いつも通り夕食や入浴を済ませると、毛利は種ヶ島からもらった漫画をソファに座って読
んでいた。内容が内容であるため、毛利は顔を赤らめドキドキとしながら、ぺージをめく
る。
(こんなんがホンマに出来るんかなー。信じられへんわ。)
種ヶ島の話では、今日越知に渡したもので似たようなことが出来ると言っていた。しかし、
あまりにも現実離れしたその内容に、毛利は本当にそんなことが出来るか疑ってしまう。
「種ヶ島からもらった本を読んでいるのか?」
「あ、月光さん。」
今しがた入浴を終えた越知は毛利に声をかけ、その隣に腰を下ろす。そして、毛利が読み
終えたと思われる漫画を手に取った。
「これらを読んで、してみたいことやして欲しくないことはあったか?」
「えっ!?えっと、どうですかね?まだ、こんなんが出来るって信じられなくて・・・」
「それはそうだな。」
いつも通り冷静な口調で、そんなことを尋ねてくる越知に、毛利はドギマギしてしまう。
越知もパラパラとぺージをめくり、その内容を確認する。
(こんなん見ても、月光さん、全然表情変わらへんなあ。何も知らんかった俺とは大違い
や。)
触手系のエロ漫画を見ても、一切表情を変えない越知をチラリと横目で見て、毛利は感心
する。しかし、顔には出さないだけで、内心はこんなことが毛利に出来るのかと、越知の
心は昂ぶっていた。
「あ、あの・・・月光さん。」
「何だ?」
「しょ、触手の種類の話なんですけど、これとかこれとか、結構見た目エグいやないです
か。モンスター感あったり、ちょっと内臓感あったりして。」
「確かにそうだな。」
「せやから、俺的にはこういうんがマシかなーと思うんですけど・・・」
そう言いながら控えめに毛利が指差していたのは、触手部分が蔦や木の根っこ感のある植
物系のものであった。
「なるほど。見た目は植物系のものがよいということだな。」
「はい。もし、月光さんが他のタイプが好きやったらすんません。」
「いや、お前が嫌なことはしたくないので、そんなふうに希望を言ってもらえるのは有り
難い。他に希望はあるか?」
「え、えっと・・・触手とかスライムとか使ってするのは全然ええんですけど、出来れば
ちゃんと月光さんとしてるっちゅー感じがあったらええかなーって。」
漫画の中では触手やスライムがメインとなっているため、そこに第三者が介在しているよ
うには見えなかった。しかし、自分がしたいのは越知であって、触手やスライム自体では
ない。それはきちんと伝えておかなければと、毛利はそんなことを口にする。
「分かった。善処しよう。」
毛利の希望を聞くと、越知は持っていた漫画をテーブルに置き、立ち上がる。そして、毛
利に向けて手を差し出す。
「行くぞ。」
「へっ!?行くってどこへ?」
「バスルームだ。種ヶ島からもらったものを使うと考えると、そこが一番都合がいいだろ
う。」
する気満々の越知に毛利の心臓はひどく高鳴る。どんなことをされるかは全く予想がつか
ないが、越知がしたいのならと、毛利は越知の手を取った。
種ヶ島からもらったスライムの瓶と触手の箱を持ち、二人はバスルームに移動する。先程
越知が入った後、軽く掃除をしたようで、バスタブからはお湯が抜かれ、空っぽの状態で
あった。
「毛利。」
「は、はい!」
「服を脱いで、バスタブの中に入っていてくれるか?」
空のバスタブの中に入れと言われ、不思議に思いながらも毛利は言われた通りにする。毛
利がバスタブに入ったのを確認すると、越知は瓶の蓋を開け、中に入っているスライムを
バスタブの中に注ぐ。手の平に収まるほどの瓶なので、当然そこに入ってスライムもそれ
ほど多いわけではない。
(こないにちょっとのスライムでどうするんやろ?)
越知のしようとしていることが分からないと、毛利は首を傾げる。そんな毛利の疑問をよ
そに、越知はスライムの真上あたりに手をかざし、八尺様らしい言葉を口にする。
「ぽぽぽぽ・・・」
次の瞬間、スライムは一気にその質量を増やし、バスタブをその体で満たす。
「っ!!??」
「本当に魔力で操作出来るのだな。」
魔力を使ってしたいことが出来たので、越知はそう呟く。
「つ、月光さんがこうしたってことですか?」
「ああ。本当に出来るかどうか半信半疑だったが、どうやら上手くいったようだ。」
バスタブの中に膝をついて座っていたため、毛利の下半身は完全にスライムに包まれてい
る。ローションよりは粘度は高いがゼリーほどは硬くない。その何とも言えない感触に、
毛利はもぞもぞと腰を揺らす。
「始めてもよいだろうか?」
「は、始めるって何をです!?」
「もちろんこういうことだ。」
越知がそう言うと、下肢を覆っているスライムがゆるりと動き、毛利の双丘を撫でる。
「ひゃあぁんっ!!」
ぬるりとしたスライムに臀部を撫でられ、毛利はビクッと震え、甘い声を上げる。
「ふっ、いい反応だな。」
予想以上に毛利がよい反応を見せるので、越知はスライムを操作し、毛利の下肢を愛撫す
る。
「ふあっ・・・月光さんっ・・・あんっ・・・!」
「どうだ?気持ちいいか?」
「あっ・・・気持ちええですぅ・・・」
越知の顔を見上げ、毛利は頬を紅潮させ、上気した表情でそう答える。毛利のその表情が
たまらないと、越知はもっと激しく責めたくなる。
「それなら、これはどうだ?」
バスタブを満たしているスライムに軽く触れ、越知はそれを直接操作する。越知に触れら
れたことで、毛利の下肢を覆っているスライムは先程よりも大きく動き、柔らかさと硬さ
を合わせ持った状態のそれが毛利の蕾から中に侵入する。
「えっ!?あっ・・・な、中に入ってきとりますっ・・・やっ・・・ああぁんっ!!」
ある程度毛利の中にスライムが入ると、越知は一旦その動きを止める。
「んう・・・ハァ、ハァ・・・」
「どうだ?苦しくはないか?」
「苦しくはないですけど・・・変な感じです・・・」
「そうか。それならば・・・」
苦しかったり、辛かったりはしていないようなので、越知は中のスライムを操作し、少し
激しめに振動させる。中をかき回されているような刺激に、毛利は甘い悲鳴を上げる。
「やああぁんっ!!つ、月光さんっ・・・中が震えて・・・ああぁっ・・・!!」
「悪くなさそうだな。」
「ひあっ・・・んんんっ・・・月光さん・・・ああぁっ!!」
初めての感覚に戸惑いながらも、毛利はその快感を受け入れていく。
「ハァ・・・んっ・・・中、気持ちええ・・・」
この状況に順応しているような毛利の姿に越知は興奮する。
(もっと激しく乱れるところが見たい・・・)
気持ちよさそうにうっとりとしている表情も悪くないが、越知としてはもう少し大きな反
応を示す毛利が見たかった。そのために、越知は中にあるスライムの動きを変える。
「んあっ・・・中のスライムが、また動いて・・・」
震えるの止め、スライムは毛利のより奥へと入り込もうとする。硬さや形を自在に変えら
れるその性質がゆえに、いくらでも奥へと入り込めてしまう。未知の場所へと入ろうとし
ているスライムの動きに気づき、毛利はビクンッとその身を震わせる。
「やっ・・・そんな奥、アカンっ・・・そんなとこ、月光さんのでも届かない・・・あっ、
あっ・・・」
聞こえはしないが、にゅぷっと濡れた音を立て、スライムは触れられたことのない場所へ
入る。その衝撃に毛利はビクビクと下腹部を震わせ、激しく達する。
「――――っ!!」
声も上げられないほどに激しく達している毛利を見て、越知は怪異らしい嗜虐心をくすぐ
られる。毛利が絶頂の高みから戻り、少し落ち着いたタイミングを狙って、普段は触れる
ことが出来ない場所をスライムを使って繰り返し責める。
「やああぁっ・・・そこ、アカンですっ・・・ひっ・・・あああぁんっ!!」
「そう言っているわりには、随分と気持ちよさそうだが?」
「そないにされたら・・・また、腹ん中気持ちようなって・・・ああぁんっ!!」
そこへの刺激がたまらず、毛利は再び達する。その姿が非常に煽情的で愛らしいと感じて
いる越知は、しばらく毛利が乱れている様を堪能する。
「そろそろコレを使っての責めは終わりにしよう。」
「んっ・・・あ・・・」
スライム責めに満足した越知は、スライムに触れている手を離し、毛利の中からそれを出
す。中が空っぽになってしまったことにほんの少しの切なさを感じながら、毛利は越知を
見る。
「次はこちらを使ってみよう。」
服を脱ぎ、越知は箱の中の触手を手に取る。そして、スライムのときと同じようにいつも
の言葉を口にする。
「ぽぽぽ・・・」
その言葉に反応するかのように、小さな楕円形だったそれは形を変え、越知の体に纏いつ
くように触手を伸ばす。毛利の希望通り、その触手は植物の蔦や茎を思わせるような見た
目で、越知の髪と同じように白と青が混じった色をしていた。
「わあ・・・」
確かに触手ではあるのだが、越知を思わせるその見た目は嫌悪感など一切抱かせず、むし
ろ毛利にとっては好ましいとさえ思えるようなものであった。
「何やその触手・・・メッチャ月光さんっぽいですね。」
「そうか?」
「はい・・・触手纏ってる月光さん、いつもと違う雰囲気で、メッチャかっこよくてドキ
ドキします・・・」
この状態をまさかカッコイイと言われるとは思っていなかったので、越知は驚きながらも
ふっと笑う。
「だったら、今度はこの触手で可愛がってやる。」
「わっ・・・!」
スライムの量をさらに増やし、毛利の体を簡易のベッドに仰向けにさせるような形で持ち
上げる。先程よりもいくらか硬くなっているスライムは、ウォーターベッドのように毛利
の身体を心地よく包み込む。
「えっ、す、すごいですね・・・」
スライムをこんなふうに使うとは思っていなかったので、毛利は素直に感心する。
「この方がやりやすいからな。」
「確かに月光さんがちょっと近くなった気がします。」
越知の高さに合わせているので、先程よりも二人の距離はぐんと近くなる。すっと手を伸
ばし、毛利の胸の飾りに触れると、越知はこれからすることを毛利に告げる。
「まずはココを弄ってやるな。」
「っ!!」
越知がそこから指先を離すと、代わりに蔓のような白い触手が伸びてくる。両方の突起に
触れるか触れないかの位置で、その触手の先が蕾のように膨らみ、青い花が咲くかのよう
にパッと開く。
(えっ!?花?)
次の瞬間、毛利の突起は青い花に覆われる。
「あんっ・・・!」
青い花に覆われたそこは、どちらもきゅっと抓まれ、トロトロとした蜜のような粘液を塗
り込まれ、絶妙な力加減で擦られる。
「ああっ・・・ああぁんっ!!」
「痛くはないか?」
「んあっ・・・気持ちええですっ・・・乳首、溶けてまいそうでっせ・・・!」
ヌルヌルとした触手で弄られるその快感を、毛利はそんなふうに表現する。擦られ続ける
ことで、次第に高まっていく快感は、すぐに耐えられないほど大きくなる。
「ひあっ・・・つ、月光さ・・・も、気持ちよすぎて・・・アカンっ・・・ひぅっ・・・
イッてまう・・・!!」
蕩けるような快感に、毛利は呼吸を乱し、顔を紅潮させながら、越知にそう伝える。その
言葉通り、スライムの上でその身体を仰け反らせながら、毛利は自身の蜜を溢れさせる。
「んあああぁっ!!」
毛利がイキ終わるのを確認すると、胸に付けていた花のような形の触手を離し、越知は毛
利が自身の下腹部に放った蜜を丁寧に舐め取る。
「ハァ・・・ハァ、ハァ・・・・んっ・・・」
「弄られていた部分がピクピクとしていて可愛いな。」
「やっ・・・見んといてください・・・!」
充血してすっかり勃ち上がり、絶頂の余韻にピクピクと震えている胸の飾りを見て、越知
はそんな感想を口にする。それが恥ずかしく、毛利は真っ赤になって顔を両手で覆う。
「顔は隠さないでくれ。」
シュルシュルと触手を伸ばし、毛利の両手を顔からはがす。そんなふうに触手を使ってく
るとは思わなかったので、毛利は無駄にドキドキしてしまう。
(触手でされるんホンマドキドキしてまう。次は何されるんやろ?)
そんなことを考えていると、越知が触手を操作し、ある形にすると、毛利の目の前にそれ
を持っていく。
「次はこれでお前のココを責めたいと思うのだが、よいだろうか?」
いくつかの実が連なっているような形の触手を見て、毛利はドキっとしてしまう。
(うっはあ、種ヶ島さんが持ってきた漫画にも載ってたヤツや。これで中弄られるん?や
ばぁ。)
「え、えっと、別に全然構わんのですけど・・・そういうの聞かんでええですから・・・」
「何故だ?お前が嫌と思うならしないが・・・」
「それはありがたいんですけど・・・それに答えるんは・・・その、恥ずかしくて・・・」
恥ずかしさから目を逸らし、耳まで顔を真っ赤にして毛利は答える。毛利のその態度が可
愛くて仕方ないと、越知の胸はキュンと高鳴る。
「分かった。それならば、逐一確認するとしよう。」
「ええっ!?何でですか!?」
越知のまさかの返答に、毛利は驚いてそう聞き返す。慌てているような毛利も可愛らしい
と、越知は口元を緩ませる。
「ふっ、冗談だ。」
楽しげにそう言いながら、越知は毛利の唇にちゅっとキスをする。
「んぅ・・・」
触れるだけの口づけをし、そこから唇を離すと、越知は先程作った触手を毛利の脚の間に
移動させる。これからされることへの期待感から、毛利の呼吸は荒くなる。
「興奮しているのか?」
「だって・・・そないなの挿れられてまうんやて思うたら・・・」
「可愛いな。挿れるぞ。」
それなりの大きさの玉のような触手をゆっくりと毛利の中に押し込む。スライムで存分に
弄られていたこともあり、そこまで抵抗なく毛利のそこはそれを受け入れた。
「ひっ・・・ぅんっ・・・!」
「これは・・・」
「ど、どないしたんですか・・・?」
「いや、何でもない。」
触手の玉が一つ入るたび、毛利の蕾はその玉に合わせて開き、中に入るとキュッと閉じる。
その淫靡な光景に越知の目は釘付けになる。
「んんっ・・・あっ・・・くぅんっ・・・!」
開かれ閉じるそこの動きに合わせ、毛利は吐息混じりの声を上げる。それがたまらず、越
知はゆっくりといくつもの玉を毛利の中に挿入する。
「ハァ・・・月光さん・・・もう、中いっぱいでっせ・・・」
「ああ、そのようだな。」
「この後・・・抜くんですよね・・・?」
「そうだな。」
漫画で見た責めであるため、そんなことを尋ねながら、毛利は期待感に満ちた瞳で越知を
見る。その視線にゾクゾクしながら、越知は中のそれを抜き始める。
「んああっ・・・それ、抜かれるん・・・気持ちええっ・・・!」
「そんなに感じているのか?やらしいな。」
「ああぁんっ・・・月光さん・・・ふあぁっ・・・!!」
挿れているときよりも圧倒的に気持ちよさそうな反応見せる毛利に、越知は興奮する。全
てが外に出ると、ビクビクと腰を震わせながら、毛利は物足りないといった表情で越知に
視線を向ける。
「月光さん・・・」
「もっとして欲しいか?」
「はい・・・もっとぎょーさんして欲しいです・・・」
語尾にハートがついているのではないかと思えるような声色で、毛利はおねだりする。そ
れならばと、越知はその触手での責めを続ける。
「んんぅ・・・ハァ、ハァ・・・ひあっ・・・あああぁんっ!!」
「毛利・・・」
「あんっ・・・月光さん・・・んやああぁっ!!」
越知は触手が毛利の中に入る際の光景を目に焼き付けるほどに楽しみ、毛利は抜かれる際
の極上の快感を堪能する。毛利にバレないようなレベルで、越知はその責めを繰り返すた
びに少しずつ触手の大きさを大きくしていた。
(すごい・・・繰り返されるたびに気持ちようなっとる。このままやと・・・)
次第に高まっていく快感に抗えず、毛利は何度目かの挿入引き抜きのタイミングで達する。
「ああぁんっ・・・イクっ・・・!!」
触手が抜けると同時に達する毛利を見て、越知は我慢が出来なくなる。
「毛利、そろそろ俺自身を挿れてもよいだろうか?」
まだ絶頂の余韻が治まらないながらも、毛利は頷く。チラリと越知のそこに目をやると、
いつもより大きくなっているように見えるそれが目に入る。
「月光さんの・・・今日はいつにも増して大きいですね。」
「お前が可愛すぎるからな。」
「えっへへ、月光さんにそう言ってもらえると嬉しいです。」
「せっかく触手を使っているのだから、こういうことをするのもありだろう。」
そう言いながら、越知は細い蔓のような触手を自身の熱に締めつけない程度に巻きつける。
触手の巻きついた越知のモノを見て、毛利の胸はひどく高鳴る。
(ただでさえ大きいのに、触手巻きついてる分、ちょっと大きくなるやん。せやけど、メ
ッチャドキドキして、早よ挿れて欲しくなっとる。)
「うっはぁ、それすごいですね。」
「嫌か?」
「いえ、どんな感じなのか楽しみです。」
「ふっ、流石だな。挿れるぞ。」
スライムのベッドのおかげで、非常に挿れやすい高さになっている毛利の蕾に、越知は自
身を一気に挿入する。今まで毛利の反応を見ることに徹していたこともあり、自分自身へ
与えられる直接な刺激に、越知は期待以上の快感を感じる。
「くっ・・・!!」
「あああぁんっ!!」
「ハァ・・・毛利・・・」
思ったよりも余裕のない越知の顔を見て、毛利はドキドキしてしまう。そんな越知に腕を
伸ばし、毛利は甘い声でねだる。
「キスしながら、ぎょーさん突いてください・・・」
そんなことを言われたら余計に余裕がなくなってしまうと思いつつ、越知は毛利のリクエ
スト通りに動く。首に腕を回してくる毛利の身体をしっかりと抱きしめ、毛利の唇と舌を
食むようなキスをする。それと同時に大きな楔で毛利の中を激しく穿つ。
「んむっ・・・んぁっ・・・んん、んんぅっ!!」
「んっ・・・ハァ・・・毛利っ・・・」
(月光さんのメッチャ気持ちええ・・・巻きついとる触手もええ感じに擦れて、ホンマた
まらん。)
(ああ、もっと毛利と深く繋がりたい・・・)
越知がそう考えると、越知から伸びている触手が抱き合っている二人の身体を結びつける
ように巻きつく。離れなくさせるような触手の動きに、毛利の胸はキュンキュンと高鳴る。
(触手に縛られて、俺と月光さん離れられなくなっとる。ああ、メッチャ嬉しい。)
「んぁっ・・・月光さ・・・んんっ・・・」
(毛利、毛利・・・)
上の口でも下の口でもしっかりと毛利と繋がり、越知は毛利のことしか考えられなくなる。
毛利をその腕に抱き、敏感な部分が擦れ合う心地良さに越知の絶頂感はすぐに限界近くま
で高まる。
「毛利・・・もう、出る・・・っ!!」
その言葉通り、毛利の中に熱く想いのこもった雫が放たれる。自分の中に越知が放たれる
快感に毛利も程なくして達する。
「んあっ・・・ああぁんっ!!」
(月光さんのぎょーさん出とる!メッチャ気持ちええ!!)
しばらく続く絶頂感に毛利は越知にしがみつきながら、その気持ちよさを全身で受け止め
る。お互いの身体をしっかりと抱きながら、どちらも呼吸を乱しているが、二人に巻きつ
いている触手はその力を緩めようとしない。越知に渡された触手の特性上、それは越知の
意思であった。
「ハァ、ハァ・・・毛利・・・」
「んっ・・・はい・・・」
「もう少しだけ、続けてもよいだろうか?」
色気たっぷりの表情でそう尋ねられ、毛利の心臓はドキンと跳ねる。こんな顔で言われた
ら断れないと、毛利は越知の言葉に頷いた。
「ええですよ。また、さっきみたいにしてください。」
「ああ。」
先程のように唇を重ねると、越知は再び毛利の内側を擦るように動き出す。
「んはっ・・・んっ・・・ああぁんっ!!」
(さっきよりもヌルヌルしとって、月光さんのぎょーさん擦れる・・・)
越知が出したモノのおかげで動かしやすくなっているため、より越知は先程よりも速くそ
れを動かす。それは毛利にとっても越知にとっても、快感を高めるための要素になってい
た。
「んっ・・・んむっ・・・んんんっ!!」
「んっ・・・はぁ・・・毛利っ・・・」
「月光さんの・・・気持ちええっ・・・もっと・・・ぎょーさん奥にください・・・!」
「ああ・・・お前の中も、熱くて濡れていて、すごく気持ちがいい・・・」
「あんっ・・・月光さんっ・・・んああっ・・・!!」
「毛利っ・・・!!」
キスの合間に越知と毛利は何度もお互いの名前を呼ぶ。舌が触れ、溢れてくる唾液が混じ
り、濡れた音が響く。深く深く繋がっている部分もぐちゅぐちゅと濡れた音が響き、二人
の快感をより大きなものにする。
(今日はホンマ月光さんと繋がっとる感じがする。ずっとこうしとったい。)
(毛利の体温が、中の熱さが、触れている部分が、全て愛おしい・・・)
相手への愛しさが極限まで高まり、二人の心と身体は多幸感に包まれる。二人で一つにな
る心地良さに溺れながら、深い深い絶頂の海へと沈んでいった。
越知が満足すると、二人を覆っていた触手は元の小さな種のような状態に戻る。バスタブ
を満たしていたスライムも越知が瓶を手にすると、その中に収まるくらいの量に戻った。
しばらく越知と繋がっていた多幸感の余韻にぼーっとしていた毛利であったが、後処理の
ため、越知がシャワーを使って優しく体を流してくれたりしているうちに、いつもの調子
を取り戻す。
「スライムと触手使ってするの、メッチャよかったですね。」
「ああ、予想以上だったな。毛利もそう思ってくれているのならよかった。」
「俺の希望、完璧に叶えてくれてありがとうございます!」
触手の形も越知にされている感を出すのも文句の言いようがないほど叶えてくれた越知に
毛利はお礼を言う。興味本位で自分がしたいことに付き合ってくれたことを考えれば、礼
を言うのは自分の方だと、越知も毛利に感謝の言葉を口にする。
「礼を言うのは俺の方だ。俺のわがままに付き合ってくれてありがとう。」
「いえ!ホンマに気持ちよかったですし、わがままだなんて思っとらんですから。」
恥ずかしそうに笑いながら、毛利はキッパリとそう言い放つ。それが嬉しくて、越知は後
ろから毛利をぎゅっと抱きしめる。
「つ、月光さん!?」
「お前は本当に俺を喜ばせることが上手いな。」
「そ、そうですかね?」
「俺は言葉にするのが苦手だから、どうすればこの想いがお前に届くかが分からない。」
毛利を好きだという気持ちは誰にも負けず、溢れんばかりなのだが、越知はそれをどう伝
えたらよいかが分からなかった。しかし、毛利はにっこりと笑って、越知の方に顔を向け
ながら、越知の言葉に答える。
「大丈夫でっせ!月光さんの気持ちは全部伝わっとるんで。」
「えっ・・・?」
「言葉にしなくても月光さん愛情表現豊かですもん。八尺様なのに、こんなに俺のこと大
事にしてくれて、俺がして欲しいことは何でもしてくれるし、抱きしめてくれたり、キス
してくれたり。さっきみたいなことすれば、月光さんの手が、月光さんの目が、月光さん
の全部が、俺を好きだってこと伝えてくれとるんです。俺、月光さんにメッチャ愛されと
るーって思っとりますよ?」
「そうなのか?」
「はい!ちなみに俺も月光さんと同じくらい、いや、月光さんに負けないくらい、月光さ
んのこと大好き!って思っとりますからね!」
照れながらも無邪気にそんなことを言ってくる毛利に、越知はより深く恋に落ちたような
気分になる。
「ありがとう。大好きだぞ、毛利。」
「えっへへ、俺も月光さんのこと大好きでっせ!」
どちらも相手の言葉に胸をときめかせながら、顔を見合わせて笑い合う。心がふわふわぽ
かぽかするような気分になり、幸せな気分で満たされる。
「そろそろ出て、寝室に移動しよう。」
「そうですね。今日も一緒に寝ましょうね!」
「もちろんだ。」
「あっ、せや!」
「どうした?」
バスルームのドアを開けながら、思い出したかのように毛利は越知の方を振り返る。
「種ヶ島さんからもらった漫画を見る限り、スライムや触手を使ってもっといろいろ出来
そうやないですか。せやからまた今度、いろいろ試してみましょうね!」
悪戯っ子のように笑いながらそう言う毛利に、越知はドキドキしてしまう。しかし、それ
は越知もしたいことであった。
「いいぞ。どんなことをしたいかまた予習しておかないとな。」
「あっはは、そうですね!楽しみにしときますわ。」
楽しげにそんな会話を交わしながら、越知と毛利は体を拭いて服を着る。手の平に収まる
くらいの触手とスライムを手に持つと、二人は良い気分のまま、寝室に移動するのであっ
た。
END.