Tattoo

最近、よくやってくるコイツ。どうやらどこかの組長らしいが、そうは見えねぇほど若く
て、日本人離れしてて・・・カッコイイ。今までいろんな客に刺青を彫ってやったが、こ
んなに魅力的な奴はいなかった。
「なあ、まだ決められねぇの?」
「あーん?刺青っつーのは、一生消えねぇもんなんだろ?適当に決めて後悔するなんて真
っ平だぜ。」
そうなんだけどよ。だったら、何で毎日コイツはここに来てんだ?決まったら来りゃいい
のに。でも、コイツと話すのは嫌じゃねぇし、むしろ楽しいくらいだからな。てか、組長
相手なのに何で全然怖いとか感じねぇんだ俺?そういう客が来ると、普段はちょっとは怖
ぇなって思うんだけど・・・。
「なあ。」
「今度は何だ?」
「テメェ、ホントにヤクザの組長なのか?」
「ああ。前から言ってんじゃねぇか。」
「うーん、そうなんだけどよ、全然そうは見えねぇっつーか・・・」
ダンッ!!
「だったら、証拠、見せてやろうか?」
い、いきなり短刀はねぇだろ・・・マジビビったし。でも、やっぱこういうことされても
それっほど怖くはねぇんだよな。うーん、何でだ?
「危ねぇだろ!!俺は一応、まだ一般人なんだからな!!」
「冗談だ。それより、テメェも一緒に考えろよ。背中に入れるやつ。」
「どんな感じなのがいいんだよ?それが分かんねぇと考えるにも考えられねぇぞ。」
「そうだな・・・ありきたりの奴は避けてぇな。それから俺のイメージにあった奴がいい。」
「テメェのイメージにあった奴・・・?」
コイツのイメージにあった奴かあ・・・。何だろうな?少なくとも虎とか龍とかそういう
感じのイメージじゃねぇんだよな。どちらかといえば・・・
「お前、迫力ある動物っつーより、花って感じだな。」
「花?桜とかか?」
「いや、それじゃありきたりだろ。どの花が合うかってのは分かんねぇけど、とにかく動
物を彫るよりは、花とかの方がいいと思うぜ。」
桜ってイメージじゃねぇんだよな。薔薇は似合いそうだけど・・・やっぱ、ありきたりに
なっちまうし。もっとピッタリのイメージの花、ないもんかねぇ・・・。
「・・・花か。じゃあ、それで考えてみるか。」
「ああ。その方が絶対いいと思うぜ。」
「分かった。それじゃあ、俺はそろそろ帰るぜ。」
「明日も来んのか?」
「・・・来て欲しいのかよ?」
あれ?何で俺、そんなこと聞いてんだろ?花を決めればいいわけだから、別にここに来な
くても考えられるよな。今度は彫る時に来てもらえばいいわけだし。・・・でも、何かひっ
かかるんだよな。何だろ?この変な気分。
「べ、別にそんなことねぇけど・・・」
「ヤクザってのも、結構忙しいんだぜ?」
「わ、分かってるよ!だから、別に今言ったことは気にしなくていいって・・・」
「夜、いんのか?」
「えっ?」
「夜っつても、本当夜中に入っちまうくらいだけどな。テメェがここにいるなら、来てや
ってもいいぜ。」
「別にそんなに無理して来ることねぇだろ。特に用はねぇんだろ?」
「テメェの顔が見てぇ。十分な用だろ?」
な、何言ってんだよコイツ!!俺の顔が見てぇって、意味分かんねぇし。でも・・・俺、
ちょっと嬉しいとか思ってねぇか?いや、そんなことはねぇ!うん、今のは気のせいだ!
「テメェが来たいっつーんなら、俺はここにいるぜ。」
「じゃあ、俺が来るまで待ってろ。絶対だぜ。約束破ったらどうなるか分かってるよな?」
何でそんなに楽しそうな顔してやがるんだよ。何かドキドキしてきちまうじゃねぇか。
「じゃあな。また、明日。」
「お、おう・・・」
・・・・また、明日か。やっべ、何か顔が勝手に緩んできちまう。どうしちまったんだ、
俺?

「おい、いるか?」
「ああ、いるよ。マジで来たんだな。」
「だって、昨日約束しただろ。俺が来なかったら、テメェがここで待ってる意味ねぇじゃ
ねぇか。」
「まあ、確かにそうだな。」
ヤベェな、ここまでハマっちまうとは思ってなかったぜ。刺青、やっぱあの花でいいかも
しれねぇな。
「で、何彫るかは決まったのか?」
「まあ、一応な。」
「へぇ。何々?」
「これだ。」
カサ・・・
「変わった形の花だな。てか、この絵、超上手いし。誰が描いたんだ?」
「うちの組の組員だ。俺の世話係って感じなんだけどよ。なかなか上手いだろ?」
「ああ。すげぇ上手い。で、これを彫りゃいいのか?」
「そうだな。まあ、変えたいところがあれば、テメェの好きなように変えていいぜ。」
樺地が描いたのをそのまま彫るのもいいが、コイツ自身が考えたのも彫らせてみてぇ。む
しろ、そっちの方が俺としては嬉しいな。
「なあ。」
「何だ?」
「この花、何ていうんだ?俺、こんな花見るの初めてだぜ。」
「スイカズラだ。別名金銀花って言われてるらしいぜ。花が咲くと白から黄色に色が変わ
るんだとよ。この白と黄色を銀と金に置き換えてそう言われてるらしいぜ。」
「ふーん。何でこの花にしたんだ?」
「・・・・何となくだ。」
「今、ものすっごい妙な間があったけど、それは何だよ?」
「余計なこと気にしてんじゃねぇよ。とにかく、それに決めたんだからいいだろ。」
まあ、この花にした理由はちゃんとあるんだけどな。今、言うべきことじゃねぇ。もう少
し時間をおかねぇと、彫ってももらえなくなりそうだしな。でも、どうせ彫ってもらうな
ら・・・・
「おい。」
「ん、何だよ?」
「聞くところによると、刺青師っつーのは、刺青を彫る時、魂を込めるらしいな。」
「当たり前だろ!魂を入れて彫るからこそ、いい刺青が彫れるんだぜ。」
「だったら、俺様の刺青を彫るときは、テメェの全ての魂を込めるくらいの心意気で彫れ。」
「何で急にそんなこと言い出すんだ?」
「俺様の背中に彫らせてやるんだ。それくらいしてもらわねぇとな。割りに合わねぇ。」
そうだ、それくらいしてもらわねぇと割りに合わねぇ。コイツはこの俺から、大変なもの
を奪っちまいやがったからな。オトシマエはしっかりつけてもらわねぇと。
「何か言い方が気に入らねぇけど、テメェがそうして欲しいならそうしてやるぜ。ビック
リして腰抜かすくらいイイ刺青彫ってやるよ。」
・・・やっぱり、気のせいじゃねぇ。俺はコイツにハマってる。ちょっと笑顔を見せられ
ただけで、こんなになっちまうんだもんな。でも、まだそのことを伝えるには早すぎる。
刺青が彫り終わったら・・・そのくらいが妥当だろうな。

今日はアイツは来れねぇのか。他の客の予約もねぇし、たまには街にでも出かけてみるか。
うーん、いい感じに晴れてるじゃねぇの。まさに外出日和って感じだな。
「あれ?」
こんなとこに花屋なんてあったっけ?最近ずっと店にこもりっぱなしだったからなあ。新
しく出来たのかもしれねぇな。ちょっと見てみるか。
ウィーン
「いらっしゃいませ。」
へぇ、結構いろんな花があるんだな。って、花屋なんだから当たり前か。おっ、この花っ
て・・・
「何かお探しですか?」
「いえ、別に。・・・あの、この花って『スイカズラ』ですよね?」
「はい。これは白ですが、赤い色もございますよ。贈り物ですか?」
「いや、特にそういうわけじゃないです。ちょっと、気になって・・・」
「『スイカズラ』の花言葉は、『愛の絆』なんです。恋人への贈り物にはピッタリですよ。」
「えっ・・・?」
『愛の絆』って、すげぇ花言葉だな。アイツ、この花がそんな花言葉って知ってんのか?
たぶん知らねぇだろうな。あっ、でも・・・
『俺様の刺青を彫るときは、テメェの全ての魂を込めるくらいの心意気で彫れ。』
もしこの花言葉を知ってたら、昨日アイツが言ってたこと・・・そういう意味になるよな。
いや、そんなわけねぇ!!何考えてんだよ、俺っ!!アイツはあんな容姿でも、ヤクザの
組長なんだぞ。そんなことありえねぇ!!
「どうか・・・なさいましたか?」
「い、いえっ、何でもないです!えっと・・・この花ください。5本くらい。」
「はい、毎度ありがとうございます。」
アイツがどう思ってるかなんて考えるのは今度でいいや。今はいい刺青彫ることだけ考え
とこう。
ウィーン
「ありがとうございました。」
はあーあ、何か無駄にドキドキしてきちまったぜ。そんなことあるわけねぇのにな。何、
変な期待してんだろ、俺。第一、アイツはそっちの世界の奴なんだから愛人なんかもたく
さんいるんだろうし・・・。ん?何でだ?そう考えたら、妙に胸が・・・・
「んっ!!」
な、何だ!?口に何か当たって・・・・何だ・・・意識が・・・・・
「刺青師さん、少し僕達のところへ来てもらうよ。」
ヤベェ・・・これって誘拐・・・だよな?・・・俺、どうなっちまうんだ・・・?

「跡部、大変!!」
「あーん?騒々しいな。どうしたんだよ?萩之介。」
「宍戸って、お前が最近通ってる刺青師だよな?」
「ああ。確かにそうだが、それがどうかしたか?」
「そいつが、あいつらに拉致られた。さっき、長太郎から電話があって、たぶん奴らのと
ころに連れて行かれたって。」
ガタンっ!!
冗談じゃねぇ!何でアイツが拉致られなきゃならねぇんだ。すぐにでも行ってやらねぇと
ヤベェな。
「それは・・・間違った情報じゃねぇよな・・・?」
「ああ。確かにあいつらだって。」
「ちょっと行って来る。」
「罠かもしれないよ。」
「そんなの構ってられるか!!俺はまだアイツに何も彫ってもらってねぇんだ!!」
そうだ。俺はまだアイツに何も伝えてねぇ。このまま奴らにアイツを渡してたまるか!
バタンっ
「跡部の奴、思ったより本気みたいだな。あんなに熱くなってるの初めて見た。」

う・・・ここ、どこだ?俺、結局どうなって・・・
「お目覚めかい?」
「っ!?」
うわっ、何か見るからにヤバイんですけどぉ・・・え、えっとぉ、亜久津に橘に海堂に切
原に・・・それに不二か。このへんじゃ有名な奴らばっかじゃねぇか。てか、こいつら全
員同じ組だったんだ。知らなかった・・・。って、それどころじゃねぇって!
「宍戸だったよね?最近、随分跡部と仲がいいようだけど、何かあったの?」
「べ、別に何にもねぇよ!!アイツはただの俺の客だ。」
「ふーん、そっか。じゃあ、君をここから助け出すような人は誰もいないってわけだね。」
「えっ・・・?」
マ、マジでこいつら何する気なんだ?てか、何で俺がこんな目に合わなきゃいけねぇんだ
よ?
「最近さぁ、ちょっとした薬を作ってみたんだよね。それを誰かに試したくてね。」
「な、何でそれが俺なんだよ!!俺、別に何にも悪いことしてね・・・」
「君は気付いてないかもしれないけど、跡部は君のこと相当気に入ってるんだよ。ライバ
ルを悔しがらせるって結構イイ気分なんだよね。だから、君には悪いけどこの薬の実験台
になってもらうよ。」
不二、激怖ぇし。どうしよう、マジで俺ヤバイぞ。うわあ、絶対あの薬はヤバイって。本
当に俺、どうなっちまうんだ・・・?
バタンっ!!
「誰だ!?」
「テメェら、一般人を襲うってのは、御法度だろ?」
「何だ跡部か。突然何?一人で敵地に乗り込んでくるなんて、ちょっと無謀すぎない?」
「そいつを返してもらおうか。」
な、何でアイツがこんなとこに乗り込んできてんだ!?しかも、一人でって・・・この人
数を相手にするってのは無理だろ。
「何で返さなくちゃいけないの?宍戸は、跡部のことただの客だって言ってたよ。」
「そいつからすればそうかもしれねぇ。だが、俺は違う!」
「ふーん、じゃあなおさら返せないなあ。返して欲しければ力づくで奪うんだね。」
「ああ。そうさせてもらうぜ。」
マジでこの人数とやりあう気なのか!?それはさすがに無茶だ!!
ジリリリリリ
「何だ?」
「不二っ、この下の階から火が出てるぞ!!」
火!?火事ってことか!?ちょ、ちょっと待てよ。この状態だけでももういっぱいいっぱ
いなのに、火事なんかなられたら・・・
「行くぜ、亮。」
「へっ?」
うわっ、こいつ軽々と俺のこと抱えやがった。それに、今、亮って・・・
「ふっ、やっぱり一筋縄ではいかないか。」
「不二さん、早く逃げた方がいいッスよ!」
「そうだね。」
すげぇ、あっという間に逃げられた。てか、ビルごと燃やすって無茶苦茶するよなあ。
「大丈夫か?」
「ああ。」
「全く、心配かけさせんなよ。」
「悪ぃ。」
間に合ってよかったぜ。不二の奴、いつもにこにこ笑ってるが、腹ん中は真っ黒だもんな。
俺らなんかよりよっぽどヤバイこと、平気でやりやがる。
「あのさ・・・」
「何だよ?」
「マジでサンキューな。お前が来てくれなかったら、俺、何されてたか分からなかった。」
「もとはと言えば、俺がいけねぇんだ。テメェが悪いわけじゃねぇ。」
「おう・・・」
妙に気まずい雰囲気だな。どうしたんだ?こいつ。
「なあ、今日、刺青彫っていくか?」
「ああ?」
「スイカズラでいいんだろ?決まってるんなら、早く彫らせろよ。」
「別にいいけどよ。」
早く彫らせろって、いきなり何言い出すんだ、こいつは?でも、まあ、いい機会だ。今、
彫ってもらうってのも悪くねぇな。あのことも言わなきゃいけねぇし。
カタン・・・カタ・・・カタン・・・
「服脱いで、ここに寝ろよ。」
「ああ。」
「・・・・・・」
どうしたんだ?いきなり黙りこくりやがって。彫るんなら早く彫りゃいいのに。
「なあ、一つ聞いていいか?」
「どうした?」
「お前、スイカズラの花言葉、知ってるか?」
「・・・・ああ。」
知っててそれを選んだんだ。知らなかったらスイカズラなんて花、選らばねぇ。
「それに、この前、お前が言ったこと、その花言葉と関係あんのか?」
「この前俺が言ったこと?」
「俺の全ての魂を込めろってやつだ。」
「ああ、当然だろ。」
「・・・・・。」
コイツ、気付いていやがる。もしかしたら、わざわざ言う必要なくなるかもしれねぇな。
「じゃあ・・・」
「そういうことだ。返事は刺青の出来で判断するぜ。」
「おう・・・。」
自分で言っておいてなんだが、これはかなり緊張することかもしれねぇな。ヤクザの頭の
くせして、こんなことで緊張しちまうなんて、俺もまだまだだな。
「・・・・出来たぜ。」
こんなに緊張して彫ったの初めてかもしれねぇ。でも、全力は尽くした。出来も・・・俺
としては満足だ。
「どんな感じになったんだ?」
「こんな感じだ。」
もとの絵にちょっと手加えてみたけど、どうなんだろ?コイツのイメージには、合ってる
はずなんだけどな。
「へぇ、さすがだな。思った以上の出来ばえだぜ。」
「ホ、ホントか!?」
「ああ。白と金のバランスといい、この黒い蝶といい、いい感じじゃねぇの。」
よかったあ。気に入ってもらえなかったら、マジへこむもんな。
「なあ、これ彫るのにどれくらい魂入れた?」
「・・・ちゃんと、お前が言ってたみたいに俺の魂全部を入れてやったぜ。」
「スイカズラの意味も分かってか?」
「・・・ああ。」
俺の考えが間違ってなけりゃ、この刺青を彫るってことは、俺の気持ちを表せってことな
んだろうな。それだったら、俺は全部この絵にその気持ちを表した。今日やっと気付いた
ぜ。俺はコイツのことが・・・・
「亮。」
「あっ、えっ、な、何!?」
「お前の好きな色は何だ?」
「俺の好きな色?・・・そうだなあ、赤とかか?」
「だったら、その色の蝶をつけたせ。この黒い蝶は俺をイメージして彫ったんだろ?」
「ああ。」
「じゃあ、その蝶にくっつけるようにしてだ。赤い蝶と黒い蝶。コントラスト的には最高
だと思うぜ。」
また、名前で呼ばれた・・・。こいつに名前で呼ばれると、どういうわけか心臓がドクン
ってなんだよなあ。しかも、赤い蝶って・・・俺をつけたせってことだよな・・・?
「で、出来たぜ。」
「やっぱりこの方がいいな。スイカズラの上で踊る、二匹の蝶。この蝶は俺とお前だ。」
「間違ってたら悪いんだけど、スイカズラの花言葉って、『愛の絆』であってるか?」
「ああ、あってるぜ。」
「それじゃあ、やっぱり・・・」
確認しなくてもいいような気がするけど、やっぱ確認しなきゃだよな。俺、一人だけ浮か
れてるってのも微妙だし。
「俺はお前のことが好きだ。だから、これの花を彫らせた。これを見た限りでは、お前も
俺と同じ気持ちだと受け取りたくなるが、本当のとこどうなんだよ?」
「間違ってねぇ。たぶんテメェが思ってる通りだ。」
「ハッキリと言葉で言え。」
「俺も・・・景吾のことが好きだ。」
「ふっ、やっと呼んでくれたな。」
「えっ?」
「お前、今まで一度も俺の名前を呼んだことなかったんだぜ?気付いてたか?」
そう言われれば・・・確かにそうだ。うわあ、何かそう考えると激照れる。
「つーことは、俺達は相思相愛ってことだな。」
「まあ、そうも言えるだろうな。」
「この刺青は一種の証だ。俺とお前が愛し合ってるっていうな。」
「な、何ナチュラルに恥ずかしいこと言ってんだよ!!」
「事実を言ったまでじゃねぇか。なあ、お前、俺についてくる気あるか?」
「そ、それってヤクザになれってことか!?」
「違ぇーよ。もうヤクザの世界は飽きちまった。これから、どこか海外へ行っていろんな
国を回りてぇと思ってる。お前、それについてくる気あるか?」
また、無茶苦茶なことを・・・。でも、それも悪くねぇかもしれねぇな。こいつと一緒に
いろんな国を回る。かなり楽しそうじゃねぇか!
「俺、金ねぇけど。」
「そんなの俺が全部出してやるに決まってるだろ。来いよ。」
「俺みたいなの好きになったこと後悔しねぇ?結構ワガママだぜ、俺。」
「するわけねぇだろ。ワガママなのはお互い様だ。」
「だったら、ついて行ってやるよ。」
「そうこなくちゃな。よし、そこまで決まったなら。」
「えっ・・・?」
うわっ、嘘だろ!?い、いきなりキスしてくるか普通。あっ・・・でも、コイツやっぱ上
手い・・・。
「ん・・・ふぁ・・・はっ・・・」
「これからはこういうことを当たり前のようにするんだからな。それくらいは覚悟しとけ
よ?」
マジかよ〜。何か無茶苦茶なことばっかだな。でも、ま、どれも楽しそうじゃねぇの。ま
さかこんなことになるとは思わなかったけど、こういうのもありだよな。コイツとの生活
飽きるなんてことはなさそうだな。

                                END.

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