
「お前本当、ヤキモチ妬きだな。」
「別にいいだろ?俺はそれだけテメーのことが好きなんだからよ。」
「俺だってそうだぜ。今日、跡部とデート出来なかったらどうしようかと思ってたもん。」
「ま、もういいじゃねぇか。結局はいつも通りうまくいったんだからよ。」
「そうだな。なあ、跡部ベッド借りていい?俺、激眠い。」
「いいぜ。夕飯になったら起こしてやるから寝てろ。」
「サンキュー。」
宍戸は跡部のベッドを借り、眠ってしまった。跡部もそんな宍戸を見てうとうとしてきて
しまう。既に空は夕日で赤く染まっている。ここ数日はちょっとしたトラブルがあったが
今日は最高の日だ。二人は夕日が差し込む中、仲良さ気に昼寝をしてしまうのであった。
END.