あやかし達の耽美な日常 −君篤−

君島の袴を脱がせてしまい、さらにその下の邪魔な布を取り去ると、遠野は君島の熱をう
っとりとした表情で眺める。これから遠野とまぐわうことが分かっているため、君島のそ
こは既にある程度の大きさになっていた。
「まだ何もしてねぇのにこんなになってるのかよ?」
「これからするのが分かっていますからね。」
「もっとデカくさせてやるよ。」
楽しげな様子で君島の熱を数度擦ると、遠野は大きく口を開け、その熱を咥える。遠野の
舌と唇が直接それに触れ、君島はゾクゾクと甘く痺れるような感覚に口元を緩ませる。口
の中で大きさを増していく君島の熱に遠野は興奮する。
「んんっ・・・はぁ・・・」
君島の熱を一旦口から出すと、今度は舌を出し、根元から先端までをゆっくりと舐め上げ
る。一連のその動作が実に官能的で、直接的な快感と共に君島は視覚的な興奮を覚える。
「本当美味しそうに舐めますね。こんなものを。」
「こんなもの?俺にとっちゃ最高の糧になるもんだぜ。」
「どういう意味か分かりかねますが、そう言われて悪い気はしませんね。」
「集中するから、ちょっと黙っとけ。」
話しかけられると集中出来ないと、遠野はそう言い放つと再び君島の熱を咥える。その言
葉通り、君島が黙ると夢中になってそれを味わい、君島をイかせようとする。
(君島のしてると、興奮してコッチの方がもどかしくなってくるな。どうせなら気持ちい
い方がいいし・・・)
君島の熱を咥えながら、遠野は自分の熱をしごき出す。
「んぅ・・・んっ・・・ぁ・・・」
直接的に気持ちよくなっていることで、遠野の表情は一気に色めいたものになる。そのこ
とに気づいた君島は、ふとあることを思いつく。
(おや、遠野くん、自分のも触ってますね。そんなに自分でしたいのなら・・・)
思いついたことは胸の内に秘め、君島は遠野の口の気持ちよさを堪能する。そろそろ達す
るといったタイミングで、君島は遠野を無理矢理引きはがす。
「ふあっ・・・ちょっ、君島っ!?」
「くっ・・・んんっ!!」
遠野の口が離れたため、君島の放ったモノは遠野の胸にかかる。もともと飲む気満々だっ
た遠野は、そうなってしまったことに不満を漏らす。
「何すんだよ!?せっかくお前の飲めると思ってたのに!」
「遠野くん、私のを口でしながら自分のを触ってましたよね?」
「っ!!そ、それは・・・」
バレていたのが恥ずかしく、遠野は口籠る。遠野の胸につつっと指を滑らすと、白い雫が
かかっている突起に触れ、君島はニヤリと笑って先程思いついたことを口にする。
「ココに私の放ったモノを塗り込んで、自分で弄ってください。下の方は触ってはダメで
すよ?」
「なっ・・・!?」
「出来ないとは言わせませんよ?しないのであれば、今日はここで終了です。」
「そんな・・・」
飲むつもりであった君島の蜜も飲めていないため、ここで終わらせられるというのは遠野
にとって耐え難いことであった。それならば、少しくらい恥ずかしい思いをした方がマシ
だと、遠野はペタンと床に腰を下ろし、両手を胸に持っていく。
「ハァ・・・」
ドキドキとしながら君島のモノで濡れている胸に触れる。指に絡む白濁の雫をそっと突起
に塗ってみると、ビクンっと身体が震える。
「んああっ・・・!!」
(あっ、これ思ったよりもヤベェかも。飲んだり中に出されりゃ、力が回復するようなも
ん塗ったら、そりゃ悦くなりすぎるよな。)
しかし、今更無理だとは言えない。感じすぎてしまうこと覚悟しながら、遠野は指を動か
し始める。
「うっ・・・んあっ・・・ああぁっ・・・!」
君島の放った蜜をしっかりと塗りたくるように、遠野は敏感な突起を指で擦り、抓み、捏
ねる。予想以上に気持ちよさそうな遠野を見て、君島の身体は熱くなる。
「遠野くん。」
「んっ・・・何だよっ・・・?」
「もっと脚を広げてください。」
「くっ・・・」
羞恥心を感じながらも、遠野は言われた通り脚を大きく開く。遠野が胸を弄るのを眺める
と同時に、脚を開いたことで丸見えになったそこを君島は観察する。
「はぁ・・・あっ・・・あんっ・・・」
遠野が胸の突起を弄ると、脚の間の熱はピクピクと気持ちよさそうに震え、まだ閉じたま
まの蕾はヒクヒクと痙攣する。
「ふふ、気持ちよさそうですね。」
「うるせーっ・・・黙って見てろ!!くっ・・・ああぁんっ・・・!」
君島の出したモノの効果は絶大で、遠野はどんどん気持ちよくなっていく。
(ヤバイ、マジで気持ちイイっ・・・そろそろヤバイかも・・・)
「ああっ・・・君島ぁ・・・んあっ・・・!!」
「おや?そこしか弄ってないのに達きそうになっているのですか?」
「ハァ・・・しょーがねーだろっ・・・お前の塗ってるから、気持ちよすぎて・・・」
「本当遠野くんはやらしいですね。」
そう言いながら、君島は遠野の胸にかかっている雫を指で掬い、遠野の口元に差し出す。
「舐めていいですよ。飲みたかったのでしょう?」
「ハァ・・・君島・・・」
君島の指をパクっと咥え、ぎゅっと胸の突起を抓る。口の中に君島の蜜の味が広がり、遠
野は胸からじんわりと広がっていくような絶頂感を味わいながら達する。
「んんっ・・・んんんっ!!」
達している遠野に指を咥えられ、君島もゾクゾクしてしまう。呼吸を乱しながら、遠野が
口を開けると、その舌と君島の指先がつーっと銀色の糸で繋がる。
「ハァ、ハァ・・・」
(この表情、本当たまらないな。姦姦蛇螺の姿は苦手だけど、人の姿のときの顔はすごく
好みなんだよな。)
そんなことを考えながら、君島が少しぼーっとしていると、突然両肩を掴まれ、床に押し
倒される。
「ちょっ、いきなり何ですか?」
「お前が中途半端なことしやがるから、我慢出来ねぇ。」
仰向けになっている君島の身体を跨ぎ、遠野は君島の熱を自身の蕾に押し当てる。
「いきなりで大丈夫なんですか?」
「さすがに急にはキツいだろうから、ちょっと慣らしてから挿れる。」
そう言うと、君島の熱の先で入口を擦るように腰を上下に動かし始める。
「あっ・・・あんっ・・・!」
「んっ・・・擦るだけでも結構キますね。」
「君島の先っぽ、濡れてるぜ?これなら、そこまで時間はかからねぇかもな。」
濡れていてくれた方が好都合だと、入口を慣らすように遠野はそこを擦り続ける。遠野の
入口がほぐれてくると、ほんの少しだけ内側に入り、すぐに抜かれるを繰り返されるよう
な状態になり、君島はもどかしくなってくる。
「ハァ・・・遠野くんっ・・・」
「んんっ・・・あっ・・・ああっ・・・」
(早く挿れたい・・・)
遠野が腰を落とすタイミングで、君島は自身の腰を突き上げる。もうある程度ほぐれてい
たこともあり、君島の熱は遠野の中にずっぽりと入る。
「あああぁんっ!!」
「くっ・・・!」
思ってもみないタイミングで挿入され、遠野は驚いたような顔で君島を見る。
「私の方が我慢出来なくなってしまいました。」
「フッ、しょうがねーなあ。まあ、俺もそろそろ挿れたいと思ってたからいいけどよ。」
「大丈夫そうであれば、動いてください。」
「ああ。」
今の体位は遠野がメインで動かなければならないので、君島は遠野にそう頼む。その頼み
を聞いて、遠野は君島の熱を自分の中でピストンさせるように腰を動かす。
「ああっ・・・ああぁんっ・・・んあっ・・・!!」
「んっ・・・」
「君島ぁ・・・んっ・・・はぁ・・・あっ・・・!」
自分の上で甘い声を上げながら懸命に腰を動かしている遠野を見上げ、君島はその心地良
さに心を奪われる。
(気持ちいい・・・一生懸命動いてる遠野くん、やらしくて可愛いし、すごくイイ眺めだ
な。)
そんな君島の視線に気づき、遠野はふっと笑ってみせる。
「気持ちいいか?」
「ええ。」
「もっと動いてやるからよ・・・」
「何ですか?」
「手、握っててくれねぇか・・・?」
両手を君島に向かって伸ばしながら、遠野は恥ずかしそうにそう頼む。開かれた手の平に
自分の手を重ね、指と指の間に自分の指を差し込むように君島は遠野の手を握る。
「これでいいですか?」
「ああ。」
遠野も君島の手をぎゅっと握り、先程よりも大きく動き出す。激しくなった動きとしっか
りと手を握っているという状況に、君島の性感はより高まる。
「んあっ・・・あっ・・・ああぁっ・・・!!」
「ハァ・・・遠野くん・・・んっ・・・!」
「君島っ・・・んくっ・・・ああぁんっ!!」
あまりの気持ちよさに遠野は激しく動くのを止められなくなる。程よく締めつけられなが
ら、濡れた粘膜で擦られる。それが堪らず、君島は遠野の手を握っている手に力が入る。
「くっ・・・このままだと、すぐにイってしまいそうです!」
「俺も・・・あっ・・・君島の、中に欲しい・・・!!」
「遠野くん、一緒に・・・」
「ああっ・・・一緒にイキたい!!」
お互いの手を強く握りながら、遠野は一際深く腰を落とし、君島は奥の奥を突き上げる。
「あああぁっ・・・君島ぁっ!!」
「遠野くんっ・・・!!」
君島が遠野の奥に放つと同時に、遠野も君島の上で果てる。内側と熱が呼応し合うように
ビクビクと痙攣し、絶頂感を長引かせる。
(中に出されてる・・・気持ちイイ・・・)
(なかなか気持ちいいのが治まらない。遠野くんの中、いつまでも入っていたい・・・)
長く続く気持ちよさに酔いしれながら、二人はしばらく一緒に達した幸福感に浸っていた。

事が終わると君島は装束を着直し、遠野をそこに置いたまま一旦外に出る。そして、遠野
の服やお湯で濡らしたタオルを持って戻ってくる。
「おっ、戻って来たな。」
「あんなことした後なのに元気ですね。」
「君島とするのは、俺にとっちゃ回復魔法かけられてるようなもんだからな。今日はしっ
かり奥の奥に出してもらったし、そりゃ元気にもなるぜ。」
「そうですか。とりあえず、濡れタオルと着替えを持ってきたので、使ってください。」
「おー、サンキュー。」
君島からそれらを受け取ると、遠野は胸や下腹部をタオルで拭う。濡れてはいるものの人
肌くらいの温度になっているタオルに遠野は心地良さを感じる。
「このタオル温かくていいな。わざわざ温めてくれたのか?」
「お湯で濡らしてきただけですよ。」
「お前のそういう気が利くとこ、好きだぜ。」
「別に当然のことをしたまでです。」
終わると少し冷たくなるところはいつも通りだなと思いつつも、温かいタオルを用意して
くれたり、分かりにくいながらも気遣ってくれたりするのは素直に嬉しいと、遠野はご機
嫌な様子で服を着る。
「俺、やっぱこの場所好きだ。」
「そりゃ遠野くんのコレクションが山ほど置いてありますからね。」
「それもそうだけどよ、君島とああいうこと出来る場所でもあるからな。力を分けてもら
うとか関係なく、俺は君島とするの好きだぜ。」
「本当呆れるほど正直ですね、遠野くんは。」
「俺がどう思おうが自由だろ。」
それはそうだが、そこまで正直に言われると心がかき乱されると、君島は軽く顔をしかめ
る。
「私は処刑には興味がないので、この場所はあまり好きではないですが・・・」
処刑具や拷問具のレプリカが所狭しと並んでいるこの場所は、君島にとっては良い気分の
する場所ではない。
「遠野くんと交われる場所という点は、嫌いではないですね。」
その部分は遠野の意見に完全に同意だと、遠回しながらも君島はそんなことを言う。君島
もそう思ってくれていることが嬉しくて、遠野は顔を緩ませる。
「お前も処刑を好きになったら、もっとこの場所が好きになるぜ!」
「なりませんよ。」
キッパリとそう言いきる君島に、やはり君島はそうでなくてはと遠野は楽しげに笑う。呆
れ顔で溜め息をつく君島の横顔を見て、遠野は君島のことを少し困らせたくなる。
「君島!」
「何ですか?」
「なんか無性にキスして欲しいんだけど。」
「先程十分力は分けてあげたでしょう?」
「ダメか?」
ちらりと遠野の方を見ると、首を傾げてじっと君島の方を見ている。図らずもその仕草が
可愛いと思ってしまい、君島は悔しいと思いつつもキスをしたくなってしまう。
「全く仕方がないですね。」
少しイラついているような態度を見せつつ、遠野の前に立ち、ぐいっと服の首元を引っ張
ると、君島は遠野の唇に口づける。君島にキスをしてもらい、遠野は嬉しそうに笑いなが
ら、キスしてもらったばかりの唇に指をあてる。
「お前にキスしてもらうのも、スゲェ好きだぜ。」
「そうですか。」
やはり遠野には心を乱されてしまうと思いながら、高鳴る胸の鼓動を隠し、君島は平然と
したふりをしてそう返すのであった。

                                END.

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