Fear or Exciting?

リクエスト内容『岳忍で、遊園地へデートに行きお化け屋敷にて
迷子になるという設定の甘々16禁程度』

今日の天気は快晴!!絶好のデート日和だ。今日は侑士と遊園地に来てる。久々の遠くへ
のデートだから、すっごく楽しみにしてたんだよな!
「侑士、侑士、まず何乗る?」
「せやなあ。やっぱ初めは絶叫マシン系でいくか?」
「マジで!?じゃあ、俺、アレがいい!!」
岳人は遊園地に着いたと同時にはしゃぎまくっている。たくさんの乗り物があるので、何
から乗ろうか迷ってしまうが、やはり初めは絶叫マシン系だろうと二人はその中から一番
最初に乗る乗り物を選んだ。そして、岳人が指差したのは、30mはあろうかと思われる
高さから急降下するという乗り物。この遊園地では「グラヴィティー・ショック」と呼ば
れる乗り物だ。忍足はそれを眺めながら、少しばかり困惑する。
「いきなりハードやな・・・。」
「ほら、早く行こうぜ!!侑士。」
そんなことはお構いなしに岳人は忍足の手を引き、そのアトラクションへと向かった。早
めに来たのがよかったのか、そんなに並ばなくてもその乗り物に乗ることが出来た。
「うっわあ、超楽しみー!!」
「・・・・・。」
正直、こういうのあんまり得意やないんやけどなあ。まあ、岳人はこういうの好きそうや
し、ちょっとくらいは乗ってやらんと・・・。
そんなことを考えているとうにち、ゆっくりと二人の乗ったその乗り物は空へ向かって昇
ってゆく。次第に遠くなってゆく地面を見て、忍足は冷や汗をかいた。それとは対照的に
岳人は落ちる瞬間はまだかまだかと胸を躍らせている。
「もう少しだぜ。侑士。」
「あ、ああ。」
ついにそれは一番高い部分に到達する。数秒そこで止まった後、ガクンッと地面に向かっ
て、急降下し始めた。
『うわああ―――っ!!』
岳人も忍足もどちらも同じように叫んでいるが、その叫びに隠されている意味は全く逆の
ものであろう。岳人は純粋にその落ちる感覚が楽しくてのものなのだろうが、忍足は本気
で怖がり叫んでいる。そんな感じだ。落ちてしまうと地上に着くまでは本当に一瞬で、あ
っという間にそのアトラクションは終わってしまった。
「ちょっと、短かったけど楽しかったー。なっ、侑士♪」
「えっ・・・?ああ、楽しかったな。」
いまだに重力がなくなってしまったかのようなふわふわした感覚に襲われながらも、忍足
は岳人の問いに同意してしまう。岳人はといえば、こんなものはまだ絶叫マシンのうちに
入らないと言うがごとく、次に乗る乗り物を選んだ。
「次はアレ!!」
「・・・・・。」
次に岳人が選んだ乗り物は「パイレーツ・シップ」と呼ばれる船の形をしたゴンドラがグ
ルグルと回転したり、激しく揺れたりするアトラクションだ。さすがにこれはキツイだろ
と思いつつも忍足は、岳人の提案に賛成してしまう。
「お、おもしろそうやな。」
「だよな!!行こうぜ!!」
あー、何で俺ちゃんとこういうのダメだって言わないんや〜。いや、でも岳人があんなに
楽しそうにしてるのに断るなんて出来へんし・・・。
結局、忍足は岳人に引きずられそのゴンドラに乗ってしまう。そして、またさっきと同じ
状況に陥る。
「うわあ、超楽しい――!!最高っ!!」
「うっわああ――――っ!!」
乗り終えるともうその差は歴然。岳人はまだまだいけるぜとピョンピョンと跳ねまわって
いるが、忍足はもうヘロヘロ。今にも倒れてしまいそうだ。
「岳人・・・ちょっと休も・・・」
「侑士、次はアレ乗ろうぜ!!」
「・・・・・。」
楽しそうに満面の笑みでそう言われてしまっては断れない。忍足はまた後悔しながらも、
岳人に付き合ってしまう。それもまた絶叫マシン系。今度はジェットコースターだ。さす
がにこれに乗った後はもう忍足の足取りはふらついているどころの問題ではなかった。
あー、もうダメや。アカン・・・。これ以上は・・・。
「岳人・・・。」
「ん、どうしたの侑士?」
「もうダメや・・・。」
「わああ!!侑士ぃ――!!」
やはり絶叫マシン三連続は耐えられなかったらしい。忍足はその場に倒れてしまった。
「もう、絶叫マシンが苦手だったら初めからそう言えよ。そうしたら、あそこまで無理さ
せなかったのに。」
「スマンなあ。あんまり岳人が楽しそうにしてるから言い出せなかったんや。」
「本当に大丈夫?」
「ああ。ちょっと休んだらたぶん平気。」
岳人に膝枕をしてもらいながら、忍足はベンチに横になっている。少し気分がよくなった
ので、忍足は何とか体を起こしてベンチに座った。
「はい。ジュース。冷たいの飲めば少しはよくなると思うよ。」
「おおきに。」
忍足は岳人からジュースを受け取り、一口だけ口にした。心地よい冷たさが体に染み渡る。
「ハァ・・・。」
「この後、どうする?もう絶叫マシンは乗らないからさ。」
「岳人が乗りたい物でええよ。」
「ダメだよ。ちゃんと侑士が行きたいとことか言って。俺、侑士も一緒に楽しくなきゃヤ
ダもん。」
「えっと、じゃあ・・・・あれなんてどや?」
忍足があたりを見回し、指差した乗り物・・・それは、レールの上をゆっくりとペダルを
こぎ空中散歩が出来るという「スカイ・サイクリング」だった。この乗り物は二人乗りな
のでイイ感じに二人そろって楽しむことが出来る。岳人はあれなら大丈夫だと言って、笑
顔になりベンチからピョンと地面に跳んだ。
「侑士、もう平気?」
「ああ。ほな、行くか?」
「おう!!」
今度は忍足の方から手を岳人の手を握って歩き始める。その乗り物へはほんの数十メート
ル。二人は少し早足気味でそこまで行き、列に並んだ。
「結構高いね。」
「ホンマやな。でも、眺めはいいんとちゃう?」
「そうだね。あっ、俺達の番だよ侑士。」
小さな箱型の自転車に乗り、二人はレールの上を進み始めた。さっきのような絶叫マシン
と違い、ゆったりと遊園地全体の景観を望むことが出来る。
「こういうのもいいね。」
「せやなあ。」
「ねぇ、これ終わったらさ、俺、ちょっと入りたいところがあるんだけど。」
「入りたいところ?」
“乗りたいもの”ではなく“入りたいところ”という言葉に忍足は疑問を抱いた。遊園地
に入るというような場所がとっさに思いつかなかったのだ。
「俺、お化け屋敷行きたいんだ。いい?侑士。」
「ああ。ええよ。お化け屋敷も楽しそうやん。」
「それ、ちゃんとそう思って言ってる?」
さっきのことがあり、岳人は忍足がまた無理して自分に合わせているんではないかと心配
になる。だが、今度は本当のことのようで、忍足はニコっと笑って岳人に言った。
「大丈夫やって。今度はホンマにそう思って言っとるから。」
「よかった。じゃあ、次はお化け屋敷だな。」
岳人も笑顔になり、うれしそうにそう言った。空中散歩はもうしばらく続く。その間に岳
人と忍足は今後の予定をいろいろと話しあうのであった。

お化け屋敷に入る前に二人は軽く腹ごしらえをした。レストランに入ってというよりは、
売店で適当なものを買い、食べる。というような感じでだ。
「ふぅー、お腹いっぱい。」
「じゃあ、行くか?お化け屋敷。」
「おう。ここのお化け屋敷って結構怖いらしいぜ。」
「へぇ。楽しみやな。」
食べ終わったもののゴミを捨てると二人はお化け屋敷に向かう。見た感じは西洋風という
よりは日本風なお化け屋敷で、中もどうやら日本の妖怪や幽霊を中心にしたものらしい。
中には何人かで入れるようになっているが、出口までの道がまるで迷路のようになってい
るので、そうそう前に入っていった人とはちあわせしてしまうことはない。それ故、何が
どこに出てくるのかが分からないという点で怖いと有名なのだ。
「うわあ、中は何か昔の人のお屋敷みたいだね。」
「何か落ち武者とかお岩さんとか出てきそうな雰囲気やな。」
薄暗い廊下を二人で歩く。歩くたびにギシ・・・ギシ・・・と鈍い音が鳴り、ただでさえ
不気味な雰囲気をさらに煽っていた。出口までの道はどこの部屋に入るかによって、決ま
る。すぐに出れるかもしれないし、そこまで辿り着くのに相当な時間がかかってしまうと
いう場合もある。それは、入った人の選択次第なのだ。
「侑士、まずどこに入る?」
「せやな・・・次の部屋にしとくか?」
「お、おう。」
何が出てくるのか分からないという緊張感から二人の顔をかなり強張っている。ほのかに
青い明かりの見える部屋の障子を開け、そこに入った。入った瞬間、障子は自動ドアのご
とく勝手に閉まる。ピシャンっという木がぶつかりあう音に二人ドキッとさせられた。
「ここ・・・何が出るんだろ・・・?」
「さ、さあ・・・。まだ、何もないみたいやな。」
この部屋は向こう側にある襖から次の部屋に進めばいいらしい。そこまでの距離はそんな
に大してあるわけではないが、どこにどんな仕掛けがあるか全く分からないため、二人は
ピッタリとくっついて恐る恐るその部屋を進んでいく。
バンッ!!
突然、進行方向とは関係のない襖が開いた。押入れのようだ。暗くてよく分からないがそ
こから何かが出てきた。そして、畳の上を猛スピードで進み、二人の足を掴む。
『うっわああ――!!』
二人は驚いてその場から逃げ去る。次の部屋への襖をバンッと音を立てて開け、その部屋
へと逃げ込んだ。
「ハァ・・ハァ・・・何!?今の!?超びびったんだけど。」
「ホンマや。このお化け屋敷、メッチャ怖いやん。」
次の部屋にはほとんど明かりがないらしい。次の部屋へ続く襖の方にだけ、ホントにちょ
っとした赤いぼやけたとした光が見えている。
「ここは何?何があるんだ?」
「分からん。でも、ホント真っ暗やで。」
「なあ、はぐれないように手繋いでようぜ。」
「せやな。その方が少しは安心や。」
普通のカップルならこういうのは結構ラブラブな雰囲気の中でなるのだろうが、この二人
の場合、本当に怖くて切羽詰っているからという理由がほとんどだ。赤い光に向かい、少
しずつ歩いて行くと、どこからかお経のような声が聞こえてくる。
「やだ、やだ。何だよコレ。」
「気味悪いなあ・・・。早くこんな部屋通りすぎてまおう。」
急ぎ足で進む二人だが、それに共鳴するようにお経の声はだんだんと大きくなってゆく。
その上、赤い光の扉まできたのに襖が開かないのだ。
「何でだよ!?開かない!!」
「ここじゃないんとちゃうか?」
「お経の声どんどん大きくなってる!怖ぇ〜!!」
「ほ、他のとこから行ってみよ。」
どちらも本気で怖がり、慌てて他の出口を探した。だが、実際そこしかこの部屋から出る
扉はないのだ。暗がりの中、それもお経が大音量でかかっているというかなりのパニック
状態の中で二人は出口へ通じる以外の場所を見つけてしまった。そこは、まだ出来ていな
い部屋に続く扉で実際は閉じられていなければいけないはずの場所なのだが、チェックが
完璧にされていなかったのであろう。今は入れる状態になってしまっていたのだ。
「侑士!!ここから出れる!!」
「ほなら、そこから行こう!!」
二人はその部屋に入ってしまった。まだ完成していないその部屋は先ほどの部屋よりもも
っと暗闇でもうどこに何があるかなどさっぱりだ。
「ここ、真っ暗すぎじゃねぇ。」
「確かに。これじゃあ、どっちに行ったらいいか分からへん。」
「一応、進んでみようぜ。」
二人は思いきってその部屋を歩き始めた。ビクビクとしながらお互いの手をしっかり握り
合って進む。少し進むと何かにつまづき、忍足は転んでしまった。
「うわっ!!」
「わっ・・・大丈夫か侑士?」
「何かが足に当たったー。何やろ?」
忍足は自分がつまづいたものを手探りで探した。すると今度はつまづいたものとはまた別
のものが手に触れる。どうやらそれは何かのライトだったらしく、青白い光であたりが照
らされた。
「うわああ――っ!!」
照らし出されたものを見て、忍足は叫びながら岳人に思いきり抱きつく。光に照らし出さ
れたもの、それはいたるところに転がった落ち武者の生首だった。
「嫌やっ!!怖いっ!!岳人ぉ――!!」
「ちょっ、ちょっと落ち着けよ侑士。」
岳人もその光景に一瞬びびったが、忍足がいきなり抱きついてきたことの方に驚いて、逆
に冷静さを取り戻した。よく見るとその落ち武者の生首はまだ製作途中のものがほとんど
で、完璧な形はしていなかったのだ。
「大丈夫だよ。これ全部作り物だって。」
「ホンマか?」
「本当だよ。ほら。」
ほらと言って見せたものはかなり完成に近いものに近いもので、顔の表情や髪の毛も本物
の人間に相当近かった。それも持った瞬間何かのボタンを押してしまったようで、その落
ち武者の目がカッと開く。
「うわああっ!!今っ、それ・・・目ぇ開けた!!」
忍足は再び岳人にしがみつく。本気で怖がりパニックになっているようだ。そんな忍足を
岳人は可愛いなあと思ってしまう。冷静沈着に見えて実はそうでないというのが丸分かり
だ。
「侑士、ここきっとまだ本当は入っちゃいけない部屋なんだよ。さっきのところから出よ
うぜ。」
「もう嫌や・・・。岳人、早く出させてぇ・・・。」
「なっ!?」
あまりの恐怖に自分が何を言っているのか分からなくなっているのだろう。忍足は涙声で
岳人にすごいことを言ってしまった。
何だよ、今のセリフ!!侑士、ホントパニックになってるよ。あー、でも今のセリフはち
ょっとヤバイって。どうしよ・・・こんなとこでしたらダメだろうけど・・・・。
忍足に半べそ状態で抱きつかれて、その上こんなことを言われてしまっては、さすがの岳
人も我慢出来なくなってしまう。忍足をその場に押し倒して、適当なことを言い、ズボン
のジッパーを下ろした。
「侑士、知ってる?エロいことしてると幽霊って近づいてこないんだぜ。」
「そう・・・なん・・・?」
「ホント、ホント。だからさ、ちょっとだけしようぜ。」
それを信じたのか忍足は黙って、岳人に自分のものをさせてしまった。いきなり口でされ、
我慢出来ずに声を上げてしまう。
「はぁ・・・あん・・・岳人っ・・・」
「ん・・・」
「やぁ・・・あっ・・・あぁ・・」
うわあ、本当はこんなことやっちゃいけねぇんだろうけど、しょうがねぇよな。だって、
侑士可愛いんだもん。まあ、隣は大音量でお経が流れてたから声が聞こえちゃうってこと
はないだろ。
そんなことを考えながら、岳人は夢中になって忍足のものをする。忍足はもうこの場所が
怖いということなど忘れてしまったかのように、岳人が与えてくれる気持ちよさに浸って
いた。
「うっ・・んぅ・・・あっ・・・ああっ・・・」
「侑士、可愛いぜ。」
「やっ・・・岳人ぉ・・んあ・・・」
もう何が何だか分からないというくらい忍足の頭はぼーっとし、くらくらしてきてしまう。
そのうち限界が訪れ、結局そのまま岳人にイカされてしまった。
「んっ・・はっ・・・ああ――っ!!」
「・・・・っ!」
しばらく呼吸を乱しながら、忍足は自分が今何をしていたのかをよーく思い出す。そして、
今の状況を完璧に把握するとがばっと体を起き上がらせて、顔を両手で覆った。
「あれ?どうしたの侑士?」
「どうしたのやないで!!あー、何てことしてしまったんやろ。」
顔を真っ赤にしながら、涙目になって忍足は岳人の顔を見る。もう暗闇にだいぶ目が慣れ
ていたので岳人の顔はハッキリと見えてしまった。
「だって、侑士別にそんなに怖くないのにすっげぇパニくってんだもん。だから、それを
治してやろうかなあと思ってさ。」
「だからって、あないなこと・・・・。」
「大丈夫、大丈夫。バレないって。それよりさ、早くここから出ようぜ。もうそろそろ進
まねぇと他の乗り物とか乗れなくなっちまうぞ。」
納得出来ないというような忍足の手を取って、さっきこの部屋に入ってきてしまった入り
口へと向かった。そこからさっきの部屋へ戻るとまたお経が聞こえてくる。だが、もうそ
んなものは気にならない。今度は赤い光の扉はすぐに開いた。それから、二人はまたさっ
きのように手を繋いで出口を目指した。さっきのことで頭がいっぱいの忍足はもう怖いと
かそういう問題ではなくなっている。岳人も岳人でさっきのはおいしいシチュエーション
だったなあと思いかえしてニヤけながら歩くのであった。
「よっしゃー、出口だ。」
「ふぅー、やっと出られたわ。」
「いやあ、楽しかったな、侑士。」
「っ!!そないなこと言わんといて。俺、もう恥ずかしくて死にそうや。」
「別にあのことだけを言ってるんじゃねーよ。それよりさ、次、観覧車乗らねぇ?」
「別にええよ。でも、もうあないなことはせんからな。」
「分かってるよ。さすがに観覧車じゃ出来ないって。」
忍足があまりにもそういうことに過敏になっているので、岳人は苦笑しながらそう言った。
観覧車にはただ本当に純粋に乗りたいだけなのだから、そんなことはしない。手を繋いだ
まま、観覧車乗り場へと向かう。そこまでの道はさっきまで暗いところにいたというのも
ありとても眩しく感じられた。

「この観覧車って、どれくらいの時間で一周するんだろうな?」
「さあ。このくらいの大きさやったら、10分くらいか?」
「ふーん、結構長いんだな。」
ゆっくりと上へと昇ってゆくゴンドラの中で二人はこんな会話を交わす。忍足の言ってい
た通り5分くらいするとゴンドラはちょうど天辺あたりに到着する。
「なあ、侑士。」
「何や?」
「やっぱさあ、観覧車といったらあれだよな?」
「あれって何や?」
「そんなの決まってんだろ?キスだよキス。俺達だって恋人同士なんだからさ、しようぜ。」
「別に構へんよ。キスくらいなら。」
「本当?じゃあ、するよ。」
「ああ。」
当たり前のことのように岳人は忍足の隣に席を移動し、唇にキスをする。忍足も目をつぶ
って、その感触を楽しんだ。
「侑士、大好き。」
岳人は唇を離すとぎゅうっと忍足に抱きつき胸に顔を埋める。
「甘えん坊やな岳人は。」
「侑士だって、そうだろー?なぁ、もう少ししてもいい?」
「ええよ。」
再び岳人は忍足の唇に自分の唇を重ねる。ゴンドラは既に下がり始めているが、そんなの
は全く気にしない。地上についてしまうギリギリのところまで、二人は口づけを交わし続
けいた。
「もうだいぶ日暮れて来ちゃったな。」
「せやなあ。そろそろ帰るか。」
観覧車に乗った後、二人はメリーゴーランドやコーヒーカップに乗り、残りの時間を楽し
んだ。もうだいぶ日が沈みかけている。遅くならないうちにと二人は家に帰ることにした。
「侑士、今日はすっげぇ楽しかったぜ。」
「俺も楽しかったで。」
「またどっか一緒に行こうな!!」
「ああ。今度はどこがいいかなあ・・・。」
「俺、動物園がいい!!」
「動物園か。じゃあ、今度デートをする時は動物園やな。」
「やったー!!次も楽しみー♪」
今、デートを終えたばかりなのにもう次のデートの話だ。この二人の場合、ほぼ毎日がデ
ートのような気がするがそんなことは気にしてはいけない。最後の最後までラブラブオー
ラを放ちながら、二人は家路を辿るのであった。

                                END.

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