Diabolism

「跡部・・・」
「何だよ?」
「後ろも・・・壊れるくらいたくさん弄って・・・・死にそうになるくらい・・・気持ち
よくして・・・?」
無意識に宍戸はそんなことを口にしていた。別に言わせたわけでもなくそんなことを言っ
てくる宍戸に、跡部は熱くたぎる血が全身を巡るのを感じ、ぞくぞくとした何とも言えな
い衝撃が電気のように駆け巡る。極限状態まで興奮させられた跡部は、容赦という言葉を
忘れる。宍戸の双丘の後ろに何種類もの触手を水槽の上に上らせ、宍戸の蕾とその内側を
犯す準備をさせた。そして、触手が伸びているそのさらに後ろに一枚の鏡を出現させる。
「テメェが犯されてる様子、ちゃんと見といてやるからな。」
「おう・・・跡部になら・・どんな姿を見られても・・・構わねぇ・・・」
完全に跡部に魅せられている宍戸は、跡部の喜ぶことなら何でもしようという気分になっ
ていた。そんな宍戸に跡部は完全に心を奪われる。早く宍戸が乱れ狂う姿が見たいと、跡
部は触手達に合図を送った。一番初めに動き出したのは、直径が五ミリほどの細い触手の
大群であった。跡部の合図を受け、宍戸の蕾に群がるように集まる。そして、淫液を蕾に
十分に塗りたくりながら、ふにふにとそこをマッサージした。
「ふあっ・・あっ・・あ・・・」
むず痒いようなその感覚に、宍戸はゆるゆると腰を揺らす。蕾が収縮を始め、パクパクと
その口を開いたり閉じたりし始めると、その細い触手の大群はわれ先にと宍戸の中へと侵
入を開始した。
「ひあああっ・・・ああぁっ!!」
触手が内側に入り込んでくる感覚に宍戸は嬌声を上げる。それぞれの触手が争うように奥
に入ろうとするので、ぐちゅぐちゅとその体が宍戸の敏感になっている壁にぶつかる。
「ひぁっ・・・そんなに激しく・・・動かれたらっ・・・んっ・・・ああっ!!」
宍戸の言葉などおかまいなしに激しく壁に体を打ちつけながら、細い触手はどんどん奥へ
と入ってゆく。スライムによって腸内を洗浄され、嫌というほど媚薬成分のある蜜を吸収
させられた内側はどこもかしこも性感帯になっていた。普段なら絶対に届かないような奥
の奥まで侵入されても、宍戸が感じるのは激しい快感だけであった。
「そん・・な・・・奥で・・・ぐにぐにされたらっ・・・あっ・・・ひぅんっ・・・腹ん
中・・・変になっちゃう・・・ああっ・・・」
びくびくと下肢を震わせ、快感に喘いでいる宍戸の顔を見るのも最高によい気分だったが、
それと同じくらい、鏡に映った触手に犯されている蕾を眺めるのが、跡部にとってはこの
上なく満悦出来ることであった。ぎりぎりまで奥まで入ったことを確認すると、跡部は宍
戸の唇にキスをした後、妖しげに微笑み、低い声で囁く。
「抜く時はもっと気持ちいいぜ。」
「―――っ!!」
跡部がそう言った瞬間、宍戸は自分の内側で起こった変化に驚愕し、目を見開いた。それ
は何度か味わったことのある変化で、その変化のために自分がどうなるかを身を持って知
っていた。
「あっ・・・これは・・ダメ・・・あっ・・・あ・・・・」
次に起こる刺激を想像し、宍戸はがくがくと体を震わせる。しかし、触手はもう動き始め
ていた。
ぷちゅ・・・ぷちゅぷちゅぷちゅっ・・・・
「ひああぁっ・・・ああっ・・・ああぁんっ!!ふああぁっ・・・!!」
細い触手の大群はそれぞれの体に吸盤を出現させ、宍戸の内側にくっつきその吸盤を剥が
すような刺激を壁全体に与えながら、宍戸の中から抜けてゆく。しかも、いっぺんに抜け
るのではなく、数本ずつが少しずつ抜けてゆくのだ。一つの固まりが抜けきるまでに宍戸
は少なくとも3回は達してしまう。全てが抜けきったときには、宍戸は10回近くも絶頂
を迎えていた。
「ひ・・ハァ・・・あっ・・・あ・・・・」
「やっぱ、テメェはこれ系の触手は大好きみてぇだな。今のだけで何回イったよ?」
「だ・・だってよ・・・」
「でも、今日はまだこれだけじゃ終わらせないぜ。まだまだいろんな種類のが待ってるん
だからよ。」
宍戸を休ますこともせず、跡部は次の触手に合図を送る。今度の触手はその体を玉と細い
糸がいくつも繋がっているような形に変化させ、すっかり花を咲かせている宍戸の蕾に狙
いを定めた。
「今度のはこんな形なんだぜ?」
宍戸に見える位置に今宍戸の蕾を犯そうとしている触手と同じ触手を出現させ、それを宍
戸に見せつける。
「でっかい・・・数珠みてぇ・・・・」
「これがテメェん中に入ってくんだぜ。いくつ入んだろうなあ?」
「ハァ・・・すげ・・どうしよ・・・早く入れて・・・欲しい・・・」
これから自分を責める触手を見て、宍戸は激しく興奮し、息を乱しながら挿入されるのを
待ちわびる。直径3センチ強の玉がいくつも連なった触手は、ぴたっと宍戸の蕾にその体
を押し当てる。
「ハァ・・・ハァ・・・」
次に起こる衝撃を想像し、宍戸の呼吸は荒くなる。その期待に応えるかのように数珠型の
触手はその身を宍戸の中にゆっくり進入させてゆく。
「はあ・・ああぁ・・・」
最初の玉が蕾を押し広げて、その内側に入ってゆく。一つの玉が通り過ぎると宍戸の蕾は
きゅっとその口を閉じる。そして、また二つ目の玉に押し開かれ、それが通り過ぎると再
びその蕾は閉じる。無理矢理触手に開閉させられる穴を、跡部は鏡を通してじっくりと観
察した。
「ああっ・・・ひぅ!・・・ふあぁっ・・・あんっ!!」
開閉に合わせて宍戸の口から漏れる喘ぎに、跡部の気分はひどく高揚する。
「テメェの穴、触手に合わせて開いたり閉じたりしてるぜ。」
「ハァ・・・あっ・・・この玉・・・でかくて・・・あっ・・・ぅ・・・」
「今、いくつ入ったよ?まだまだ入るよな?」
いくつ入ったかなど数えてはいなかったが、相当入っているのは確かだった。しかし、触
手はまだまだと言わんばかりに、いくつも繋がる玉を宍戸の中に埋めてゆく。
「ひあっ・・・はぁんっ・・・ひ・・ぐっ・・・あっ・・・!」
「そろそろ中を弄ってやってもいいな。」
「ハァ・・・えっ・・・?」
「これもなかなかだと思うぜ?」
跡部がニヤリと笑うと、内側にある数珠状の触手の表面に細かい羽毛が生え、宍戸の中を
くすぐり始める。敏感になっている壁を撫で回される感覚がたまらないのはもちろんだが、
入り口に触れている玉が襞をくすぐるのが宍戸にとっては耐え難い刺激になる。
「あああぁぁっ・・・・やああぁっ!!」
「これも気に入ったみてぇだな。」
「あっ・・・く・・はぁ・・・・中が・・・ああっ・・・!」
「せっかくこんな形してるんだからよ、ただ中に入れたままってのは面白くねぇよな。」
「ひあっ・・・どういう・・・意味っ・・・?」
「こういうことだぜ。」
そう跡部が言った瞬間、細かい羽毛を動かしたまま宍戸の中に入っていた触手は、その身
を外に向かって抜き始めた。腸壁と入り口をくすぐられながら、大きな玉がずぼずぼと抜
けてゆく感覚に、宍戸は身悶える。
「ひぃ・・あああぁぁ―――っ!!」
もう何度目か分からない絶頂を迎え、宍戸は背中を仰け反らせ全身を震わせる。跡部の蜜
を飲んでいる所為で、白濁の蜜が出なくなるということはない。何度でも射精を伴う絶頂
を迎えられるこの状況が、宍戸にとってはこの上なく悦ばしいことであった。
「もう一回入れてやるぜ。」
「ひあっ・・・んあっ・・・ひぃんっ・・・」
最後の一個を残して外に出たいくつもの玉が再び中へと入ってくる。しかも、今度は羽毛
が出て、それが細かく動いたままだ。先程と同じところまで埋め込まれると、再び触手は
その身を後ろに引いた。
ずずずずずっ
「あああぁぁ・・・ああぁんっ!!」
ずぼっずぼっずぶっ・・・・
「ひぐっ・・・うあっ・・あっ・・・あっ・・・ああっ・・・」
ずずずず・・・・
「ひああぁっ・・・ああぁぁ――っ!!」
入っては出て入っては出てを何度も繰り返され、宍戸はその快感に乱れ、何度も果てる。
そんな宍戸を跡部は飽きもせずに眺めていた。触手の動きに合わせ、開いたり閉じたりを
繰り返す蕾に魅せられ、跡部はさらにそこを激しく責めたいと考える。
ずぷ・・・
数珠型の触手が完全に体内から出ると、宍戸はゼーゼーと息を乱し、さすがにもうキツイ
と跡部を見る。
「少し疲れてきたみてぇだな。」
「ハァ・・・そりゃそうだろ・・・・もう数えきれねぇくらい・・・イってんだからよ。」
「ちょうど俺もテメェにして欲しいと思ってたところだ。でも、俺のをしてもらいながら、
まだまだ後ろは責めるぜ。」
「俺・・・一応、人間なんだけど・・・・?」
「アーン?俺様の体液飲んでんだから、何の問題もねぇよ。現に今だってまだ余裕じゃね
ぇか。普通の人間ならとっくに悶死してるぜ。」
「確かに・・・こんな責めを普通の人間がくらったら・・・死んじまうよなぁ・・・」
「俺様に感謝しろよ?こんなことして、数えきれないほどイけるなんて、テメェしかあり
えねぇんだからな。」
「まあ・・・半端なく気持ちイイのは確かだからな・・・・それは認めるぜ。」
「ふっ、素直でいいじゃねぇか。それじゃあ、続きするぜ。」
跡部の言葉に頷くと、宍戸の体は跡部の熱を咥えられるくらいの位置まで移動させられた。
そして、跡部が目の前に十分に高まった熱を突きつけると、宍戸はそれを何の躊躇いもな
しに口に含んだ。それと同時に、跡部は次の触手を用意する。
「んっ・・・んむ・・・んんっ・・・」
「今度は何種類かの触手を連続で突っ込んでやるよ。今度のもすごいぜ。」
「ハァ・・・どんな・・・?」
どんなものに犯されるのかは一応確認しておきたいと、宍戸は跡部の熱から口を離し、そ
んなことを尋ねる。すると、跡部は宍戸の見える位置に後ろにいる触手と全く同じ触手を
出現させた。一つは触手全体が疣で覆われており、太さも先程のものとは比べ物にならな
いほど太くなっている。いま一つは表面がうろこのようになっており、しかもぴったりと
並んでいるというよりは、大きなうろこが乱雑に並んでいるという感じで、これで内側を
擦られたら、壁を削ぎ落とされてしまうのではないかとも思われるようなものだ。そして
さらにもう一つの触手は、いくらか太めの体に、らせん状に突起が生えているというもの
であった。
「そんなの・・・突っ込まれたら・・・俺の中、壊れちまわねぇ・・・?」
触手の形があまりにも凶悪なので、宍戸は心配になってそんなことを尋ねる。しかし、跡
部はただいつものように笑って、大丈夫だと答えるだけであった。
「ほら、どんな触手かは分かったからもういいだろ。早く続きしろよ。」
「お、おう・・・」
どんな衝撃がくるのか胸を高鳴らせながら、宍戸は再び跡部の熱を咥える。その瞬間、疣
々の触手がゴリッと宍戸の蕾を抉じ開け、中へと進入していった。
「んぐぅっ!!」
「今のは、疣々の奴だな。どんどんテメェの中へ入っててるぜ。」
「んっ・・・んぐっ・・・んっ・・・んんっ!!」
跡部の熱を咥えながら、宍戸は疣々で内側をぐりぐりと掻き回される感覚に身悶える。今
までとは比べ物にならない太さに多少の苦しさを感じながらも、それがまた宍戸にとって
は快感だった。激しく体を捻りながら、何度か出し入れした後、すぐにその触手は宍戸の
中からその身を引いた。
「んうぅっ・・・!」
「ほら、ちゃんとテメェも口動かせ。下の口にばっかり気ぃ取られてんじゃねぇよ。」
「ハァ・・・あむ・・・んっ・・・んんっ・・・・」
跡部のリクエストに答えようと、宍戸は激しすぎる快感に震えながら必死で口を動かす。
そんなことをしてる間にも、二つめの触手が宍戸の中に入り込んだ。
「んっ・・・んんんっ!!」
「今度のはうろこっぽい奴だぜ。分かるか?」
「んんっ・・・んんっ・・・ん――っ!!」
不規則に並んだ大きなうろこに、腸壁をごりごりと擦られ、宍戸は頭が真っ白になるよう
な激しい快感を感じる。見た目にはもっと痛いものかと思ったが、痛みなど少しも感じら
れない。壁を擦られるたびに感じるのは、イキそうになるほどの強い快感だけだった。
「んっ・・ふぁ・・・跡部ぇ・・・」
「休むんじゃねぇ。俺様をイカせられたら、もっと激しくしてやる。」
「もっと・・・激しく・・・?」
「ああ。もっとして欲しいだろ?宍戸。」
もっと激しくという言葉が宍戸の耳に残る。それを意識した瞬間、急に体が熱くなり、そ
うして欲しいという欲求が体の底から湧き上がった。そうしてもらえるなら早く跡部をイ
カせようと、宍戸は夢中になって跡部の熱を咥えながら舐める。
「んっ・・・んむっ・・・んぅ・・・」
「いいぜ、宍戸。」
激しくなった刺激に跡部は口角を上げながら、宍戸の頭をぐっと押さえつける。それと同
時に、2つ目の触手を抜き、3つ目の触手を宍戸の中に挿入させた。3つ目の触手は先の
2つのものより勢いよく宍戸の中に入ってゆき、らせん状の突起で、刺激を与え続けられ
驚くほど敏感になっている腸壁を容赦なく抉った。
「んんんっ・・・んぐぅ・・・んんっ!!」
「ハァ・・・そろそろだぜ、宍戸。」
「んんっ・・・んうぅ・・・んくっ・・・!!」
宍戸の上顎に熱を擦りつけながら、跡部はドクドクと熱い蜜を宍戸の口内へ放つ。跡部が
達した瞬間、3つ目の触手は宍戸の前立腺のあたりをその体についている突起で激しく抉
った。そんな刺激に耐えられず、宍戸も達してしまう。
「んんっ・・・んんん――っ!!」
イキながら跡部の蜜を飲み込むという状況に、宍戸は体がとろけてしまいそうな恍惚感を
感じる。
(気持ちよすぎて・・・マジで死にそう・・・)
そんな気持ちとは裏腹に、跡部の蜜を飲んだことで体力は回復し、身体は快感に対してよ
り敏感になる。ゆっくりと顔を上げて跡部の顔を見ると、その表情はひどく色っぽく満足
感が漂っていた。
「よかったぜ、宍戸。テメェの口を汚していいのは、俺様だけだ。口は絶対に触手には汚
させねぇ。」
口は触手には渡さないというニュアンスの言葉を聞き、宍戸は胸が熱くなる。跡部に対す
る愛しさとときめきを感じながら、宍戸はふっと口元を緩ませて、跡部の顔を見た。この
状況下で、そんな表情を見せる宍戸に跡部の胸はドキッと高鳴る。そのときめきをちゃん
と行動に表してやろうと、跡部はふっと笑って宍戸に言葉をかけた。
「さっきの約束、ちゃんと守ってやるぜ。」
「へっ?さっきの約束・・・?」
「俺様をイカせられたら、もっと激しくしてやるってやつだ。」
そういえばそんなことも言っていたと、宍戸は納得する。そして、次の瞬間、先程宍戸の
蕾と内側を責めていた触手が再び宍戸のそこを責め始めた。
ずりゅっずりゅっずりゅっ!!
「あああぁぁ――っ・・・ひあぁぁんっ!!」
激しいピストンと奥の奥まで入るという長いストローク。3種類の触手がかわるがわる入
っては動き、入っては出てを繰り返す。そんな激しい刺激が宍戸にとっては、最高の跡部
からのご褒美だった。
「あっ・・・ああぁんっ・・・跡部っ・・・気持ちイイ・・・あっ・・ひぐっ・・・」
「ほう。今、相当激しく動いてるぜ。テメェの中で。普通だったら腸も穴も壊れちまうく
らいの刺激だぜ。そんなのがいいのか?」
「イイっ・・・すげぇイイっ・・・!!・・・はあぁっ・・・もっとして・・・もっとい
っぱい・・・して欲しいっ・・・・!!」
「まあ、この程度じゃテメェの身体は壊れねぇけどな。いいぜ、テメェが満足するまで、
しばらく最強レベルの責めでやらせといてやるよ。」
「ひああぁっ・・・ひぁんっ・・・あっ・・ああぁっ・・・ああぁんっ!!」
3種類の触手に激しく中を抉られながら、宍戸は全身をがくがくと震わせ、その快感を貪
った。触手に犯されて、甘い喘ぎを上げ続け、乱れに乱れている宍戸を見て、跡部も非常
に興奮し、よい気分になってくる。そして、宍戸の内側や蕾が壊れてしまう少し前に跡部
は触手にその激しい責めをやめさせた。触手がその動きを止めるまでに、宍戸はもう何十
回と絶頂を迎えていた。
「こんなにイキまくってて、まだ精神が壊れないでいるってのもさすがだな。」
「ハァ・・・ひぁ・・・ハァ・・・ぁ・・・」
「そろそろ触手責めは終わりにするぜ。いいな、宍戸。」
「お、おう・・・」
もう触手責めは十分だと言わんばかりに、宍戸は跡部の言葉に頷いた。ゆっくりと宍戸の
四肢から触手を外し、自由になった宍戸を跡部は抱き上げる。触手の海から宍戸の体を上
げると、跡部は姫抱きのように宍戸を抱き直し、次の場所へと移動した。跡部が宍戸を抱
えたまま舞い降りた場所には、大きな絨毯が敷かれていた。
「宍戸、今までの責めだけで十分満足か?」
宍戸を絨毯の上にそっと下ろしながら、跡部はそんなことを問う。突然の問いに少しの間
ポカンとしている宍戸だったが、すぐに首を振った。
「あれだけ激しく色んなもんで前も後ろも弄られて、数え切れないほどイって、まだ満足
してねぇって?」
「うっ・・・だって・・・」
跡部の言葉に多少たじたじになる宍戸であったが、跡部としては満足していないという答
えを宍戸の口から聞けることが望んでいることであった。自分が一番聞きたい言葉を宍戸
が言うことを期待して、跡部は言葉を続ける。
「だって、何だ?」
「だって・・・まだ、跡部に入れてもらってねぇし・・・確かにスライムとか触手もすげ
ぇ気持ちよかったけど・・・・跡部の入れてもらえねぇと・・・満足出来ねぇよ・・・」
宍戸のその言葉を聞いて、跡部は満足気に笑う。やはり宍戸は自分にとって手放せない存
在であると改めて跡部は感じた。へたっと絨毯の上に横たわっている宍戸の体を起こし、
愛情を込めたキスをすると、跡部はくるっと宍戸の体を反転させ、先程と同じように四つ
ん這いにさせた。
「宍戸、触手には腹ん中に何か出されたか?」
「えっ・・・?いや・・・前にはかなり出されたけど、後ろにはほとんど何にも出されて
ねぇはずだけど・・・」
「だったら、実質テメェの腹ん中は空っぽってことだよなあ?」
「まあ、そうだな。余計なもんは全部スライムが掃除してくれちまったし・・・」
「これから、テメェの中を俺様でいっぱいにしてやるよ。」
後ろから宍戸を抱きしめながら、跡部は宍戸の耳元で妖しく囁く。跡部の声が耳に響き、
ぞくぞくしながら宍戸はその時を待った。早く跡部に入ってきて欲しい。そう考えている
とゆらゆらと勝手に腰が揺れる。
「入れるぜ、宍戸。」
「ん・・うん・・・」
跡部の熱い楔が今は閉じている蕾にあてがわれる。それだけでもう宍戸は達してしまいそ
うな程興奮していた。そして、跡部はずぶっと宍戸の中に自身を差し込んだ。跡部が中に
入ってきた瞬間、宍戸はいつもとは違う状況にビクンっと体を震わせる。
「ひゃっ・・・ああぁっ!!なっ・・・あぁんっ!!」
「言っただろ?テメェの中を俺様でいっぱいにしてやるって。」
「あっ・・・熱っ・・・跡部の・・・ずっと出て・・・ひああぁっ!!」
宍戸の中に入った瞬間、跡部は完全に自身を解放していた。悪魔は精液の量や出方を自由
に操作出来る。宍戸の中を自分自身でいっぱいにしてやろうと考えている跡部は、入れた
瞬間から宍戸の中に大量の蜜を注ぐことにしたのだ。
「テメェん中が俺でいっぱいになってくのが分かるぜ。でも、まだまだ出すぜ。」
熱い蜜を注ぎながら、跡部は激しく腰を動かす。じゅぷじゅぷと濡れた音を立てながら、
内側が犯される感覚に宍戸はもう失神寸前だった。
「うぁ・・・跡部のが・・・あっ・・・ああっ・・・腹ん中に・・・・」
「まだ半分くらいしか満たせてねぇだろ?全部をいっぱいにすんだから、これくらいでい
っぱいと言ってんじゃねぇよ。」
「ひあっ・・・あっ・・あ・・・ふああ・・・」
どぷどぷと際限なく注がれる熱い液に、宍戸は内側から溶かされてしまうのではないかと
感じていた。しかし、跡部で内側が満たされてゆく感覚は、宍戸にとってこれ以上ない悦
びであった。下の口から繋がる腸と名のつく部分が全て跡部の放った蜜で満たされると、
宍戸はその圧迫感に苦しげに呼吸を乱す。
「は・・・ハァ・・・ハァ・・・」
「そろそろいっぱいになっただろ。」
宍戸の内側を全て満たすと、跡部は蜜を放つのをやめる。しかし、太い楔を宍戸の中から
抜こうとはしなかった。
「く・・ふ・・・跡部っ・・・ちょっと腹・・・苦し・・・」
「そうだろうなぁ。テメェの中、俺でいっぱいになってるんだからよ。」
全てが跡部の蜜で満たされているため、宍戸の腹はいくらか膨らんでいるようにも見えた。
それをもっと確認したいと、跡部はぐいっと宍戸の体を起こし、自分の膝の上に乗せるよ
うにする。
「くっ・・・はあぁんっ!!」
急に体勢を変えられたために、宍戸は悲鳴にも似た声を上げる。跡部の熱をより奥で感じ、
満たされた蜜がぐりゅっと揺れ動く。その感覚が宍戸にはたまらなかった。
「しっかり入ってんな。テメェのココに俺が。」
膨らんだ宍戸の腹を撫でながら、跡部は満足そうにそう呟く。跡部に腹を撫でられ、宍戸
はビクビクと全身を痙攣させる。
「あっ・・・ひあっ・・・あんっ・・・!」
「でも、このままじゃ苦しいだろ?それにまだまだ俺はテメェの中をもっといっぱいにし
てやりてぇし。」
「これ以上・・・入れられたら・・・破裂しちまうっ・・・」
「分かってんよ。要するにこれをさっさとテメェの体に吸収させちまえばいいわけだから
な。ココはそのための器官だろ?」
「えっ・・・?」
「テメェの体、全部俺で埋め尽くしてやる。最高の快楽と共にな。」
悪魔らしい妖しげな笑いを浮かべながら、跡部は宍戸の腹をゆっくりと揉みしだく。する
と、宍戸の中を満たしていた蜜は内壁を犯しながら、そこから吸収されていった。まるで、
跡部の蜜に含まれる種が激しく内壁を擦り上げているような刺激に、宍戸は一気に絶頂ま
で高められた。
「ひあっ・・・あああぁぁっ!!」
「最高だろ?俺がテメェん中に吸収されてく感覚は。」
「ひぐっ・・イ、イイっ・・・あっ・・・また、イっちゃう・・・ああぁんっ!!」
大量の蜜が自分の体に吸収されるという状況に、宍戸はこれ以上ない程の快感を感じなが
ら何度も果てた。全ての蜜が体の中に吸収されると、宍戸の内側はまた空っぽの状態に戻
る。
「は・・ぁ・・・ひぅ・・・ああ・・・」
「全部吸収されたみてぇだな。それじゃあ、二回目行くぜ。」
再び宍戸を四つん這いにさせると、跡部は腰を動かしながら、また蜜を宍戸の中に注ぎ始
める。二回目以降は、蜜を注がれている間も絶頂の連続だった。内側を跡部でいっぱいに
満たされた後、激しい快感とともにそれが体に吸収される。そんなことを夜が明けるまで、
跡部が満足するまで、何度も何度も繰り返され、宍戸は果てしない快楽に溺れてゆく。
「ああぁぁんっ・・・跡部っ・・・もっと・・・もっとぉ・・・!!」
「最高だぜ、宍戸。もう絶対テメェ離さねぇ。テメェの中に嫌というほど、俺を注ぎ込ん
で、俺なしでは生きて行けねぇ身体にしてやるよ。まだまだ踊ってもらうぜ。」
「ひああぁぁっ・・・ああぁぁんっ!!」
それから数時間、地下室には宍戸の愉悦に満ちた嬌声と二つのものが繋がり合う淫靡な音
が響いていた。夜通し続く快楽の宴。跡部も宍戸もお互いの身体に溺れながら、エロスと
タナトスの狭間に堕ちていった。

夜が明けるまで跡部と交わっていた宍戸は、まぐわいが終わると同時に気を失うように眠
ってしまった。そんな宍戸が目を覚ましたのは、もう太陽も南の一番高いところに昇るよ
うな時間であった。目を覚まし宍戸が感じたのは、心地よい充実感と全身が軽くすっきり
としている感じであった。
(何か・・・すっげぇ気分いい・・・)
「起きたか?宍戸。」
少し遠くから聞こえる跡部の声に宍戸はドキっとする。昨日の夜から今日の朝まで跡部と
していたことを思い出し、宍戸の顔はかあっと赤く染まった。
「あ、跡部・・・」
「何そんなに動揺してんだよ?」
「べ、別に動揺なんかしてねぇよ!」
「顔、真っ赤だぜ。それより喉渇かねぇか?冷えた水あるぜ。」
「あー、飲む。ちょうど水が欲しいと思ってたんだ。」
いつもより少し優しい跡部の態度に宍戸は何だかときめいてしまう。冷たい水を受け取る
と、宍戸は渇いた喉を潤した。昨日から今日にかけて喘ぎすぎたために宍戸の喉はやられ、
すっかり声がかれてしまっていた。そんな喉に冷たい水はひどく心地のよいものに感じら
れた。
「跡部。」
「ん?どうした?」
「ちょっとこっちに来て座れよ。」
ベッドから体を起こしながら、宍戸は自分の近くに跡部を招く。跡部がベッドの縁に座る
と、宍戸はぎゅうっと跡部に抱きつく。
「何だよ?」
「跡部はさ、悪魔なんだよな?」
「ああ、そうだぜ。」
「悪魔ってさ、人を堕落させたり、苦しめたりするもんだろ?」
「一般的な人間にはそう思われてるみてぇだな。」
いきなり何を言い出すのだろうと、不思議に思いながら跡部は宍戸の言葉に耳を傾けた。
「だったら、どうして俺は跡部と一緒に居て、こんなに幸せだって感じるんだろう?」
「別に悪魔と一緒に居るから不幸になるとは限らねぇんだぜ。」
「えっ?」
思ったより即答に近い形で跡部が答えてくれたので、宍戸は少し驚いた。抱きついている
腕を緩め、上目遣いで跡部を見上げる。
「天使とか神とかはよ、全体の幸福ってのを目指してるみたいだぜ。だから、それに見合
わないヤツは追放されるし、罰が与えられる。それが堕天使とか悪魔になったりするんだ
けどな。だが、悪魔は違う。全体の幸福っつーよりは、自分の楽しみと見惚れた相手を喜
ばせることだけを考える。基本的に自分勝手だからな。周りなんて関係ねぇ。自分が好き
だと思う相手だけを満足させて、全身全霊をかけて愛して、自分が与えられる相手の喜ぶ
ことをしてやる。そうすることが俺達悪魔のスタンスだからな。」
「へぇ・・・」
「確かに神や天使を信じてやまないヤツには俺らの存在は悪そのもので、関わったり触れ
たりすることも罪になる。テメェは俺と交わったり、関わったりしてることで罪悪感を感
じるか?」
「いや・・・そんなことは全くねぇ。」
悪魔ではあるが、自分は跡部のことを心の底から好きだと思っている。そんな相手と交わ
ったり、関わることが罪であるとは宍戸は考えていなかった。
「そうか。だったら、テメェは不幸にはならねぇよ。言っただろ?悪魔は自分の見惚れた
相手には自分の与えられる全てのモノを与えるんだぜ。まあ、多少の代償はあるかもしれ
ねぇけど。それが俺の場合は、昨日みたいなことをするってことだけどな。あれは俺の満
足のためにやってるようなもんだし。」
「で、でも、あれは・・・俺にとっても結構満足出来ることだから・・・・別に代償とか、
そんなふうには思えねぇんだけど・・・」
「ははは、そりゃ好都合だな。俺の満足がテメェの満足にもなる。最高じゃねぇか。俺は
テメェの喜ぶ顔を見るのが好きなんだ。こんなふうに思ってくれるヤツと居て、幸せじゃ
ねぇなんてことねぇだろ?」
「確かに・・・」
「俺は悪魔だからな。人間界のことなんて知ったこっちゃねぇ。だから、テメェをここに
閉じ込めた。俺はテメェだけが居てくれれば、それで満足なんだからよ。」
悪魔らしからぬ優しい微笑みを浮かべ、跡部は宍戸の頭を撫でながらそんなことを言う。
そんな跡部の表情と言葉に宍戸はもうメロメロだった。跡部がどれだけ自分のことを想っ
てくれているか、それが直に伝わる。その心地のよい感覚に、宍戸は胸がじんわりと温か
くなるのを感じた。
「俺はテメェと出会えたことに感謝してるぜ。初めはちょっとした偶然だったのかもしれ
ねぇし、俺の本能が無意識的にテメェを求めてたのかもしれねぇ。でも、今、テメェと一
緒にこういうふうに過ごしたり、昨日の夜みてぇに身体を繋げることは、俺にとって最高
に幸せなことだ。だから、これからずっと俺はテメェを離しはしないぜ、宍戸。」
「・・・・ずりぃよ。」
「アーン?何がだ?」
「そんなこと言われたら、俺、どんどんテメェに夢中になっちまうじゃねぇか!!」
「そりゃ嬉しいことだな。もっと俺様のこと好きになれよ、宍戸。」
「だったら、跡部だって俺のこともっと好きになれ!!」
「言ったな?今だって相当だが、テメェがそれ以上に好きになって欲しいっつーんなら、
喜んで好きになってやるよ。」
「俺だって、跡部のこともっともっと好きになってやるんだからな!!」
お互いのことをより好きになるということを主張し合い、そのやりとりの間にも相手のこ
とをより好きになってゆく。外界から閉ざされた教会の中。そこには一つの幸せの形があ
り、愛し合う二人の笑い声が明るい雰囲気の中で響いていた。

                                END.

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