あやかし達の魅力的な日常

種ヶ島が遠野や越知に触手を渡してから数日後、いつものメンバーは再び越知と毛利の家
に集まった。種ヶ島が感想を聞きたいという目的で集まったのだが、他のメンバーも自分
達以外の話を聞きたいと思っていた。
「俺の作ったヤツの感想聞くのメッチャ楽しみやわ。なるべく詳しく教えてな!」
そういう話を聞くのが大好きな種ヶ島は、うきうきとした様子でそう口にする。相変わら
ずだなーとそこにいるメンバーは皆苦笑していた。
「どうやって聞いてこうかなー。渡した順に話してもろて、あとはノリでって感じにする
んがええか。」
聞きたいことはたくさんあるが、ある程度どう話すかを決めておかないと話しづらいだろ
うと、種ヶ島はそんなことを言う。
「ちゅーわけで、まずはアツとサンサンからやな!」
「俺らからかよ?」
「まあ、まず渡しに行ったのは遠野のとこだしな。」
大曲は種ヶ島と共に触手やスライムを渡しに行っているので、どのような順番かを把握し
ていた。そういえば、自分達のところに来た後、越知のところに行くと言っていたかもし
れないと、君島と遠野はぼんやりとした記憶を思い出す。
「結局、触手はどっちの体液使ったん?」
君島のものの方がいいかもと話はしたものの、実際にはどうしたかは分からないので、種
ヶ島は聞いてみる。
「君島の血液使ったぜ。俺のコレクションの鉄の処女を使ってなぁ!」
『えっ!?』
鉄の処女を使って血液を使ったということを聞いて、君島以外のメンバーはざわつく。い
くら不死になったとは言えどもさすがにそれはと、困惑するような反応を見せる。
「遠野くんの言い方がよくないですけど、みなさんが想像しているようなことはないです
よ。遠野くんがどうしてもと言うので、鉄の処女の中にある一番小さな針を使って、軽く
指を刺して少しの血を出しただけです。」
「なるほどな。ちょっとビックリしたし。」
「ちゅーか、血液にしたんやな。一番ハードル高いから、唾液とかもっと簡単なのにする
かと思ってたわ。」
「私もそうしたかったんですけどね。遠野くんがどうしても血液がいいと言うので。」
「血液使うて触手召喚するって、ホンマそういう漫画の儀式みたいですね。」
毛利の言葉に誰もが頷く。遠野も毛利の言葉に同意した。
「だろぉ?せっかくだから、そういう雰囲気があった方がいいと思ってな!」
「付き合わされる身にもなって欲しいものです。」
呆れた口調でそう返す君島に、種ヶ島はさらに質問を重ねる。
「ほんで、結局サンサンは触手大丈夫やったん?」
「ああ、それなんですけど、私達が使った触手、透明になってしまったんですよね。」
「まるでお前の不会無か更互無みたいだったぜ。お前がそういうふうになるようにしたん
じゃねぇのか?」
そこは聞いてみたかったところだと、遠野は種ヶ島に確認する。当然種ヶ島はそんなこと
はしていないので、驚きながらも楽しげな反応を見せる。
「透明な触手!?何やそれ、オモロイやん!俺はそんな機能つけてへんで。」
「んじゃ、やっぱ君島の血液の影響だな。」
「そうみたいですね。」
「透明な触手か。確かにそれは興味深いし。君島がにょろにょろしたものが苦手で見たく
ないっつー意思が影響してるってことか。」
君島と遠野の話に大曲も興味を持つ。一見興味なさそうな越知も素直にすごいという反応
をしている毛利も二人の話には興味津々であった。
「透明で見えてへんかったんなら、サンサン大丈夫やったってことやんな?」
「ええ。」
「ほんで、その透明な触手はどんなことしたん?そこらへん、詳しく教えてもらわんと。」
「詳しくって言われてもなあ。まあ、まず巫女服のまま、聖アンデレの十字架に磔にされ
て、その状態である程度服脱がされて、上半身とか胸弄られたり、下咥えられたりみたい
な?たぶんだけどな。」
遠野自身も触手は見えていなかったので、本当にそうかは分からないといった雰囲気で話
す。しかし、その状況を想像するとかなりエッチだと、そこにいるメンバーはドキドキし
てしまう。
「当たり前のようにアツのコレクション使われてるんウケるわ。それは触手にってことや
んな?せやけど、サンサンには触手見えてへんのやろ?どう見えとったん?」
「どうと言われても・・・触手がしているのはなんとなく分かっていたので、何をされて
るか遠野くんに都度聞いてましたけど。」
「えっ!?その状況で遠野さん自分がされてること説明しとったんですか!?」
「なんとなくでしか答えられなかったけどな。」
「えー、俺やったら恥ずかしすぎて、そんなん説明出来へんです。」
遠野の状況を想像して、毛利は素直な感想を口にする。それを聞いて、遠野は少し恥ずか
しくなってしまう。
「しょ、触手が見えねぇんだから、説明するしかねぇだろ!」
「あー、そういう面もあるんやな。」
「はあ?何がだよ?」
「いや、何でもあらへんで☆」
透明な触手であることの君島にとっての利点をもう一つ見つけ、種ヶ島は悪戯に笑う。
「ほんで、その後は?そこで終わりやないやろ?」
磔のところで終わりなはずはないと、種ヶ島は遠野にそう尋ねる。触手の特性上、君島に
聞くより遠野に聞いた方がいろいろな話を聞けるはずだと考えていた。
「磔から下ろされた後は、着てるもん全部脱がされて、丸呑みみたいなことされたな。丸
呑みはトラウマで混乱して一瞬パニックになったけどな。」
「丸呑みがトラウマって、遠野さん丸呑みされたことあるってことですか!?」
「遠野は姦姦蛇螺だからだろう。姦姦蛇螺になるきっかけが大蛇に下半身を喰われて、村
人達に腕を切り落とされ・・・というような話ではなかったか?」
毛利の疑問に越知は自分が知っている話を聞かせる。その話を聞いて、毛利は青ざめる。
「そんなひどいことがきっかけなんですか!?そんなんトラウマなって当然ですよ。」
「もう昔の話だ。ただ、あまりにもその感覚に似てたからよ、そのときの恐怖と絶望感思
い出しちまって、泣き叫んじまった。」
「いやいや、それエグすぎやろ。」
「さすがにだし。」
遠野に渡した触手の特性を知っている種ヶ島と大曲は、君島を見ながらそう口にする。
「まあ、すぐに君島が大丈夫だって落ち着かせてくれたんだけどな。そのときの君島が、
口調とか言ってることはすげぇ優しい感じだったんだけどよ、表情がメチャクチャ興奮し
てる感じで、逆に冷静になれたぜ。」
「・・・あんな遠野くんを見たのは初めてだったもので。」
『うわあ・・・』
気まずそうにそう口にする君島に、大曲と種ヶ島は若干引いてしまう。
「落ち着いた後は、丸呑み触手で全身撫でられながら、上の口には君島のを、下の口には
触手を挿れられて、かなりイイ感じだったな。丸呑み最高だなって思うくらいにはよかっ
たぜ。」
「いや、丸呑みのトラウマ克服しとるやん!!」
「マジかよ。そういう流れになるのか。」
まさかの展開に種ヶ島と大曲は驚く。
「それが終わったら、触手に床に押さえつけられながら、後ろ手に縛られる感じで、君島
に後ろからしてもらって、最後までして終わりって感じだな。」
後は特段変わったことはなかったと言わんばかりに、遠野はさらっと説明をして話を終え
る。
「透明な触手で、磔責めに、丸呑みに、拘束されながらバックかー。サンサンとアツ、な
かなか濃いことしよるな。」
「つーか、遠野に渡した触手の性質上、君島はドSが過ぎるし。」
「どういうことですか?私は特に何もしてませんよ。」
「ちょっと説明したかもやけど、アツに渡したのは、体液の主の意思や性格を反映して、
自動的に動く仕様やねん。話聞いてる限り、アツはずっと拘束されて自由には動けないよ
うにされとるやん?しかもトラウマ呼び起こしとるみたいやし。」
「それは・・・」
確かにそうかもしれないが、それは触手でするならそれくらい当然のことではないかと君
島は思っていた。
「確かに俺、月光さんとしとったとき、一度も拘束はされてないかもです。俺と月光さん
離れんようには巻きついてきましたけど。」
「俺も竜次に巻きつけてもろたときは、腕や手は自由に動かせるようになっとったな。」
それを聞いて、君島は困惑するような表情を見せる。自分が操作しているわけではないの
で、無意識な部分が多くなってしまうが、実は遠野にひどいことをしていたのではと少し
不安になってくる。
「はあ?そんなの甘っちょろすぎだろ。こっちは触手が見えてねぇんだし、拘束されるく
らいのことされねぇと、触手にされてる感なくなっちまうし。」
「あー、確かにせやな。」
「それにトラウマ呼び起こされたって、最終的には克服してんだからむしろ有り難いくら
いだったし、それに・・・」
「何だし?」
「俺が触手にしてもらったこと、スゲェ君島らしくて最高だったぜ!俺を動けなくさせた
上で、好き勝手してくるところとかなぁ!」
「ちょっと待ってください!それだと結局私がひどい感じになりません!?」
自分を庇ってくれているつもりだろうが、言っていることは大曲や種ヶ島が言っているこ
とを肯定している内容なので、君島は思わずつっこみを入れる。
「ああ?俺が泣き叫んでるの見て、あんなに興奮してたんだから、否定出来る余地ねぇだ
ろ。」
「ぐっ・・・それは・・・」
それを言われてしまうと何も言えなくなってしまうと、君島は口を閉じる。
「だが、君島のそーいうところ、俺はスゲェ好きだぜ!」
「あっはは、ホンマにキミさんと遠野さんお似合いですね!」
「ああ、そうだな。」
君島のSっ気をキッパリ好きだと言い切る遠野の言葉を聞いて、毛利と越知は思わずそう
口にする。
「まあ、アツがそこまで楽しめたんなら、作った甲斐があったわ。ちなみにサンサンはど
うやったん?」
遠野の感想を主に聞いていたので、種ヶ島は君島にもどうだったか聞いてみる。
「触手が見えていたらおそらく無理でしたけど、透明であったおかげで最後まで楽しめま
したよ。遠野くんの反応もよかったですし。」
「透明で見えないおかげで、アツに自分の口でされてること言わせられたしな。」
「なっ!?」
「さっき毛利が言うとった通り、それって結構恥ずかしいことやと思うねん。サンサンそ
れ分かっとったし、だからこそ、結構ええなと思うとったんやろ?」
ニヤリと笑いながら、種ヶ島はそんなことを言う。図星なところがあるので、君島はそれ
以上否定も肯定もしなかった。
「サンサンも楽しめたようでよかったわ。ほいじゃあ、今度はツッキーと毛利の番やな☆」
「俺達の番ですって。月光さん、何から話します?」
「そうだな・・・時系列に沿って話せばよいのではないか?」
自分達はどう話そうかと毛利と越知は軽く相談する。それならばと、毛利は自分達のした
ことを話し出す。
「まずはスライムの方を使いました。風呂のバスタブ使うて、そこをスライムでいっぱい
にするみたいな感じで・・・」
「いや、待て待て。修二が渡したのはそんな量じゃなかっただろ?俺が見たのは、小瓶に
入るくらいの量だったぞ。」
「そうなんですけど、月光さんがぽぽぽってしたら、風呂ん中でブワッて増えて。」
「説明下手かよ。」
渡したのは小瓶に収まるくらいのスライムだったので、バスタブいっぱいにはならないだ
ろうと、大曲はつっこむ。毛利の説明を聞いてもよく分からないと遠野も口を挟む。
「まあ、上手いことやれば出来なくはないと思うけど、魔力が結構必要になるなあ。ツッ
キーや竜次なら全然余裕かもやけど。」
「月光さーん!」
自分には説明が出来ないと、毛利は越知に泣きつく。説明よりも実際見せた方が早いと、
越知は立ち上がり、種ヶ島からもらったスライムを持ってくる。
「見た方が早い。ついて来い。」
そこにいるメンバーを連れて、越知はバスルームに移動する。バスルームに到着すると、
あのときと同じようにバスタブにスライムを注ぎ、手をかざしていつもの言葉を口にする。
「ぽぽぽ・・・」
『っ!!』
一瞬でバスタブいっぱいになったスライムを見て、毛利以外のメンバーは驚く。
「はあー、ホンマにこんな量に出来るんやな。毛利の言うてた通りやん。」
「さすがだし。」
「あのときは、ここに毛利を入らせて、外側と内側両方から撫でてやった。」
しれっとプレイの内容を口にする越知に、そこにいる面々はそれを想像してドキドキして
しまう。
「その後は、このスライムがもっと増えて、ベッドみたいになって、そこで触手も使うて
もらいました。」
「ベッドってどういうことだよ?」
またすごいことを言い出したと、遠野は呆れるような口調でそう尋ねる。
「毛利、そこに腰かけろ。」
「えっ?はい。」
バスタブの縁に腰かけるように指示すると、再び手をかざし、スライムの量を操作する。
毛利の体を持ち上げるかのようにスライムはその質量を増やし、毛利の言っていた通りベ
ッドのような形になる。
「すごいですね。あの少量のスライムをここまで変化させられるとは。」
「怪異ならではだな。」
越知の力を目の当たりにし、君島と遠野は感心する。
「触手は俺が植物っぽいのがええってリクエストしたんで、そんな感じのにしてもらいま
した。白と青でホンマ月光さん!って感じで、メッチャかっこよかったでっせ!」
「触手がカッコイイってどんなだし。」
「はは、毛利の説明は主観が入りすぎててオモロイなぁ☆」
「触手も実物を見せるか?」
スライムと一緒に触手も持ってきていたので、越知はあのときと同じ触手に変化させてみ
せる。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
触手自体が苦手な君島は身構えるが、越知が纏っている触手は想像していたものとはだい
ぶ異なっていた。
「へぇ、確かに毛利の言う通り、白と青が基調の蔓みてぇな感じで、越知のイメージと合
ってるな。」
「せやな。カッコイイ言うんも分かるわー。」
触手を纏っている越知を見て、毛利の説明が意外と的を射ていると大曲と種ヶ島は頷く。
「この感じならありですね。そこまで苦手な雰囲気ではないです。生物よりは植物の雰囲
気だからでしょうか。」
「おっ、だったら今度はこういう感じのでしてみるか?」
このタイプの触手であれば、そこまで嫌ではないかもしれないと君島はそんな感想を述べ
る。それはいいことを聞いたと言わんばかりに、遠野は次するときの提案をする。
「参考までにしているときは、このようなモノを使ったぞ。」
そう言いながら、越知はしているときに使った青い花のような触手と玉がいくつも連なっ
ているような触手を出してみせる。言われなくともなんとなくどこを責めるものかは想像
がつくので、そこにいるメンバーは赤くなる。特に毛利は実際に使われているので、その
ときのことを思い出し、その顔は真っ赤に染まっていた。
「つ、月光さん、それもうしまってください!この前のこと思い出してまってアカンです。」
「ああ。」
毛利に言われ、越知は触手自体を元の小さな種のような形に戻す。毛利を乗せているスラ
イムも元の量に戻し、毛利をゆっくりそこから下ろした。
「俺達がしたのはこのような感じだな。」
「実際に見してもろたから、メッチャ分かりやすかったわ。何気に毛利の説明も全然間違
ってなかったしな。」
バスタブの中のスライムを小瓶に戻すと、越知は他のメンバーを連れてリビングに戻る。
「ちなみに毛利は、ツッキーにスライムと触手でされてたとき、一番気持ちよかったんは
何?」
もともといた席に着くと、種ヶ島はしれっとそんなことを尋ねる。
「えっ!?え、えっと・・・その・・・どれも気持ちよかったんですけど、月光さんのア
ソコに細い触手が巻かれて、それをそのまんま挿れてもらったんが、一番気持ちよかった
かなあと思います。」
非常に恥ずかしそうにしながら、毛利は種ヶ島の質問に答える。それを聞いていた他のメ
ンバーは一瞬フリーズした後、思い思いにつっこみを入れる。
「いや、それさっきの説明にはなかったやつだし。」
「そんな使い方も出来るのですね。」
「そんなによく知らねぇけど、越知のって結構デカいんじゃねーのか?それに更に触手巻
くって、どんだけだよ?」
「あはは、ツッキーも毛利も上手いこと触手使うて満喫しとるやん☆」
当の本人の越知は特に恥ずかしそうにすることもなく、いつも通りクールな表情を保って
いる。他のメンバーが盛り上がっているのを見て、越知は口を開く。
「それは挿れる側もかなり気持ちがいいぞ。中の締めつけに加え、巻きついているものの
刺激が加わるからな。」
まさかの越知の言葉にポカンとしつつも、どちらにとっても気持ちいいと聞き、それがど
んなものか気になって仕方がなくなる。
「そんなこと言われたら、メチャクチャ気になるし。」
「なっ!今度するとき試してみようや。」
「遠野くんがもらった触手でも出来るのですかね?」
「まあ、お前の意思は反映されるみてぇだし、とりあえず試してみればいいんじゃねぇ?」
自分達も試してみたいと言い合う四人を見て、越知と毛利は顔を見合わせて笑う。しばら
くそれぞれがそんな話をした後、遠野が大曲と種ヶ島に話しかける。
「おい、お前らも触手使ってやったりしてんだろ?俺達が話したんだから、お前らも話せ
よな。」
「ええで☆アツやツッキーに渡した日に俺らもしたしな。なぁ、竜次。」
「まあな。」
別に隠すこともないと、どちらもさらっとそう返す。
「竜次にはツッキーと同じ操作系の触手で、触手にも竜変化の魔法かけてもろたんやけど
な。ホンマに竜みたいな質感になって最高やったで☆」
「コイツの竜好きは本当フェチなレベルでだからな。」
「竜次が竜人やから好きなんやで!」
「せやけど、竜の質感って結構硬そうな雰囲気ありますよね。鱗の感じとか。」
竜っぽい触手を想像すると、触り心地は硬そうだなーと毛利はそう口にする。確かにと越
知や君島、遠野は毛利の言葉に同意する。
「そこがええやん。あのザラザラゴリゴリした感じ、最高やんな☆」
「そう思うのはお前だけだし。」
「そんな触手でな、メッチャ触手責めっぽいことされたんよ。アレ、ホンマ悦かったわ。」
「どんなことだよ?」
それだけじゃ分からないと、遠野は聞き返す。
「毛利、この前俺があげた漫画持ってきてくれへん?」
「へっ?分かりました。」
口で説明するよりは見せた方が早いと、種ヶ島は毛利にそんなことを頼む。毛利が例の漫
画を持ってくると、パラパラとページをめくって似たような状況の場面を探す。
「おっ、あったあった。こないな感じのやな。」
『えっ!?』
テーブルにそのページを開いた漫画を置き、そこにいる全員に見えるようにする。そこに
は口と下を触手で責められ、大量の粘液がその場所に放たれているような状況が描かれて
いた。
「えっ、ホンマですか!?」
「つーか、お前の作った触手、こんなことも出来んのかよ?」
される側の毛利と遠野は、その漫画の一場面を見てドキドキしながらそう尋ねる。
「いや、俺が作った触手にはこないな機能はないねん。竜次がいろんな魔法を駆使してし
てくれたんや。さすがにそれを再現するのは難しくてな。」
「確かに竜人は魔法の扱いには長けているからな。ちなみにどのような魔法を使ったんだ?」
興味があると言わんばかりに、越知は大曲に尋ねる。
「挿れる前に触手に感覚共有魔法をかけて、出そうになったら、というよりはほぼ出すタ
イミングか。物質転移と質量拡張魔法で触手から出すようにさせたって感じだし。」
「すごいな。頭では分かっていても、それを実行するのは容易ではなさそうだ。」
「まあな。けど、してみたらなかなかよかったぜ。」
確かにそれは魔法を使うのが得意な大曲にしか出来ないことだと、越知と君島は少し羨ま
しく思いながらも感心する。
「さっきの話聞いた限りでは、魔法で操作されてるとはいえ、出されたのって大曲のって
ことだろ?」
「せやな。」
「こんなにたくさんもらえるの羨ましいな。君島、なんとか出来ねーのかよ?」
「無茶言わないでください。私はアナタ達のように怪異でも人外でもないんですから。」
君島のものをたくさん体内に取り込むことは、遠野にとってはたくさんの力を分けてもら
うことになるので、素直に羨ましいと遠野はそう口にする。しかし、多少の魔力はあるも
のの人である君島は呆れたように無理だと返す。
「触手とはちょっと違うかもしれねぇけど、触手使ってしたとき、疑似産卵もさせてみた
ぜ。」
「はあ?」
「ぎじさんらん?・・・って何ですか?」
たぶん載っているだろうと、大曲はテーブルの上に置いてある漫画のページをめくる。
「これは疑似っていうよりガチのだが、こういうヤツだな。」
『っ!!??』
「えっ、あっ、こういうのを種ヶ島さんがしたってことですか?」
「うわ、マジかよ。」
大曲に見せられたページを見て、毛利と遠野は顔を真っ赤にして動揺する。
「ちょっと竜次、さすがにそれはその二人には刺激強すぎやろ!」
「えっと、ちなみにコレどないな感じやったんですか?」
種ヶ島の反応を見る限り大曲言ったことは本当のことだと判断した毛利は、思いきって種
ヶ島にそのときの感想を聞いてみる。
「竜次が感度増幅魔法かけてきよるから・・・一つ出すたびにイクくらいには、気持ちよ
かったけども・・・」
夢魔と言えどもコレはさすがに恥ずかしいと、種ヶ島は赤くなりながらそのときの感想を
口にする。それを聞いて、毛利と遠野は更にドキドキしてしまう。
「コレは是非見てみたいですね。」
「はあ!?何言ってやがる!」
「同感だ。」
「月光さん!?」
大曲が開いたページを見て、君島と越知は自分のパートナーでそのような姿を想像し、思
わずそう呟く。
「俺は中に出したもんを変化魔法で形を変えてしたけどよ、さっき越知が出してた触手を
見る限りでは、それでも出来そうじゃねぇ?」
「まあ、それくらいは出来るやろな。」
これならば、別に魔法を使わなくとも触手を応用すれば出来るのではないかと、大曲と種
ヶ島は他のメンバーを煽る。
「ちょ、ちょっと待ってください!こんなん恥ずかしすぎでっせ!」
「いや、でも、ホンマ気持ちよかったで?」
「スゲェ気になるけど・・・いや、でも、コレはさすがに・・・」
そう言われると少し興味が出てきてしまうと思いながらも羞恥心が先に立つので、毛利と
遠野は非常に困惑したような表情になる。
「まあ、出来たらってことでいいんじゃねぇ?」
「そうだな。」
「そうですね。」
『ちょっ!!』
完全にノリ気な越知と君島に、毛利と遠野は焦るような素振りを見せる。これは次にする
ときに試すつもりだろうなと、種ヶ島は楽しげに笑った。
「俺らがしたことで話せるんはこれくらいやなー。」
「そうだな。ま、次のプレイの参考くらいにはなったんじゃねぇ?」
漫画に載っているようなことをリアルで試している大曲と種ヶ島に、他のメンバーは真似
出来るところは素直に真似したいと思ってしまう。出来るかどうかは別として、少なくと
も試してはみようと、越知と君島は心に決める。
「もともと気にはなっていましたけど、他のペアの話を聞いてみるのはなかなか興味深い
ですね。いろいろ参考になりました。」
「アツ用に作った触手は俺も分からない未知の機能あるみたいやし、ホンマいろいろ試し
てみたらええんちゃう?少なくとも透明になるやなんて全く想像してなかったしな。」
「だったら、いろいろ試してみようぜ、君島!!植物系のだったら、見えてても大丈夫み
てぇだしな。」
「そうですね。私は遠野くんの疑似産卵が見てみたいです。」
「なっ!?それは・・・まあ、俺がしたいことしてくれるんなら、考えといてやるよ!」
ニッコリと笑いながらそんなことを言ってくる君島に、遠野は動揺しながらもそう返す。
確かに他のメンバーの話は興味深く、参考にしたい部分もあるなあと、越知と毛利も今度
はどんなことをしたいか話す。
「月光さんは、キミさんや遠野さん、大曲さんや種ヶ島さんの話を聞いて、してみたいと
思ったことあります?」
「君島が言うように疑似産卵には興味があるな。後は、大曲の言っていた感覚共有魔法を
使ってするのも気になるな。お前は何か試したいことはあったか?」
「全く同じってわけやないですけど、触手のタイプをいろいろ試してみるのは面白そうや
なと思いました。」
「なるほどな。次する際はその意見も参考にさせてもらおう。」
君島・遠野ペア、越知・毛利ペアが話しているのを聞いて、大曲と種ヶ島も似たようなこ
とを話したくなる。
「はは、みんな楽しそうでええなぁ☆ちなみに竜次は何かしてみたいことあるん?」
「越知の触手巻きつけてするヤツは気になるし。」
「それ、分かるわー!俺はアツみたいに完全に拘束されてするんちょっと興味あるわ。」
「アイツほどじゃねぇけど、お前もちょっとMっ気あるしな。」
「いや、ホンマアツほどではないで。」
「おい、お前ら聞こえてんだよ!そんなことばっか言ってると、処刑しちゃうよ!」
大曲と種ヶ島の会話を聞いて、遠野はほんの少し怒り口調でそうつっこむ。他のメンバー
も大曲と種ヶ島の言っていることは間違っていないと思っているので、そんなやりとりを
見て楽しげに笑う。

いつもの仲間とちょっと刺激的な内容を含んだ他愛もないやりとり。そんな交流を通して、
彼らはお互いに魅力的で刺激的な影響を与え合うのであった。

                                END.

戻る