「最近、全然アッチ側のチャージ出来てへんなあ。別に飯食えば普通の生活は出来るから
問題ないんやけど。」
とある夜更け、夢魔の種ヶ島は夜道を歩きながらそんなことをぼやいていた。夢魔と言え
ども、人に紛れて暮らしているので、人と同じような生活をしている。それゆえ、夢魔ら
しい誘惑等はなるべく控えていた。そんな少々欲求不満な状態で歩いていると、どこから
か強い魔力を感じる。
(うわ、何やこの圧倒されるくらいの魔力。これ、絶対普通の人やあらへんな。ちょっと
探してみよー。)
夢魔の感覚を研ぎ澄ませながら、種ヶ島は魔力のもとを探る。少し歩いたところで、ビリ
ビリと身体が痺れるほどの魔力を感じ、その魔力が放たれている家の前で種ヶ島は足を止
める。
「たぶんこの家やな。あそこの部屋だけ明かりがついてるし、そこにいるのかもしれへん
な。」
久しぶりに自分以外の魔力を感じ、種ヶ島は好奇心からその魔力の主に会ってみたくなる。
「ちょっと見るだけならええやろ。不会無で姿消して、中入ってみようかな。」
夢魔であるがゆえに、種ヶ島は透明になる魔法を使えたり、空間移動の魔法を使うことが
出来る。つまりいくら戸締まりをしていようと、中に入れてしまうのだ。そんな魔法を使
い、種ヶ島は姿を見えなくさせた後、強い魔力を感じる明かりのついた部屋に移動した。
種ヶ島がこっそりと移動した部屋では、竜人である大曲が両手に本を持ち、ベッドの上で
読書をしていた。
(右手と左手に本持って、同時に読んどる。オモロいことしとるなあ。)
ペラっと本のページをめくった後、大曲は種ヶ島が立っている場所に視線を移す。見えて
いないはずなのに視線を向けられ、種ヶ島はビクっとする。
「おい、そこで何してる?」
(えっ!?何でここにいるのバレとるん!?絶対見えてはいないはずやけど。)
読んでいた本を置き、大曲は種ヶ島の目の前まで移動する。
「姿を見せろ。見せないなら、力づくで追い出すぞ。」
片腕を竜に変化させ、種ヶ島の目の前にそれを近づける。これはまずいと種ヶ島は不会無
を解除し、姿を見せる。
「悪い悪い。別に悪いことしようと思ってここに入って来たわけちゃうで?メッチャ強い
魔力感じたから、どんな奴なんやろーと思ってちょっと見てみたかっただけやねん!」
種ヶ島の言っていることが本当かどうか大曲は精神感応の魔法を使って確かめる。心の声
と口に出していることが一致していたので、大曲は竜変化させていた腕をもとに戻し、す
っと下ろす。
「勝手に人の部屋に入ってくんなし。」
「ホンマ悪かったって!せやけど、俺の姿見えとらんかったんやろ?何で分かったん?」
「お前、俺の魔力を感じてここへ来たんだろ?それと同じだし。姿は見えなくても、魔力
はダダ漏れだったからな。」
「あー、なるほどな。」
それは盲点だったと、種ヶ島は大曲の言葉に納得する。姿を消す魔法を使っていたため、
通常時よりは魔力が外に出ているのは確かだった。
「ここで名乗らなただの不法侵入者やしな。俺は種ヶ島修二。実は人じゃなくて・・・」
「夢魔だろ?」
「えー、何で分かったん?」
「そんなん魔力の種類で分かるし。」
「すごいなあ。んで、アンタの名前は?」
「大曲竜次だ。」
「竜人の?」
「ああ。まあ、さっき変化しちまったからさすがにバレてるか。」
大曲も普段は自分が竜人であることは隠しているが、種ヶ島を脅すために片腕を竜変化さ
せてしまったので、隠すことはしなかった。
「竜人に会うたの初めてや。なあ、もうちょっと竜次のこと知りたいんやけど、もう少し
ここにおってもええ?」
「初っ端馴れ馴れしいな。」
「あ、竜次も俺のこと名前で呼んでもええで?」
「俺の好きなように呼ばせてもらうし。俺も夢魔に会ったのは初めてだしな。少しくらい
なら構わねーし。」
「おーきに☆早速なんやけど、さっき片腕だけ竜に変化してたやろ?アレ、もっと見せて
くれへん?」
不会無状態のときに見た大曲の竜変化の衝撃が忘れられず、種ヶ島はそんなことを頼む。
「はあ?別に構わねーけどよ。」
何が楽しいんだろうと思いながら、大曲は段階的に身体を変化させる。まずは肌に竜の鱗
を出す程度、それから四肢の一部を竜に変化させ、最後は顔の近くまで変化させる。そん
な一部始終を種ヶ島はキラキラとした目で眺めていた。
「ふあー、メッチャかっこええ!!」
「いや、そんな反応されると戸惑うんだが。」
「なあ、ちょっと触ってみてもええ?竜に触るのなんて初めてで、メッチャドキドキする
わ!」
「別にいいけどよ。」
すっと差し出された竜の腕に種ヶ島はそっと触れる。大曲の竜の肌の触れた瞬間、種ヶ島
はゾクゾクと身体の中心が痺れ、どうしようもなく興奮してしまう。
「あは、俺、この肌触りメッチャ好きかも☆」
顔を赤らめながら、その手を頬に持っていき、スリスリとしながら、色気たっぷりにそう
言う種ヶ島に、大曲はドキッとしてしまう。
「その言い方は語弊があるというか・・・お前ちょっと興奮してるだろ。」
「どうやろな?ただ、竜次の肌に触れとったら、メッチャドキドキゾクゾクするわ。」
「勘弁しろし。」
そう言いながら、大曲はその姿を人の姿に戻す。大曲が人の姿に戻っても、胸のドキドキ
と高揚感は治まらず、種ヶ島は久しぶりにそういうことがしたくてたまらなくなっていた。
「なあ、竜次。」
「何だし?」
「俺、夢魔やん?竜次の魔力と竜の肌の感触にあてられて、メッチャエッチしたくなっと
るんやけど。」
「なっ!?」
「相手してくれへん?」
唐突な種ヶ島の提案に大曲は戸惑う。別に種ヶ島とするのは嫌ではないのだが、ただ頷く
のは夢魔の力に負けた気がするので、大曲はちょっとした条件を出す。
「夢魔の力でも何でも使って、俺をその気にさせられたなら相手してやってもいいし。」
「ホンマに!?」
「ああ。その代わり、俺に直接触れるのはなしだ。俺は俺自身の魔力でお前の魅了の魔力
を防御する。その防御を破れたなら、相手になってやる。」
「何やオモロそうやん!その誘い乗ったで☆」
普通にするよりはなかなか面白そうだと、種ヶ島は大曲の出したその条件を受け入れる。
そんな勝負をするために、二人はベッドへと移動した。
ベッドの上で向かい合い、種ヶ島は若干服をはだけさせ、大曲に向かって魅了と媚薬の魔
法を全力で放つ。周囲にいる者は全員一瞬で種ヶ島の虜になるくらいの強い魔法であるが、
魔法防御をしている大曲には一切効いていなかった。
「どうしたよ?全然その気になんねーし。」
「もー、竜次の防御魔法強すぎやろ!!こんな全力でこの魔法使うたの初めてやで!」
種ヶ島が全力で魅了の魔法をかけようとしていることは、魔力を読むことに長けている大
曲にはハッキリと分かっていた。もちろんその強さに合わせて、大曲もかなり強い力で防
御している。
「あー、もう、魔法使うのしんどいー!」
「フッ、なら諦めるんだな。」
こんな気分にさせられて諦められないと、種ヶ島はどうにかならないか考える。魔法を使
うとエネルギーを消耗してしまうので、他の方法を考えようとする。
(ただの魔力対決やとこりゃ勝てへんな。一か八かやけど、別の方法ちょっと試してみる
か。)
「竜次に触らなきゃ、何してもええんよな?」
「そうだな。」
「だったら・・・」
大曲にそう確認すると、種ヶ島は着ている服を全て脱ぎ去り、大曲の前で大きく脚を開く。
「っ!!」
「ハァ・・・」
ちゅぷっと自分の利き手の指を口に含み、種ヶ島はしっかりとその指を濡らす。そして、
唾液が絡み、ぬるりと滑ったその指を自身の下の口へと持っていく。
つぷん・・・
「んあっ・・・ああっ!!」
ためらうことなく種ヶ島はその指を自分の中へと挿入する。
(あ、これ普通に気持ちええ。竜次に見られとるから、余計に興奮するし。)
思ったよりも悪くないことを確認すると、種ヶ島は中に入っている指を出し入れする。
「んあんっ・・・竜次っ・・・あっ・・・あんっ!!」
後ろを使って自慰をしている種ヶ島に、大曲の目は釘付けになる。今の状況で、種ヶ島が
魅了の魔法を使っていないことは分かっていた。
(魔法以外は防御出来ねぇし。こんなん見せられたら・・・)
「ああっ・・・竜次、中、気持ちええっ!!んあっ・・・もっと・・・」
大曲の名を呼びながら、種ヶ島は指を増やし、より激しくそこを弄る。そんな種ヶ島を見
て、大曲の熱は大きくなり素直に興奮してしまう。
「ハァ・・・あっ・・・竜次ぃ・・・」
激しく呼吸を乱し、赤く染まった顔と濡れた声に大曲はすっかり魅了される。それは魅了
や媚薬の魔法の力ではなく、素の種ヶ島の魅力ゆえであった。
「ふあっ・・・アカンっ・・・ここ、気持ちええっ・・・んっ・・・イクッ・・・!!」
自身の指がいいところにあたり、種ヶ島はビクビクをその身を震わせながら達する。絶頂
の余韻に浸りながら、チラリと大曲の顔を見てみると、その顔は真っ赤に染まり、興奮か
らか若干呼吸が乱れていた。
「ハァ、ハァ・・・竜次が相手してくれへんから、自分でしてイッてもうたわ。」
「チッ・・・勘弁しろし。」
「なあ、俺のここ、もっと大きいもん挿れて欲しいんやけど。」
くぱぁと今しがた指を挿れていた場所を拡げ、種ヶ島は妖しく笑いながらそう口にする。
「あー、俺の負けだし。仕方がねぇから相手してやんよ。」
「仕方がない?ホンマは俺ん中に挿れたくてしょうがないんちゃうん?」
「うるせーし。俺は別にしなくてもいいんだぞ。」
「あ、嘘嘘!!俺が竜次に挿れて欲しいから!」
「しゃあねーなあ。」
種ヶ島の魅力に抗えず、大曲は種ヶ島の誘いに乗ることにする。先程の種ヶ島を見て、す
っかり大きくなっているそれを種ヶ島の蕾に押し当てると、大曲はふーっと大きく息を吐
く。
「そないに緊張せんでも大丈夫やで☆」
「別にしてねーし。挿れるぞ。」
種ヶ島の指で存分にほぐされているそこに、大曲は自身の熱を挿入する。少し狭いがほど
よく絡みついてくる襞に、大曲は熱い息を吐く。
「くっ・・・結構クるな。」
「ああっ・・・竜次のが入ってきとるっ!!」
「動くぞ。」
「んっ・・・好きなように動いてくれてええで。」
「言われなくてもそうするつもりだし。」
種ヶ島のことを組み敷きながら、大曲は大きく腰を動かす。竜人である大曲の熱はそれな
りの大きさがあるものの、その気になっている種ヶ島にはそれがちょうどよかった。
「んあぁっ・・・竜次の気持ちええ!!」
「こっちとしても悪くねぇし。そうだ、お前、竜の質感すげぇ気に入ってたよな?」
「んっ・・・せやな。それがどうかしたん?」
ニヤリと口角を上げると、大曲は種ヶ島の中に入っているそれをある程度竜変化させる。
「ひあっ!!」
その質感を確かめさせるように、大曲は竜変化した楔をゆっくりと抜き、抜けてしまうギ
リギリのところで、再びゆっくりと挿入する。
「ああぁんっ!!なっ、えっ!?」
「どうよ?竜変化は俺の身体の一部であればどこでも出来るし。」
「こんなんアカンっ・・・中ゴリゴリ擦られて、メッチャ気持ちよくなってまう!」
「なっとけばいいし。」
種ヶ島の反応が悪くないことを確認すると、大曲はその楔で激しめに種ヶ島の中を責める。
「んあっ・・・ああっ・・・ひっ・・・やああぁっ!!」
「ハァ・・・お前ん中、本当気持ちいいし。」
「あっ・・・竜次っ・・・ひあっ・・・ああぁんっ!!」
竜変化の楔で責められるという味わったことのない未知の快感に、種ヶ島はビクビクとそ
の身を痙攣させ、大曲にしがみつきながら、絶え間なく与えられる快感を享受する。
「あっ・・・もぉ、アカンっ・・・イッてまうっ・・・んあああぁっ!!」
一際大きく痙攣し、種ヶ島は大曲の腕の中で果てる。激しく収縮する種ヶ島の内側にゾク
ゾクしながらも大曲まだ達してはいなかった。
「ハァ、ハァ・・・竜次の、ホンマよすぎてアカンわ・・・」
「そりゃよかったじゃねぇか。」
「なあ、竜次。キスして欲しい。」
大曲の首に腕を回しながら、種ヶ島は甘えるようにそうねだる。交わっているときの種ヶ
島の想像以上の色気と可愛さに大曲はすっかり心を奪われているため、何の疑問も持たず
その希望を叶える。
「んっ・・・」
種ヶ島が軽く舌を出してくるので、その舌を食むように大曲は深い口づけを施す。種ヶ島
の唇が自身の唇に触れた瞬間、大曲は電流を流されたような強い快感にビクっとその身を
震わせる。
(くっ、夢魔の魔力が直接入ってきやがった。)
「はっ・・・お前っ・・・」
「油断大敵やで竜次。竜次ばっかり余裕なのずるいから、俺の魔力注いでやったわ。今か
ら竜次はもーっと気持ちようなれるし、出すときはいつもよりぎょーさん出るから覚悟し
といてな☆」
「そんな勝手なことしやがって。覚悟しとくのはお前の方だし。竜人はただでさえ人より
それが多くて濃いんだからな。それを増やしちまったこと後悔するんなよ?」
どちらも負けじとこれから訪れる快感への覚悟を促す。こうなってはもうなりふり構って
いられないと、どちらも相手に極上の快感を与えるように腰を動かす。
「んあっ・・・んっ、竜次っ・・・ああっ・・・!!」
「ハァ・・・んっ・・・くそ、さっきと全然違うっ!!」
「あっ・・・んあっ・・・ああぁっ!!」
「ぐっ・・・もう・・・っ!!」
種ヶ島の魔力の効果は絶大で、先程まではかなり余裕のあった大曲もあっという間に絶頂
まで押し上げられてしまう。
(やられっぱなしじゃ納得いかねぇ!魔力の質ならこっちだって負けてねぇこと思い知ら
せてやる!)
種ヶ島の中に放つそれに大曲は全力で自身の魔力を込める。種ヶ島の魔力の効果もあり、
通常の何倍もの量のそれが種ヶ島の中に放たれる。
「ふあっ・・・竜次のが、出とるっ!!」
初めこそその程度の反応で済んだが、大曲の強い魔力が込められているそれが大量に出さ
れ続けると、激しい絶頂感に襲われ、イクのが止まらなくなる。
「ひっ・・・ああああぁっ!!んっ・・・ぐっ・・・あああぁん!!」
「くっ・・・まだ、出てる・・・」
「あああぁっ!!やっ・・・んああぁっ!!」
どちらも長い長い絶頂の波に翻弄され、味わったことのない多幸感に気を失いそうになる。
しかし、どちらも強い魔力で身体が満たされているがゆえに、気を失うことは出来ず、長
い時間この世のものとは思えない快感に身を委ねるしかなかった。
初めてにしては、非常に激しく濃密な交わりを終えると、二人はしばらくぐったりと身体
を休ませた後、ゆっくりと起き上がる。
「いやー、ホンマ竜次とのエッチ最高やったわ!」
「確かに悪くなかったし。つーか、アレだけ激しくイッてたわりには、随分元気だな。」
「そりゃ竜次の精液、ぎょーさん俺ん中に出してもろたからな!竜次の魔力、ホンマにつ
よつよやから、その分エネルギーもマシマシで元気にもなるわ!」
そう言えば、夢魔はそういうものをエネルギーに転化出来るのだったと大曲は思い出す。
「俺、普段は人間のふりして暮らしとるから、こういうことなかなか出来なくて、ぶっち
ゃけ欲求不満やったんやけど、今日竜次とさっきみたいなことして、久しぶりに満たされ
たわ。」
「へぇ、夢魔なのにそういうこと我慢してたのか。」
「まあ、人の街で暮らすってなると、あんまり派手なことは出来へんからなあ。」
「その気持ちは分かるし。俺も普段は竜人なこと隠してるからな。」
「お互い難儀やなあ。ホンマ竜次と一緒におれたらええんやけど。」
大曲と一緒にいれば、今まで我慢していたようなことは我慢する必要がなくなると、種ヶ
島は苦笑しながら口にする。
「だったら、一緒にいればいいんじゃねぇ?部屋は余ってるし、俺は別に構わねぇけど。」
「へっ!?ホンマに!?」
思ってもみない大曲の提案に、種ヶ島はひどく驚いたような反応を見せる。
「お前の前なら、竜人としての素の俺でいられるしな。お前も俺の前なら夢魔らしくいら
れるだろ?」
「えー、メッチャ嬉しい!!ホンマのホンマにええんやな!?」
「いいって言ってるだろ。何回も聞くなし。」
「おーきに、竜次!!」
あまりの嬉しさに種ヶ島は勢いよく大曲に抱きつく。
「ちょっ、急に抱きつくな!」
「今日会ったばかりやけどな、俺、ホンマに竜次のこと好きになってしもてん。大好きや
で、竜次!」
「知ってるし。」
「えっ、そうなん?」
「・・・俺も同じだからな。」
目を逸らしながら、ボソッとそう言う大曲の言葉に種ヶ島の顔は真っ赤に染まる。
「出会って速攻両想いって、俺らヤバない?」
「どうだかな。あっ、ちなみにお前の魅了の魔法のせいではねぇからな。」
「そりゃ分かっとるって。魅了の魔法は全然効かなかったのに、素の俺のオナニー見て興
奮して、してくれたんやからな☆」
「そういうこと言うなし。」
確かにそうではあるが、改めて指摘されると恥ずかしいと大曲は顔を赤くして、舌打ちを
しながらそう返す。しかし、種ヶ島はニコニコと嬉しそうに言葉を続ける。
「せやけど、俺的にはそれがメッチャ嬉しかったんやで?魅了の効果じゃなくて、竜次が
自ら俺としたいと思ってくれたってことやからな。」
「デカ勘弁しろし。」
「はは、とりま、これからよろしくな、竜次。」
「ああ。よろしくな、修二。」
「っ!!名前っ・・・!」
「じゃ、俺は寝るからな。」
照れ隠しに大曲はそう言い放ち、ゴロンとベッドに横になる。
「いや、まだ寝んといて!!もっといろいろ話しようや!」
「うるせーし。これからずっと一緒なんだから、今じゃなくていいだろーが。」
大曲のその言葉を聞いて、種ヶ島の顔は少し赤くなりながらも喜びに溢れた明るい顔にな
る。
「せやな!これから毎日メッチャ楽しくなりそうや!」
そう言いながら、種ヶ島も大曲の隣に横になる。引き寄せられるように出会った人外の二
人。自分らしさを存分にさらけ出せる相手に出会い、明日からの日常がより楽しくなるこ
とに胸を躍らせながら、二人はそっと目を閉じた。
END.