夜が更けると、種ヶ島は触手の入った箱を持って、大曲の部屋を訪れる。
「邪魔するでー、竜次。」
「おー。」
ベッドの上で本を読んでいた大曲は、チラリと種ヶ島に目を向け、本を置く。大曲の部屋
に入ると、種ヶ島は大曲のすぐ側まで移動し、大曲の隣に腰掛けた。
「その手に持ってるのが、例のアレかよ。」
「せやで☆アツやツッキーのを作る前に試作として作ったヤツやな。」
「これはどっちに近いんだ?遠野に作ったのと、越知に作ったのと。」
試作段階のものであれば、どちらに近くてもおかしくないと、大曲はそんなことを尋ねる。
「どっちかと言えばツッキーのかな。操作系の方が作るの簡単やねん。」
「へぇ、そうなのか。じゃあ、俺が自由に操作出来るってことだな。」
種ヶ島から触手の入った箱を奪うと、大曲はその中身を手に取る。まだ魔力を込めたりは
していないので、触手の卵のような形のままだ。
「竜次とこれ使うんメッチャドキドキするわ。」
「やる気満々じゃねぇか。」
「えー、するやろー?」
「しねぇって言ったらどうするよ?」
大曲的にもする気満々なのだが、少しからかってやろうとそんなことを言う。それは困る
と、種ヶ島はいそいそと服を脱ぎ、大曲のベッドに乗り上げ、足を開いて座り、大曲を誘
う。
「もう俺的にはこんな準備万端なんやで。しないなんてありえへんわ。」
こういうときの夢魔の色気は攻撃力半端ないと思いながら、大曲は苦笑する。
「エロ過ぎかよ。デカ勘弁しろし。」
もともとしない気などさらさらなかったので、大曲もベッドの上へ乗り上げる。大曲がや
る気なのを見て、種ヶ島は夢魔らしい笑み浮かべて、期待感に胸を弾ませていた。
ベッドの上に触手を置くと、大曲はそれに触れ、変化魔法をかけるかのように魔力を込め
る。一瞬光ると小さな卵のような形だったそれは、竜の鱗を纏った何本もの触手に姿を変
える。
「わりと上手くいったんじゃねぇ?」
「さっすが竜次や!メッチャ竜な雰囲気あってええやん!」
期待していた通りの触手の見た目に、種ヶ島は目を輝かせる。
「修二、ちょっと脚開いて、膝立ちしろ。」
「膝立ち?こないな感じでええ?」
「もう少し脚開けや。」
大曲に言われた通り、種ヶ島は脚を広げたような形で膝立ちをする。期待通りの体勢にな
ると、大曲は一本の触手を種ヶ島の開かれた脚の間にしゅるりと通す。
「まずは軽く撫でてやるよ。」
大曲がそう言うと、種ヶ島の脚の間に通された触手は、種ヶ島の内腿や会陰に触れるよう
にぐっとその身を持ち上げる。そして、触手らしい粘液をその身に纏わせながら、前後に
動き出す。
「んやっ・・・あぁんっ!!」
「触手使っての責めとしてはわりとスタンダードだろ?」
「やっ・・・アカンっ・・・竜次コレ、メッチャ気持ちええ!!」
柔らかく感じやすい部分をヌルヌルでありながらも、竜の鱗でザラザラとしている触手で
擦られ、その何とも言えない刺激に種ヶ島はひどく感じてしまう。刺激に慣れさせないよ
うにするため、大曲は触手の動きを一定にせず、様々なスピードや動きになるように操作
する。
「あっ・・・んあぁっ・・・竜次っ・・・!」
「ふっ、腰が動いてるぜ?」
「だって、コレ、ホンマ気持ちよくて・・・あんっ・・・」
「このあたりとか、お前、弱そうだよな?」
食い込むほどに触手を持ち上げ、大曲は種ヶ島の蕾と勃ち上がっている熱と蜜の詰まった
袋の境目を強めに擦る。
「やああぁんっ!!」
特に弱い場所への強い刺激に、種ヶ島は下肢をガクガクと痙攣させ達する。まさかイクと
は思っていなかったので、大曲は驚きつつも口元を緩ませる。
「もうイッちまったのかよ?早ぇーし。」
「しゃーないやん・・・竜次が弱いとこばっか責めるから・・・」
「まあ、気持ちよくなれてんなら、いいんじゃねーの?」
種ヶ島に触れていた触手を離すと、大曲は次はどんなふうに責めてやろうか考える。
(ちょっと複雑だが、出来ないことはねぇか。せっかくだし試してみるか。)
せっかく触手を使っているのだからと、大曲は存分にそれを楽しもうとする。触手に手を
当てると、何本もの触手を種ヶ島に向かって伸ばす。
「どうせならいかにも触手責めってのがいいよな。」
「せやなあ。せやけど、いかにもってどんな感じなん?」
「毛利に渡した漫画に載ってるような感じか?軽く巻きつけるけど、嫌だったら手ではが
していいからな。」
そう言いながら、大曲は種ヶ島の上半身に触手を巻きつける。但し、手や腕には巻きつか
せることはせず、自由に動かせるようにした。
「口開けろ。」
それなりな大きさの触手を種ヶ島の口元に持っていき、大曲はそう言う。これは確かに触
手ネタの漫画に載っていそうだと、ドキドキわくわくしながら、種ヶ島は口を大きく開け
る。
(無理矢理じゃないんは、漫画とちゃうけどなー。)
そんなことを考えていると、口元にあった触手が種ヶ島の口に入り込む。
「んぐっ・・・んっ・・・」
大曲のモノを口に咥えているときと酷似したその感覚に、種ヶ島の胸は高鳴る。このまま
口の中を犯して欲しいと考えていると、下の口にも別の触手が押し当てられる。
「んあっ・・・!!」
(口も中も触手でされるとか、メッチャエッチやん!さすが竜次俺のツボ分かっとるわぁ。)
「コッチも挿れるぞ。」
大曲の言葉に種ヶ島はこくこくと頷く。大曲の竜変化の肌に似た鱗で覆われたそれが中に
入ると、種ヶ島の内側はキュンキュンと締まり、中に入っている触手を締めつける。
「んんん――っ!!」
「っ!!」
種ヶ島の口と中に触手が入ると、大曲は一瞬ビクッと腰を震わせる。
(あー、これ、思った以上にクるな。)
「動かすぞ。」
「んんっ・・・」
始めはゆっくりと慣らすかのようにそれぞれの触手を動かす。
「ふぅっ・・・んぁ・・・んんっ・・・!」
触手が動き始めると、種ヶ島はくぐもった甘い声を漏らす。種ヶ島の反応でどう感じてい
るかを予測するのも悪くはないが、もっとハッキリと種ヶ島の考えていることを知りたい
と、大曲は精神感応の魔法を使う。
(あー、メッチャ触手にされてる感じでたまらんわ。竜っぽい触手で中ゴリゴリされるの
もメッチャ気持ちええし。せやけど、竜次、気ぃ遣って優しくしてくれとるから、ちょっ
と刺激が足りひんなぁ。)
そんな種ヶ島の心の声を聞いて、大曲は思わずいつもの言葉を口にしてしまう。
「・・・勘弁しろし。」
「んんっ?」
「別に何でもねぇよ。」
きょとんとしながら首を傾げる種ヶ島を見て、大曲は誤魔化すように呟く。そして、種ヶ
島の希望を叶えるように触手の動きを激しくする。
「んんんっ・・・ぐっ・・・んああぁっ!!」
(急に激しくなった!いや、でも、こっちの方が全然ええな。もっと奥の方されたら、も
っと気持ちええかも・・・)
その心の中の言葉通り、種ヶ島はもっと奥に取り込みたいと腰を揺らす。それならばと、
大曲はより奥の方に触手を挿入し、奥の奥を抉るように突いてやる。
「ふうぅっ!!んんんっ・・・あぁっ!!」
「ぐっ・・・」
ビクビクと下肢を震わせ、種ヶ島は今までよりもよりよい反応を見せる。ひどく感じてい
るため、種ヶ島の中はひくひくと大きく収縮していた。
(試しにしてみたけど、思った以上にヤベェな。舌のヌルヌルした感じと中で締めつけら
れる感覚が同時に来て、思ったよりもたなそうだ。)
種ヶ島が気持ちよくなっているのと同時に、大曲の呼吸も次第に荒くなっていく。それは
精神感応と一緒に使用している魔法の影響であった。
(何や竜次もちょっと気持ちよさそうな感ある?ただ興奮してるだけなんかな?それにし
ても、触手で中されんのよすぎて、このままだとイッてまいそうや。)
(勘のいいやつだな。まあ、余裕がないのはやっぱ隠せてねぇか。修二もイキそうだし、
そろそろ・・・)
「んんぅ・・・ふっ・・・うぅんっ・・・」
快感に濡れた瞳で大曲を見つめ、そろそろイキそうであることを種ヶ島は訴える。そうい
う状況であることは、心の声で分かっているので、大曲は決定的な刺激を種ヶ島に与えて
やる。
「んあっ・・・んんん――っ!!」
「くっ・・・修二っ!!」
次の瞬間、種ヶ島にとっては信じられないことが起こる。自分が達したと同時に口に入っ
ている触手と中に入っている触手の先から大量の何かが放たれた。生物としての触手では
なく、人工の触手であるため、そのようなことはありえないのはそれを作った種ヶ島が一
番よく理解していた。
「っ!!??」
(は?え?何が起こっとるん!?こんなんあり得へんのやけど、ホンマの触手みたいでメ
ッチャ興奮してまう!)
放たれたモノを飲み込みながら、種ヶ島は興奮し更に深く達する。甘く苦いそれは、初め
て味わうモノであったが、種ヶ島は直感的にそれが大曲のモノだと気づく。
「ハァ・・・ハァ・・・んっ・・・」
ずるりと口と中から触手が抜けると、種ヶ島は恍惚とした表情で呼吸を乱す。種ヶ島ほど
ではないが、大曲もかなり呼吸が乱れていた。
「ハァ、ハァ・・・」
「何なん!?触手に精液飲まされるなんてありえへんし、聞いとらんのやけど!!」
激しくイッていたわりには元気だなと思いながら、大曲はふっと笑う。
「触手に犯されてる感あってよかっただろ?」
「そりゃそうなんやけど、そんな機能つけてないねん!どういう仕組みか説明して!」
作っている際つけるのが難しい機能だったので、種ヶ島はその仕組みが知りたいと大曲に
詰め寄る。
「触手に感覚共有魔法かけて、俺がイクと同時に物質転移と質量拡張魔法で触手から出る
量増やして、お前の中に入ってる触手から出させたって感じだな。あと、味も何かそれっ
ぽい感じに変えてみたし。甘くて苦かっただろ?」
触手を操作している大曲が様々な魔法を同時に使用することでそうしていたと聞いて、種
ヶ島は納得する。しかし、仕組みを聞いたところで真似は出来ないと、ちょっと残念そう
な反応を見せる。
「それ、竜次やないと出来ないやつやん!」
「そうだな。かけるタイミングがタイミングだからよ、結構頑張ったし。」
「改良するときに入れれたらええなと思ったけど、それは無理やなー。まあ、竜次と出来
る俺の特権ってことにしとこか。」
新しい触手に反映させられないのは残念だが、自分はまたしてもらおうと思えばしてもら
えると、種ヶ島は気持ちを切り替える。こういうことに関する興味は人一倍で研究熱心だ
と思いながら、大曲は種ヶ島にちゅっとキスをする。
「触手が出したもんで中ドロドロだろ?もう俺自身挿れてもいいか?」
「感覚共有魔法で、挿れてたのと同じ感じやったんとちゃうん?」
「それはそれ、これはこれだし。」
「はは、そりゃそうか。ええよ。挿れて、竜次。」
「せっかくだから、お前が挿れろし。」
「ええの?ほんなら・・・」
大曲の身体をベッドの上に倒すと、種ヶ島は騎乗位の形で大曲の熱を自分の中に挿れる。
「ふあっ・・・あんっ!!はは、さっき出されたやつのおかげで、簡単に入ってもうた。」
「そのわりには結構締めつけ強くて、気持ちいいぜ。」
「まあ、竜次の入っとると思たらなぁ。なあ、さっきみたいに竜次の触手、体に巻きつけ
て。」
「ああ?別に構わねぇけどよ。」
軽く呼吸を乱しながら、種ヶ島はそんなことを頼む。種ヶ島の希望通り、先程と同じよう
に、大曲は竜の鱗で覆われた触手を伸ばし、種ヶ島の上半身に巻きつける。
「ハァ・・・ほんで、ちょっとぎゅっと締めつけてくれへん?」
何がしたいのか分からないが、とりあえず種ヶ島の言う通り巻きつけた触手で、その身体
を締めつけてやる。
「んああぁんっ!!あっ・・・思うた通りや・・・コレ、竜変化した竜次に強く抱きしめ
られとるみたいで、メッチャたまらんっ・・・!」
口元に笑みを浮かべ、興奮した様子で種ヶ島はそんなことを言う。
(中は締まるし、顔はエロいし、これは俺からしても悪くねぇな。)
それならばと、大曲は種ヶ島の上半身に巻きつけている触手を緩めたり、締めつけたりを
繰り返す。その感じに興奮している種ヶ島は、大きく腰を動かし、大曲の熱でトロトロに
なっている内側を激しく擦る。
「ああぁっ・・・んあっ・・・竜次っ・・・!!」
「激しく動き過ぎだし。」
「だって、メッチャ気持ちよくてっ・・・腰、止まらへん・・・!!」
「だったら、こうしたらもっといいんじゃねぇ?」
ぐっと腰を上げ、大曲は胸の近くに巻きついている触手で勃ち上がっている胸の突起を擦
り上げるように動かす。竜の鱗がついているため、その衝撃は予想以上であった。
「やああぁんっ!!そんなん、アカンっ!!」
「くっ・・・すげぇ締まるし。気持ちいいんだろ?ほら、もっとしてやんよ。」
「やっ、あんっ・・・それ、ホンマにアカンて!!そんなん続けられたら・・・」
竜の鱗で敏感になっている胸の突起を弄られ続け、種ヶ島はビクビクとその身を痙攣させ
る。種ヶ島が感じれば感じるほど、中の具合もよくなるので、大曲も激しく呼吸を乱しな
がら、触手を操作する。
「ああぁんっ・・・もう無理や!!イクっ!!」
「んっ・・・!!」
一際大きく全身を震わせると、種ヶ島は今日一大きな絶頂を迎える。そんな種ヶ島に引き
ずられ、大曲も今度は触手ではなく自身の先から大量の蜜を種ヶ島の中に放つ。
「ハァ、ハァ・・・大丈夫か?修二。」
「ハァ・・・ハァ・・・メッチャ気持ちよかった・・・」
「大丈夫そうだな。」
なかなか痙攣治まらない種ヶ島を心配し、大曲はそう声をかける。まだ落ち着いてはない
様子だが、うっとりとそう口にする種ヶ島の言葉を聞いて、ひとまず安心する。
「そういや、触手から出したのも実質竜次のやんな?」
「そうだな。魔法で量は増やしてるけど、ベースは俺のだし。」
「ほんなら、今日はいつもよりぎょーさんもらえとるな。」
たくさん大曲の蜜をもらえたと、種ヶ島はご機嫌な様子でニコニコと笑う。まだ繋がった
ままということもあり、そんな種ヶ島を見て、大曲はムラっとしてしまう。
(せっかくだから、もう少しいつもと違う感じのことをしてぇな・・・あっ、そうだ。)
「なあ。」
「ん?どないしたん?」
「俺もちょっとやってもらいてぇことがあるんだけどよ。」
大曲がやりたいことがあると言ってくるのは、そうそうないので種ヶ島は嬉しそうに聞き
返す。
「おっ、竜次がそないなこと言うてくるなんて珍しいやん!何ー?」
「せっかく触手とか使ってやったし、疑似産卵とか見てみてぇかも。」
「疑似・・・産卵・・・?」
大曲の言ったことがすぐには理解出来ず、種ヶ島は首を傾げてその言葉を繰り返す。少し
の間をおいて、その言葉が意味することを理解すると、種ヶ島の顔はボッと火がついたよ
うに赤くなる。
「ええっ!?ちょっ、それは難しいちゃうん?俺の作った触手には、そないな機能ついて
ないし・・・」
「俺の能力舐めんなし。お前の中には十分素材はあるし、ちょっと手を加えてやりゃ余裕
だし。」
ぐっと体を起こし、大曲は種ヶ島の腹部に手を当てながら魔法をかける。
「んあぁっ・・・ちょっ・・・竜次!!」
「俺のを抜いたら、すぐそれ出したくなるぜ。ま、もとは俺の出したモンだし、そこまで
恥ずかしがることでもねぇだろ。」
「ちょっと、待って!!」
種ヶ島の中にあるモノを変化魔法で卵のような形にすると、大曲は種ヶ島の中から自身を
抜く。
「ついでだから、お前のココに感度増幅魔法もかけといてやる。まあ、こればっかりはお
前の能力には敵わねぇけどよ。」
大曲が離れると、代わりに大曲が操作している触手が足首に絡み、脚を大きく開かせる。
(竜次の言った通り、中のが勝手に出ようとしとる。アカン・・・腹ん中もアソコもゾク
ゾクして、気持ちよくなってまう!)
「ひあっ・・・こんなん恥ずかしい・・・」
「夢魔のくせにこんなのが恥ずかしいのかよ?」
「だって・・・あっ・・・出てまうっ・・・やっ・・・あああぁっ!!」
中から大曲が変化させた卵状の蜜が出ようとするが、それなりの大きさのため、スムーズ
には出てこない。そのため、種ヶ島の蕾は何度か大きく収縮した後、ゆっくりと蕾を開き、
中にあるそれを吐き出す。感度増幅魔法がかけられているため、それがその部分を通り過
ぎる際、種ヶ島は達してしまう。
(思ったよりもエロいな・・・)
目の前に広がる光景と種ヶ島の反応に、大曲はゴクリと生唾を飲み込む。
「ハァ・・・やあっ・・・ん・・・またっ!!」
大曲が種ヶ島の中で変化させたものは一つではないので、すぐにまた次のモノが出ようと
する。
「んあっ・・・ああっ・・・んくっ・・・出る・・・ああぁんっ!!」
「マジで産卵感あって、やべぇな。」
「りゅ、竜次っ・・・コレ、何個出せばええん?」
「正確な数は分かんねぇけど、5、6個じゃねぇ?」
「嘘やろ!?一つ出すのにこんなに気持ちようなってまうのに、そないに出したら・・・」
まだまだこの快感が続くのかと、種ヶ島は困惑と期待感を同時に感じる。本当に嫌だとは
思っていないんだろうなということはその表情から見てとれた。
「せっかくだから、楽しめばいいし。」
興奮しつつも楽しげに笑っている大曲を見て、種ヶ島はゾクゾクしてしまう。そうであれ
ば、この状況を楽しんだもん勝ちだと、種ヶ島はこのアブノーマルな状況を堪能すること
にする。
「ああぁんっ!!コレ出すの、気持ちええっ・・・!!」
「出すたびイッてて、本当エロいし。」
「あんっ・・・竜次っ・・・手、手ぇ握っとって・・・!」
「しゃーねーなあ。」
そう言いながら、大曲は種ヶ島の手をぎゅっと握ってやる。もう後少しで終わることが種
ヶ島には分かっていた。最後は大曲に触れていたいと、そんなことを頼んだのだ。
「ああぁっ・・・また、竜次の卵出して、イッてまう!!んあっ・・・あああぁっ!!」
「っ!!」
種ヶ島のセリフにドキッとしながら、大曲は種ヶ島が果てる様を見届ける。種ヶ島の脚の
間に濡れた卵のようなモノがいくつも転がっている光景は、何とも言えない背徳感があり、
二人の心に倒錯的な満足感をもたらした。
ある程度魔法なども使いながら、事後処理やベッドの掃除をすると、二人はベッドに横に
なってくつろぐ。
「ホンマ竜次と触手の組み合わせ最高やったな☆」
「そうかよ。」
裸のまま大曲のベッドにうつ伏せになり、種ヶ島は大曲の方を見てそんなことを言う。
「ああいうの作るんやけど、自分だけじゃやっぱ出来ることに限界があるし、少なくとも
今日竜次がしてくれたみたいには出来へんねん。」
「まあ、そうなんじゃねーの?」
今日の触手プレイは大曲あってのものだと、種ヶ島はそんなことを言う。かなり様々な魔
法を駆使していた大曲もそれに同意する。
「そういえば、口と中を触手でされてたとき、俺がこうして欲しい!って思たタイミング
で、竜次がそういうふうにしてくれて、以心伝心感あって嬉しかったわー。そんときは喋
られへんかったからな。」
種ヶ島のその言葉を聞いて、大曲はふっと笑う。
「ああ、それは普通に精神感応魔法で心読んでたからな。」
「ええー、そうなん?ずるやん!」
「別にずるではねぇだろ。そのおかげで、お前は希望通り気持ちよくなれてんだからよ。」
「まあ、確かになー。ちゅーか、精神感応魔法と感覚共有魔法同時に使うて、イクときは
物質転移魔法と質量拡張魔法使とったんやろ?さすが二刀流の使い手は違うわ。」
共通の趣味のテニスをする際、大曲はラケットを両手で二つ持ってプレイをする。魔法の
かけ方がそれと似ていると、種ヶ島は楽しげにそう話す。
「いろんな魔法を自由に使えるのと魔力が強いのは、竜人の特権みたいなとこあるからな。
使わなきゃ損だろ?」
「使うタイミングがアレやけどな。」
「夢魔のお前と一緒にいるんだから、そりゃしょうがねーだろ。」
「あはは、そりゃそうやんな。」
大曲が魔法を一番使っているのは、種ヶ島としているときだ。それが何だか嬉しくて、種
ヶ島はニコニコしながら大曲の顔を眺める。
「何だし?」
「んー、竜次と一緒に居られるん、メッチャ幸せやなあと思て。」
「・・・勘弁しろし。」
照れながらそっぽを向く大曲に種ヶ島はキュンとしてしまう。
「竜次はー?竜次は俺と一緒に居れて嬉しい?」
「そういうこと聞いてくんなし。」
「えー、だって、俺だけやったら寂しいやん。」
大曲がそういうことを言葉にするのが苦手だと分かっていながら、種ヶ島はそんなことを
尋ねる。答えてくれないだろうなーと思っていると、大曲の手がふわっと頭に触れる。
「俺だって同じだし。」
「えっ!?」
顔を赤く染めながら、大曲は口を開く。
「どうしようもなく好きだと思ってるヤツが、俺と一緒に居れて幸せだって言ってきたり、
いろんなエロいアイテム作って使わせてきたり、俺がしたいと思うことを何でもさせてく
れんだ。それが嬉しくないわけねぇだろ。」
大曲の素直な言葉を聞いて、種ヶ島の顔は真っ赤に染まる。それに気づき、大曲は種ヶ島
をからかいたくなる。
「自分で聞いておいて、その反応は何だし?顔真っ赤じゃねーか。」
「いや、竜次がちゃんと答えてくれるなんて思ってへんかったから・・・」
この反応は可愛いと、大曲はより種ヶ島を照れさせたくなる。目の前にある種ヶ島の唇に
ちゅっと軽くキスをすると、先程種ヶ島が言っていたことと同じようなセリフを口にする。
「俺もお前と一緒に居れて、すげぇ幸せだぜ。」
「っ!?」
一連の大曲の行動に嬉しさと恥ずかしさが頂点に達した種ヶ島は、両手で顔を覆う。
「アカンわ!!こんな至近距離で、竜次にそないなこと言われたら、ときめきすぎて心臓
止まりそうや!」
「これでそんなに照れるってどんなだよ?触手でイかされたり、疑似産卵見られる方がよ
っぽど恥ずかしいことだろうがよ。」
「ちゃうねん!それはほら、メッチャ気持ちええ感じが強いから羞恥心弱なんねん!せや
けど、この状態でそないなこと言われるんは、もうただただ胸がキュンキュンして、竜次
好きやーって気持ちでいっぱいになるから無理やねん!!」
「どんなだし。」
あまりにも照れまくっている種ヶ島が面白くて可愛らしいと、大曲は思わず笑ってしまう。
しているときとこういうときのギャップの激しさに、大曲はより種ヶ島のことが好きにな
る。
「修二。」
名前を呼ぶと、種ヶ島は顔を覆っていた手を離し、チラリと大曲を見る。
「顔隠すなら、こうすればいいし。」
そう言いながら、大曲はぎゅっと種ヶ島を抱き寄せ、自分の胸に種ヶ島の顔を埋めさせる。
「っ!!」
(竜次の心臓メッチャドキドキしとるやん。)
自分だけが恥ずかしがっているわけでないことが分かり、種ヶ島は大曲の胸に顔を埋めた
ままクスッと笑う。
「竜次、メッチャドキドキしよるやん。竜次も俺にときめいとるってことやんな?」
「はあ?うるせーし。」
どちらもドキドキと胸を高鳴らせながら、そんなことを言い合う。いつもより少し刺激的
で楽しいまぐわいを終えた後の甘い気怠さの中、大曲も種ヶ島も相手への愛情をいつも以
上に感じ、幸せな気分を感じていた。
END.