あやかし達の耽美な日常 −月寿−

毛利を一旦膝の上からソファに下ろし、自分は床に膝をつくと、越知は毛利のズボンと下
着を脱がす。さすがにその格好は恥ずかしいのか、毛利はキュッと脚を閉じた。
「毛利。」
「は、はい。」
「脚を開け。」
「んっ・・・」
恥ずかしいが越知がそう言うならと、毛利はおずおずと脚を開く。
「丸見えだな。」
「は、恥ずかしいですっ・・・」
越知の言葉に毛利は両手で顔を覆う。そんな毛利の反応が可愛らしいと、越知は少しいじ
めたくなってしまう。
「毛利、お前のその指で、ココを数回開閉してみせろ。」
丸見えになっている蕾に軽く触れながら、越知はそう指示する。
「ええっ!?そ、そないな・・・」
「出来ないのか?」
鋭い視線で見つめられ、毛利はビクッとしてしまう。顔が熱くなり、心拍数が上がるのを
感じながら、毛利は越知の視線に晒されている蕾に手を伸ばす。
グッ・・・
「んんっ・・・」
恥ずかしさを必死で堪えながら、毛利は指で蕾を広げる。くぱあっと広がった後、指を離
せばキュッと閉じる。その様子を越知はジッと眺めていた。
(ああ、月光さんに見られてまっとる。恥ずかしい・・・恥ずかしいけど・・・)
「はぁ・・・んっ・・・」
越知の指示通り何度かそれを繰り返す。越知に見られていることで、恥ずかしいながらも
感じてしまい、すっかり勃ち上がっている熱の先からは透明な蜜が溢れ出ていた。
「もういいぞ。」
「ハァ・・・ハァ・・・」
「いい子だな。」
「月光さん・・・」
褒めるような言葉を言われ、毛利の胸はドキドキきゅんきゅんしてしまう。毛利がそこか
ら手を離すと、越知は毛利の膝を掴み、八尺様独特の長い舌で内もも舐める。
「ひゃあんっ!!」
「可愛い声だな。今からこの辺りを舐めるぞ。」
「あっ・・・月光さん・・・」
長い舌を内ももに這わせ、越知はゆっくりと肌をなぞる。越知の舌は明らかに人のそれと
は異なり、そんな舌で敏感な場所を舐められている光景に、毛利は興奮してしまう。
「ああっ・・・あんっ・・・ひあっ・・・!」
越知の舌はだんだんと脚の間の中心へと移動し、毛利の快感もより高まっていく。一旦舐
めるのを止め、越知は毛利の様子をうかがう。
「んっ・・・ハァ・・・」
顔を真っ赤に染め、涙目になりながら呼吸を乱している。この顔も好きだと思いながら、
越知は蕾から熱の先端までのラインを一気に舐め上げる。
「ひゃああぁんっ!!」
敏感な部分をまとめて舐められ、毛利はビクビクと下肢を震わせ、甘い悲鳴を上げる。
「いい反応だな。」
「つ、月光さん・・・それ、アカンですぅ・・・」
「そうか。それなら・・・」
毛利の言葉を気持ちよくてたまらないと解釈した越知は、再度同じように舌を動かす。
「んああぁぁんっ!!」
あまりの気持ちよさに毛利の熱からは蜜が溢れ、蕾はヒクヒクと痙攣する。
「ハァ・・・月光さん、それ続けられたら・・・」
耐えられないと漏らす毛利に、越知は高揚する。もう一度ゆっくり舐め上げた後、おそら
く放たれるであろう濃い蜜を取り込むため、毛利の熱をしっかりとその口の中に収める。
「ああぁぁっ・・・!!」
予想通り、毛利は達し越知の口の中に熱い雫を放つ。毛利の放ったモノを一滴残らず飲み
込むと、越知は口元に笑みを浮かべる。
「んっ・・・ぁ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
「気持ちよかったか?」
「はい・・・」
「今度はこちらを重点的に舐めてやろう。」
「へっ?あっ、月光さん!そこは・・・」
達した余韻で痙攣している蕾を越知はベロリと舐める。
「ひゃあっ!!」
感じやすくなっているそこを舐められ、毛利はビクンとその身を震わせる。そんなことは
お構いなしに、越知は数度そこを舐めた後、ぐっとその長い舌を挿入する。
「やああぁんっ・・・!!」
柔らかい舌で蕾を押し拡げられ、濡れた感触が入口と内側に広がる。その感触が堪らず毛
利は腰を揺らす。
「あんっ・・・月光さんっ・・・!そこ、アカンっ・・・!!」
毛利の声を聞きながら、越知は長い舌をピストンさせるように出し入れする。入口も内側
もまんべんなく舐められるその感触に毛利は思わず今感じていることを口にする。
「月光さんの舌が入っとる・・・中舐められるん、気持ちええ・・・ああぁっ!!」
このままイクまで舐めてやろうと、越知はより深いところまで挿入する。ジュブジュブと
濡れた音が響き、毛利の声も次第に大きくなっていく。
「あああぁんっ・・・中、気持ちええっ・・・!!このままやと・・・」
ガクガクと脚を震わせ、毛利はシャツを捲り上げるような形でぎゅうっと握りしめながら
喘ぐ。ギリギリまで舌を抜き、再度根元まで挿入する。そんな越知の与える刺激に耐えき
れず、毛利は再び果てる。
「ああぁっ・・・月光さんっ!!」
ぎゅうぎゅうと舌が締めつけられるのを心地良く感じながら、越知はその熱さを味わう。
「ハァ・・・ハァ・・・はっ・・・」
二度目の絶頂に先程よりもぐったりした様子で、毛利は越知を見る。その表情が堪らない
と、越知は毛利の中から舌を抜くと、しばらくその顔を眺めていた。
(そろそろ毛利の中に入りたい。)
心の中でそう呟きながら、越知は自身の熱を出し、毛利の脚を開く。すっかり大きくなっ
ている越知の熱を見て、毛利の心臓はドキンと跳ねる。
「月光さん・・・」
「挿れるぞ。」
「は、はい・・・」
ソファに身体を預け、大きく開かれた脚の中心に越知は自身の熱を押しつける。柔らかく
ほぐした蕾を咲かせるように、ぐっとその腰を進める。越知の舌で十分に濡らされほぐさ
れたそこは、大きなその塊を飲み込むように受け入れた。
「あああぁんっ!!」
「んっ・・・」
越知の熱を奥の奥まで受け入れると、毛利のそこはきゅっとその入口を締める。その締め
つけが心地良く、越知は中にある熱をビクンと震わせる。
「毛利の中、熱くて狭くて気持ちいいな。」
「ハァ・・・月光さんの大きくて、たまらんです・・・」
「動くぞ?」
「はい・・・」
ソファの背もたれに手をつき、越知は毛利の中を抉るように腰を動かす。余すところなく
粘膜を擦られる快感に、毛利は甘い声を上げる。
「んあっ・・・ああぁんっ・・・!!」
「・・・・っ!!」
「つ、月光さんっ・・・ひあっ・・・あんっ・・・!!」
「毛利っ・・・」
毛利と交わる心地良さに高揚している越知は、八尺様が放つ例の言葉を口にする。
「ぽぽぽぽ・・・」
「ひぅっ・・・!!」
普段は人の姿で生活しているため、越知がその言葉を口にすることは滅多にない。人に紛
れて生きている現代の八尺様がその言葉を口にするのは、取り殺してしまいたくなるほど
心を奪われる相手が現れたときだ。もちろん越知は毛利のことを取り殺そうなどと微塵も
思っていない。しかし、八尺様に魅入られた者がその言葉を聞くと、無意識に身体が八尺
様を求め、それが満たされている状態であれば、狂おしいほどの快感が全身を巡る。
「あああぁっ・・・ひあっ・・・月光さ・・・ああぁんっ・・・!!」
「毛利、可愛い・・・」
ビクビクと全身を痙攣させ、底のない快楽に乱れている毛利の姿は、越知の目を楽しませ
る。もっと乱れる姿が見たいと、越知は激しく毛利の中を突きながら、耳元で呪いにも似
たその言葉を繰り返す。
「ぽぽぽぽ・・・」
「ああぁっ・・・ダメ・・・月光さんっ・・・んあああぁっ!!」
「ぽぽぽ・・・」
「ひゃああぁんっ!!ひあっ・・・もう・・・イクっ・・・イってまうっ・・・!!」
全身を巡る果てしない快感に耐えきれず、毛利は激しい絶頂感を感じながら達する。熱の
先から濃い蜜を溢れさせ、ビクビクと震えている毛利を見て、越知の口元に妖しい笑みが
浮かぶ。
「ハァ・・・はっ・・・ハァ、ハァ・・・」
「イってしまったのだな。」
「んっ・・・すんまへん・・・」
「何故謝る?達するほど気持ちいいということだろう?悪いことなど少しもない。」
「月光さん・・・」
「俺はお前が達するほどに乱れている姿好きだぞ。」
越知の言葉にドキドキしていると、再び越知が耳元で囁く。先程のこともあり、越知の顔
が耳に近づいた瞬間、毛利はビクッと跳ねる。
「お前の乱れてる姿がもっと見たい。一突きするたびに、イけ。」
「あっ・・・」
八尺様の言葉ではなく、越知からの命令ともとれるその言葉は、毛利の脳裏に直接響く。
越知がゆっくりと動き、一度ギリギリまで引き抜いた後、奥を突くように挿入すると、毛
利はその一突きで果ててしまう。
「んああぁぁっ!!」
「いいぞ。その調子だ。」
言われた通り、すぐに達する毛利を褒めながら、越知は再び動き始める。一突きするたび
に達するので、ピストンが激しくなればほぼイキ続けているような状態になる。
「あああぁんっ・・・月光さんっ・・・また、イクっ・・・―――っ!!」
「ハァ・・・俺も気持ちいいぞ、毛利。」
「ひあああぁっ・・・あっ・・・あああぁっ・・・!!」
「くっ・・・そろそろ俺も・・・」
ほぼイキ続けているような状態なので、越知の熱は激しく収縮する内側で常に締めつけら
れている。そんな官能的で甘美な刺激に耐えられなくなり、越知も限界を迎える。
「毛利っ!!んっ・・・―――っ!!」
「ああぁんっ!!月光さんっ・・・!!」
越知の放つ熱い雫を絶え間ない絶頂の中奥の奥で受け止め、毛利はこの上ない多幸感で満
たされる。それは越知も同じであった。もう少しこの幸せな感覚を味わっていたいと、越
知は毛利の身体をぎゅっと抱きしめた。

だいたいいつもそんな感じになると言えども、数えきれないほど達している毛利は事が終
わるとぐったりしてしまう。そんな毛利を越知は寝室へと運んでやる。
「今日も少し無理をさせてしまったな。」
毛利をベッドの上に寝かせると、越知は申し訳なさそうな顔で謝る。
「謝らんでください!確かに疲れはしますけど、それ以上にぎょーさん気持ちよくしても
ろて、幸せな気分でいっぱいなんで。」
越知とすること自体は大好きなので、毛利は恥ずかしそうに笑いながら越知にそう伝える。
「お前としていると、どうしても気分が高揚してしまって、つい無茶をさせてしまう。」
「ええんちゃいます?月光さん、そういうふうにするの好きなんですよね?」
「だが・・・」
「俺は月光さんとぎょーさん気持ちようなるの大好きです。」
申し訳なさそうにしている越知とは対照的に、毛利は始終嬉しそうにしている。毛利のこ
のようなところが大好きだと、越知は毛利を愛しく思う気持ちで胸がいっぱいになる。
「毛利。」
ベッドの上で座っている毛利を越知は愛おしげに抱きしめる。越知に抱きしめられ、毛利
は嬉しさから顔が緩んでしまう。
「月光さんとさっきみたいなことするんも、今みたいにぎゅーって抱きしめられるんも俺
は大好きでっせ。月光さんが俺のこと好きっていうんがメッチャ伝わってくるんで。」
「ああ、俺は毛利のことが大好きだ。」
「俺も月光さんのこと大好きです。」
お互いに好きな気持ちを伝え、どちらもふわふわとした幸せな気分になる。
(はあー、ホンマ幸せや。こないな気分になれるの月光さんのおかげやな。)
(俺がどんなことをしても、受け入れて好きだと言ってくれる。こんなにも尊い存在と出
会うことが出来て、俺は何て幸せなんだろう。)
どちらも幸せな気分を噛み締めながら、お互いのぬくもりを感じ合う。身体も心もぽかぽ
かし、穏やかな雰囲気に包まれ、毛利はうとうとしてきてしまう。
「眠いのか?」
「何やええ気分すぎて、ちょっと眠くなっちゃいました。」
「先程のことで疲れているだろうしな。ゆっくり休むといい。」
「今日も月光さんと寝たいです。」
「お前が寝たら、俺も隣で寝る。安心しろ。」
「はい・・・ほんなら、おやすみなさい。」
もうだいぶ限界だったようで、毛利は布団の中に入るとすぐに眠ってしまう。すやすやと
寝息を立てる毛利の頭を優しく撫で、越知は微笑む。
「今日もとても良い一日だったな。毛利と一緒ならば、きっと明日も良い日になるだろう。」
そんなことを呟き、越知は毛利の隣に横になる。愛おしい寝顔をしばらく眺め、自分の胸
にその顔を抱き寄せる。そんな幸せなぬくもりを感じながら、越知はゆっくりとまぶたを
閉じ、甘い夢の中に落ちていった。

                                END.

戻る