あやかし達の享楽的な日常

「なあなあ、竜次。」
「んー、何だし?」
大曲の部屋で、大曲と種ヶ島はベッドでくつろぎながら本を読んでいた。種ヶ島が読んで
いるのは漫画であるが、その中で興味深いものを見つける。
「エロトラップダンジョンって、オモロそうやない?」
「はあ?いきなり何言い出すんだし。」
「いや、この漫画にあってな。こんなん出来たらメッチャ楽しそうやなーと思て。」
「面白そうだったとしても、ダンジョンは無理があるだろ。」
漫画を見せながら種ヶ島は楽しそうにそんなことを言う。確かに出来たら楽しそうではあ
るが、リアルでダンジョンを作るのはどう考えても無理だと、大曲は呆れながらそう返す。
「そりゃリアルなダンジョンは無理やで?せやけど、それっぽいことして遊べんかなーと
思て。竜次と俺が協力したら出来へんかな?」
「具体的には?」
そういうことを言ってくるということは、何か考えがあるのだろうと大曲は本を置いてそ
う問う。
「俺らの家の一室使うて、竜次の空間魔法で同じ部屋をループさせつつ、違う部屋みたい
にして、その部屋ごとに何かエロいことさせるみたいな。」
「ざっくりだな。でも、まあ、それくらいなら出来なくはないか。」
何となく種ヶ島のしたいことを把握し、大曲は顎に指を当てて考える。
「さっすが竜次やな!せっかくやから、マジックミラーみたくこっちからその部屋は見え
るんやけど、向こうからは見えないみたいにしたら、もっとオモロそうやん?」
「確かにな。別にするのは構わねぇけど、その部屋に誰入れるんだし。その話の感じだと、
俺らではねぇんだろ?」
「ツッキーと毛利とサンサンとアツでええやろ。」
「予想はしてたけどよ。仲間のそういうとこ見たいか?」
種ヶ島がそういう話が好きなので、他のメンバーのそういった話はよく聞くが、実際に見
るとなると少し気まずくはないかと、大曲はそう尋ねる。しかし、種ヶ島は実に楽しそう
な笑顔で頷いた。
「えっ、普通に見たいけど?話聞いてて、あないにすごいことしとるんやから、実際に見
てみたいと思うやん!」
「あー、お前はそうだよな。まあ・・・うーん、見たいと言えば見たいか。」
種ヶ島は夢魔なので、そういうことに対する興味は人一倍だ。そこに気まずいなどという
感情は一切ない。自分はどうだろうかと大曲は考えてみるが、少しの気まずさはあれど、
どちらかといえば見てみたい気持ちが強かった。
「ほんなら、試してみよか。どんなんがええか一緒に考えような☆」
「実際面白そうだしな。乗ってやるし。」
お互いの魔法と能力を駆使して、自分達の家にエロトラップダンジョン的要素を再現して
みようと、二人はわくわくしながら、どんなふうにするかを考え始めた。

それからしばらくして、大曲と種ヶ島は一つの部屋を使って、様々な仕掛けを仕込む。そ
れが完成すると、予定を合わせ、越知と毛利、君島と遠野を家に招いた。
「あの二人の家を訪れるのは久しぶりだな。」
「そうですね。最近は越知くんと寿三郎の家で集まることが多かったですし。」
「俺、大曲さんと種ヶ島さんの家行くの初めてです。」
「急に家に遊びに来いだなんてちょっと怪しくねーか?食いもんとかには注意した方がい
いかもな。」
媚薬チョコレートの件もあるので、遠野はあの二人のことを警戒していた。確かにそれは
注意が必要かもしれないと、他の三人は苦笑する。そうこうしているうちに、四人は大曲
と種ヶ島の家に到着する。
「とりあえず、インターホン鳴らしてみますか。」
ピンポーン
『おっ、みんな来たんやな。入って入って。』
インターホンを押すとすぐに種ヶ島が出たので、君島はドアを開け、家の中へ入る。玄関
のドアを閉め、それぞれ靴を脱いで家に上がると、フッと目の前の景色が変わる。
『えっ!?』
玄関にいたはずが、どこかの部屋に移動させられていた。何が起こっているのかと困惑し
ていると、まるでスピーカーから声が出ているような形で、種ヶ島の声が聞こえる。
『ビックリした?みんなに楽しんでもらおう思て、家ん中にアトラクションみたいなのを
竜次と協力して作ってみたんや。テーマは「エロトラップダンジョン」やで☆』
「全くまたこんなことをして・・・」
「エロトラップダンジョンって、阿呆か。」
こんなことだろうと思ったと、君島と遠野は大きな溜め息をつく。よく分からないが名前
を聞く限りそういうことなのだろうと、毛利はドギマギしてしまう。ドキドキしながら部
屋を見回していると、毛利は最初に他のメンバーの異変に気づく。
「ちょっ!!な、何でそないな格好になっとるんです!?って、俺も!?」
「はあ?って、おいっ!!君島、その格好・・・」
「遠野くんこそ、いつの間に・・・」
「・・・・・。」
まず第一の仕掛けとして、そこにいるメンバーの服装が変化する。この部屋に入ったとき
は普通の私服であったが、今は君島と遠野は仕事着の白衣のみを羽織っているだけの状態
で、毛利は長めのシャツのみを羽織っている状態、越知は下だけを穿いて、上半身は何も
身につけていない状態になっていた。
「越知だけ何で下穿いてんだよ?」
「上はなくなったがな。」
「種ヶ島くん、一体これはどういうことですか?」
おそらくこちら側の声は聞こえているだろうと考え、君島は種ヶ島に直接尋ねる。
『そういうことするときの格好で、好きだと思っとる格好になっとるはずやで。みんな着
衣の方が好きなんやな☆』
そういうことかと思いつつ、それぞれ他のメンバーの格好を改めて見てみる。
「越知、お前彼シャツが好きなんだな。毛利の格好、どう見てもそれだろ。」
からかうように遠野はそう言うが、越知はいつも通りの表情を崩さず、肯定も否定もしな
い。
「キミさんと遠野さんは似たような格好ですけど、遠野さんだけ足袋履いとるんですね。」
「君島がそういうのが好きってことだろ?まあ、知ってたけどな!」
「うるさいですよ、遠野くん。」
何となく性癖を暴露されているような恥ずかしさを感じながら、その部屋にいるメンバー
はほんの少し顔を赤く染める。
「服装は変えられたものの、まだ変な気分になったりはしてねぇな。」
「そうですね。これからどうなるかは分かりませんが。」
先程の種ヶ島の話を聞く限りでは、そうなってもおかしくはないと、君島と遠野は警戒す
る。部屋に何かおかしなものは見当たらないが、そこにいるメンバーはドキドキしていた。
『とりあえず、部屋にあるソファなりベッドなりでくつろいでええで。どっちに座るかは
ご自由に。』
絶対何か仕込んでいるだろうと思いながらも、この状況だと種ヶ島の言葉に従わないと部
屋から出られないだろうと予想し、四人は困惑しながらもどうするか相談する。
「どうする?」
「そのベッドやと、俺と月光さんにはちょっと小さいんで、ソファに座らせてもらいます
わ。こないな格好やと外にも出られへんし。」
「確かにそうですね。かなり不本意ではありますが、ベッドに座りましょうか。」
「仕方ねぇ。本当出てきたら処刑してやらねぇとだな。」
不本意ながらも、越知と毛利はソファに座り、君島と遠野はベッドに腰かける。しばらく
すると、ソファに座っていた越知と毛利の様子に変化が表れる。
「んっ・・・月光さん、俺、何や変な気分になってきました。」
「ああ、俺もだ。」
どちらも顔を紅潮させ、軽く呼吸を乱している。明らかに発情させられている二人を見て、
君島と遠野は自分達もそうなっていないか確認する。
「遠野くんは平気ですか?」
「今のところはな。君島もまだ大丈夫そうだな。」
まだそうなっていないことにほっとしつつ、君島と遠野はかなり妖しげな雰囲気になって
いるソファの二人に目をやる。
「何と言うか・・・」
「ああ?どうした?」
「寿三郎もそれなりですけど、越知くんのは服で覆われていてもなかなかですね。」
「あー、そうだな。」
発情させられている越知と毛利の熱は、まだ何をしているわけでもないが、かなり大きく
なっている。この状況だと、嫌でもそれが分かってしまうため、君島と遠野はついそこに
目がいってしまう。
「すんません、月光さん・・・キミさんと遠野さんがいるのは分かっとるんですけど、も
う我慢出来へんです!!」
「同感だ。何故だか無性にしたいことがあるのだが、それをしてもよいだろうか?」
「何ですか?」
尋常じゃないムラムラ感を抑えきれず、越知も毛利もそういうことをしたくなる。ただ何
かがしたいというよりは、明確にこれがしたいという欲求が越知の中に生まれていた。そ
のしたいと思っていることを毛利の耳元で越知はコソッと教える。
「っ!!」
「よいだろうか?」
「え、ええですよ。今の感じなら、それもきっと気持ちええと思うんで。」
普段はあまりしないようなことであるが、今はどうしようもなくしたくてたまらない。毛
利の許可を得て、越知はその準備をする。ソファから立ち上がり、カチャカチャとベルト
を外すと、充分な大きさと硬さになっている熱を外に出す。
『っ!!』
服の上からでも半端ない存在感を示していた越知のそれを見て、君島と遠野はその大きさ
に驚く。
「デカ・・・」
「直接見ると、なかなかの迫力ですね・・・」
ドキドキしながらコソコソとそんな会話を交わしていると、毛利がソファの上に膝と手を
つき、ペタンと座る。そして、越知を見上げながら大きく口を開け、軽く舌を出す。そん
な毛利の口の中に、越知は容赦なく大きな熱の塊を押し込む。
「んぐっ・・・んんんっ!!」
「ハァ・・・毛利。」
奥まで大きな熱を挿れられ、毛利はビクビクとその身を震わせる。そんな毛利の頭を両手
で押さえ、越知は口の中を激しく犯すかのように大きく腰を動かす。
「うわっ、マジかよ・・・エグ。」
「あの大きさですと、だいぶ苦しいでしょうね。」
「あんなん拷問と変わらねぇだろ。」
「まあ、当の寿三郎はそれを受け入れて、気持ちよさそうにしているようですが。」
「他の奴ら、俺のことドM扱いしてきやがるけど、アイツも大概だろ。」
なかなか激しいことをしている越知と毛利を見ながら、君島と遠野は若干引き気味な様子
でそんな会話を交わす。小声で話していることと今していることに夢中になっていること
もあり、越知や毛利の耳には二人の会話は届いていなかった。
(ちょっと苦しいけど、それ以上にメッチャ気持ちええ・・・このままやとイッてまうか
も・・・)
この部屋に仕掛けられた何がしかの効果もあり、毛利は苦しさよりも圧倒的に気持ちよさ
を感じていた。それは越知も同じであり、それほど時間をかけずに高みへと昇りつめる。
「んっ・・・毛利、そろそろ・・・」
毛利の頭を押さえている手に力がこもる。次の瞬間、毛利の喉の奥に熱い雫が放たれる。
「くっ・・・!!」
「んぁ・・・んんんんっ!!」
越知の蜜を嚥下しながら、毛利もビクビクと熱を震わせ、白濁の蜜を溢れさせる。
「んはぁ・・・はぁ・・・ハァ・・・」
「大丈夫か?毛利。」
「はい・・・大丈夫です。」
達したことで、先程までの耐えがたいムラムラ感はかなり治まっていた。その代わりに二
人の様子を眺めていたベッドにいる君島と遠野が困惑している様子を見せる。
「あの二人のそういうことを見ていたからと思いましたが・・・これは違いそうですね。」
「ハァ・・・マジでふざけんなよ。」
今度は自分達が発情させられていると気づき、君島と遠野は顔をしかめる。媚薬入りチョ
コレートを食べたときと同じように、どちらもだんだんと大きくなっていく身体の疼きに
耐えられなくなってくる。
「あー、くそっ、ダメだ耐えらんねぇ!!君島、ちょっとココに座れ!!」
君島をベッドの上に座らせると、同じ方向を向くように遠野も座り、大きく脚を開く。そ
して、触れて欲しい場所に君島の手を持っていくと、君島に寄りかかるようにして欲しい
ことを口にする。
「君島、キスしながらココを弄ってくれ。」
「ちょっ・・・この状況でそんなこと言われたら・・・」
そういう気分が高まっている状態でそんなことを言われたら断ることは出来ないと、君島
は困ったような反応を見せつつも、遠野の言う通りのことをする。後ろから遠野を抱きし
めるような形で、振り返り気味の遠野に君島は深い口づけを施す。そして、弄られること
を待ちわびている蕾に指を挿れる。
「んむっ・・・んああぁっ!!」
「んんっ・・・」
唇が重なり舌が触れ合うと、腰のあたりが甘く痺れるような快感が二人を襲う。遠野と舌
を絡ませたまま、君島は遠野の内側を丁寧に且つ激しく弄る。
「んぁっ・・・ん、んん・・・はぁんっ・・・!」
(ああ、遠野くんのココの触り心地も反応もたまらない。)
(あー、見られてるのとか本当どうでもよくなるくらいスッゲェ気持ちイイ・・・)
媚薬効果のある何かの影響で、君島と遠野は越知と毛利に見られていることなど関係なし
に今感じている快楽を貪る。だいぶ気分の落ち着いた越知と毛利は、ドキドキしながらも
そんな二人から目が離せなくなる。
「うっはぁ、キミさんと遠野さん、ガッツリしとりますね。」
「ああ。」
「メッチャエッチなんですけど、それだけやなくて、んー、何て言えばええんやろ?綺麗
な?ちゃうな・・・絵画みたいな?上手く表わせへんけど、そないな感じありますよね。」
神主の装束や巫女服の白衣のみを纏い、全てが見える状態にはなっておらず、艶めかしい
肌が見え隠れしているその姿は、どこか風雅な雰囲気が漂っていた。毛利の言わんとして
いることは理解出来ると越知は頷く。
「お前の言いたいことは分かる。耽美的というか妖しい芸術的な美しさが感じられるな。」
「俺の語彙力じゃ表わせへんけど、きっとそういう感じなんやと思います。」
端から見ているとそのように見える二人であるが、当の本人達はそれどころではない。高
まっていく快感に翻弄されながら、より気持ちよくなろうと身体が勝手に動いてしまう。
「んはっ・・・あっ・・・君島ぁ・・・」
「ハァ・・・遠野くんのイイところ、もっと集中的に弄っていいですか?」
「んんっ・・・いいぜ。もっと、気持ちよくしてくれ・・・」
一旦唇を離し、君島と遠野はそんな会話を交わす。再び深く口づけると、君島は遠野の内
側を弄っている指を増やし、遠野が一番感じる部分を集中的に刺激する。
「んああっ・・・んんぅ・・・あっ!!」
(ヤベェ、こんなん気持ちよすぎてすぐ・・・)
一番感じる場所を容赦なく擦られ、遠野はビクビクと全身を震わせる。遠野がイキそうに
なっていることに気づき、君島は遠野の舌を食むように咥え、思いきり吸ってやる。
「んんん――っ!!」
そんな刺激に耐えられず、遠野は君島の腕をぎゅっと掴みながら激しく達する。中にある
指がぎゅうぎゅうと強い力で締めつけられる感覚にゾクゾクしながら、君島はゆっくりと
唇を離した。
「ハァ・・・ハァ・・・」
「遠野くんがイッたからか、だいぶそういう気分が落ちついてきました。」
「ハァ・・・君島はイッてなくてもそうなるんだな。」
君島と遠野がそんな会話を交わしていると、またどこからか種ヶ島の声が聞こえる。
『どっちもエロエロでなかなかよかったで☆これでこの部屋での条件はクリアやから、奥
のドアが開くようになったで。』
「本当ふざけんなよ!つーか、条件って何だったんだよ?あと、変な気分になる仕組みを
教えろ!」
種ヶ島の言葉に遠野は怒り口調でそう尋ねる。遠野が怒っていることなど意に介さず、種
ヶ島はその質問に答えた。
『この部屋での条件は、「滅多にしないけど実は好きだと思ってる前戯でどちらか一方が
イク」って内容やな。そういう気分になるんは、する方の近くでエッチな気分になる香を
焚いてるからやで☆タイミング見て、竜次が遠隔で火つけてくれてん。』
「香って、何も匂いせぇへかったし、そないなのあります?」
「見当たらないな。」
自分達がいる場所の近くを見回して見るが、そんなものはどこにも見当たらない。嘘を教
えられているのではないかと疑っていると、種ヶ島が楽しげに言葉を続ける。
『そりゃそうやろ。だってその香、透明やし無臭やからな☆』
「それは香と言っていいんですかね?」
それはもはや香とは言えないのではないかと、君島は納得いかないといった表情でそう返
す。
『透明にする前の見た目はまんま香やし、火つけんと使えへんからな。アツの質問にも答
えたし、次の部屋進んでもらおか。』
まだ続くのかとそこにいる四人は大きな溜め息をつきながら、部屋の奥にあるドアを開け
る。こんなことを続けたくはないが、ここから逃れるすべは何もないので進むしかなかっ
た。

四人がいる部屋の隣の部屋では、マジックミラーの要領で越知達の様子を見ながら、大曲
と種ヶ島が空間を操作したり、仕掛けを発動させたりしていた。隣の部屋の四人には、次
の部屋に入るような行動をさせているが、ドアを通ったと同時に今いる部屋に移動させ、
その部屋の様相を予め用意していた別のものに変えていた。
「ホンマ竜次の魔法すごいなあ。」
「これくらい余裕だし。つーか、人の見るのどうかと思ってたが、結構ありだな。」
「せやろー?ツッキーと毛利のイラマ、ヤバかったな。ツッキーの予想してたよりもデカ
くてドキドキしたし、あんなん受け入れられる毛利は流石としか言えへんわ。」
「アレは俺もマジかと思ったし。君島と遠野は思ってたより普通で拍子抜けだったな。」
「いや、逆にやろ。滅多にしないって条件でアレってことは、普段はもっとヤバいことし
てるんちゃう?」
「あー、なるほど。そんなふうにも解釈出来るのか。」
一つ目の部屋で越知・毛利、君島・遠野ペアがしていた内容の感想を言い合う。次はどん
なものが見られるのだろうとワクワクしながら、二人は四人のいる部屋に目を移した。

『次の部屋に移動出来た?』
「移動しましたけど、今度は何をさせる気ですか?」
種ヶ島の質問に君島は不機嫌そうな声色で答える。今度は条件を先に教えておいた方がよ
いかもしれないと、種ヶ島はその内容を答える。
『今度はそこのベッドで繋がってもろて、相手にこれを言ってもらうの好き!って言葉で、
強制絶頂してまう感じやな。ほんで、二人合わせて指定回数イクってのが条件や。まあ、
その言葉言うたらイッてまうから、そないに難しくはないはずやで。』
『なっ!?』
先程よりも明らかに難易度が高くなっている条件に、四人は顔を赤く染め、驚いたような
反応を見せる。
『強制絶頂、素のままだと耐えられへんわーって思うんやったら、そこの机にあるドリン
ク飲んどくとええで。体力的にも精神的にも圧倒的に楽になるような効果つけとるから。』
確かに机の上にはドリンクが置かれている。それを見て、遠野はどこにいるか分からない
種ヶ島に文句を言う。
「はあ!?こんなの飲むわけねーだろ!今、言った以外の効果もどうせつけてるんだろ。」
『せやから飲むのは自由やって。たとえそんな効果がついてたとしても、こんなことして
るのはこのドリンクのせいってことにも出来るしな☆』
それは確かに好都合だと君島は机の上にあるドリンクを手に取り、ごくごくと飲み干す。
「君島っ!?」
「味はスポーツドリンクに近いですね。喉が渇いていたのでちょうどよかったです。」
「ちょっ・・・お前、何普通に飲んで・・・」
どんな効果があるか分からない飲み物を平気で飲む君島に遠野は戸惑う。飲んだだけでは、
これといった変化はないので君島は安心する。
『さっきの部屋で、サンサン達は慣らしとったし先にする?ツッキー達からでもええけど。』
「どうせしなければならないなら、さっさと終わらせてしまいましょう。」
「チッ、仕方ねぇな。」
下手に抵抗するよりは受け入れてしてしまった方が早いと、君島と遠野はベッドに乗り上
げる。
『あ、例の言葉は繋がったら言いたくて仕方なくなるから、あえて考えんでもええで。』
それはどんな仕組みだと思いながら、君島は遠野を押し倒し、入口に自身を押し当てる。
「んっ・・・」
「さっきの部屋での感じなしにするのは、少し恥ずかしいですね。」
「へぇ、あの飲み物、そういう効果はねぇんだな。」
「この後どうなるかは分かりませんけどね。」
「とりあえず、早く終わらせるならさっさと挿れろ。」
「ええ。」
余裕のあるフリをしているが、越知や毛利に見られていることもあり、遠野はかなりドキ
ドキしていた。遠野に言われるまま君島は腰を進める。
「んあああぁっ!!」
「っ!!」
君島が入ってきて深いところで繋がると、遠野はある言葉を言いたくてしょうがなくなる。
(これが例の言葉ってことか?つまり、君島が俺に言われて嬉しい言葉ってことだよな。)
「き、君島・・・」
「何ですか?」
「好き・・・」
「ああぁっ!!」
試しに言ってみれば分かるだろうと遠野はその言葉を口にする。その言葉を発した途端、
自分の中に君島の蜜が放たれるのを感じる。
「んっ・・・君島にとっての例の言葉は『好き』ってことか。」
「んああっ!!遠野くん、分かってるならその言葉、適当に口にしないでください!」
遠野がその言葉を口にすると強制的に達してしまうので、君島は呼吸を乱しながらそう注
意する。そんな君島も先程から言いたくて仕方のない言葉があった。
「遠野くん。」
「ハァ・・・何だよ?」
「可愛いですね。」
「ひああぁんっ!!」
君島が『可愛い』という言葉を口にすると、遠野は達してしまう。まさかその言葉が遠野
の言ってもらうのが好きな言葉とは思っていなかったので、君島は心から遠野のことを可
愛いと思ってしまう。
「ふふ、可愛いと言われて達してしまう遠野くん、本当に可愛いですね。」
「やああぁんっ・・・あっ・・・くうぅんっ!!」
言われた分だけ達してしまうので、遠野は短い間隔で二度イッてしまう。
(これ、結構ヤベェかも。無理矢理イカされるのは仕方ないとして、そうでなくても君島
にそう言われると、意外と嬉しくてどうにかなっちまいそう。)
君島に可愛いと言われ、遠野の胸はキュンキュンとときめいてしまう。それに加えてもと
もと言いたくなるようになっているので、君島が言われると絶頂してしまう言葉を口にす
る。
「あんっ・・・君島、好きぃ・・・」
「んんっ!!ハァ・・・遠野くんっ・・・」
「ハァ・・・好き、好き・・・」
「くっ・・・ああぁっ!!」
自分の中に君島が出される感覚が心地よく、遠野は何度もその言葉を口にする。無理矢理
イカされてはいるものの、先程飲んだドリンクの効果か何度達してもそれほど辛くなる感
じはなく、むしろもっとイキたいと思えるほどの余裕を君島は感じていた。
「ハァ・・・そんなに私のことが好きなんですか?遠野くんは本当に可愛いですね。」
「んああぁんっ!!き、君島・・・」
「その可愛いところ、大好きですよ。」
「ああぁんっ!!んっ・・・ハァ、ハァ・・・」
お返しと言わんばかりに君島は『可愛い』という言葉を繰り返し口にする。
(可愛いって言われてイクのたまんねぇ。もっとイキたい・・・)
(ああ、イクたびに遠野くんのことが好きだという気持ちでいっぱいになる。)
「き、君島ぁ・・・もっと、俺のこと、可愛いって言って・・・」
「いいですよ。その代わり、遠野くんも私のこと、もっとたくさん好きって言ってくださ
い。」
どちらも胸をキュンキュンさせながら、その言葉をもっと言うように頼む。お互いに『可
愛い』『好き』を繰り返しながらイキまくっている二人を見て、越知と毛利は驚きと興奮
で顔を真っ赤にしていた。
「キミさんと遠野さん、こんなイチャラブセックスしよるんですね。ちょっと意外っちゅ
ーか、こないに好き合っとるんやなーってビックリしてます。」
「そうだな。」
「せやけど、どっちもメッチャ気持ちよさそうで羨ましいです。」
恥ずかしそうに笑いながら、毛利はそんなことを言う。おそらくこれから自分達もそうい
うことをしなければならない状況でそんなことを言われ、越知の心臓は大きく高鳴る。
「お前は俺とあのようなことをさせられるのは嫌ではないのか?」
「そりゃ、キミさんや遠野さんが見てる前でするんは、ちょっと・・・いや、メッチャ恥
ずかしいですよ。せやけど、月光さんとすること自体は全然嫌やないです。」
「毛利・・・」
「恥ずかしいん少しは誤魔化されるかもしれへんし、キミさんが飲んどったドリンク、俺
も飲んどこうかな。」
「それはお前の好きにすればいい。」
机の上にあるドリンクに手を伸ばし、毛利は一口だけそれを飲んでみる。
(キミさんの言ってた通り、スポーツドリンクみたいでメッチャ飲みやすいわ。)
意外とイケる味だと、毛利はそのドリンクを飲み干す。空になったコップを机の上に置く
と、種ヶ島の声が聞こえる。
『サンサーン、アツー、もう条件達成しとるで。』
「ハァ・・・何だよ?もう終わりなのか?」
「意外とすぐに終わりましたね。」
『いや、結構多めに設定しとったで?二人とも容赦なく言い合ってて、こっちがビックリ
したわ。』
条件達成を知らせると、君島と遠野は少し物足りないといった雰囲気で種ヶ島に言葉を返
す。とは言えども、どちらも数えきれないほど達してはいるので、一旦そこで終わらせる
ことにする。
「あんなにイッてたのに随分余裕があるみてぇだな。」
「ええ。あのドリンクのおかげかもしれませんね。遠野くんも余裕そうじゃないですか。」
「そりゃ君島にあんだけ中に出してもらえたからな。最高の気分だぜ!」
どちらも強制絶頂をさせられていたとは思えないような様子で言葉を交わす。
『何や随分楽しめたみたいでよかったわ。次はツッキーと毛利の番やな。毛利はドリンク
飲んどったけど、ツッキーは飲まんでもええ?』
「ああ、さして問題はない。」
『ほんなら、ええタイミングで始めたって。』
しないとこの部屋から移動出来ないことは分かっているので、越知と毛利も君島と遠野が
いるベッドの向かいにあるベッドの上に乗り上げる。
「体位はどうする?」
「え、えっと・・・このベッドも月光さんにはちょっと小さそうなんで、た、対面座位で
ええですか?」
「ああ、構わない。」
対面座位の体勢になりながら、越知はちらりと横目で君島と遠野の方を見る。君島と遠野
から見ると、越知と毛利は横向きの状態になっているので、二人の熱も表情もある程度見
える状態になっていた。自分の顔も毛利の顔も真正面からは見られたくないと、越知はあ
えてそうしていた。
「んっ・・・やっぱ、メッチャ恥ずかしいです・・・」
越知の熱に自身の入口をあてがいながら、毛利は目を潤ませながらそう呟く。
「あの二人のことは気にするな。目を閉じるか俺のことだけを見ていろ。」
「月光さん・・・」
越知の言う通り、毛利は目を閉じながら繋がる部分を慣らすかのように小刻みに腰を動か
す。
「んあっ・・・あっ・・・」
「・・・・っ」
君島と遠野からは越知のモノがしっかり見えているので、本当にそれが中に入るのかとド
キドキしながら二人の動向を見守る。毛利が動くたびに濡れた音が耳に届くようになると、
毛利は一旦その動きを止める。
「ハァ・・・月光さん、ちょっとだけ挿れてもええですか・・・?」
「ああ、俺は大丈夫だが・・・」
「ほんなら・・・」
まだ少し早い気はするが、早く越知と繋がりたいと毛利はぐっと腰を落とす。
「んああっ!!」
「くっ・・・毛利・・・」
「っ!?んああぁんっ!!」
先端が浅いところに入ったところで、越知が毛利の名を口にすると、毛利はビクビクと全
身を震わせ達してしまう。
「ハァ・・・ハァ・・・まだ、そないな感じではないのにぃ・・・」
「大丈夫か?毛利。」
「ひゃああぁんっ!!」
越知が名前を呼びながら声をかけるので、毛利は再び達してしまう。
(そうか。毛利が絶頂してしまう言葉は名前か。)
「んっ・・・ハァ、ハァ・・・月光さん・・・」
絶頂の余韻にビクビクしながら、毛利は蕩けた表情で越知を見る。無理矢理絶頂させられ
ているものの、越知の熱はまだ少ししか入っていないので、毛利はもどかしさを感じてい
た。
「月光さん・・・もっと奥に挿れても・・・」
「くっ・・・ああっ・・・!!」
「んあっ・・・えっ・・・!?」
もっと奥に挿れても大丈夫かを尋ねようとした途端、越知は毛利の中に熱い蜜を放つ。
「ハァ、ハァ・・・」
(思ってもみないタイミングやったし、たぶん俺の言った言葉のせいや。名前はその前に
も言うとるし・・・)
「ん・・・もう少し奥に挿れてもええですか?」
「ハァ・・・大丈夫だ。」
これかもしれないと思う言葉を除いて、毛利は同じような質問をする。今ので達しなかっ
た越知を見て、越知が絶頂してしまう言葉を毛利は理解する。更に腰を落とし、越知の熱
を全て自分の中に挿れると、毛利は越知にしがみつきながら荒い息を吐く。
「んんっ・・・はぁ・・ハァ・・・」
(月光さんが出してくれとったおかげで、思うてたよりすんなり挿れられたわ。ホンマに
月光さんの気持ちよくてたまらん・・・)
せっかく奥まで挿れられたので、例の言葉を試したいと、毛利は越知の首に腕を回し、そ
の言葉を耳元で呟く。
「月光さん・・・もっと・・・」
「んあっ・・・くっ・・・!!」
(ああ、やっぱりそうや。)
「も、毛利・・・」
「ふああぁんっ!!」
どちらも相手がどの言葉で絶頂し、自分がどの言葉で絶頂するかに気づく。何がしかの効
果もあり、その言葉を何度も口にしたい衝動にかられるが、もう少し普通にする心地よさ
を味わいたいと、毛利は上下に大きく腰を動かし、越知は毛利の口を自身の唇で塞ぐ。
「んんっ・・・んっ・・・んんっ・・・」
(月光さんのが中で掻き回されて、メッチャ気持ちええ・・・)
唇を離すと、ごく自然に例の言葉が口から漏れる。
「ハァ・・・毛利っ・・・」
「ああぁんっ!!つ、月光さんっ・・・もっとぉ・・・」
「んんっ・・・!!」
お互いにその言葉を発し、抱き合いながら達する。達すれば達するほど、相手を愛おしく
想う気持ちが溢れ、そんな相手と交わっていることへの多幸感にどちらも夢中になる。
(名前呼ばれてイクのメッチャ気持ちええ。もっと言って欲しくなってまう。)
(もっとゆっくりしてやりたいのに、名前を口にするのが止められない・・・)
少し堪えてはみるものの、その欲求に抗えずどちらもその言葉を何度も口にしてしまう。
「ああっ・・・もっと、もっと・・・!!」
「ぐっ・・・毛利っ!!」
「んああぁんっ!!」
自分達もこんな感じだったのだろうなと、少し恥ずかしくなりながら、君島と遠野は乱れ
に乱れている二人を眺める。
「エロいな。」
「そのままの感想ですね。まあ、こんなの見る機会なんてそうそうないですからね。」
「人のこういうの見せられるのなんて勘弁しろよと思ってたけど、意外と悪くねぇと思っ
てるあたり、アイツに毒されてる気がして何か腹立つ。」
「種ヶ島くんですか?彼は夢魔ですからねぇ。でも、その気持ちはわかります。」
少なからず種ヶ島の影響を受けてしまっているのだろうと、君島も遠野もドキドキワクワ
クとした心持ちで、越知と毛利のしていることを見てしまう。しばらくすると、種ヶ島の
声が聞こえる。
『ツッキーも毛利も条件達成したで☆お疲れさん。』
種ヶ島の声を聞いて、越知と毛利はゆっくりと呼吸を整え、触れ合っていた肌を離す。
「かなり中に出してしまったが大丈夫だろうか?」
心配しながらそう尋ねる越知に、毛利が答えるのを待たずに種ヶ島は口を挟む。
『毛利はドリンク飲んどったやろ?せやったら平気やと思うで。アツみたいに中出しされ
た分だけエネルギーになるみたいな効果もつけといたから。』
「なるほど。確かにあないにたくさんイッて、長いことしとったのに全然疲れてへんので
すよね。そういうことやったんですね。」
結構激しめにしていたに関わらず、疲労感がないのはそういうことかと毛利は種ヶ島の言
葉に納得する。
『せっかくやから、しんどいことなしに楽しんでもらいたいからな。次で最後やけど、次
のもメッチャ楽しめると思うで☆』
「まだあるのかよ!?」
「本当いい加減にして欲しいですね。」
まだ何かあるということを聞いて、君島と遠野は怒りつつ呆れたような口調でそう口にす
る。次で最後だという言葉を信じ、四人は部屋の奥にあるドアを開けた。

「なんや二つ目の部屋もみんな結構ノリノリでしてくれとったな!」
「確かにな。多少そういうことしたくなる効果があるにしても、あんなにガンガン言いま
くるのは予想外だったし。」
「それにしても、サンサンとアツは『可愛い』と『好き』、ツッキーと毛利は『毛利』と
『もっと』って、言われたい言葉がイチャラブカップル過ぎやったな!」
先程の四人のプレイについて、種ヶ島は楽しそうに笑いながらそんな感想を述べる。イチ
ャラブセックスは大好物だと言わんばかりに種ヶ島は機嫌よく大曲に話しかける。
「最後の部屋は俺らも参加させてもらおか。」
「はぁ?冗談だろ?」
「冗談やないで。せっかくやから、俺らも楽しみたいやん。」
そう言いながら、種ヶ島は次の部屋に仕込んでいる夢魔らしい魔法を自分と大曲にかける。
「夢魔の変身魔法、なかなかええやろ?サキュバスバージョンの俺、どや?」
「マジで勘弁しろし。お前はどう見ても黒ギャルだろ。」
「竜次はヒゲもなくなって、メッチャナイスバディで、美人なお姉さんって感じになっと
るで☆」
夢魔は自分もさることながら、他人をも性転換をさせられる変身魔法を使うことが出来る。
ただただ勝手に性転換させられっぱなしは気に食わないので、大曲は自身の変化魔法を使
ってこっそりある部分だけ変化させた。
「ほいじゃあ、部屋移動して直接みんなの反応確認しに行こか。」
「しゃあねーなあ。」
いつもよりはいくらか高い声色で、二人はそんな会話を交わし、他の四人がいる部屋へと
移動する。越知や毛利、君島や遠野がいる部屋では、種ヶ島と大曲と同じように性転換さ
せられた四人が混乱した様子で、お互いの身体を見て赤くなっていた。
「おっ、ええ感じに女体化しとるやん。はは、ツッキーとアツは、ガチ八尺様とガチ姦姦
蛇螺になっとるな。」
一般的な八尺様と姦姦蛇螺は女性のイメージであることから、越知と遠野を見て、種ヶ島
はそんなことを言う。
「種ヶ島!!お前、俺らにこんなことしやがって、終わったらただじゃおかねぇからな!」
種ヶ島の姿を見つけ、遠野はギャンギャンと文句を言う。
「えー、アツやって結構楽しんどるやん。あないにサンサンとイチャイチャして。」
「うるせー!!」
「というか、種ヶ島くんの隣にいるのは・・・」
「ふっ、俺も大概だけど、お前らもなかなかな感じになってるし。」
「大曲さん!?」
「お前も女になっているのか。だいぶ雰囲気が変わるな。」
かなり雰囲気の違う大曲を見て、君島、毛利、越知は驚いたような反応を見せる。
「ここの部屋では、その姿で好きなようにエッチして、お互いにイクってのがクリア条件
やな☆せっかくやから、俺らも参加させてもらうで。」
「お前らも参加すんのかよ!?」
まさかそうくるとは思っていなかったので、遠野は思わずつっこむような言葉を放つ。
「あっ、どうしても何か挿れたい言うんやったら、そこに張り型的なの用意しとるから、
好きに使ってええで☆」
種ヶ島の示す先に視線を向けると、そこにはそれなりの大きさの張り型が付いている下着
のような何かがあった。そうは言っても、構造が全く変わってしまったこの姿でどうすれ
ばいいのか分からないと、越知、毛利、君島、遠野の四人は困惑するような表情を浮かべ
る。
「まあ、まずは俺らがして手本を見せてやるか。」
「何や何だかんだで竜次もやる気満々やん☆」
「うるせーし。」
種ヶ島の服を脱がすと、大曲はソファに種ヶ島を引っ張って行き、自分の膝の上に乗せる
ように種ヶ島を座らせる。種ヶ島もサキュバスになっているので、脱がされてどこも丸見
えな状態に、他の四人は目のやり場に困ると思いつつも、二人に視線を向ける。
「男のときと多少大きさは違うが、ココが感じるのは一緒だし。せっかくだから、ここの
柔らかさを味わっておくのもいいんじゃねぇ?」
そう言いながら、大曲は手の平で種ヶ島の胸を揉み、指先でぷくっと勃ち上がっている突
起を抓む。
「ああっ・・・あんっ!!」
「ココが弱いのは、男でも女でも変わらねぇみてぇだな。」
いつもより高い声で妖しくそう囁かれ、種ヶ島はゾクゾクしてしまう。普段はないものが
あるのをいいことに、大曲はふわふわした柔らかいその手触りを存分に堪能する。
「ふあっ・・・竜次っ・・・そないにたくさん揉まれたら、気持ちよくなってまう・・・」
「なればいいんじゃねぇ?もっとコッチも弄ってやろうか?」
先程よりも硬くなっている突起を抓みながら、指の腹を使い、絶妙な力で擦る。
「やっ・・・ああぁんっ!!それ、アカンっ!!」
いつもとはかなり雰囲気の違う大曲に触れられながら、ビクビクとその身を震わせている
種ヶ島を見て、四人はドキドキと胸を高鳴らせ、下腹部が疼くような感覚に困惑していた。
そんな四人をちらりと見た後、大曲は種ヶ島の脚を大きく開かせる。
『っ!!』
「ちょっ、竜次!!こないな格好・・・」
「アイツらどうすればいいか分かってねぇみてぇだし、ちゃんと教えてやらなきゃだろ?」
「せやけど、さすがにこれはちょっと恥ずかしい・・・」
普段はない部分を晒され、種ヶ島は恥ずかしがるような素振りを見せる。しかし、それほ
ど嫌がっていないことを大曲は分かっていた。
「見られて興奮してるんだろ?口元が緩んでるの気づいてるぜ。」
種ヶ島にしか聞こえないような声で、大曲はそう囁く。大曲のそんな言葉にゾクゾクして
しまい、よりハッキリ緩んでしまいそうな口元を手で隠す。
「今しかないところを使ってみたいならココだ。後ろよりは濡れやすいし、まあ悪くはな
いと思うぜ。」
種ヶ島の蜜壷の入口に指を挿れ、軽く拡げながら大曲はそんな説明をする。
「んああっ・・・やっ・・ん・・・」
「もうぐちゃぐちゃじゃねぇか。大したことしてねぇのに濡れすぎだし。」
「だってぇ・・・」
「あとは、ココ。もともと俺らについてるもんに近いから、弄ってやると分かりやすく気
持ちよくなれるぜ。」
蜜が溢れてくる部分より手前にある小さな突起を大曲は軽く擦ってやる。その瞬間、種ヶ
島の身体がビクンと跳ねる。
「やああぁんっ!!そ、そこはっ・・・」
「んー、何だし?ココがどうしたって?」
種ヶ島の反応が可愛らしいと、大曲はその部分をいつもより細くしなやかな指先で弄る。
「あっ、あっ、やっ・・・りゅ、竜次、そないに弄られたらっ・・・」
ビクビクと下肢を震わせながら、種ヶ島は大曲の手を止めようとする。しかし、大曲は種
ヶ島の言葉を聞かず、更にそこを激しく擦る。
「ああぁんっ!!もぉ、アカン!!イ、イクっ・・・!!」
インキュバスのときのように何かが出るわけではないが、種ヶ島は激しく達する。そこか
ら指を離すと、大曲は種ヶ島の腰を軽く浮かせ、自身のズボンに手をかける。
「ハァ、ハァ・・・メッチャ気持ちよかった・・・」
「何満足しようとしてるんだし。ここからが本番だろ?」
そう言いながら、大曲は今はあるはずのない熱を種ヶ島の今しかない部分に押しつける。
「えっ!?ちょっ、何で竜次普通に生えとるん!?」
「単純に女にされるの面白くなかったから、変化魔法で戻したし。」
「竜次だけふたなりになっとるやん!」
「別にいいだろ。ほら、挿れるぞ。」
「待って・・・ひゃああぁんっ!!」
変化魔法で戻した熱を大曲は容赦なく種ヶ島の中に挿入する。
「やっぱ、いつもとはちょっと違うな。」
「あっ・・・んんっ・・・」
「この体位だし、お前がメインで動けや。」
背面座位に近い状態になっているので、大曲はそう種ヶ島に頼む。言われるまま、種ヶ島
は腰を上下に動かし始める。
「ハァ・・・んあっ・・・あっ・・・」
(いつもとは違う場所やけど、コッチも気持ちええ。腰、勝手に動いてまう。)
始めはおずおずと動かしている感じであったが、そのうち肌が触れ合う音が聞こえるほど
に激しい動きになっていく。
「ハァ・・・その動きは結構クるな。」
「あんっ・・・竜次っ・・・あっ、ああっ・・・!!」
せっかくサキュバスになっているということで、大曲は後ろから種ヶ島の胸を鷲掴みにす
る。
「んあんっ!!」
「フッ、やっぱここの触り心地最高だし。」
「竜次はサキュバスの俺のが好きなん?」
「いや、どっちも好きだし。お前なのは変わんねぇしな。」
そんな大曲の言葉に種ヶ島はキュンキュンしてしまう。
(微妙に竜次の胸が背中に当たるん興奮するし、中メッチャ気持ちよくて、そろそろアカ
ンかも・・・)
「んっ・・・竜次ぃ・・・ハァ、そろそろ・・・」
「お前がいい具合に動くから、俺もわりと限界かも。」
「ああっ・・・竜次っ!!あああぁんっ!!」
「くっ・・・!!」
女体化はしているものの、挿れているそれはそのままなので、大曲は種ヶ島の中にたっぷ
りと熱い雫を放つ。長めの絶頂感に身を震わせ、種ヶ島は恍惚とした表情で、大曲にくた
っともたれかかる。
「ハァ・・・ハァ・・・こないにぎょーさん竜次の出されたら、妊娠してまうかも。」
「はあ?この姿は一時的なんだから、そんなことねぇだろ。」
「はは、そりゃそうか☆とりあえず、ツッキーと毛利、サンサンとアツが終わるまではこ
の姿でいよか。」
普通に最後までして、冗談めいた会話を交わしている二人を見て、他の四人はドキドキと
したまま口を開く。
「何だかもういろいろ混乱しますね。」
「大曲のがついてたせいで、女同士なのかどうなのかもよく分からなくなってたしな。」
「ただ、かなり具体的に説明してもらったおかげで、どうすればよいのかは何となく理解
した。」
「具体的すぎて、ドキドキしっぱなしでしたけど・・・」
「ほんで、次はどっちがやる?」
大曲の膝から下り、脱がされたシャツを羽織りながら、種ヶ島はそう尋ねる。君島と遠野
が渋っているような表情を見て、越知が返事をする。
「俺達がしよう。」
「月光さん!?」
「お前が乗り気でないのは分かる。しかし、今のお前に早く触れたくて仕方がない。」
大曲と種ヶ島はしているのにあてられ、越知は毛利に触れたくてたまらなくなっていた。
それならばと毛利も頷く。
「月光さんがそうしたいならええですよ。俺も今の月光さんに触ってみたいと思いますし。」
空いているベッドに乗り上げ、越知と毛利は向かい合わせに座る。バランス的にはそこま
でではないものの、もともと長身な二人は、サイズだけで言えば胸もお尻もそれなりの大
きさがあった。
「触れてもよいだろうか?」
「は、はい。俺も、月光さんの触ってもええですか?」
「ああ。」
ドキドキと胸を高鳴らせながら、越知と毛利はお互いの胸に手を伸ばす。それなりの大き
さのそれは、触れればムニュっとした柔らかさとふわふわとした肌触りを手の平に伝える。
(うっわあ、メッチャ柔らかぁ。触り心地最高やん!)
「つ、月光さんのおっぱいの触り心地、メッチャ気持ちええです。」
「お前のもとても心地のよい感触だ。」
「あの・・・もっと揉んでみてもええですか?」
「構わない。その代わり、俺もそうさせてもらうぞ。」
触り心地のよさに感動しながら、越知と毛利はお互いの胸を揉み合う。しばらく揉み合っ
ていると、だんだんと気持ちよくなり、どちらも息が荒くなってくる。
「ハァ・・・んっ、月光さん・・・」
「毛利・・・」
(もっと別の場所にも触れたい。味わいたい。)
普段はない場所を揉み揉まれ、興奮している越知はそんな欲求を感じる。一旦、毛利のそ
こから手を離し、その欲求を毛利に伝える。
「毛利のココ、舐めたいのだが、よいだろうか?」
「えっ!?」
毛利の脚を開かせ、その中心に軽く指を触れながら越知はそう尋ねる。それを聞いて戸惑
うものの越知がそうしたいならばと、毛利は興奮した様子で頷く。
「は、恥ずかしいですけど、ええです。」
「ありがとう。」
普段より柔和な表情で微笑む越知に、毛利の胸はひどくときめく。
(こんなんが八尺様やなんて、ホンマ信じられへん。)
毛利の許可も得たので、越知は毛利の脚の間に顔を埋め、八尺様らしい長い舌で秘部をベ
ロリと舐める。
「んああぁんっ!!」
毛利の反応と味わったことのない毛利の味に興奮し、越知はいつもの言葉を口にする。
「ぽぽぽぽ・・・」
「ああぁんっ・・・月光さんっ・・・!!」
(前言撤回!やっぱ月光さんは八尺様や!)
越知のその言葉を聞くと感じやすくなってしまうので、毛利はそこを何度も舐められ、ビ
クビクと脚を震わせる。
「あんっ・・・そこ、気持ちええ・・・んあっ・・・!」
「毛利・・・可愛い。」
「ひゃあっ・・・んあぁんっ!!」
もっと奥まで味わいたいと、越知は長い舌を蜜の溢れるそこに挿入する。思ってもみない
その刺激に毛利は達してしまう。
「んあああぁっ!!」
(毛利の味・・・たまらない。)
直接味わう毛利の味に舌鼓を打ちながら、越知はずるりとそこから舌を抜く。
「んあっ・・・ハァ、ハァ・・・」
「・・・・・。」
蕩けるような表情で脱力している毛利を見て、越知はどうしても今しかない毛利のそこに
何かを挿れたくなる。種ヶ島が用意した張り型付きの下着を手に取ると、ズボンを下ろし
それをつける。
「ツッキー無言で一番大きいの選んでつけよるな。」
「流石だし。」
「一応、あのこと教えといたるか。」
先程交わっていたソファに座り、種ヶ島と大曲は越知と毛利の百合エッチを眺めていた。
張り型を手にした越知にその特徴を教えておいてやろうと、種ヶ島は越知に声をかける。
「ツッキー、それ、つける方の内側に淫紋描いてあって、挿れたらホンマに自分の挿れて
るみたいに気持ちよくなれるで。あと、毛利がイッたら連動してツッキーもイクから、存
分に楽しんでな☆」
理解したと言わんばかりに、種ヶ島に視線を向けた後、越知は毛利の入口に今しがたつけ
たそれをあてがう。越知のモノと同じくらいの大きさのそれにドキドキしながら、毛利は
熱い吐息を漏らす。
「ハァ・・・月光さん・・・」
「挿れてもよいだろうか?」
「はい・・・挿れてください。」
種ヶ島の話を聞いて、実質越知のモノを挿れられるのと同じだと思い、毛利は越知の言葉
に頷く。いつもとは違う状態で繋がることに、越知も毛利も下腹部が熱く疼くのを感じて
いた。
ずぷっ
「ひゃああっ!!」
「んんっ・・・!!」
(これは・・・)
毛利の中に挿れているのは自分のモノでないはずなのに、ゾクゾクと甘い快感が越知の腰
周りを包む。
「すご・・・大きい・・・」
「大丈夫か?」
「大丈夫でっせ・・・月光さんの挿れられてるみたいで、ええ感じです・・・」
気持ちよさそうな顔で笑いながら、毛利はそう答える。そんな毛利の表情に越知は我慢な
らなくなる。仰向けになっている毛利の手を握り、越知はいつもしているように腰を動か
す。
「んああっ・・・あんっ・・・奥まできとるっ・・・!!」
「ハァ・・・んっ・・・」
「ああっ・・・気持ちええっ・・・月光さんっ!!」
「毛利っ・・・!」
どちらもいつもより高い声で心地よさを表す言葉を放つ。自分のモノではないが、激しい
ピストンを繰り返していると、淫紋の効果もあってか越知はイキそうになる。
「んっ・・・イキそうだ・・・」
「ハァ・・・俺もっ!!すごいのきちゃいます・・・!!」
「毛利・・・」
「月光さんっ!!ひゃああぁんっ!!」
「ああっ!!」
大きな張り型で奥を突かれ、毛利は越知の手をぎゅうっと握りながら達する。種ヶ島の言
っていた効果通り、毛利がイクと同時に越知もこの上ない心地よさを感じて達する。
(いつもとはだいぶ違う感じだが、これはこれでよかったな。)
「ハァ・・・月光さん・・・」
「・・・どうした?」
「この身体でするのもメッチャ気持ちよかったです。それに、月光さんも気持ちよさそう
やったんで、嬉しかったです。」
軽く呼吸を乱しながらも、嬉しそうに笑ってそういう毛利に越知はきゅんとしてしまう。
張り型を抜き、それを外すと、毛利身体を起こして、ぎゅうっと抱きしめる。
「本当にお前は可愛いな。大好きだ。」
「えっへへ、今の月光さんにぎゅうってされると、どこもかしこも柔らかくて、何やくす
ぐったいですわ。」
事が終わって、甘くふわふわした雰囲気でイチャイチャしている越知と毛利を見て、種ヶ
島はニヤけてしまう。
「ツッキーと毛利は、ホンマ百合百合しくイチャついとってええなあ。」
「がっつりした後だけどな。まあ、アイツららしいっちゃらしいけどよ。」
何だかんだでしっかりとすることをして、甘くイチャついている越知と毛利を前にし、君
島と遠野は、羨ましい気持ちと今度は自分達の番という緊張とどうすればよいのかという
困惑する気持ちとで、形容し難い表情を見せる。
「あとはサンサンとアツやで☆」
「分かってますよ。」
「ったく、何で俺らがこんなこと・・・」
そう言いながらも、とりあえずベッドに乗り、お互いの身体をまじまじと見る。
「遠野くんはそんなに胸は大きくないですが、形やバランスは完璧じゃないですか。造形
美を感じさせるそのプロポーション、本当腹が立ちますね。」
「はあ?お前だって、無駄に胸とケツはデカいくせにウエストは細いし、顔とのバランス
は完璧だし、本当ムカつくぜ。」
「はは、喧嘩腰でメッチャ褒め合っとるやん。」
悪口を言い合っているような雰囲気で、お互いの身体をベタ褒めしている君島と遠野の言
葉を聞いて、種ヶ島は笑いながら茶々を入れる。そんな種ヶ島の言葉は聞き流し、君島は
遠野の脚を開くと、その中心に自身の同じ場所をぴったりとくっつける。
「んっ!!」
「せっかくいつもとは違う身体になっていることですし、全身でお互いのこの身体を堪能
しましょう。」
「フッ、悪くない提案だな。作り物は使わず、この身一つで勝負ってことか。」
「別に勝負はしないですけどね。」
仰向けに寝ている遠野に覆いかぶさるように、君島はそのたわわな胸を遠野の胸に押しつ
ける。普段とは違う全体的に柔らかなその感触に、どちらもドキドキと胸を高鳴らせる。
「ゆっくり動きますよ。」
「ああ。」
全身を遠野の身体に擦りつけるように君島は動き出す。いつもより分かりやすくなってい
る胸の突起や濡れた秘部が擦れ合い、君島も遠野もだんだんと気持ちよくなっていく。
「んっ・・・あっ・・・あんっ・・・」
「ハァ・・・ふふ、遠野くんのココ、だんだんと硬くなってきてますね。」
「お、お前だってそうだろ!デカいから圧迫されて、無駄に擦れんだよ。」
「でも、ココが擦れるのすごく気持ちいいでしょう?」
妖しげな笑みを浮かべ、軽く呼吸を乱しながらそんなことを言ってくる君島に、遠野はド
キッとしてしまう。
(身体が女になってようが、やっぱ君島は君島だな。)
肌が触れ合っていることへの興奮と次第に高まっていく快感に、自然に溢れてくる蜜を止
められず、二人のそこはだんだんと濡れていく。互いの蜜でぬるぬるになると、そこはよ
り動かしやすくなり、隠れていた突起も分かりやすく勃ち上がってくる。
「ひあっ・・・!?」
「んんっ・・・!」
少し大きくなったそこが直接触れ合うと、どちらも先程とは比べものにならない鮮やかな
快感に身を震わせる。
「ココ、すごく気持ちいいですね。」
「ハァ・・・こんなんダメだ・・・」
「ダメじゃないでしょう?」
クチュ・・・
「んああぁんっ!!やっ・・・君島ぁ・・・」
「遠野くんのココは感じやすくていいですね。もっと気持ちよくなりましょう。」
自身も遠野ももっと気持ちよくなりたいと、君島は先程より激しくそこを擦りつける。
「あんっ・・・あっ、あっ・・・んあんっ!!」
「ハァ・・・可愛いですよ、遠野くん。」
「ああっ・・・君島ぁ・・・やっ・・・ああぁんっ!!」
(君島のが俺のに擦れるの、気持ちよすぎておかしくなる!!)
圧倒的に君島よりも感じている遠野は、ただただその快感に身を任せるしかなかった。そ
んな遠野を心から愛らしいと思っている君島は腰の動きを止めることなく、その艶やかで
可愛らしい反応を存分に堪能する。
「あっ・・・き、君島っ・・・もう何か・・・何か・・・」
「イキそうなんですね。いいですよ。存分にイッてください。」
遠野がイキそうになっているので、君島はより深くイッてもらおうと下だけではなく、胸
の突起もしっかりと重ね合わせ、自身の胸で擦り上げてやる。そんな刺激もあいまって、
遠野は背中を仰け反らせ、ビクビクとその身を痙攣させる。
「ひあっ・・・あああぁんっ!!」
遠野が痙攣していることで、君島と重なっているそこはさらに激しく擦れる。
(これは私もイッてしまいそうだ。)
自分も早くイキたいと、君島は遠野がイッていることなどお構いなしに腰を動かし続ける。
「あああぁっ!!君島っ・・・もぉ動くなぁ・・・!!」
「ハァ・・・私もイキそうなんですよ。少し我慢してください!」
「やああぁっ!!もっ・・・あっ・・・ひっ・・・」
「んっ・・・イクっ!!」
「ひあっ・・・イッてるのに、また・・・んあああぁっ!!」
プシャアアッ
君島が達したのと同時に遠野は潮を吹く。自身の下肢が遠野の放ったそれでビショビショ
になったことに君島は何とも言えない恍惚感と満足感を覚える。
「ハァ・・・遠野くん。」
呼吸を整えながら、君島は遠野からゆっくり身体を離す。自分の下でいまだに呼吸を乱し
て、蕩けていた様子の遠野くんの姿を見て、君島はあることに気づく。
「戻ってますね。」
「確かに・・・男だし、もともと着てた服に戻ってるな。」
今しがた放ったものは全てなくなり、綺麗なシーツの敷かれたベッドに二人で服を着たま
ま乗っている状態になっていた。
「サンサンとアツも条件達成したから、女体化も部屋も服も全部元通りになったで☆」
「もともとそんなふうに仕込んどいたからな。」
ここで最後だという言葉に嘘はなかったと思いつつ、越知、毛利、君島、遠野はこんなこ
とに付き合わされた少しの怒りと予想以上の充実感を感じながら、複雑な表情で仕掛け人
の二人を見た。

「いやー、メッチャ楽しかったわ☆」
「まあ、悪くはなかったんじゃねぇ?」
何の仕掛けもない部屋に戻すと、大曲と種ヶ島は他の四人にお茶とお菓子を振る舞う。始
めこそ警戒していたが、アレだけたくさんした後に、そういう効果のあるものは用意しな
いという種ヶ島の言葉を信じ、普通に飲み食いすることにした。
「大曲くんは本来止めるべきポジションじゃないんですか?」
「部屋の仕掛けとか、考え始めたら意外と面白くなっちまってよ。」
「種ヶ島とあんだけつるんでるんだ。そりゃそっち側だろうよ。」
「よく分かってるやん、アツ。」
大曲の協力がないと今回のことは実現出来なかっただろうと考え、遠野はそんなことを言
う。その通りだと種ヶ島は嬉しそうに頷いた。
「それにしても、ツッキーと毛利のイラマにイチャイチャ百合エッチ、サンサンとアツの
好きと可愛いの応酬に貝合わせ、どれも最高やったなぁ。」
仲間の様々なパターンのエッチが見れたのは夢魔としては満足度が高いと、種ヶ島はしみ
じみとそう口にする。
「お前のくだらない趣味のために俺らを巻き込むんじゃねぇよ。」
「くだらないってひどいなあ。アツやってえらい楽しんどったやん。見られるんも見るん
もええスパイスになったやろ?」
あからさまに認めはしないが、それは少し分かると、そこにいるメンバーは心の中で頷く。
「見るんも見られるんも恥ずかしくてメッチャドキドキしましたけど、キミさんと遠野さ
んは思ってたより好き合ってて、ぎょーさん気持ちよさそうでええなあと思いましたし、
女の子な大曲さんと種ヶ島はホンマ美人でエッチで、目が離せへんかったです。」
「同感だ。始めは圧倒的に戸惑いの方が多かったが、毛利としたことも含め、そこまで悪
くはなかった気がするな。」
素直に肯定的な感想を口にする毛利と越知に、種ヶ島の顔はパァっと明るくなる。
「せやんなあ!よかったやろ?ほんなら、また第二弾でもしようかなー。」
「本当勘弁してください。」
「そんなこと言ってると、もう絶対お前達の家、来ないからな!」
「はは、冗談やって☆」
さすがに勘弁して欲しいと、君島と遠野は心底嫌そうな顔でそう口にする。
「君島と遠野は、そんなに嫌だったのか?よかったとこ何もなしかよ?」
そんなことはないだろうと、大曲はそう尋ねる。部屋を作るのを手伝った手前、少しでも
プラスの評価が欲しいと思っていた。
「まあ・・・強いて言うなら、二番目の部屋で君島にたくさん中出ししてもらえたのは、
悪くなかったかも。」
「私は女の子同士のそれが、今までにない体験で少しだけよかったかなと思いますね。」
少しよかったと言っているが、この二人の場合、それはすごくよかったという意味になる
ため、種ヶ島はそれを聞いてニコニコと笑う。素直な感想に大曲もフッと口元を緩ませる。
「少しでも楽しめたんならよかったし。」
「せやな☆いろんなエッチしてパートナーとの絆も深まったし、他のペアのも見れて楽し
めたし、エロトラップダンジョンごっこ大成功やな!」
そんな種ヶ島の一言に呆れつつも、そこまで間違ってがいない気がして、ここに招かれた
四人も思わず笑みが溢れるのであった。

                                END.

戻る