あやかし達の耽美な日常 −曲種−

種ヶ島の部屋のベッドに移動すると、大曲はすぐ横にある棚の上に気になるものを見つけ
る。
「ん?この瓶に入ってるの何だし?見たことねぇな。」
「あー、それ、まだ実験段階なんやけど、そういうことに使える人工スライムや。俺が作
っとるヤツやから、人工ってのはちょっとちゃうかもやけど。」
「マジで何作ってるんだし。」
呆れながらも大曲はそれに興味津々だった。夢魔のそういうことに対する好奇心と行動力
は半端ないなと思いつつ、大曲はそれを手に取る。
「実験段階っつーことは、自分で使ってみてとかしてんのか?」
「そりゃな。試さんと分からんやろ?」
「へぇ。で、今のところはどういう感じなんだよ?」
「基本的なとこはオッケーやと思うんやけど、ちょーっと刺激が足りひんって感じやなあ。
まあ、生物としてのスライムとはちゃうから、全く危なかったりはせぇへんで。基本魔力
使って動かせる玩具に近い感じやな。」
刺激が足りないということを聞いて、大曲はあることを思いつく。先程種ヶ島が作った媚
薬の瓶を取りに行き、スライムの入った瓶の蓋を開け、少しだけそれを注ぐ。
「ちょっ!!何しとるん!?」
「いや、こうしてみたらどうなるかなーと思って。おっ、薄い青っぽい色だったのが、ピ
ンク色に変わったし。」
「どうなるか分からんのに、えらい大胆なことしよるな。」
「実験段階なんだろ?それでいいじゃねーか。」
「一応、いろいろ考えとるで?」
「じゃ、早速試してみるか。」
「えっ!?」
まさかそう来るとは思わなかったので、種ヶ島は驚いた表情を見せる。ベッドの上に座っ
ている種ヶ島をぐるりと反転させ、四つん這いに近い体勢にさせると、下に身につけてい
るものを脱がしてしまう。そして、むき出しになった双丘に持っていたスライムをドロリ
とかける。
「待って待って待って!!いや、ホンマに試すん!?」
「これでお前がどんな感じになるかスゲェ興味あるし。」
「俺やって分からんのやで?」
「そりゃ楽しみだな。で、これはどうやって動かすんだ?おっ?」
特に何もしていないのだが、種ヶ島の肌の上を這うようにピンク色のスライムが動き出す。
「何か勝手に動き出したし。」
「あ、ある程度は自動的に動くようにしとんねん。その方がスライムにされてるっぽくて、
ええかなーと思て。」
「エッロ。なるほど、そこに勝手に向かうってわけか。」
「ちょっ・・・アカンって!一人で試すならまだしも、竜次が見てる前で・・・」
「夢魔が何言ってるんだし。」
会話を交わしている間もスライムはどんどん進んで行く。双丘の割れ目に入り込み、中に
入るための入口へと進む。そうなるのは分かってはいるものの、種ヶ島は大曲に見られて
いることもあり、いつも以上にドキドキしてしまう。
「ひゃっ・・・入ってまう・・・ああっ・・・!!」
「スゲェな。」
「あんっ・・・竜次っ・・・ひゃああぁっ・・・!!」
柔らかい体で種ヶ島の蕾を抉じ開け、ゆっくりと中に入っていく様を大曲は眺める。全て
入るのではなく、入口を外側から包み込むように残っている様子がやらしいと、大曲は思
わずニヤける。
「ヤバ、すっげぇエロい。」
「ハァ・・・いや、もう既に前と違うー・・・」
「そうなのか。ここからはどうすんだ?また勝手に動くのか?」
「ここからは・・・近くに手を当てて、魔力で動かす感じやな・・・・」
顔を紅潮させ、息を荒くさせながら種ヶ島は説明する。大曲は竜人である上、普段は人の
姿でいるなど魔力を調整して使うことには長けている。種ヶ島の双丘に手を当て、大曲は
ゆるりとそこを撫でる。その直接的な刺激と中のスライムが動き出した刺激で、種ヶ島は
ビクッと下肢を震わせる。
「ああっ・・・ああぁんっ!!」
「おっ、確かにちゃんと動いてる感じするな。」
「やああぁっ・・・!!なっ・・・竜次っ・・・何なんっ!?ふあっ・・・すごっ・・・
気持ええ・・・!!」
自分だけ実験していたときとは明らかに異なる刺激と気持ちよさに、種ヶ島は驚喜する。
それが先程作った媚薬の効果なのか大曲の魔力操作のテクニックなのかは分からないが、
いずれにせよこの上なく気持ちいいのは確かなので、種ヶ島の顔は次第に蕩け、夢魔特有
のフェロモンも増し増しになる。
「スゲェ気持ちよさそうだな。」
「メッチャ気持ちええ・・・こんなんクセになってまうわ・・・」
「こんなんはどうよ?」
すっと手を動かし、大曲は中のスライムの動きを変える。奥と入口を同時に弄られるよう
な動きに、種ヶ島は嬌声を上げる。
「ひゃああぁんっ・・・それ、アカンっ!!」
「いい反応だし。こういう感じもお前弱そうだよな?」
「んああっ・・・ダメ・・・あっ・・・ああぁんっ!!」
大曲の絶妙な操作で、種ヶ島は気持ちいい感じが止まらなくなる。達する直前くらいの非
常に気持ちいい状態がしばらく治まらず、種ヶ島はシーツをぎゅうっと握りながら、その
感覚を堪能する。
「いや・・・ホンマずっと気持ちええ・・・これ、作って正解やったな・・・」
「まあ、悪くないんじゃねぇ?操作もそんなに難しくねぇしよ。お前はずっとエロい反応
してて、たまんねぇし。」
「んんっ・・・イキそうなんやけど、その直前の感じがずーっと続いとって・・・」
「そりゃそういうふうに調整してるからな。」
「そうなん?さすが竜次や・・・」
「そろそろイカせてやってもいいぜ。」
「へっ!?」
そろそろ自分自身のものもどうにかして欲しいと、大曲は先程とはまた違った動きをスラ
イムにさせる。イイところばかりを激しく責めるような動きになったスライムに種ヶ島は
すぐにイキそうになる。
「あああぁんっ!!やっ・・・竜次、ちょっ・・・!!」
「一気によくなっただろ?」
「ひあっ・・・アカン、こんなんすぐ・・・ひっ・・・イクっ・・・!!」
ガクガクと脚を震わせ、種ヶ島は達する。達したのは分かってはいるが、このまま中のス
ライムを動かし続けたらどうなるだろうという好奇心から、大曲は中のスライムの動きを
そのままにする。
「あああっ・・・竜次っ!止めてぇっ・・・!!」
「もう少し気持ちよくなっとけばいいんじゃねぇ?」
「ひああぁっ・・・ダメぇ・・・イってるのにそないに擦られたら・・・ああぁんっ!!」
「ずっとビクビクしてて可愛いし。」
「イクの止まらんっ・・・こんなん・・・おかしくなってまう・・・」
「夢魔だから大丈夫だろ。むしろ、ちょうどいいくらいじゃねぇ?」
強制絶頂状態になっている種ヶ島の反応を大曲はしばらく楽しむ。種ヶ島の甘やかな声を
聞き続けて、さすがに我慢出来ないと思ったタイミングで大曲は中の動きを止めてやる。
「はっ・・・ハァ、ハァ・・・あっ・・・ハァ・・・」
「おい、これどうやって出せばいいんだ?」
「動かしてた要領で・・・外に引っ張れば・・・」
なるほどと大曲は言われた通り試してみる。種ヶ島の言う通り、そうすることでスライム
はずるずると種ヶ島の中から出てくる。
「あああぁんっ!!」
達し続けた身体にはその刺激も強すぎて、種ヶ島はスライムが全て出たと同時に再度達し
てしまう。
「またイったのかよ?」
「もおー、竜次のせいやで!」
からかうようにそう言う大曲に、種ヶ島は怒ったふりでそう返す。そんな種ヶ島も可愛ら
しいと思いながら、大曲は出てきたスライムを掴み、空の瓶を手に取る。
「出したのはまた瓶に入れときゃいいか?」
「せやな。自浄作用はつけとるからそないに汚くもならんし。」
「そりゃ便利だな。」
無駄に高性能な機能をつけてるなあと感心しながら、大曲はスライムを瓶に戻し蓋をする。
「さっきので十分ココはほぐれただろ?」
「まあ、せやな。」
「今度は俺を気持ちよくさせてくれや。」
種ヶ島を仰向けにさせ、覆いかぶさるように手をつきながら大曲はそんなことを言う。そ
んな大曲に種ヶ島はキュンキュンしてしまう。
「やっぱ、竜次はかっこええな。メッチャドキドキしてまうわ。」
「で、今日はどれくらい変化しとくよ?」
「せやなぁ、・・・この体位やし、前側は人で、後ろだけ竜がええかな☆」
せっかく変化が出来るのだからという理由で、こういうことをするときは、ある程度竜の
姿に変化して欲しいと種ヶ島は毎度頼んでいる。頼まれた通り、大曲は背中のあたりのみ
竜に変化させる。大曲の背中にしがみつくと、竜の鱗が肌に触れ、種ヶ島はゾクゾクして
しまう。
「あー、この感じたまらんわ。前はいつも通りなんやけどな。」
「そりゃよかったな。とりあえず、挿れるぞ。」
「おん。今日はメッチャごりごりされる感じがええなあ。」
「ふっ、しゃーねーなあ。」
変化は全身どこでも行えるので、当然今から種ヶ島に挿れる場所もある程度自由に変えら
れる。種ヶ島のリクエストを受け、大曲はそのように変化させた後、種ヶ島の中にそれを
挿入する。
「んあっ・・・ああぁっ・・・!!」
「さすがにあれだけ弄っただけあって、イイ具合だし。」
「今日の竜次の・・・メッチャええ・・・ホンマリクエスト通りって感じや・・・」
「だろ?すぐ動いても大丈夫か?」
「ん・・・大丈夫。動いて。」
程よく締めつけてくる壁を擦り上げるように大曲は動く。
「ああっ・・・竜次っ・・・んあっ・・・あん・・・!!」
「今日はいつもよりぬるぬるしてて気持ちいいな。」
「んっ・・・さっきまでスライム入っとったしな。」
「この感じ、好きだし。」
そう言いながら、大曲は種ヶ島の奥の方をごりごりと抉る。大曲のその言葉と動きに、種
ヶ島は胸も下腹もきゅんきゅんしてしまう。
「あっ・・・竜次、その動きヤバっ・・・メッチャ気持ちええ・・・!」
「確かに結構締めつけてるもんな。」
「あんっ・・・そ、そこっ・・・!!」
「ああ?ココか?」
「ひゃあぁんっ!!そこ、メッチャええっ・・・!!」
いいところを擦ると、種ヶ島は非常に分かりやすく反応してくれるので、大曲は的確にそ
の場所を責める。自分の好きな感じで責められるのが嬉しくて、種ヶ島も自ら腰を揺らす。
「ああっ・・・あぁんっ・・・竜次っ・・・!!」
「そう動かれると、結構クるな。」
「今日の竜次の・・・形も、動きも・・・メッチャ好きぃ・・・」
「ふっ、そんなにコレが好きかよ?」
ずぶっと奥へと挿れてやれば、嬉しそうにビクンとそこを震わせる。その感じがたまらず、
大曲もぞくぞくしてしまう。しばらくどちらも気持ちよさを貪るように動き、お互いの性
感を高めていく。
「ひあっ・・・竜次、俺・・・もうイキそう・・・」
「ハァ・・・俺もだし。」
「イクとき、キスして欲しい・・・」
「いいぜ。俺の出すもん、ちゃんと奥で受け止めろよ?」
大曲の言葉にこくこくと頷くと、種ヶ島は大曲の首にしがみつくように腕を伸ばし、深い
口づけを誘う。種ヶ島の唇にキスをすると同時に、大曲は一際大きく動き、ビクビクと中
にある熱を震わせる。
「んんんっ・・・んんっ!!」
「・・・・っ!!」
竜人の出す雫は普通の人のそれよりも濃く量も多い。そんな熱い雫を奥の奥で受け止め、
大曲としか辿り着けない高みへと昇りつめた。

「はあー、今日も竜次とすんの気持ちよかったー!」
事が終わったままの格好で、ベッドに寝転がりながら種ヶ島はそんなことを口にする。
「ちゃんと服着ろし。」
「ええー、別にええやん。夢魔らしくてええやろ?」
「それを言われたらそうなんだけどよ。」
「あ、竜次まだ元に戻ってへんよな?ちょっと、ぎゅーってさせてや☆」
「はあ?別にいいけどよ。」
まだ半分竜の姿でいる大曲を抱きしめたいと、種ヶ島は体を起こす。いそいそと大曲の近
くに寄ると、種ヶ島は大曲に抱きつく。
「ああー、この竜の感じ好きやわあ。俺、動物好きやから、こう人とはちょっと違う肌の
感じとかメッチャ好きやねん。」
「だったら、もっと竜寄りにしてやろうか?」
「いや、竜次の顔はこのままでホンマに好きやから、そこはそのままでいて欲しいねん。」
「わがままなヤツ。」
「せやけど、そのわがままを叶えられるんが竜次やん?」
「勘弁しろし。」
ニコニコとそんなことを言ってくる種ヶ島に、大曲も笑いながらそう返す。
「まあ、俺もお前のその夢魔らしくエロいところ好きだし。」
「はは、竜次はエッチやなあ。」
「そうじゃなきゃお前の相手なんて出来ねぇだろ。」
「そりゃそうやな。つまり、俺と竜次の相性は抜群って話やんな?」
「ふっ、どうだろうな。」
「ええー、そこはそうって言ってや!」
文句を言いつつもその顔には楽しげな笑みが溢れている。外では無愛想な大曲も種ヶ島に
つられて顔が緩んでいる。人外同士の二人は、他のペアとは違った楽しみをお互いに持っ
ているのであった。

                                END.

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