White Love

リクエスト内容『風邪をひいた跡部をナース服の宍戸が看病する(18禁)』

あ゛〜、今日も暑っちぃ。何か暇だしー。やることねぇんだよなあ・・・。
夏休みに入り、宍戸は暇を持て余していた。ただいま家には宍戸以外は誰もいない。特に
することもないので扇風機の前でゴロゴロと寝転がっている。
「プールにでも行ってくるかなー。あー、でも一人で行ってもつまんねぇだろうし、こん
な暑い中外歩くのもウザイよな。」
あまりの暑さに何もやる気が起きない。無駄に時間を過ごしているなあと思いながらも扇
風機の前から動こうとしない。と、机の上に置いておいた携帯が突然なり始めた。
「誰からだろ?って、この着信音じゃあいつしかいねぇな。」
着信音で相手を判断しつつ、通話ボタンを押す。思った通り電話の相手は跡部だ。
「もしもし?何だよ、跡部?」
『宍戸か。お前今暇か?』
「ああ。激暇。暇過ぎて死にそう。」
『じゃあ、ちょうどよかった。お前今から俺んち来い。』
「別にいいけど。・・・なあ、何か今日お前声おかしくねぇ?」
少ししか話していないが、宍戸は電話の向こうの声に違和感を覚えた。確かに跡部の声な
のだが、明らかにいつもと違うのだ。
『あー、ちょっと今風邪ひいててな。だからなんだよ。お前に来て欲しいっつってんのは。』
「そっか。あれ?でも、お前んち今日は親とかいねぇの?それに執事だっているはずだろ?」
『親は旅行に行っちまってる。執事は今日は休みだ。つーか、この風邪執事にうつされた
んだよ。何か熱とか出て大変みてぇだけど。』
「ふーん。じゃあ、今はお前だけなんだ。」
『まあな。俺も結構だるくてよ。一人でいろいろやんの大変なんだ。だから、お前俺を看
病しに来い。』
「別に行ってやってもいいぜ。ちょうど暇してたところだし。じゃあ、今からそっち向か
うな。」
『ああ。早く来いよ。』
ピッ
このまま家に居て何にもしないよりかはマシだろうと思い、宍戸は跡部の家に行くことに
した。特に何も持たずに家を出る。一応、防犯のため鍵をかけていくが、家族はそれぞれ
合鍵を持っているので何ら問題ないだろう。

外に出るとじりじりと太陽が肌を焼く。ただ歩いているだけにも関わらず、汗が滲み出て
きた。
マジ、暑い!!まあ、夏だからしょうがねぇけど、こんなに暑いとホントやんなるよな。
早く跡部に家に行って涼もうと宍戸は走り出した。こんなことをしては余計に暑くなり、
汗が出るのは確かだが、このままゆっくりと歩いていく方がよっぽどつらい。走った甲斐
があり、思った以上に早く跡部の家に到着することが出来た。
「おじゃましまーす。」
家には跡部しかいないと聞いていたので、宍戸は呼び鈴も押さず、そのまま家の中へと入
る。被っていた帽子を取り、それをうちわ代わりにしてパタパタと自分を扇いだ。さっき
走った所為で大分汗をかいているので、そんな少しの風でもないよりかは全然マシだ。跡
部の部屋まで直行するとノックもせずにドアを開けた。
「跡部、来てやったぜ。」
「あー、宍戸か。入れよ。」
「おう。」
パジャマとまではいかないが、ゆったりとした部屋着を着て跡部はベッドに入り、本を読
んでいた。宍戸はそこまで歩いていく。部屋は冷房がきいていて、暑くなった体にはとて
も心地よかった。
「すっげぇ、涼しい。でも、お前風邪ひいてんだろ?冷房とかつけてて平気なのかよ?」
「つけない方がやられるっつーの。それに空調管理は完璧だからな。心配いらねぇよ。」
「そっか。あー、走ってきたら汗かいちまった。」
「何でこんなに暑いのに走ってくんだよ?ホント、すげぇ汗だな。」
跡部は宍戸の額から落ちる水滴を見て、呆れたように言った。このまま放っておいたら、
汗がひき、体が冷え、宍戸も風邪をひいてしまうだろう。跡部はベッドから下りてタンス
から一枚タオルを出した。
「そのままじゃ、お前も風邪ひくぜ。シャワー浴びてこい。」
「いいのか?」
「そのままでいられる方が迷惑だ。さっさと入ってくんだな。」
「分かった。じゃあ、ちょっとシャワー借りるな。」
バスタオルを受け取り、宍戸はいったん部屋を出る。自分でもシャワーを浴びたいと思っ
ていたので、素直に跡部の言うことを聞いた。だが、跡部は宍戸が出て行くとにやりと笑
ってこっそり後を追った。宍戸がバスルームに入ったことを確認するとさきほどまで着て
いた服を洗濯機の中に入れてしまう。そして、そのまま部屋に戻った。

跡部、いいとこあるじゃん。汗かいたままだと気持ち悪ぃからな。よーし、こんなもんか。
さっさと出て、部屋に戻んなきゃな。
バスルームを出て、宍戸は借りたタオルで体を拭く。そして、さっき着ていた服を着よう
と手を伸ばした。だが、置いたはずの場所にそれがない。
「あれ?俺の服どこだ?」
宍戸はあたりを探す。だが、いくら探しても見つからない。跡部が洗濯機に入れてしまっ
たのだから当然であろう。しょうがないので宍戸はバスタオルを肩からかけ、そのままの
格好で跡部の部屋に戻った。
「跡部、俺の服知らねぇ?」
「あー、洗濯機に入れちまったぜ。あれもどうせ汗まみれで汚れてんだろ?」
「はあ!?じゃあ、俺着るもんねぇじゃん。どうすんだよ?」
「そこに用意してやったぜ。ちゃんと着ろよな。」
跡部はテーブルの上を指差した。何だよかったというような表情で宍戸はそれを手に取り、
着ようとした。だが、その服を広げた瞬間宍戸の顔は凍りつく。
「・・・・跡部!!何なんだよこれは!?」
「着替えだぜ。」
「どこが着替えだ!?思いっきりナース服じゃねぇか!!」
「だから、お前はそれを着て俺様を看病するんだ。その方が感じが出ていいだろ?」
「ふざけんな!!俺、絶対着ないからな!!」
「へぇ、そう。じゃあ、ずっと裸のまんまでいるんだな。それ着ないとお前この部屋から
出れないぜ。それ着て看病してくれたら、帰る時俺の服貸してやるし、さっきの服もちゃ
んと洗濯して返してやるよ。でも、着ねぇならそのままでいるしかねぇよな?裸のままで
この部屋から出て自分の家に帰れるか?」
「・・・っ、お前最悪!!」
そんなことを言われてしまっては着ないわけにはいかない。ちょうど、跡部の家には跡部
以外誰もいない。他の人にバレるということはまずないが、やはり、こんな格好をするの
は宍戸にとって納得のいかないことだ。
「つーか、お前本当に風邪ひいてんのかよ?さっきから見てるとそんな気がしないんだけ
ど。」
「ひいてるぜ。何なら熱でも計ってみるか?」
嫌々ながらも宍戸はナース服を着て、体温計を引き出しから出した。そして、不満いっぱ
いの表情で跡部にそれを渡す。しばらくして、ピピッという音が鳴った。跡部は体温計を
宍戸に渡す。
「37.6度か。確かに少し熱はあるみてぇだな。」
「だからさっきから言ってるだろ。」
「ちっ、しょうがねぇな。今、氷枕作ってきてやるから待ってろ。」
ナース服を着せられているのは気にいらないが、風邪をひき、熱がある相手を放っておく
ことは出来ない。宍戸は氷枕を作りに部屋を出て行った。
くそ、跡部のヤツ本当最悪。シャワー浴びさせたのだって、俺にこの服着せるためだった
んだな。でも、風邪ひいてるのは本当みたいだし、文句ばっか言うのもなあ。でも、でも
やっぱ納得いかねぇ!!ムカツク!!
イライラしながら、宍戸は作った氷枕を持ち、跡部のところに戻って来た。気持ちとは裏
腹に行動は何となく気遣うような感じになってしまう。
「ほら、作ってきてやったからちゃんとこれに寝ろ。」
「サンキュー。でも、そんなに熱ないぜ。それにしても、お前その格好似合うな。」
そう言われて宍戸はかあっと赤くなる。恥ずかしくてたまらないのにどうしてこういうこ
とを言うのかと思いっきり跡部を睨んだ。
「そんなに睨むなよ。ふぅ、さっきより少しは楽になってきたな。」
実際、本当にだるかったらしく氷枕に頭を沈めると跡部は落ち着いたような溜め息を漏ら
した。自分では作るのは面倒くさいので、今までそのまま寝ていたのだ。
「宍戸、腹減った。」
「そういや俺も腹減ったな。今は・・・3時ちょっと過ぎか。おやつの時間だな。」
「冷凍庫にアイスがあるはずだ。ちょっと持って来てくれねぇか?」
「俺も食っていい?」
「ああ。」
昼食は食べたが、この暑さのため無駄にカロリーが消費される。なので、二人とも少し小
腹が空いていた。宍戸はアイスクリームを取りにキッチンへ向かう。金持ちな跡部の家で
はカップごとのアイスなどではなく、一つの大きな入れ物にたくさんのアイスがつまって
いた。宍戸はそれを透明な小皿に食べる分だけ移して、持っていく。二つの小皿を出すの
は面倒なので、一つの小皿に二人分の量を入れて金色の小さなスプーンを添え、跡部の部
屋に戻った。
「お前んちのアイスすげぇな。あんなに大きいの初めて見た。」
「結構高価なヤツだぜ。お前なんかが食べれるもんじゃねーよ。」
「何だよその言い方。でも、これ俺も食っていいんだよな?」
「ああ。で、何でお前は自分の分しか持って来てねぇんだよ?俺様のはどうした?」
「これ、お前の分も入ってるぜ。二つに分けんの面倒くせぇから一緒に入れてきちまった。」
「まあ、別にいいけど。じゃあ、お前俺に食わせろよな。」
「分かってんよ。」
小さなスプーンで真っ白なアイスをすくいまずは自分の口に運ぶ。その後、もう一度同じ
ようにすくって、今度は寝ている跡部の口に入れた。バニラの香りとほどよい甘さが二人
の舌をとろかせた。殊に宍戸はこんなにおいしいアイスクリームは食べたことがないと感
動の声を上げる。
「このアイス激うまい!!下ざわり最高だし、味も濃いんだけどさっぱりしてる。」
「そりゃそうだろ。最高級のバニラだぜ。」
跡部も自慢げに笑う。しばらくそんなふうに交互に食べながら、おやつタイムを楽しんだ。

小皿の中身がからっぽになると、宍戸は満足そうにそれをベッドの横の棚に置いた。
「はあ〜、すげぇうまかった。跡部いつもこんなの食ってんだよな。うらやましい。」
「たまになら食べさせてやってもいいぜ。」
「マジで!?じゃあ、また今度食わせてくれよ。」
跡部がまた食べさせてくれるというので、宍戸ははしゃぐ。と、跡部の様子がさっきと少
し違うことに気がついた。
「なあ、お前少し震えてねぇ?寒いのか?」
「・・・・ああ。少しな。宍戸、お前ちょっと布団の中入れ。」
アイスを食べたため体が冷え、跡部はほんの少しの寒気を感じていた。少し暖まろうと宍
戸を自分の寝ている布団に招き入れる。いったん起き上がり、布団を持ち上げ膝のところ
ポンポンと叩いた。
「ここに来い。」
「えっ、でも、俺がそこ座っちまったら跡部寝れねぇぞ。それに、重いんじゃねぇの?」
「大丈夫だ。ほら、早くきやがれ。」
「・・・分かったよ。」
宍戸は跡部に導かれるまま膝の上に座った。跡部は背もたれに寄りかかり宍戸の体を抱き
しめる。すると必然的に宍戸の体も跡部に寄りかかるような形で傾いた。
「この体勢、お前キツくねぇの?」
「このくらい余裕だぜ。やっぱ、あったけぇなお前。」
「そうか?まあ、大丈夫だっつーんなら少しくらいこのままでいてやってもいいけど。」
しばらくそのままの状態でいる。会話もなしにこのままでいるがどちらも微妙な気分にな
ってきてしまった。さっきのアイスと跡部が特に何も言わなかったので、すっかり忘れて
いたが、ふと宍戸は今自分がナース服という格好をしていることを思い出す。その瞬間、
何だかとても恥ずかしくなり思わず顔を跡部に肩に埋めてしまった。
「どうした?宍戸。」
「い、いや、別に何でもねぇ・・・。」
「何かこの体勢って微妙だよな。こんなところにも簡単に手届くし。」
「うわっ!!どこ触ってんだよ!?」
抱きしめたままの状態で跡部はナース服のスカートに手を入れ、軽く撫でた。ナース服を
着ているとはいえども、下着だけは男物だ。何が楽しいのか分からないが跡部は宍戸のし
りを撫で続ける。
「やめろよ!!跡部っ!!」
「お前、顔真っ赤だぜ。あー、分かった。これだけじゃ足りねぇんだろ?」
そう言いながら笑って、今度は下着にまで手を入れてくる。そして、当然のことのように
指を秘部に這わせ、何の予告もなしに慣らし始めた。
「んっ・・・ちょっ・・跡部っ・・・」
「まだそんな濡れてねぇけど、柔らかいぜ。触っててすげぇ気持ちいい。」
「ハァ・・・お前、風邪ひいてんのに何やってんだよ?」
このくらいのことじゃまだ全然余裕らしい。少し息を荒くしながらも宍戸は普通に跡部に
抗議する。だが、跡部は聞く耳を持たない。触り心地がいいと言って宍戸のそこを無駄に
掻き回す。そうされているうちに、じわじわと甘い痺れが広がってゆく。
「くっ・・・あ・・・跡部、もうヤメロっ!!」
「何でだよ?ちゃんと濡れてきてるぜ。もう一本くらい入りそうだけど、今は一本だけに
しといてやるよ。」
「はぁ・・・んっ・・・んん・・・そんなことしたって、この後進めないだろが。」
「確かに今の俺じゃそんな体力ないかもしんねぇけど、やっぱここ触ってんのは気持ちい
いし、お前のそういう顔見れるのも悪くねぇ。」
「くっそ・・・あっ・・・ぅん・・・」
「腰が揺れてきてるぜ。お前だって感じてんじゃん。」
「ウ、ウルセー!!もう・・・マジでやめてくれよぉ・・・」
初めは余裕をかましていた宍戸だが、さすがに感じてきてしまっているらしい。前を触ら
れていない分、いつもより熱の高まり方がゆっくりだ。何だかじらされているようで、宍
戸は跡部の服をぎゅうっと握って小刻みに震えている。
「んっ・・・くぅん・・・あと・・べ・・・」
「どうした?後ろしか触ってねぇのにもう限界か?」
笑いながら尋ねる跡部に宍戸は苛立ちを覚えるが、それ以上に内側を掻き回されている感
覚の方が強くて何も言う気にならない。初めは静かな痺れだったものがだんだんと強いも
のになり、それは触れられていない前にもビリビリと伝わる。声も嫌というほど、濡れた
切ないものになっていくのが分かった。
「あ・・ん・・・・もう・・・ヤバ・・・」
「後ろだけイクなんて、お前すげぇ淫乱だな。でも、そんな格好してんだ。ピッタリじゃ
ねぇの?」
格好のことを言われ、宍戸の顔は再び羞恥の色に染まる。だが、もう耐えられなかった。
目をきつく閉じ、ビクンと体を震わせる。着ている服と同じ色をした真っ白なミルクが太
股を伝った。
「ハァ・・・ハ・・・」
肩で呼吸をし、今にも溢れそうな涙を目にいっぱい溜め、宍戸は跡部にぐったりと寄りか
かった。跡部は悪戯に笑っているが、心なしか呼吸が少し荒くなっている。落ち着きを取
り戻した宍戸はふとあることに気づく。
「・・・なあ、お前勃ってねぇ?」
「っ!!そんなことねぇよ。」
「いや、普通に当たってんだけど・・・。」
「お前があんな顔して、喘いでんのがいけねぇんだ。」
「俺の所為かよ!?お前があんなことするのがいけねぇんだろ!!」
宍戸は跡部に対して怒るが、このままにして放っておくのは少々可哀想な気がした。今の
跡部の状態では自分では満足に出来ないだろう。
「お前、熱そんな高くねぇよな?」
「まあな。今ので少し上がってるかもしんねぇけど。」
「じゃあ、少しくらいなら大丈夫だよな・・・。」
「はっ?」
顔を赤らめ、宍戸はさっきの行為で濡れてしまった下着を脱ぎさり、跡部を押し倒した。
邪魔な掛け布団も剥いでしまい、跡部の体に何もかかってない状態にする。そして、おも
むろに跡部のズボンのジッパーを開け、そこにまたがる。次の瞬間、どちらの体にも激し
い衝撃が走った。
「あっ・・・ああっ!!」
「うっ・・あ・・・」
あそこまでやられてしまったのだから、跡部の熱もなんとかしてやろうと、宍戸は自ら腰
を落とし、熱くなった塊を咥えこむ。思ってもいなかった宍戸の行動に跡部は動揺した。
「宍戸っ・・・お前、何やって・・・」
「だって・・・お前・・そのままじゃツライだろ・・・?」
「だからってこんな・・・」
「へへ・・・何か今日は俺が・・・優勢って感じ・・・?」
ニッと笑う宍戸だが、そんなに余裕があるわけではない。すぐに顔を歪ませ、苦しそうに
呼吸をする。しばらくは動けないでいたが、跡部のものが自分の中で馴染んでくると、ゆ
っくりと腰を動かす。自分で動いているとはいえども、そこから感じる快感は跡部がして
くれるのと変わらず、足がガクガクと震えた。
「あ・・・あぁ・・・・ん・・・くっ・・・」
「ハァ・・・宍戸・・・」
跡部は下から宍戸を見上げながら、何度もキスをしたいと思った。だが、距離的にそれは
不可能だ。起き上がろうとも考えたが、熱の所為で体が思うように動かない。それどころ
か意識はだんだんと朦朧とし、呼吸はしだいに乱れてくる。
「跡部・・・大丈夫か・・・?」
「ああ・・・何とかな・・・・」
「これじゃあ・・・熱上がっちまうな・・・」
「でも・・・最高に気持ちイイぜ。それに、その格好もすげぇツボ。」
「格好のことは・・・言うな!!・・・はぁ・・・ヤバ・・・もう限界かも・・・」
「俺も・・・これ以上してたら・・・意識飛ぶかも・・・」
宍戸は自ら奥を突き、背中を仰け反らせて果てた。それと同時に跡部も意識を手放した。
「あっ・・・あぁ――っ・・・」
「っ・・・」
宍戸は跡部の上に倒れこむ。しばらく余韻に浸り動けないでいたが、顔に熱い吐息を感じ
てがばっと体を起こした。額に触れてみると明らかにさっきよりも熱い。どうやら熱が上
がってしまったようだ。
「ヤッベー。」
行為をし終えて全然時間が経っていないにも関わらず、宍戸はパタパタと動き出した。

数十分が経過して、跡部はふと目を覚ます。さっきあんなことをしたにも関わらず、気分
はとてもよい。
「宍戸・・・。」
「あっ、跡部目覚めたか?」
「ああ。何かすげぇ気分イイ。熱下がったみてぇだ。」
「マジで?さっきまで上がってたように思えたんだけど。」
跡部の言うことが信じられないので、宍戸は自分の額と跡部の額を同時に触り、熱がある
かどうかを確かめた。確かに同じくらい、本当に熱は下がったらしい。
「ホントだ。下がってる。」
「きっと汗かいたからだろうな。・・・おい、宍戸。どうして、着替えてんだよ?」
跡部は宍戸が自分の私服を着ていることに気がついた。まだ、着替えていいとは言ってい
ないのに着替えてあるので少し不機嫌な顔を見せる。
「あんなに汚れて、着てられるわけねぇだろ!!汚れたのは全部片付けておいてやったか
らな。」
宍戸は跡部が眠っている間にまず自分が着替え、その後、汗を拭きつつ跡部を着替えさせ、
汚れたものは全て洗濯機に入れて洗った。跡部はそれを聞き、驚いた顔する。
「お前、それした後すぐにやったのか?」
「まあな。汗かいたままだと跡部の風邪悪化すると思ってさ。」
「すげぇな。いつもは動けないみたいに言ってるくせによ。」
「お前がやると今の倍以上疲れんだよ。今日は俺が勝手に進めてたようなもんだったから
な。」
主導権を握られていたようで、跡部は何だかムッとする。まあ、今日は風邪をひいていた
のだからしょうがないのだが。むしろ、熱があるのにそういうことをすること事態間違っ
ている。
「今回だけだからな。お前がああいうふうに出来るのは。」
「当たり前だろ。そんなにしょっちゅうあんなこと出来るわけねぇだろ。第一お前がちゃ
んとしてくれた方が何倍もイイ・・・っ!!」
さらっと流れで言ってしまい、宍戸は慌てて口を塞ぎ真っ赤になった。思わず跡部に背を
向けてしまう。背中の向こうで跡部が笑っているのが容易に想像出来た。
「そうだよなあ。俺がしてやった方がイイに決まってるよな。」
「い、今のはちょっと口が滑って・・・」
言い訳をするがもう遅い。跡部は今の言葉で完璧にいつものテンションを取り戻した。
「宍戸、ちょっとこっちに来い。」
「何でだよ?」
顔の赤さを抑えられないまま宍戸は振り向く。
「キスさせろ。」
「はあ?」
「さっきしてる時、何度もしたいと思ったんだけどよ、あの体位じゃどう考えても無理だ
っただろ?だから、今させろ。」
「・・・・別にいいけど。」
特に断る理由もないので、宍戸は跡部の方まで歩いていき、ベッドに座る。頭に手を添え
られ、いきなり深いキスを施された。だが、それはただ貪るようなものではなく、ひどく
優しいものだった。しばらくすると、口の中がお互いの唾液で濡れていく。まだ、ほのか
にバニラの味が残っていた。
「・・・はぁ、満足か跡部?」
「ああ。何か微妙にバニラの味残ってたな。」
「そうだな。なあ、もっかいして。俺のがまだ足りないかも。」
「今日のお前、欲張りだな。」
宍戸に言われ再び唇を重ねる。窓からはもう夕日が差し込んでいた。二人はこの後、飽き
るまで唇を重ね続ける。跡部の風邪は宍戸のキスですっかり治っていくようだった。

                                END.

戻る