Make a bet!!

リクエスト内容『球技大会で賭けをする跡宍』

ある日の放課後、帰りの用意をしながら跡部と宍戸はいつものように話していた。明日は
氷帝学園球技大会。二人は同じクラスで同じ種目に出ることになっていた。
「明日は球技大会かあ。」
「ああ。そうだな。」
「何で種目にテニスないんだろうな?」
「そんなの決まってるじゃねーか。」
「何だよ?」
「俺が優勝するって分かりきってるからだろ?」
跡部は自信満々に答える。宍戸は微妙な表情で跡部を見た。
「お前、本当自意識過剰だな。」
「何だよ?当然のこと言ってるだけだぜ。」
「そうかもしれないけどさ・・・」
ここまで、自信満々で言われたら何にも言い返せないよなー。確かにテニスって種目があ
ったら、跡部の優勝は確実だろうけど。
「でも、ないんだからしょうがねぇな。そうだ、宍戸。ただ、普通に参加するだけじゃつ
まんねぇからよ・・・」
「?」
「賭けしようぜ。」
跡部は楽しそうな笑みを浮かべ言う。賭けといってもいろいろある。
「賭けってどんなのだ?あっ、金賭けんのはヤダからな。」
「分かってんよ。お前さ、瞬発力とか反応速度とかは半端じゃねーよな?」
「ま、まあな。」
突然、自分を褒められるようなことを言われ、宍戸は少し頬を染めた。
「それじゃあ、お前は全部の試合で一回も当たらなかったら、お前がして欲しいこと何か
一つしてやるよ。買って欲しいものがあったら買ってやるぜ。」
「マジで!?で、お前はどうすんだ?」
「俺は全部の試合で合計で15人の奴らを当てる。もしそれが出来たらお前と同じで、俺
がして欲しいことしろよ。でも、それはどっちかが出来て、どっちかが出来なかった場合
だけな。どっちも出来たり、どっちも出来なかったりしたら賭けはなかったことにしよう
ぜ。」
「おう!なんかそういうのやるのって、ただの球技大会でも楽しみになるよな。」
「そうだな。じゃあ、帰るか。」
「ああ。」
明日の球技大会が楽しみだと二人とも笑顔になりながら教室を出た。ちなみにこの二人が
出場する種目はドッヂボールだ。男子の種目としてはこの他にバレーボール、バスケット
ボール、サッカー、野球、バトミントンがある。個人種目が少ないのはやはり生徒数が多
いからであろう。

次の日、天気は快晴、風もなく、気温もそれなりに暖かい。まさに球技大会日和だ。全校
生徒が体操服に着替え、自分が出る種目の場所へと向かう。跡部達、ドッヂボール組はテ
ニスコートへと向かった。テニスが種目に入っていない上、いくつかのコートで同時に試
合をすることが出来るという利点から、そこですることになっているのだ。
「跡部、頑張ろうな。」
なんとなく宍戸は言ってみた。いつもはテニスばかりやっているので、体育以外で何かを
一緒にやるということがない二人。宍戸は同じコートで跡部と一緒に試合が出来ることが
うれしくて仕方なかったのだ。
「ああ。まあ、俺がいるんだ。優勝は確実だけどな。」
「でも、ドッヂボ―ルだぜ?お前、ドッヂボ―ルも得意なのか?」
「ドッヂボ―ルなんて、とにかく人にボール当てりゃいいんだろ?そういうのは俺得意だ
ぜ。」
ああ、確かにと宍戸は納得した。跡部の技、『破滅への輪舞曲』は相手の手を狙い、ラケ
ットを吹っ飛ばして、次の球でスマッシュを決めるものだ。テニスボールでそれが出来る
のならそれより何倍も大きなボールならもっと確実に人に当てることが出来るだろう。
「それでは、第一試合のクラス。コートに入って下さい。」
テニスコートはドッヂボ―ルをするには少し狭かった。特に普段、一人か二人でしか入ら
ないコートに、10人程度の人がいっぺんに入るということで、跡部や宍戸、その他テニ
ス部員は相当狭いなと感じていた。
「それでは、始め!」
審判の声が響くとボールが宙を舞った。先にボールを取ったのは跡部達のクラスだった。
何度か内野と外野を行き来したあと、跡部の手にボールが渡った。跡部は軽くジャンプし、
ある一人の人を狙い、ボールを思い切り投げる。狙われた人はよけることが出来ず、その
まま当たった。その当たったボールが跡部のもとに戻り、再び跡部は球を投げる。それも
見事に相手チームの一人にヒットした。
「破滅への輪舞曲、ドッヂボ―ルヴァージョンだ。覚えておけ!」
一回ボールが跡部の手に渡ると、相手チームは少なくとも二人は当たってしまう。一回戦
はあっという間に終わってしまった。
「試合終わるの早ぇーな。」
「いや、お前が張りきり過ぎなんだよ。ほとんど、お前が当てちまったじゃねーか。」
「あー、でも、このままじゃ賭けが成立しなくなっちまうな。俺ばっかボール持っちまう
とお前が当たるチャンスがなくなっちまう。次の試合では手加減してやるか。」
ベンチに座りながら、二人は話す。すると、そこへ岳人と忍足がやってきた。この二人も
ドッヂボ―ルのようだ。
「やっほー、宍戸に跡部。」
「ああ、お前らもドッヂボ―ルなんだな。」
「まあな。跡部達は一回戦の試合勝ったんか?」
「当然だろ。お前らは?」
「俺達も勝ったよー。じゃあ、次の相手は跡部達のクラスだね。」
「そっか。じゃあ、あとでな。」
「おう。じゃ、俺達はクラスの方戻るね。」
「ああ。じゃあな。」
岳人と忍足は軽く二人に手を振り、自分のクラスの方へと戻っていった。汗を拭きながら
跡部は宍戸を見た。宍戸は不思議そうな顔をして跡部の顔を見返す。
「何だよ?俺の顔に何かついてるか?」
「別に。お前、動いてないわりには結構汗かいてんだなあと思って。」
「べ、別にいいじゃねーか!それよりもう少しで試合始まるんじゃねぇ?用意しようぜ。」
次の試合まで、あまり間があいていない。しばらくして、すぐに第二試合が始まった。
「第二試合を始めます。Aブロックの勝ったクラス同士、Bブロックの勝ったもの同士で
行いますので、準備をして下さい。」
第二試合は二つのブロックで勝ったもの同士が試合をするらしい。跡部や岳人達のクラス
はどちらもAブロックなので、二回戦目で対戦することになってしまったのだ。
「手加減しないからな!」
「俺達だって・・・」
「俺は手加減してやるよ。そうだ、岳人。当てるんだったらこいつ狙えよ。今、ちょっと
賭けしてるんだ。それを成立させるには相手チームに宍戸を狙ってもらわないとおもしろ
くねーんだよな。」
「よ、余計なこと言うなよ跡部!!」
「みんな、聞いてー。もし、ボールが来たら宍戸を狙えだって。跡部からの伝言ー。」
「なっ!?何、言ってんだ岳人!!」
岳人がとんでもないことを言い出すので、宍戸の顔は青ざめた。案の定、試合が始まると
宍戸を一人狙いした形で試合が進められる。
跡部のアホ〜!!わざわざこういうことさせなくていいのにー。こんなの俺が不利じゃん
か。それに、何でこんな狭いコートにこんないっぱい人がいんだよ。これじゃあ、満足に
動けないじゃねーか。
一人狙われながらも宍戸は全てのボールをかわす。もちろんよけるだけでなく、時々はボ
ールを取って、投げ返すこともあった。
「くっそ〜、宍戸の奴しぶといー!!」
「よし、ボール来たで岳人。ほなら、いくで。」
「おう!!」
忍足は跡部のクラスの人が投げたボールをしっかりキャッチし、前に投げるふりをしなが
ら、真上にボールを送った。そのボールを岳人がムーンサルトをしながら受け取り、宍戸
に向かって投げる。
「うわっ!」
思ってもみない方向からの球に宍戸は一瞬怯む。だが、ここで当たってしまったら賭けは
自分の負けだということで、すれすれのところでなんとかよけた。
「危ねぇー、あんな投げ方アリかよ〜。」
息を切らし、膝をついている宍戸の前で跡部はお得意の必殺技を披露した。さすがに忍足
や岳人は狙ってもよけられてしまうので、わざと他の人を狙う。もちろんそれは命中した。
「終了ー!!」
二人目を当てると同時に審判の試合の終わりを告げる声が響いた。
「俺達の勝ちだな、岳人。」
「へっ?」
そう、岳人達は跡部に言われるまま宍戸ばかり狙っていた。だから、狙われることのない
他のメンバーはほとんど当たらない。それも、跡部がボールを持ったときは確実に相手チ
ームの人を何人か当てている。ということは、必然的に跡部達のクラスが勝つことになっ
てしまうのだ。
「俺ら宍戸を当てようとするのに熱中しすぎて、他のメンバーのこと考えてなかったもん
なあ。まんまと跡部にやられたわ。」
「う〜、くやしいー!跡部、卑怯だぞ!!」
「お前らが勝手に宍戸を狙ってたんじゃねーか。別に狙わなくたってよかったんだぜ?」
「何だよそれー。跡部が宍戸を狙えって言うから狙ったんだぞ!!」
「知るか。サンキューな、宍戸。お前のおかげで余裕で勝てたぜ。」
よけるために走り回り、肩で息をしている宍戸の頭を跡部はぐりぐりと撫でた。宍戸もま
さかこんな戦略を考えているとは知らなかったので、礼を言われ驚く。
「なんだ。俺はてっきりただの嫌がらせかと思ってた。ちゃんと勝ち負けとか考えてんだ
な、跡部。」
「当然だろ?勝たなきゃおもしろくねーもんな。」
いつものように不敵な笑みを浮かべて、岳人達を見る。跡部にしてやられた岳人と忍足は
本当にくやしそうな表情を浮かべていた。
「まあいいや。侑士、次の試合では絶対勝とうな!」
「そうやな。」
「じゃあな。くやしいけど、まあ、次の試合頑張れよ。」
「ああ。」
二人を見送り、跡部と宍戸は再びベンチへと戻る。次はもう決勝戦なのでしばらく時間が
あいていた。
「あー、疲れたあ。」
「お前、結構やるじゃねーか。この分だと何の問題もなしに優勝出来そうだな。」
「Bブロック、どのクラスが残ったんだろうな?」
「さあな。次の試合であと一人当てれば、俺は条件クリアだぜ。」
「マジで!?じゃあ、二試合で14人も当てたってことか?」
「ああ。初めの試合の方でほとんどの奴ら当てたからな。あとは宍戸が次の試合で当たる
か当たらないかで賭けが成立するかしないかが決まるな。」
「そっか。じゃあ、頑張んなくちゃな。」
そう言いながらも、宍戸はそのまま普通に当たらないで終わってしまったら、つまらない
なと思っていた。どっちも出来てしまった場合賭けはなかったことになる。それは、やは
りつまらないと思わざるえなかった。
「なあ、跡部。」
「ん?何だ?」
「もし、どっちも賭けの内容が出来ちゃった場合・・・」
「ああ。」
「なかったことにするんじゃなくて、どっちもして欲しいことするってのにしねぇ?」
「・・・・。」
「ダメか?」
「別にいいぜ。まあ、確かにそっちの方がいろいろ楽しそうだけど、お前はそれでいいわ
け?」
「ああ。もちろん。じゃあ、交渉成立。俺が次の試合で当たらなかったら、ちゃんと俺の
して欲しいことしろよな!」
「お前もな。」
というわけで、賭けの条件がどちらも出来てしまった場合はお互いにして欲しいことをす
るということになった。30分程くつろいだあと、ついに決勝戦が始まった。
「それでは、決勝戦を始めます!!」
決勝戦の相手。それはなんとジローのクラスだった。ジローも一応ドッヂボ―ルだが、今の今
まで試合には出ずに木陰でずっと昼寝をしていた。だが、決勝戦となっては出ないわけに
もいかず、クラスメートに無理やり起こされ、今連れてこられたのだ。
「あっ、始まってる、始まってる。」
「本当ですね。ジロー先輩、すごく眠そうですよ。大丈夫なんですかね?」
「大丈夫でしょ。へぇ、相手チームは跡部と宍戸のクラスか。これは見物だね。」
試合が始まってすぐ、自分達の試合を終えた滝と鳳がこのテニスコートにやってきた。滝
はジローと同じクラスなので、ドッヂボ―ルが決勝戦までいったという知らせを聞き、応
援に来たのだ。
「ジロー、危ないぞ。」
「ちゃんと、目覚ませよ!」
まだ寝ぼけ眼のジローをクラスメートは必死で起こそうとしていた。だが、なかなかジロ
ーは目を覚まさない。そして・・・
バスッ!
ジローの顔面にボールが直撃した。さすがにこの衝撃でジローは目を覚ます。
「痛ってぇ・・・もう、誰だよぉ!!」
ジローにボールを当てたのは宍戸だった。ジローは宍戸に向かって怒った口調で言う。
「顔に当てることないじゃんかあ。宍戸、絶対当ててやるからね!覚悟しといてよ。」
「わざとじゃねーよ。お前が寝てるから悪ぃんだろ。」
宍戸が謝りもしないので、ジローはちょっとだけ怒り気味。顔をおさえながら外野に出た。
「うわあ、痛そうだねあれは。」
「そうっスね。でも、ジロー先輩ってドッヂボ―ル上手いんですか?」
「どうだろうね。でも、結構手首の使い方が上手いから思ってもみないようなボール投げ
たりするんじゃないの?」
滝の言う通り、ジローの投げる球は普通ではなかった。そんなに勢いがあるわけではない
のだが、取ろうとしても取れない。妙な回転がかかっていて、手から滑り落ちてしまうの
だ。何人か外野から当てたあと、ジローは本格的に宍戸を狙い始めた。
「狙われてるぜ、宍戸。」
「でも、さっきのに比べればへでもねーよ。」
「確かに。でも、油断は禁物だぜ。何たってジローのボールは・・・」
跡部がそう言いかけた瞬間、宍戸の方に向かってジローの投げたボールが飛んできた。そ
んなに強い球ではなかったので宍戸はその球を取ろうとする。だが、いったんは掴んだも
のの何故だか手から離れるような形で地面に落ちてゆく。宍戸は慌ててそのボールをもう
一度地面に着く前に掴もうとした。
ドサッ!!
ものすごい音があたりに響き渡った。確かにボールは地面に落ちる前につかむことが出来
た。だが・・・
「ってぇ・・・」
「おい、大丈夫か宍戸?」
跡部は思わず駆け寄る。ジローもあまりにも宍戸が派手に転ぶので、コートの中に入り、
宍戸に駆け寄った。
「宍戸、大丈夫?すごい転び方したみたいだけど。」
「あ、ああ。これくらいなんともねーよ。」
宍戸自身はこう言っているが、実は全く大丈夫でない。転んだ瞬間大きく膝を擦りむき、
そこからたくさんの血が流れていた。
「試合・・・続けようぜ。」
「大丈夫じゃねーだろ、その足は。」
「大丈夫だって。あともうちょっとだろ。あと少しだけなら大丈夫・・・。」
「ちっ、しょうがねーな。おい、審判。試合続けろ。」
「は、はい。」
跡部は審判に試合を続けさせた。ジローのクラスの人の中にはそれでも宍戸を狙う者もい
た。確かにこれはチャンスだったからだ。だが、それが許されるはずがない。宍戸のもと
へ飛んできたボールは跡部が全て受け止め、その宍戸を狙った者を返り討ちにした。
「試合終了――!!」
結果は一人の差で跡部達のクラスの優勝。だが、跡部はそんなことを喜ぶ暇もないと、足
から血を流す宍戸をすぐに保健室へと連れて行った。
「宍戸先輩、大丈夫ですかね?」
「結構、血出てたよね。でも、まあ、宍戸なら大丈夫じゃねーの?だって、長太郎のスカ
ッド・サーブ、二週間も受け続けても平気だったんだぜ。」
「それとこれとは話が違いますよ。」
「どうしよ〜、滝〜。宍戸のあの怪我、俺の所為だよね?」
「うーん、ちょっとは悪いかもしれないけど、全部が全部ってわけじゃないと思うよ。」
「でも、やっぱ俺が悪いよ。あとで謝りに行かなきゃ。」
「あっ、じゃあ、俺達もついていくよ。」
「うん。長太郎も一緒に来てくれる?」
「はい、いいですよ。」
三人は宍戸の怪我の具合を見るためとジローが宍戸に謝りたいということで、保健室に向
かった。

「いっ・・・あっ・・・・」
「宍戸、ただ消毒してるだけなんだからそういう声出すなよ。」
「だって、お前が痛くやるから・・・」
「痛いのは俺の所為じゃねーよ。こんな怪我するお前が悪いんだろ。」
「でも・・・うっ・・・くっ・・・・」
跡部はかなり丁寧に手当てをしているつもりだったが、思ったより傷が深く宍戸は少し消
毒するだけでも、かなり痛がっていた。その度に宍戸が妙な声を上げるので跡部はかなり
ドキドキだった。
「よし、終わり。これなら少しはいいだろ?」
「ああ、サンキュー跡部。」
手当てを終えると跡部は薬箱を棚にしまって、宍戸の隣に座った。
「なあ、跡部。俺、結局全試合の中で一回も当たらなかったぜ。」
「最後の試合は俺がかばってやったからだろ。それに俺だって、全試合で15人以上当て
たぜ。」
「じゃあさ、お互いに何して欲しいか言おうぜ。」
「ああ。もう考えてあるのか?」
「うん。賭けしようって言われたときから考えてたもんがあったんだ。」
「へぇ。」
二人はお互いに自分のして欲しいと思うことを、耳元で内緒話をするように言い合った。
跡部は宍戸のを聞き、マジかよと笑い、宍戸は跡部のを聞いて、顔を赤面させた。そして、
顔を見合わせ楽しそうに笑う。
「あー、でもよかったな、優勝できて。」
「そうだな。まあ、初めからこうなることは分かってたけど。」
「もっと素直に喜べよな!」
「じゃあさ、優勝祝いにキスでもしようぜ。」
「何だよそれー。ま、いいけどな。」
素直に優勝したことを喜ばない跡部に宍戸は文句を言いつつも、跡部の誘いは素直に受け
取る。軽く目を閉じ、顎を上げた。跡部はそんな宍戸を可愛いと思いながら、口づけを施
した。そんなに深いわけでもなく、軽すぎもしないその口づけに宍戸は心から満足感を感
じる。宍戸にとっては、まさに優勝祝いにふさわしい跡部からのご褒美だった。
「本当うれしそうな顔してんなお前。」
「そうか?そんなことねぇと思うけど。」
「してるしてる。そんなに優勝できたのがうれしいのかよ?」
「いや、それよりは・・・今の跡部のキスがよかったなあって・・・」
目を泳がせながら宍戸は呟く。跡部はそれを聞いて軽く宍戸を抱きしめた。
「可愛いこと言ってくれるじゃねぇか。それじゃあ、もう一回してやるよ。」
「んぅ・・・・」
もうこのあとは無駄にイチャイチャしまくる二人。そんな二人をドアの隙間から覗いてい
た三人はいつまでたっても入れない。そのうち、全ての競技が終わったとの放送が入り、
教室に戻らなくてはいけなくなった。三人はしょうがないので帰ることにしたが、跡部と
宍戸はそんなことは全く無視して、そのまま保健室にいるのであった。

                                END.

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