My heart is beating fast.

リクエスト内容『滝鳳orジロ樺のUnder。他校も少し絡ませる』

「鳳、あと残ってんのお前だけだから、戸締まりしとけよ。」
「うん。分かった。じゃあね、日吉。」
部活を終え、二年生メンバーは部室に残っていた。日吉は用があるらしく早めに帰ってし
まう。いつものように滝は鳳にくっついて、部室に居座っている。
「日吉も帰っちゃったってことは、この部室には俺達だけだよね。」
うれしそうに笑いながら、滝は鳳に言う。何かをたくらんでいるようだ。
「そうですね。もうちょっとで着替え終わるんで少し待っていてください。」
シャワーを浴び終えた鳳は制服に腕を通す。滝はさっきの笑顔のまま鳳に近づいた。そし
て、腕を掴んでその動きを止める。
「何ですか滝さん・・・・。」
「誰もいないんだよ。長太郎。これってチャンスじゃない?」
「な、何がですか!?」
慌てる鳳だがあっという間に滝に押し倒されてしまった。着替え途中ということで服装は
かなり微妙だ。ワイシャツのボタンはまだ一つも止められていないし、チェックのズボン
もまだロッカーの中に入れたまま。やる前からこんなに乱れていてもいいのかという状態
だ。
「ここ、部室ですよ。ダメですよぉ。」
「大丈夫だって。もう俺達しかいないみたいだし?鍵かけちゃえばバレないって。」
「でも・・・わっ、ちょ、ちょっと滝さ・・・」
「あんまり時間かけないからさ。しよ、長太郎。」
「う〜・・・本当に少しだけですからね。」
何だかんだ言って、鳳も了解してしまう。ワイシャツ越しに感じる長椅子の冷たさとは裏
腹に滝に触れられる肌はしだいに熱くなっていった。

鳳と滝は日吉の言葉でこの部室には誰もいないと信じきっていたが、実はそうではなかっ
たりする。部室の奥にあるシャワー室にまだ樺地が残っているのだ。だが、そんなことは
お構いなしにあの二人は堂々と部室で始めてしまった。樺地はシャワーを浴び終え、制服
に着替えた。幸いなことに着替えを鞄に入れていたため、鞄はこちら側だ。シャワー室か
ら部室へと移ろうとした時、その異変に気がつく。もう一度シャワー室に戻る以外樺地に
出来ることはなかった。
「・・・・・。」
シャワー室に戻り、樺地はさっきまで忘れていたことに気がついた。珍しくジローが一緒
に帰ろうと言ってきて、更衣室のベンチで眠っているのだ。樺地が着替え終わったのに気
づいたのか、ジローはふと目を覚ます。
「ふあ〜、あ、樺地おはよ。もうシャワーも着替えも終わった?」
「・・・ウス。」
まだ眠たそうな声でジローは樺地に尋ねる。樺地が頷くと大きな背伸びをして鞄を持った。
そして、部室の方へ歩いていこうとする。それに気づき、樺地は慌ててジローの歩みを止
めた。
「何?樺地??」
「・・・・・・。」
樺地は何を説明したらいいのか分からなかった。普段からほとんどしゃべらない樺地には
この状況を説明するための言葉がまったくもって見つからない。ジローは首を傾げて、樺
地を見た。
「どうしたの?もう帰る準備終わったでしょ?早く帰ろう。」
「・・・・・。」
樺地は黙って首を振る。だが、その肩にはバッチリ鞄がかけられていて、帰る準備はかな
り万全だった。ジローは本当に不思議そうな顔をする。
「何だよー?まだ何かここですることあるの?」
この質問にも樺地は首を横に振る。ジローからすれば樺地が何を言いたいんだかさっぱり
分からなかった。そして、樺地の手をそっと外して部室の方へと歩いていく。
「用がないなら別にいいじゃん。俺、スッゲー眠いからさ、早くうち行って寝たいんだよ
ねー。」
あくびをしながら歩き出すジローだったが、その動きは部室に入るドアのところで完璧に
止まった。部室へと続くドアは上半分がガラスになっていて、部室の様子が丸見えなのだ。
ジローは慌てて樺地の方まで引き返しあの高いテンションで話し出した。
「何アレ!?ちょっと、マジですごくない!?どうしよ、樺地!!」
どうしようと言っているわりには、ジローの目は好奇心いっぱいで実に楽しそうに輝いて
いた。それとは対照的に樺地を困惑した表情を浮かべている。その明るい声でジローはさ
らに続けた。
「俺、あからさまに見るのは初めてだよ。樺地、ちょっと見学してかない?」
「・・・・・!?」
ジローのどうしようもない提案に樺地は驚きを隠せない。いくら何でも見学はないだろう。
だが、ジローは本気で忍び足でドアの方に近づいて行き、こっそり窓から部室の中を覗い
た。樺地はそれを止めようとジローのもとまで行く。
「うっわあ、滝と鳳マジでしてるよ。マジマジすっげー!!」
「ジローさん・・・こんなこと・・・ダメです。」
ジローが普通にのぞいているので、珍しく樺地は言葉を放ち、それを止めようとした。当
然のことながらジローは樺地の言葉など全く聞いちゃいない。キラキラと目を輝かせて、
その光景に釘付けだ。樺地はそんなジローをどうするべきかと思いながらも、部室の中の
二人に目を移してしまう。

「ふぁ・・・滝さ・・ん・・・やっ・・ああ・・・」
「部室だからダメとか言ってたわりには、長太郎もなかなか反応してるじゃん。」
「そんな・・・こと・・・言われたって・・・あっ・・あぁ・・」
「長太郎、やっぱりエッチだ。ほら、だってもうこんなになってる。」
「やっだぁ・・・やめてくださいっ・・・んっ・・・あ・・・」
樺地とジローが残っていることなど全く知らない滝と鳳は、普通に行為を進めている。最
近は忙しく、しばらく御無沙汰だったので滝はかなり楽しそうだ。そうなると鳳も結構溜
まっていたので、口では嫌だと言っていても本気で拒むことはなかった。
「長太郎のすごく濡れてきてる。シロップみたいでおいしそう。」
「何・・・言ってるんですか・・・そんな・・・んっ!!」
滝が熱を持ってある程度の大きさになっているものを口に含むと、鳳はさっきよりも大き
く反応を示す。首を仰け反らせ、滝の大好きな高い声を放ち、身体を震わせた。
「あっ・・・あん・・・ハァ・・んっ・・・」
「いい声。長太郎、その声で俺の名前呼んでよ。」
「ハァ・・・うあっ・・・滝さん・・・滝・・さん・・・」
名前を呼ぶがどうしてもそれは途切れ途切れになってしまう。だが、滝にとってはその感
じがとてもツボだった。それのご褒美だといわんばかりに濡れた音を立て、滝は鳳のもの
を口で刺激し続ける。
「やっ・・んぅ・・・あっ・・・・く・・・」
「長太郎、我慢しなくていいよ。好きな時に出して。」
「でも・・・滝さんの口・・・汚しちゃいます・・・」
「そんなの全然気にしないで♪むしろ、飲みたいし。」
「うっ・・・そんなこと・・・言われたら・・・あっ・・ああ・・・」
滝が達するのを促すようなことばかり言うので、鳳は次第に余裕がなくなってきてしまっ
た。呼吸が速くなり、漏れる声も切羽詰ったものになっていく。滝はそんな鳳の様子をう
かがいながら、一番弱い所を舌で転がす。その瞬間、今までとは比べものにならない程の
快感が身体を駆け抜け、鳳はそのまま果てた。
「うあっ・・・ああ――っ!!」
「・・・・っ。」
鳳の放ったものを飲み干すと、滝は唇を舐め、ふぅっと満足気な溜め息をつく。そんな光
景はジローや樺地がいる場所からハッキリと見えていた。それも距離的に声もバッチリ聞
こえてしまっている。

「すっげー、滝も鳳もエローい!!なあ、樺地。」
「・・・・。」
同意を求められても答えていいものなのか迷ってしまう。一応、今は黙っておこうと樺地
は何も言わなかった。だが、実際これを見てドキドキしてしまっているのは事実だ。本当
はこんなことはしてはいけないことは分かっているし、ジローを止めなければならないこ
とも分かっている。しかし、こういうのは一度見てしまうと意外と目を離せないものだ。
結局、樺地もジローと一緒にドアの窓から二人の行為を見ることになってしまった。
「何かこういうのって、ドキドキするよな?」
「・・・ウス。」
「でもさ、滝も鳳もよくやるよねー。ここ学校だぜ。バレたらどうすんだろ?」
「・・・・・。」
「まあ、俺はチクったりしないけどー。樺地もこのことは黙ってろよな。」
「ウス。」
楽しそうに話すジローだったが、樺地は内心気が気でなかった。確かにこのことが先生達
にバレたらそれは大変だが、それ以上にあの二人に今自分達がここにいることがバレたら
どうなるのだろうとそっちの方が気になってしょうがない。そうこうしているうちに中の
二人は佳境に入ろうとしていた。

「長太郎、もうそろそろいい?」
「ハァ・・・はい・・・」
「汚しちゃうとあとが面倒だからちゃんとつけるね。」
「滝さん・・・学校にもそういうの持って来てるんですか?」
「ううん。跡部にもらった。俺はこういうの買えないからね。」
「流石跡部さんですよね。」
二人は顔を見合わせてくすくす笑う。滝は自分のものにそれをつけると、鳳の足を開き、
自分の片足を長椅子にかけ、ゆっくりと身を進めた。
「んんっ・・・うあっ・・・ああ・・・」
「わあ、何か最近してなかったから久々にすごくいい感じ。」
「あっ・・・滝さんっ・・・」
何かにすがりたいと鳳は腕を伸ばす。滝は上半身を沈め、自分の背中に鳳をしがみつかせ
た。
「キツイ?動いても平気?」
「は・・・い・・・大丈夫です・・・」
「じゃあ、ちょっと動くけど痛かったりしたらちゃんと言ってね。」
鳳を気遣いながら、滝はゆっくりと動いていく。鳳は苦しそうな呼吸をしているもののつ
らいわけではないので、特に何も言わず、滝の与えてくれる熱と快楽を素直に受け取った。
「はぁ・・・あっ・・・んん・・・うあ・・・」
「やっぱ暑いね、これしてると。」
「はい・・・でも・・・俺・・・この暑さはすごく好きっスよ・・・」
「俺も。長太郎と繋がってるって感じがすごくするから好きだよ。」
「何でこれって・・・こんなに気持ちイイんでしょうね・・・?」
「そりゃやっぱ、自分の好きな人と一つになってるってのが率直に感じられるからでしょ。」
「確かに・・・そうですね・・・あっ・・・滝さん・・・そんな・・・いきなりっ・・・」
繋がりながらしばらく話していた二人だったが、口ばっかり動かしていてもしょうがない
ので滝は口と同時に体も動かす。いきなり動かれ、鳳は思いっきり感じてしまった。
「口ばっか動かしててもダメだろ?それに俺、もっと長太郎のこと気持ちよくさせてあげ
たいしね。」
「やっ・・・あん・・・滝さん・・ちょっ・・・」
いきなり激しくなったので、鳳は滝にしがみつく腕の力を強めた。さっきのように普通に
話していられる余裕もなくなってしまう。思わず喘ぐ声も大きくなってしまい、シャワー
室の二人の耳に痛い程響いていた。

「何か・・・鳳の声ってすごく色っぽいね。」
「・・・ウス。」
「てか、あんなに滝って攻っぽかったんだあ。見かけだけだと結構女の子っぽいのにね。」
「ウス。」
ジローの言葉一つ一つに答えるようになったが、樺地はありえないくらい心臓がドキドキ
していた。同じ学年の部活の友達が同じ部活の先輩に抱かれ、あんなふうになっていると
ころを見てしまえば当然であろう。それも、子供のように純粋な心をもった樺地ならなお
のこと。刺激が強すぎると言っても過言ではない。
「樺地、大丈夫?顔、真っ赤だよ。」
「・・・・!?」
どうやらそれは顔にも表れているようだ。そういうことは指摘されると余計に恥ずかしく
なり、さらにあからさまになってしまう。樺地は何とかそれを抑えようと視線を下に落と
し、出来るだけ鳳の方を見ないようにした。だが、声だけは勝手に耳に入ってきてしまう。
その所為で樺地の速くなった鼓動は全くおさまることがなかった。

「滝さ・・ん・・・ハァ・・・俺・・・も・・ダメです・・・」
「もうちょっとしてたいけど、長太郎が限界ならしょうがないね。」
「ゴメンナ・・・サイ・・・」
「別に謝ることないよ。一緒にイこう長太郎。」
「んぅ・・・んん・・・」
優しく微笑いながら、滝は鳳にキスをした。その心地よさに目を閉じ、鳳はその感覚に溺
れる。下から突き上げられ、柔らかい心地よさが急に激しいものになり、鳳は達し、それ
と同時に滝も果てた。
「はっ・・・ああっ!!」
「んっ・・・!!」
その声は他の部屋の二人の耳にも届き、終わったのだなというのを分からせると同時に意
外な一面を見てしまったということを感じさせるものになった。
「んー、何か久々だったから気持ちよかったね。」
「はい。でも、学校でやるのってやっぱマズイんじゃないっスか?」
「大丈夫っしょ。実際、跡部と宍戸とか、岳人と忍足とかもやってるだろうし。」
「えっ!?そうなんですか!?」
「うん。それよりさ、さっきから気になってたんだけどこの部室って俺達以外誰もいない
はずだよね?」
滝のこの言葉を聞いて、ギクッとした樺地とジローの二人は体を小さくかがめ、見を隠し
た。もしかしてバレていたのかと焦りを隠せない。
「えっ、そのはずですけど。日吉がお前で最後だからとか言ってましたし。」
「そうだよねー。いや、何かしてる時ねどっかからか視線を感じてたんだよ。気のせいだ
ったみたい。」
「見られてたら大変ですよね。うわっ、もうこんな時間だ。早く帰らなくちゃ。」
「ホントだ。戸締まりはちゃんとしてあるし、あとは鍵を閉めるだけだね。」
「はい。じゃあ、行きましょう滝さん。」
「うん。」
着替えや片付けなどを終えると二人は部室を出て、鍵を閉め帰ってしまった。ジローと樺
地ははあっと溜め息をついて、その場にへたり込む。

「あー、よかった。バレてたのかと思ったよ。」
「ウス。」
「じゃあ、俺達も帰ろうか。でも、部室の鍵はあの二人が閉めちゃったからあそこから出
よう。」
「?」
ジローが指差したものは鍵の壊れている窓だった。他の者は知らないが、ジローはいつも
ここからこの部室に入り、昼寝をしたりしているのだ。大きさもかなりあり、樺地でも余
裕で通ることの出来る大きさだった。二人はその窓から外に出て、家路を辿る。その途中、
ジローは公園へ行きたいと言い出し、樺地はジローと一緒に氷帝学園中の近くの公園によ
ることになった。
「この公園にはね、俺だけの秘密の場所があるんだあ。」
そう言ってジローは樺地の手を引き、林の方へと連れて行く。もう夕方で日は暮れかけて
いたが、その場所は夕日が直接差し込み、木の枝や葉っぱの隙間から木漏れ日のように光
が降り注いでいた。
「キレイでしょ、ここ。俺のお気に入りの場所の一つなんだ。ここで昼寝するととっても
気持ちE〜んだよ。」
ジローが木の下に腰かけるので、同じように樺地もそこへ腰を下ろした。しばらく夕日を
眺めていたが、そのうち飽きてしまったので、ジローは樺地にちょっかいを出し始める。
「ねぇ、樺地。膝枕してよ。樺地の膝枕はここと同じくらい俺のお気に入りなんだぜ。」
「ウス。」
樺地が頷きながら返事をしたので、ジローは笑顔になり樺地の膝の上に頭を乗せ、寝転が
る。だが、何故だかジローはすぐに起き上がってしまった。
「?」
「なあ、樺地・・・。」
「ウス。」
「樺地さあ、もしかして少し勃ってない?」
「っ!?」
樺地に膝枕をしてもらったために、ジローはそのことに気づいてしまった。頭に当たる感
触がいつもと少し違ったのだ。そう言われてしまった樺地は何て返したらよいのか分から
ない。まあ、さっきあんなものを見てしまったのだから中学生の男子としては正常な反応
であろう。
「これってさ、やっぱそれなりに処理した方がいいよね。俺がやってあげる。」
「・・・・・!!」
無邪気に言うジローだが、そんなことは冗談じゃないと樺地は思いっきり首を横に振る。
だが、ジローはジローでさっきの出来事でいろいろと触発されている。樺地が首を振って
いることなど全く気にせずにカチャカチャとベルトに手をかけた。さすがにこれはヤバイ
と思い、樺地は言葉を発する。
「ダメです・・・ジローさん・・・」
「大丈夫、大丈夫。さっき滝がやってるの見たからちゃんと分かるよ。何にも心配しない
で。」
見たから出来るのか?と疑問に思いつつも問題はそこじゃないと樺地は自分に言い聞かせ
た。だが、こういうときもやはりどう対処したらいいのかが分からない。そうこうしてい
るうちにジローはどんどん手を進めていく。
「わあ・・・」
樺地のものが目の前に現れるとジローは感嘆の声をあげる。他の人のものをこんなにもま
じまじと見るのも、こうやって触れるのも初めてなのでドキドキしながらも、ジローは相
当楽しんでいる。そして、滝がさっき鳳にしたように何の躊躇もなしにそれを口に含んだ。
「うっ・・・」
その感触に樺地は思わず声をあげる。いやな感じではないがとても変な感じだ。止めさせ
ようと頭に手をかけるが、体全体に力が入らず引きはがすだけの力が出ない。抵抗しよう
にも出来なくて、もうジローにされるがままだ。

それと時を同じくして、とある三人のメンバーがこの二人のいる林をうろついていた。
「淳、本当にこのへんなのか?」
「ああ。この前、自主練しててこの辺りでなくした。」
「早く探さないと夜になっちゃいますよ。」
「そうだーね。早く探さないと真っ暗で何にもみえなくなるだーね。」
ルドルフのスクール組メンバーの木更津、柳沢、裕太の三人だ。どうやらこの辺りで木更
津がお気に入りの腕輪をなくしてしまったらしい。なので、三人で探しに来たというわけ
だ。
「あれ?あそこに誰かいる。」
遠くの方に二人がいることに初めに気がついたのは木更津だった。そう言われて柳沢と裕
太もそっちの方を見る。
「ホントだーね。」
「誰ですかね?こんな時間にこんなところで。」
三人は少し近づいて誰がいるのかを確かめてみた。人が誰だかを確かめる前に何をしてい
るかを把握してしまい、三人は一瞬目をそらす。そして、もう一度顔をそっちへ向け、そ
んなことをしているのは誰だということを探った。人物が分かると三人はさらに驚く。
「芥川慈郎!!」
「それに樺地だーね。」
「何してるんだよあいつら。すごく見ちゃいけないようなものの気がするんだけど。」
「そうですね。でも、あの二人がそういう関係だったなんて意外・・・。」
「そういう関係ってゆーか、してることがまず間違ってるだーね。」
三人は少し離れた木陰から、二人の様子を眺めている。この三人にとってジローと樺地は
戦ったことのある相手なので、気にならないはずがない。しばらく見ていたが、やはりこ
ういうのはいけないと思いさっき来た道を引き返した。
「帰ろう。探すのは今度でいいよ。」
「何か、すごいもの見ちゃっただーね。」
「確かに。まだ微妙に心臓ドキドキいってますよ。」
全員顔を赤くしながら、三人はそそくさとそこから退散する。ただ、なくしたものを探し
に来ただけなのにすごいものを見てしまったとそれからしばらく何も言えなくなってしま
った。

ルドルフメンバーに見られてしまったことにも気がつかず、ジローはまるでアイスを食べ
ているかのように夢中で樺地のものを咥えている。そうされて、もちろん樺地は感じてい
るのだが、ほとんど声も上げず地面に生えている草を握り、その衝撃に耐えようとしてい
る。だが、やはり熱は高まってきてしまう。
「ジロー・・・さん・・・離して下さい・・・・」
樺地の声を聞き、上目使いで顔を見上げるがジローはまったくもって離そうとしない。そ
のうち耐えられなくなり、樺地は達してしまう。それでもやはり声は上げない。少し息が
乱れている程度だ。
「ハァ・・・」
「ちょっと、苦いかなあ。でも、おもしろかったよ。」
普通に笑いながらジローは言う。こういうことをされても樺地は何も文句を言わない。だ
が、一つだけ気がついたことがあった。これはそんなに嫌な気分じゃないということ。も
しそうならジローにもしてあげた方がいいのではないかという気になったのだ。というわ
けで、今度は樺地がジローのズボンに手をかけた。
「うわあっ、樺地、何!?」
「・・・・・。」
何と聞かれても樺地は無言で進める。そして、さっきのジローを全く同じようにそれを口
でし始めた。
「うあっ・・・樺地・・・ちょっ・・・」
「・・・・。」
滝のを見て、今さっきジローにされ、樺地はそういうことのテクニックを完璧にコピーし
ている。思った以上に気持ちがよくてジローは思わず声を上げてしまう。
「んっ・・・あっ・・・樺地ダメだって。」
樺地は本当に何もしゃべらない。おそらく自分よりうまい樺地テクにジローはあっという
間に落ちてしまう。そんなに時間が経たないうちに達してしまった。
「ああっ!!」
「・・・・っ!!」
全部を飲み込めなくて、樺地は少しむせる。その所為で口元が汚れてしまい、見かけ的に
はかなり微妙だ。
「ハァ・・・樺地、なかなかやるなー。ビックリしちゃった。」
「これで・・・おあいこ・・・です。」
意外な樺地の言葉にジローは素直に笑顔になった。ふと顔を見ると口元が明らかに汚れて
いることに気づき、ジローはハンカチで樺地の口を拭う。
「確かにおあいこだね。ふあ〜、何か眠くなっちゃった。樺地ぃ、おんぶー。」
「ウス。」
いつものようにジローは樺地におんぶをせがむ。樺地は普通に鞄を二人分持ち、ジローを
背中に背負った。もちろんこのままジローは眠ってしまう。樺地はジローを家まで送り、
それから自宅へと戻った。

次の日、ジローはニコニコ顔で滝のもとへ行く。
「滝っ♪」
「あっ、おはよー。」
「えへへ、昨日すごかったね。滝と鳳。」
「へっ!?な、何のこと?」
昨日のことと言ったらあのことしかない。何故、ジローがそのことを知っているのか滝に
は全く分からなかった。
「誤魔化したってダメだよー。俺、最初から最後まで全ー部見ちゃったもんね。」
「うそ・・・。ジロー、このこと誰にも言わないで!!」
「分かってるよ。そんなこと。でも、滝のおかげで俺達も進展出来ちゃった♪」
「俺達?誰?」
「内緒ー。とにかくいいもん見せてもらってありがとね。」
「なっ!?ジロー!!」
普通にジローが昨日のことを連発してくれるので、滝は真っ赤になってジローを怒鳴る。
楽しそうに笑いながらジローは自分のクラスへと戻っていった。

樺地は樺地で今日もいつも通り。だが、朝練で鳳の姿を見るととても微妙な気分になった。
「おはよう、樺地、日吉。」
「おはよ。」
「おはよう・・・ございます。」
いつものように練習を始めようとすると、日吉が鳳に声をかけた。
「あ、鳳。そういえば、昨日お前が最後だみたいなこと言ったけどあれ間違ってた。確か
まだあの時樺地も部室に残ってたよな?」
「・・・・ウス。」
「えっ・・・。」
鳳の顔が一瞬青ざめる。残っていたということはアレを樺地に見られていたということで。
慌てて樺地の手を引き、人のいない方へ走っていく。
「どうしたんだ?鳳のやつ。」
ハテナマークを頭に浮かべ、日吉は鳳の姿を首を傾げながら見た。
「ハァ・・・ハァ・・・樺地、今の話本当!?」
「・・・ウス。」
「じゃ、じゃあ、昨日、俺と滝さんがしてたのも・・・」
樺地は黙って頷く。その瞬間、鳳の顔は一気に真っ赤になった。今にも泣いてしまいそう
な顔をしている。
「お願い樺地!!このこと他の人に絶対言わないで!!」
「ウス。」
あまりに必死な鳳に少し困惑しながら樺地は即答する。いずれにしても、他の人に昨日の
ことを言おうとは全く思っていなかった。
「俺、顔洗ってからそっちに行くから、樺地は先に行ってて。」
「ウス。」
火照った顔を冷やそうと鳳は顔を洗いに行った。樺地なら誰にも言わないだろうという安
心感から少しは気持ちは落ち着いたようだ。樺地はゆっくりと日吉のいるコートに戻る。

どちらのペアもそれぞれいろいろなことがあったが、悪い方には向かっていない。むしろ
いい方に進展していっているようだ。だが、この四人にあえて注意をするとしたら、そう
いうことをするのなら場所をわきまえようということだろう。

                                END.

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