After doze

リクエスト内容『跡宍の裏』

U−17W杯の宿泊棟で、氷帝学園の面々は跡部の部屋に集まって談笑していた。そこま
で遅い時間ではなかったが、跡部のベッドで宍戸はうたた寝をしてしまう。就寝時間が近
くなると、他のメンバーは自分の部屋へと戻っていく。いつものようにジローも寝てしま
ったのだが、ジローについては樺地がおぶって連れて帰った。他のメンバーが帰ってしま
っても、宍戸は起きる気配を見せないので、跡部はそのまま寝かせておいた。日付が変わ
る時分になって、宍戸はパッと目を覚ます。
(あれ?ここどこだ?)
就寝時間は過ぎているので、電気は消えており、同じ部屋の違う寝室にいる幸村は既に眠
りについていた。一応、横にはなっているが、跡部は宍戸が起きるのを待ち、まだ眠って
はいなかった。
「やっと起きたか。」
「っ!!??」
隣にいる跡部に声をかけられ、宍戸は声にならない声を上げ驚く。
「跡部っ!?何で・・・」
「お前が俺のベッドで勝手に寝ちまったんだろうが。他の奴らはとっくに自分達の部屋に
戻ったぜ。」
「あー、そっか。悪ぃ。」
「別に謝ることじゃねぇよ。ただ、向こうの寝室で幸村も寝てるし、今から戻るってのは
しない方がいいかもしれねぇな。」
「確かに。起こしちまっても悪いしな。じゃあ、俺は向こうのソファで・・・」
ベッドから出ようと体を起こしかけた宍戸の腕を跡部は掴む。急に腕を掴まれたため、宍
戸は再びベッドの上に仰向けに倒れた。
「何すんだよ?」
「久しぶりに一緒に寝るのも悪くないんじゃねぇの?」
「けどよ・・・俺が一緒に寝たら、ベッド狭くなっちまうし・・・・」
「俺様の言うことが聞けねぇってのか?」
「チッ、仕方ねーなあ。」
跡部の言葉に宍戸は呆れながらも従う。仰向けの体を跡部の方へ顔を向ける形で横にする
と、跡部と目が合う。一つのベッドに入り、二人並んで横になっていることをハッキリと
意識させられ、宍戸の鼓動は速くなる。
(ヤバイ、跡部とこんなふうに一緒に寝るの久しぶりだから、ちょっとしたくなってきち
まった。)
W杯中の跡部とそんなことをするのはよくないと思いながらも、宍戸は跡部から目が離せ
なくなる。高鳴る鼓動を抑えられずにいると、跡部の顔が触れそうなほどに近づき、すっ
とシャツの中に手を入れられる。
「そんなに見つめられると、したくなっちまうな。」
「ちょっ・・・やめっ・・・・」
「お前もして欲しいんだろ?」
「ふざけんな!そんなことねぇ!」
隣の寝室で幸村が眠っているので、小声で跡部に文句を言うが、心の中はその言葉とは全
く逆のことを考えていた。宍戸が本当はして欲しいことなど、跡部はお見通しなので、宍
戸の文句には耳を貸さず、目の前にある唇にキスをし、シャツの中に隠れている胸の突起
を指先で抓んだ。
「ふっ・・・ぅんっ・・・んんっ・・・」
口では嫌がっているが、もともと宍戸もやる気だったので、跡部にキスをされると小さく
口を開け、跡部の舌を受け入れる。唇同士が隙間なく触れ合い、口内では熱い舌が絡み合
う。敏感な突起に与えられる刺激がたまらず、宍戸は無意識に跡部のシャツをぎゅっと掴
んでいた。
「ハァ・・・んっ・・・!」
唇を離しても、跡部は宍戸の突起を弄る手を止めようとはしない。右も左も痛いと気持ち
いいの間くらいの力で抓まれ、宍戸はビクビクとその身を震わせる。
「ぅ・・あっ・・・やめ、跡部っ・・・」
「アーン?やめて欲しいって顔じゃねぇだろ、それは。」
「だって・・・跡部が強くするから、声が我慢出来ねぇ・・・・」
息を乱し、顔を真っ赤にしながら宍戸は跡部にそう訴える。寝室は分かれているとは言え
ども、この部屋は跡部の一人部屋というわけではない。あまり大きな声を出すと気づかれ
てしまうと思いつつも、大きな刺激を与えられれば嫌でも声は出てしまう。それは困ると
宍戸はどうにかしてくれというニュアンスを込めて跡部を見た。
「それなら、ココを弄るのはやめてやるよ。その代わり・・・」
宍戸のシャツから手を抜くと、今度はズボンと下着の中に右手を滑り込ませ、双丘の割れ
目をつつっとなぞる。その感覚にピクンと身体を震わせ、宍戸はぎゅっと口をつぐむ。
「こっちも弄って欲しいだろ?宍戸。」
「んっ・・・やだ・・・・」
「嫌だっていうわりには、ここは早く指を入れて欲しいってひくついてるぜ?」
「んんっ・・・んぅ・・・!!」
跡部の指が中に入ると、宍戸は何とか声を抑えようと唇を噛む。それを見た跡部は空いて
いる左手で宍戸の口を塞いだ。
「っ!?」
「そんなに声を出したくねぇなら、俺様が塞いどいてやるよ。だから、そんなに唇を噛む
んじゃねぇ。」
「うう・・・」
跡部に口を塞がれながら、宍戸は小さく頷く。宍戸の唇の力が抜けたのを確認すると、跡
部は宍戸の中に入れている指を器用に動かし始める。まずは入口をゆっくりとほぐすよう
に弄り、そこがもっと奥へ欲しいと主張するように動き出したら、より奥へと指を入れる。
「んっ・・・んんっ・・・んんぅっ・・・!!」
口を塞がれながら、内側を指で犯されているという状況に、宍戸はいつもよりも興奮して
きてしまう。
(何か・・・口塞がれてると、無理矢理されてる感があって、いつもよりドキドキする。)
中を弄られているという物理的な刺激もあるが、それ以上に無理矢理感のあるこの状況に
宍戸はゾクゾクしてしまい、まだ布に覆われている熱の塊がより熱くなっていくのを感じ
る。
「ふっ・・・うぅ・・・んっ・・・」
左手の中心に当たる宍戸の熱い吐息と、今にも涙が溢れてしまいそうなほどに潤んだ瞳。
口元が見えていなくとも、その表情は実に色を帯びている。
「随分とよさそうじゃねぇか。久しぶりだからどうかと思ったが、心配ねぇみたいだな。」
跡部の言葉に頷きも首を振ることもせず、宍戸はただ跡部の目をじっと見つめた。言葉は
なくとも跡部は宍戸の伝えたいことを理解する。
「そろそろ指じゃ足りねぇみたいだな。」
一旦口からも中からも手を離し、跡部は布団の中で宍戸のズボンと下着を脱がせる。繋が
っている間も口を塞いでいた方がよいだろうと考えた跡部は、宍戸の体を起こし、後ろか
らその体を抱き締められる位置へ移動する。
「跡部・・・?」
「こうした方が口も塞ぎやすいし、他の場所も弄ってやれるしな。自分で入れられるなら、
自分で入れてもいいぜ?」
さらけ出された下半身に既に充分な大きさと硬さになっている跡部の熱が触れる。その感
触にドキドキと胸を高鳴らせながら、宍戸は軽く腰を浮かせ、跡部の熱を先程まで跡部の
指が入っていた部分の入口へと押し当てる。
「ハァ・・・やっぱ、自分で入れるのは無理・・・・」
「仕方ねぇなあ。少し力抜いとけよ。」
位置は既に宍戸自身が導いてくれているので、跡部は宍戸の腰を掴み、ぐっと下げるよう
に自身をある程度柔らかくなっている蕾に挿入する。
「うあっ・・・くっ・・・んんっ・・・!!」
跡部自身が入ってくる感覚に思わず声を上げる宍戸だが、あまり大きな声を出すのはまず
いと必死で声を抑えようとする。
「あっ・・・んっ・・・・跡部ぇ・・・早く、口塞いで・・・」
久しぶりに跡部と繋がる快感に、もう自分では声を抑えきれず、宍戸は思わずそんなこと
を口にする。予想だにしない方向のおねだりに、跡部の熱は反応してしまう。
「あっ・・・!?」
さらに大きさを増した跡部の熱にビクンとその身を震わせながら、宍戸は図らずも腰を落
としてしまう。それと同時に跡部の手が宍戸の口を塞いだので、堪えきれず漏れてしまう
甘い声は跡部の手の中に留まる。
「んっ・・・んん・・・・」
「自分から口を塞げだなんて、何つーおねだりだよ。」
「んん・・・」
「口塞いでて、声も漏れねぇし、ココも弄ってやるよ。」
宍戸のあまりの可愛さに熱い息を吐きながら、跡部は後ろから手を回し、宍戸の熱を握る。
「んぅっ・・・!!」
始めはゆっくりと次第に激しく宍戸の熱を覆っている手を動かす。あまりの刺激に身を捩
ろうとすれば、中に入っている跡部の熱が敏感な壁を擦り、宍戸はビクビクと下肢を震わ
せる。
「んっ・・・ふっ・・・んんんっ・・・!!」
「すぐにでもイッちまいそうだな。中もビクビクして、気持ちいいぜ。」
そこまで大きくは動けないものの、前と後ろへの刺激に宍戸の中は大きく収縮し、ビクビ
クと震える体が跡部の熱にも十分すぎる刺激を与えていた。
(こんなの耐えらんねぇ。マジですぐイッちまう。)
「ん・・・ぁ・・・んっ・・・んんっ・・・・!!」
熱に触れている側の腕を宍戸は強く掴む。切羽詰まったようなくぐもった声と口を塞いで
いる手にかかる荒い吐息から、跡部は宍戸が限界ギリギリであることを悟る。
「ほら、イッちまえ。」
「―――――っ!!」
熱の先端を指の腹でぐりっと擦りながら、跡部は妖しく宍戸の耳元で囁く。その瞬間、ゾ
クゾクと甘い痺れが全身を駆け巡り、宍戸は声にならない声を上げながら、跡部の手を熱
い蜜で濡らした。絶頂の波が治まらず、未だにに下肢を痙攣させている宍戸の中のよさを
堪能しながら、跡部は口と熱から手を離した。
「ハァ・・・ハァ・・・跡部・・・・」
「本当イッた後のお前はたまらなくエロい顔してるな。」
「・・・うるせぇ。」
「お前はイイ感じにイッたが、俺はまだイッてねぇからな。もう少し付き合ってもらうぜ。」
宍戸の腰を浮かせ、一旦中からそれを抜くと、跡部は宍戸を仰向けに押し倒す。そして、
先程宍戸が出したモノを自身の熱に軽く絡めると、宍戸の足を大きく開き、再び心地のよ
い穴の中へと挿入した。
「んっ・・・くぅ・・・んっ・・・!!」
「今度は手じゃなくて、唇で塞いでやるよ。口、塞いでて欲しいんだろ?」
再び中に入った跡部の熱さとそのセリフに、宍戸の胸はひどく高鳴り、気分は高揚してい
た。宍戸が小さく頷くと、跡部は宍戸の手に自分の手を重ね、その手を握るように指を絡
める。そして、宍戸の声が漏れないようにするため、しっかりと唇を重ねた。
(手握られて、キスされて、挿れられてるとか、激ヤバだし。跡部としてる感すごくて、
すげぇドキドキする・・・)
どこもかしこも跡部と繋がっているような感覚に、宍戸はうっとりとしながら目を瞑る。
先程よりも圧倒的に動きやすい体位のため、跡部は自分が気持ちよくなれるように、同時
に宍戸も気持ちよくなれるように大きく動く。
「んっ・・・ん・・・」
(久しぶりだが、やっぱりたまんねぇな。まさか、この部屋ですることになるとは思って
なかったが。)
なるべく大きな音は立てないようにしながら、跡部は宍戸とのその行為を存分に楽しむ。
しばらく宍戸の中の心地よさを堪能していると、宍戸の指に力が入る。言葉をかけるため
に唇を離すと、宍戸が大きく息を乱しながら、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
「ハァ・・・跡部っ、もう・・・限界っ・・・また、イキそ・・・」
「いいぜ。今度は一緒になりそうだけどな。」
「イクときも・・・キスしてたい・・・・」
「ふっ、可愛いこと言うじゃねぇか。」
すっかりとろけている宍戸は、そんなことを跡部にねだる。再び唇を重ねると、跡部は宍
戸の奥を大きく穿つ。限界まで高まっていた宍戸はその刺激で達し、大きくその内側を収
縮させる。顔や態度には出していなかったが、跡部の熱もかなり高まっていたので、宍戸
の中の最高に気持ちいい感覚を味わいながら達した。
『・・・・・っ!!』
同時に達し、触れ合っている場所がじんわりと熱くなる。心も体も満たされるような充足
感。しばらく体を重ね合わせたまま、跡部も宍戸もその余韻に浸っていた。

ほどよい疲労感に身を任せ、二人は軽く整えたベッドの中で横になっていた。
「こんなに夜更かししてて大丈夫なのかよ?」
「アーン?特に問題はねぇよ。」
「さすが日本代表の中学生主将だな。でも、俺のせいで寝不足になられちゃ困るからな。
ちゃんと寝ろよ。」
「ああ。」
さっきまであんなことをしておきながら、真面目に寝不足になってしまうことを心配して
いる宍戸に跡部は顔を緩ませる。そこまで言うなら、そろそろ寝るかと跡部は宍戸の手を
ぎゅっと握った。
「お前もちゃんと寝るんだぞ。さっきまで寝てたとは言えども、仮眠レベルしか寝てねぇ
んだから。」
「・・・おう。」
跡部に手を握られていることにドキドキしながら、宍戸は頷く。目を閉じる前に宍戸は今
なら伝えられると、跡部に伝えたかったことを伝えようとする。
「なあ、跡部。」
「どうした?」
「俺達がオーストラリアに来たのは、もちろん日本チームを応援するためなんだけどよ。」
「ああ。」
「俺はお前のことを一番応援してる。跡部がテニスしてるの見るの大好きだし、跡部が強
くなっていくのを見ると、俺ももっと強くならなきゃって思うし、それに・・・」
「何だ?」
「やっぱり、跡部自身が大好きだからよ。」
宍戸にしてはかなり素直な言葉だが、その顔は恥ずかしさからか真っ赤に染まっていた。
そんな宍戸の言葉が表情が愛しくて嬉しくて、跡部は宍戸の体を抱き締める。
「ありがとよ。お前にそう言ってもらえて嬉しいぜ。」
「本当か?」
「当然だろ。俺だってお前のこと好きなんだからよ。」
穏やかな声色の嘘のない跡部の言葉に宍戸の胸はきゅんと高鳴り、ドキドキとときめく。
「そんなこと言われたら・・・ドキドキしすぎて眠れなくなっちまうだろ。」
「お前だって、同じこと言ってたじゃねぇか。」
「そ、そうだけど・・・」
「ほら、そろそろマジで寝るぞ。今度は二人で一緒にな。」
「っ!!」
ここにきて、とどめを刺すようなその一言はずるいと宍戸は顔から湯気が出そうな気分
になりながらうつむく。
(くそ、俺ばっかドキドキしてて悔しい。激ダサだぜ。)
「宍戸。」
「・・・何だよ?」
「おやすみ。今日はすげぇいい気分で眠れそうだぜ。」
心の底から嬉しそうな声で跡部は言う。その言葉を聞いて、宍戸はどうしようもなく嬉
しくなってしまう。素直に嬉しさを表すのは少し照れくさく、宍戸は顔が緩むのを必死
で抑えながら、跡部に返事をする。
「・・・おやすみ。」
隠しつつもその一言に嬉しさが滲み出ている。異国のホテルの一室で、互いのぬくもり
を感じながら目を閉じる。久しぶりに二人で眠る安心感に身を任せ、どちらもゆっくり
と夢の中へ落ちていった。

                                END.

戻る