Chocolate

部活が終わり、練習を終えたメンバーが一息ついている時、跡部や宍戸は今日も部室に来
ていろいろと話をしていた。鳳や樺地など二年のメンバーは着替えを終えていままさに帰
ろうとしている。
「宍戸、チョコレート持って来たんだけど食うか?」
「マジで!?食う食う!!」
跡部は持って来ていたチョコレートを宍戸に食べさせた。量的にはそんなに多くはないが、
なかなか高価なものらしく味はかなりいい。そこに制服に着替えた鳳がやってきた。
「宍戸さん、いいですねー。俺、お腹空いちゃいました。」
「じゃあ、一個食うか?うまいぜ。」
宍戸は箱に入っているチョコレートを一つ取って、鳳に渡した。その瞬間、跡部があっと
いうような顔をする。宍戸はてっきり自分が鳳にチョコレートをあげたことを跡部が妬い
ているのだと思い笑顔で機嫌を取ろうと跡部に話しかけた。
「跡部、一個くらいいいよな。そんなに怒るなよ。」
「いや、あげるのは全然かまわねぇんだけどよ・・・・」
「ホントにおいしいですね、このチョコレート。跡部さんありがとうございます。」
「そうか。・・・・そりゃよかったな。」
跡部は何故か気まずそうな表情をしている。実はこのチョコレートには恐るべき秘密が隠
されていたのだ。だが、それは今すぐに分かるものではなかった。
「もう部活も終わっちまってるし、跡部帰ろうぜ。」
「ああ。今日、お前うちに泊まるよな?」
「うん。そのつもりだけど。」
部室のドアを開け、帰ろうとしながら跡部はふっと何か楽しいことが起こるぞというよう
な笑みを浮かべる。鳳のことは気になるが宍戸が自分の家に泊まってくれさえすればいい
と自分勝手なことを考えながら、跡部は部室を後にした。
「じゃあ、俺も帰るか。明日は休みだし、今日はゆっくりできるぞ。」
鳳もこの二人に続いて部室を後にした。

家に帰ってから、鳳はいつものようにシャワーを浴び、夕食を食べ、部屋でくつろいでい
た。紅茶を飲みながら音楽を聴いていると、突如として体に大きな異変が起こり始める。
ドクンッ
「うあっ・・・」
急に鼓動が早くなり、身体全体が熱くなる。呼吸も思うように出来なくて次第に乱れてい
った。そう、まるでアノ時のようにだ。
な、何だよこれ?体が熱い・・・。何か・・・すごい変な気分だし。どうしよう。俺、ど
うしちゃったんだ?・・・・息が出来ない。苦しい・・・。
「ハァ・・・やだな、おかしい。俺、どうしちゃったんだろ・・・・?」
自分の体を抱くような形で、その異変に耐えようとベッドの上でうずくまる。だが、体は
だんだんと熱くなり、耐えられるような状況ではなくなった。瞳は何もしていないのに潤
み、体は何かを必死で求めている。鳳は誰かに助けを求めようと携帯に手を伸ばす。こん
な状態なのを助けてくれそうな人はただ一人。メモリーに登録してある電話番号に電話を
かけた。
『もしもし?』
「・・・・滝さん、助けてくださ・・い。俺、何か・・・変なんです・・・。」
『長太郎!?どうしたの!?今、どこにいるの?』
「ハァ・・・家に居るんですけど・・・あっ・・・体が熱くて・・・苦し・・・」
『分かった。すぐ行くから。』
カチャッ
あまりにも様子のおかしい鳳の声を聞き、滝はすぐに鳳の家へと向かった。鳳の家はとて
も大きくて一般人なら入るのを少しは躊躇するだろう。だが、今はそんなことをいちいち
気にしている余裕はない。かなり夜の遅い時間にも関わらず、滝は鳳の家に着くとすぐに
中に入った。鳳の親は滝のことを知っているので、鳳から電話があったと話すと快く家に
入れてくれた。滝は迷わず鳳の部屋へと向かう。
「長太郎!!」
「滝さん・・・。」
鳳はさっきと同じようにべッドにうずくまって震えていた。息を乱し、顔を赤く染め、目
はこれ以上なく潤んでいる。明らかに様子がおかしいと滝はすぐに察知する。
「どうしたの長太郎。何があった?」
「分かりません・・・急に体が熱くなって・・・息が苦しくなって・・・・」
こんな鳳を滝は見たことがないわけではなかった。だが、それはあまりにも日常的にはあ
りえないことで、突然こんなふうになるのはまずないことだ。もし、それが起こるとした
らあるものを口にするか、相当精神的にキているときだ。
「長太郎、何か今日変なもの食べた?」
「変なもの・・・・?特に食べてませんけど・・・・」
「そっか。たぶんそういうのが原因だと思うんだけど・・・。食べてないとなると何だろ
う・・・?」
滝が原因を考えていると、鳳が何かを思い出したように言う。
「そういえば・・・宍戸さんからチョコレートをもらいました・・・・。跡部さんからも
らってたみたいですけど・・・・」
跡部が宍戸にあげたチョコレートと聞いて、滝はすぐにことの真相を理解した。そして、
慌ててポケットから携帯電話を出し、跡部に電話をかける。
「もしもし、跡部!?」
『あー、滝か。何の用だ?俺、今取り込み中なんだけど。』
「宍戸に今日チョコレートあげただろ?それ何か変な薬入ってなかったか?」
『ああ。入ってたぜ。ちょっとばかり催淫剤をな。でも、即効性じゃいろいろ面倒だから、
時間おいてから効果が出てくる奴。どうせ宍戸だけに食べさせるつもりだったから、特に
気にしてなかったんだけどよ。』
「それ長太郎も食べたよな?どうすんだよ、長太郎今すっごく大変なことになってるぞ。」
『そんなの知らねーよ。俺があげたんじゃねーんだからよ。宍戸があげたんだぜ?』
『あっ・・・跡部っ・・・やっ・・ああ・・・』
携帯電話の向こうから聞こえる喘ぎ声に滝は一瞬ドキッとする。声の主はもちろん宍戸。
もろにチョコレートを食べていた宍戸は鳳以上の反応が体に現れているのだ。
「どうすりゃいいんだよ!?」
『三、四回イカせてやったら、自然と薬の効き目は切れると思うぜ。お前なら問題ねぇだ
ろ。むしろ楽しんじまえよ。こんなチャンス滅多にないぜ。』
あまりにも楽しそうに話す跡部に滝はキレた。電話の相手を怒鳴りつける。
「跡部のアホ!!そういうのはお前ら二人でやれ!!長太郎を巻き込むんじゃねーよ!!」
カチャン・・・ツー、ツー・・・
「ったく、何なんだよ滝の奴。俺は何も悪くねーっての。チョコあげたのは宍戸じゃねー
か。もう携帯は電源切っとくか。」
「ハァ・・・あんっ・・・跡部・・・・電話なんかしてねぇで・・・・ちゃんとしてくれ
よぉ・・・・」
「分かってんよ。今日は腰が立たなくなるまでイカせてやるからな。」
「あっ・・・はぁん・・・ああっ・・・・」
薬の所為で宍戸はだいぶいつもより誘い受度が増している。それに便乗して跡部もやる気
満々だ。それとは、対照的に滝はこの後どうするかとても悩んでいた。
「長太郎、その状態治すにはあの方法しかないんだけど・・・。」
「あの方法って・・・?」
「長太郎がこうなっちゃったのはやっぱ跡部の所為で、長太郎が食べたあのチョコにちょ
っとヤバめの薬が入ってたらしいんだ。だから・・・その・・・するってことなんだけど。」
「してください滝さん!俺、これ以上放っておかれたら変になっちゃいます・・・」
「結構、キツイかもしれないよ。それでもいい?」
「平気です・・・てゆーか、もう我慢出来ないです・・・・滝さん・・・早く・・・」
鳳は零れそうな涙を目にいっぱい溜めて、滝に手を伸ばした。それほど追いつめられてい
るのだ。さすがにそこまでされたら、滝もやらないわけにはいかない。上着を脱ぎ、鳳を
ベッドの上に押し倒した。

「ふあぁっ・・・あんっ・・・はっ・・・ああ・・・!」
薬の所為でいつもより感度が増している鳳は軽い滝の愛撫にも過敏に反応し、高い声をあ
げる。さすがの滝もそんな鳳を見て次第に余裕がなくなってきてしまう。
「長太郎・・・。」
「滝さ・・・ぁん・・・・はぁっ・・・ああ・・・うあっ・・・」
「長太郎のココすごく熱くなってる。」
「やっ・・・滝さん・・・そんなっ・・・・ダメ・・・」
いつものように滝は鳳のモノを咥え、口の中でその熱を存分に味わう。その行為に思った
以上に夢中になってしまって、鳳のことを気遣うどころではなくなってしまった。
「んく・・・ん・・・・」
「ひぁ・・・あんっ・・・ふあっ・・・あぁん!!」
いつも以上に気持ちよくて、鳳の頭の中はぼうっとしてきてしまう。足が震え、まともに
座っていることが出来ない。高まってゆく熱が一点に集中し、耐えきれずに熱い飛沫を滝
の口の中に放った。
「んんっ!!あ・・・ああぁ―――っ!!」
「ハァ・・・・ゴメンね、長太郎。ちょっと急ぎすぎちゃったね。」
「滝さん・・・早く・・・」
「えっ、何?」
「早く・・・滝さんに入ってきて欲しいです・・・だから・・・・」
途切れ途切れに濡れた声で鳳は言う。あの薬はここまで受の積極性を変えてしまうのかと
滝は驚いた。鳳は滝の手を取り、しなやかで男にしては細い指を口に含んで十分に濡らし
た。突然指を舐められる感覚とあまりにも積極的な鳳に滝の心臓は壊れそうなほど高鳴っ
た。
「ちょ・・・長太郎・・・?」
「ハァ・・・ん・・・慣らしてくださ・・い・・・・」
うわっ!!どうしよ、長太郎ヤバイくらい積極的だよ〜。これじゃあ、俺もおかしくなっ
ちゃう・・・。
「じゃあ、慣らすけどいい?」
「はい・・・・」
滝はいつもより何倍もドキドキしながら、鳳のバックに指を持っていく。普段なら思い切
ってある程度まで挿れてしまうのだが、今日は妙に緊張していまい動きが中途半端になっ
てしまった。鳳にしては物凄くじらされているようにしか感じないので、身を捩じらせ滝
に濡れた声で懇願する。
「やぁ・・・滝さっ・・ん・・・じらさないでぇ・・・」
「ゴ、ゴメン!長太郎。」
ドキドキしちゃっていつも通りに出来ないよ〜。落ち着け俺。ちゃんとしてあげないと長
太郎が可哀想。
滝は高鳴る胸を必死に抑えて、何とかいつもと同じようにしようと頑張った。しっかり指
を中に挿れ、ゆっくりと掻き回す。
「んんっ・・・ふぁ・・・やあぁ!!」
「いつもよりすごく柔らかい。そんなに感じてるの?」
「あっ・・・・いやっ・・・・はっ・・・ああっ!!」
滝の問いかけにも答えられないほど、鳳は感じ喘いでいる。あまりにも素直に快感に溺れ
る鳳の姿を見て、滝は鳳を気遣うための理性が消えかけているのを感じる。もし、今の鳳
が宍戸で滝が跡部であったら、どちらも理性などとっくになくなっているだろう。実際、
今そうなのかもしれないが・・・。
「んん・・・・」
滝が指を抜くとそれに合わせ、鳳は腰を揺らした。
「長太郎、もう挿れてもいいよね?」
「あ・・・はい・・・・ハァ・・・」
滝の問いに頷くと鳳は体を反転させ、ちょうど四つん這いのような格好になった。滝はそ
んな格好を自らする鳳にドキッとし、一瞬頭の中が真っ白になる。もう滝の頭の中に理性
などというものは残っていなかった。
「長太郎。」
ズッ・・・
「うあっ!!・・・ああぁ―――っ!!」
滝は容赦なく鳳の最奥へと入り込んでいった。こんなにも早く一番奥で感じることが出来
るとは予期していなかったので、鳳は果て、シーツの上に崩れ落ちた。だが、まだ薬の効
果は切れることはない。繋がっている部分からの熱と快感はさらに鳳を蝕んでいく。
「あっ・・・すごい、長太郎・・・」
「ああ・・・滝さん・・・やっ・・・あ・・ふっ・・・」
「今日の長太郎、何かすっごい淫乱だよね。ここもここもこんなに俺のこと欲しがってる。」
「くっ・・・はぁん・・・やめっ・・・」
あまりにも雰囲気の違う鳳に翻弄され、滝もいつもとはかなり違う雰囲気になってきてい
る。後ろから激しく犯し、普段は言わないような意地悪な台詞を吐く。利き手は再び勃ち
始めている熱に添えられ、鳳を追いつめる手助けをした。
「滝さ・・・ん・・・そんなに・・・激しくしないで・・・・」
「長太郎がいけないんだよ。俺だって男なんだからさ、そんなふうにされたら我慢出来な
くなっちゃう。」
「ああっ・・・だって・・・・こんなんじゃ・・・俺・・・・壊れちゃいますよぉ・・・」
「大丈夫。俺がちゃーんと直してあげるから。」
「そんなぁ・・・あっ・・・あぁん・・・やぁっ!!」
滝はもうこの状態を楽しんでいた。ここまできたらもうどうでもいい。なるようになれと
いう感じだ。いつもとは違う滝の攻め方に鳳は戸惑いを隠せなかったが、それ以上にされ
ることが気持ちよくて、意識はとにかく滝を感じることだけに働いていた。
「くっ・・・長太郎・・・俺・・・もう・・・」
「滝・・・さ・・ん・・・・あっ・・・ああ・・・」
髪を振り乱し、滝はベッドに手をついて必死で体を支える。鳳もシーツを握り締めて、涙
をこぼしながら滝の名前を呼び続けた。ドクンと体の中に熱く濡れたものを感じると同時
に鳳は一際大きく体を震わせ、今日何度目かの絶頂を迎えた。
「うっ・・・あぁ・・・!!」
「はあ・・・あぁんっ!!」
二人とも呼吸を乱し、ベッドの上でぐったりとする。だが、すぐに滝は起き上がり鳳の体
を反転させ、仰向けにした。まだ繋がったままなので、その感覚にも鳳は過敏に反応する。
「んっ・・あっ・・・」
「長太郎、まだイケそう?」
「えっ・・・まだやるんですか・・・?」
「あと一回くらい、しよう。」
「・・・・はい。」
静かに口付けを交わし、滝は再び動き出す。今度は向かい合っているので、鳳は滝の背中
に腕を回して、与えられる快楽を出来る限り飲み込み続けた。
「ハァ・・・長太郎・・・・」
「はぁ・・・滝さん・・・ん・・・くっ・・・・」
「気分はどう?まだ、キツイ?」
「だいぶ、楽になりました・・・でも・・・今もすごく熱くて・・・・気持ちイイです。」
「そう。よかった。」
滝は安堵の溜め息をもらす。だが、体からせり上がる熱は止められないので、再び高みへ
昇ろうと動きを速める。濡れた音が接合部から漏れ、二人を徐々に追いつめていった。
「ああっ・・・滝さんっ・・・俺もう・・・ダメです!!」
「俺も・・・長太郎、一緒に気持ちよくなろう。」
「ん・・・ああぁ―――っ!!」
ちょうどかかっていた音楽のCDが終わると同時に鳳も滝も果てた。まあ、してる間中C
Dがかかっていたことなど、全く気にしていなかった二人はそんなことに気づくはずもな
いが・・・・。

「うわあ、思ったよりぐしょぐしょ。」
「・・・・すいません、滝さん。」
鳳は周りを片付けながら、顔を真っ赤にして滝に言った。薬が効いていたとしても意識は
しっかりあった。さっきのことを思い出してしまい、恥ずかしくてたまらないのだ。
「別に謝らなくてもいいよ。積極的な長太郎、すっごく可愛かったしね。」
「そ、そんな・・・ひどいです滝先輩。」
「何で?褒めてんのに。」
「そんなこと褒められてもうれしくないですよぉ。」
「ゴメンゴメン。もう薬はきれたんだよね?」
「はい。えっと・・・ありがとうございます。」
大変な事態になってしまった自分を治してくれた滝に照れながらも、心からお礼を言った。
滝は笑いながら、鳳を抱きしめる。
「俺じゃなきゃ、治せなかったでしょ?でも、俺を頼ってきてくれてホントうれしかった
よ。」
「滝さん・・・・。」
鳳は嬉しそうに滝を抱きしめ返した。
「あっ!!そうだ。宍戸どうなったんだろ?」
「宍戸さんですか?」
「うん。する前に言ったじゃん?長太郎がこうなっちゃったには跡部が持ってきたチョコレ
ートの所為だって。」
「あっ、宍戸さんそのチョコレート普通に食べてました。」
「だから、結構すごいことになってるかなあって思ってさ。電話してみようか。」
滝は楽しそうに話す。おそらく跡部はさっきのことで電源を切っていると思うが、宍戸は電
源を切る余裕などないだろう。なので、滝は宍戸の携帯に電話をかけることにした。
「まだ、終わってなかったりしてね。」
「まさか。俺達だって結構長い時間やってましたよ。」
番号を押すと呼び出し音が聞こえた。鳳にも聞かすためにオンフックにする。カチャッとい
う音がして、電話が繋がった。だが、出たのは電話の持ち主の宍戸ではなく、跡部だった。
『もしもし?』
「あれ?何でお前が出てんだよ。これ宍戸の携帯だろ?」
『ああ。そうだぜ。今、宍戸出れる状態じゃねーよ。』
「そんなに激しかったのかよ?もしかして宍戸、失神してるとか?」
冗談っぽく滝は言う。鳳はそんな会話を聞いてドキドキだ。
『まあな。あっ、宍戸目覚めたみたいだぜ。』
『跡部・・・俺の携帯で誰と話してんだよ・・・』
電話の向こうからけだるそうな宍戸の声が聞こえる。滝は跡部に宍戸にかわれと頼んだ。
「もしもし、宍戸?今日は災難だったなー。さぞかし激しかったんだろ。」
『た、滝!?何でお前が俺に電話かけてくんだよ!!それに何で俺が跡部としてたって知
ってんだ!?』
「ちょっとね。宍戸、跡部からもらったものは少しは危ないって思ってよ。その所為で長
太郎が大変だったんだからね!!」
『あっ!!滝、そこに長太郎いるのか!?いるんだったらかわれ!!』
今度は宍戸が鳳にかわれと言い出した。滝は言われた通り鳳に自分の携帯を渡す。
「もしもし、かわりましたけど・・・」
『長太郎!!ホントゴメン!!俺、あのチョコにあんなもんが入ってるなんて知らなかっ
たからさ。マジで本当ゴメン!!』
「いいですよ。気にしないでください。・・・・たまには、ああいうのもイイッスね。」
『長太郎〜・・・。あとで俺が跡部にキツーク言っておくからさ。本当、今日はゴメンな。』
「本当にもういいですって。じゃあ、切りますね。」
ポチッ
電話を切ると滝と鳳は笑い出す。跡部と宍戸の態度のギャップが激しくおかしかったから
だ。
「あはは、宍戸、すっごい必死だったね。」
「そうですね。跡部さんってああいうものどこで手に入れるんでしょうね?あー、でも、
今日はホント大変でした。」
「確かに。じゃあ、俺、もう帰るね。」
「えっ!!帰っちゃうんですか?」
用事が済んだので滝が帰ろうとすると鳳は寂しそうな表情で引きとめにかかった。
「うん。だってもう長太郎は治ったし、俺がいたら迷惑でしょ?」
「そんなことないですよ!!滝先輩、今日は泊まっていってください。明日、休みですし。」
「長太郎、寂しいの?もう甘えん坊だなー。」
くすくすと笑いながら、滝は鳳の頭を撫でる。せっかく鳳が泊まってくれと言っているの
だから、断るわけにはいかないだろう。
「寂しいですよ・・・甘えん坊な俺は嫌いですか?」
「ううん。大好きvv分かった。今日は長太郎んちに泊まってあげる。」
滝は鳳の首に腕を回して、優しくちゅっとキスをした。鳳はニコッと笑って滝に甘える。
「今日も一緒に寝ようね。」
「はい!」
いつも通りにイチャイチャしながら、もう一度ベッドに入る。さっきの行動の疲労もあっ
てすぐに寝付くことが出来た。今日は鳳にとっても滝にとっても大変な一日だったが、ど
ちらもスリリングで意外と楽しい一日だったなあと思うのであった。

                                END.

戻る