焼き肉屋での非常に盛り上がった勝負が終わった後、氷帝レギュラーメンバーはぐったり
した様子で、それぞれの家に帰っていった。あまりにぐったりな状態だったので、跡部が
車を呼んで順に送っていった。そんな中、宍戸だけは家に帰る前にあることを思い出し、
家ではない場所に向かってもらった。
「ったく、部室に夏休みの宿題を忘れるなんてお前は本当ドジだな。」
「ウ、ウルセーな。しょうがねぇだろ!忘れちまったもんは忘れちまったんだから。」
他のメンバーが全員帰った後で、跡部と共に宍戸は氷帝学園に向かっていた。全国大会の
青学戦を終えた後も、テニスの練習のために、宍戸は部室を使用していた。パソコンも使
い放題のレギュラー部室は、夏休みの宿題を進めるにはなかなか快適で、練習のついでに
宍戸は部室で宿題をすることもあった。そんなことをしていたために、宿題の一つを部室
に忘れてきてしまったのだ。幸い夏休み中は跡部が部室の鍵を管理することになっていた
ので、部室が開けられずに取りに行くことが出来ないという状況にはならないで済んだ。
「少し時間がかかるかもしれねぇから、終わったら連絡する。とりあえず今は屋敷に戻っ
ていいぞ。」
「えっ・・・?」
「かしこまりました。」
車から外に出ながら、跡部は運転手にそう言い放つ。宿題を取りに行くだけなら、そんな
に時間はかからないだろうと思っていた宍戸は、跡部のその言葉の意味が分からなかった。
「おら、何ボケっとしてんだ。行くぞ。」
「お、おう。」
薄暗い学園内の敷地を二人は歩いて行く。部室に向かってすたすたと歩いて行く跡部を、
宍戸は早足で追いかけた。跡部に追いつくと、宍戸は跡部の横に並び、先程の疑問を率直
に尋ねた。
「跡部。」
「アーン?何だ?」
「宿題取りに行くだけなのに、そんなに時間かかるか?」
そんな宍戸の問いに、跡部ふっと意味ありげな笑みを浮かべる。口を開いて何かを言いか
けたが、やっぱりやめたというような感じで口をつむぐ。
「何なんだよ?ったく。」
「別に大した意味はねぇよ。今のところはな。」
「意味分かんねぇ。」
そんなふうに宍戸がぼやいている間に、テニス部のレギュラー部室に到着する。ポケット
から鍵を出すと、跡部は部室の鍵を開け、そのドアを開けた。宍戸が宿題を置いてきてし
まったのはロッカールームなので、二人はそこへ迷わず向かう。
「おっ、あったあった。」
宍戸の宿題はパソコンの置いてある机の上にあった。それを手にすると、宍戸は安心した
ように笑う。そのまま跡部の方を振り返ると同時に、ガチャンと鍵を閉める音が薄暗い部
屋に響いた。
「えっ?」
「とりあえず、ソファにでも座れ。」
「何で・・・」
「いいから。」
いつもの専用のソファにではなく、複数人で座れる方のソファに跡部は腰を下ろした。ど
こに座ればいいのか一瞬迷った宍戸であったが、この場合は跡部の隣に座るのが自然だろ
うと、跡部のところまで歩いて行き、そのまま隣に腰を下ろす。
「この部室とも後少しでお別れだな。」
宍戸の方を見ることもなく、跡部はそう呟く。分かってはいるが、ハッキリとそう口にさ
れると少し寂しくなってしまう。
「・・・・そうだな。」
「けど、俺達のテニスはまだ終わったわけじゃねぇ。」
寂しげな声で言葉を返す宍戸に、跡部は先程より少しだけ大きな声でそう言い放つ。いき
なり何を言い出すのかと、宍戸は少し戸惑うような顔で跡部を見た。
「跡部・・・?」
「今回の大会では、青学に負けちまったけど、進学したってテニスは出来るしな。テメェ
だって続けるつもりなんだろ?」
「当たり前だろ!!俺はテニスが大好きなんだからよ。」
宍戸のその言葉を聞いて、跡部は満足気に笑う。そして、宍戸のかぶっている青い帽子を
取ると、くしゃっとその髪を撫でた。
「俺もテメェに負けねぇくらいテニスは大好きだぜ。」
「知ってるぜ、そんなこと。」
「だったら・・・・」
口元に自信に満ちた笑みを浮かべながら、跡部はコツンと宍戸の額に自分の額をくっつけ
る。そんな跡部の行動に、宍戸の心臓はドキンと跳ねた。かなりの近距離で瞳を射抜かれ、
宍戸は跡部の顔から目が離せなくなっていた。
「その自慢の足で、俺様を追いかけて来い。」
それは遠回しにこれからも共にテニスを続けて行こうという意味だった。もちろん宍戸は
その本当の意味をしっかりと捉えていた。
「すぐに追いついて、追い越してやる!!」
「いい心意気だぜ。けど、そう簡単には追いつかせねぇけどな。」
「望むところだぜ!!」
先程のしんみりした雰囲気は二人の間から完全に消え去っていた。今二人の間にあるのは、
これから先のことに対するやる気と希望だった。そんな前向きな気持ちに浸っていると、
突然跡部は宍戸の体をぎゅうっと抱きしめる。
「わっ!!な、何だよ!?」
「せっかくイイ気分になれたことだし、ここには俺とお前の二人しかいねぇ。こんな状況
逃すには少しもったいねぇだろ。」
「・・・・お前、初めからこういうことするつもりだったんだろ。だから、時間がかかる
って運転手に言ったんだな。」
「分かってるじゃねぇか。それなら話は早いな。」
「ったく、本当テメェはしょうがねぇ奴だな。」
「アーン?そんなしょうがねぇ奴が、テメェは大好きなんだろ?」
「ああ、そうだよ。悪ぃか。」
「いや、全然悪くはねぇな。むしろ、かなりいいことだぜ。」
もともと宍戸もイイ気分になっていることをもあり、率直な跡部の誘いにかなり乗り気で
あった。自ら跡部の背中に腕を回し、跡部がしているように抱きしめ返す。そんな乗り気
な宍戸の唇に、跡部は熱い口づけを施した。
「ん・・く・・・ふっ・・・・」
手の甲で口を押さえながら、宍戸は声を殺している。開いた足の間には跡部の頭が埋めら
れ、熱くそそり立った茎が跡部の口に収まっている。
「ここにも、学園自体にも俺達以外誰も居ねぇんだから、声我慢するな。」
「んんっ・・・け、けど・・・・」
いったん口を離し、跡部はそんなことを言う。しかし、宍戸は顔を真っ赤にし、恥ずかし
いというニュアンスを潤んだ瞳で伝えた。そんな視線に跡部はどうしようもなく興奮する。
「出す気がないなら、出させるまでだ。俺様のテクをなめんなよ?」
「ふあっ・・・ちょっ、待っ・・・んんっ!!」
再び宍戸の熱を口に含み、先程よりも強い刺激を跡部は与える。敏感な部分をじっくりと
舐め、一番気持ちいい強さで吸い上げる。全身に力が入り、あまりの気持ちよさに宍戸の
口からは甘い声が漏れ始める。
「あっ・・・んん・・・あぁん・・・っ!!」
そんな宍戸の反応を見て、跡部はニヤリとその口元を緩ませる。くちゅくちゅと音を立て、
宍戸を煽り、存分に鳴かせる。
「はぁっ・・・あっ・・あ・・・跡部っ・・・も・・・」
だんだんと切羽詰まったような声になり、口の中のそれもビクビクと震える。あと少しの
刺激で達するというところまで高めると、跡部は宍戸のそれからパッと口を離す。
「えっ・・・やっ・・・」
あと一息でイけるというところまで高められたのに、突然刺激を与えられるのをやめられ
宍戸は困惑したような顔を見せる。そんな表情も跡部にとってはたまらなかった。
「ハァ・・・跡部ぇ・・・・こんなの・・・・」
あと少しの刺激が欲しいと、宍戸はふるふるとその身を震わせながら、跡部に懇願するよ
うな視線を送る。そんな宍戸を見て、跡部の嗜虐心は掻き立てられる。
「イカせて欲しかったら、ちゃんとお願いしなきゃだろ?」
「ん・・・そんな・・・・」
こんな状況でも、まだ少しの羞恥心は残っているようで、宍戸は素直にして欲しいという
ことを言うのをためらった。しかし、無理矢理そんなことを言わされるという状況に、宍
戸の体は先程よりも熱くなっていた。
「言わなきゃそのままだぜ。」
「イ・・・イカせて、跡部・・・・」
「よく出来ました。」
ギリギリまで高まり、どくどくと脈打つ熱を跡部はしっかりと咥え、思いきり吸ってやる。
その瞬間、宍戸の体はビクンと跳ね、跡部の口の中に熱いミルクが流れ込んできた。
「あっ・・・ああぁ――っ!!」
最後の一滴まで残さず吸い取り、宍戸のミルクを口の中いっぱいに溜めると、宍戸のそれ
から口を離し、跡部はそのままの状態で宍戸の顔を見た。そして、ふっと笑みを浮かべな
がら、ゴクンと口の中にあった宍戸味のミルクを飲み込む。
「っ!!」
「乾の作ったあのコーヒーの味が気絶する程最悪だったからよ、テメェのミルク、いつも
より何倍も美味く感じるぜ。」
「そ、そりゃ、アイツの作る飲み物に比べたら、少しはマシかもしれねぇけど・・・・」
跡部の言葉に宍戸は、カアァと顔を赤く染めて跡部から目を逸らす。そんな態度を取る宍
戸が本当に可愛いと、跡部は軽く口を拭うと宍戸の頬にキスをしてやった。
「マシどころじゃねぇよ、すげぇ美味いぜ。」
「マジで・・・?」
「ああ。嘘じゃねぇ。」
「なら・・・」
ぐいっと跡部を押すと、宍戸はソファから下りる。ここまでくると、ズボンも下着も邪魔
だとソファを下りたついでに脱ぎ捨て、逆に跡部を座らせる。
「そんなに美味いなら、俺も味見する。」
「何だよ?テメェもしてくれんのか?」
「おう。」
ドキドキと胸を高鳴らせながら、宍戸は跡部の制服のベルトに手をかけ、カチャカチャと
それを外す。ジッパーを下げ、下着の中から跡部の熱を取り出すと、その大きさと整った
形に宍戸は息を飲む。
「していい?」
「ああ、いいぜ。」
上目遣いで跡部に確認をとった後、宍戸はパクンと跡部のそれを口に含む。歯を立てない
ように気をつけながら、口を上下に動かす。そこまでとても上手いというわけではないが、
宍戸が自分のものを咥えてくれているという事実が、跡部の鼓動を速くさせ、少しの刺激
も心地よいものと知覚させていた。
「ふはぁ・・・俺、跡部みたいに上手く出来てねぇと思うけど、ちゃんと気持ちいい?」
大きく息を吸うために、宍戸はいったん跡部のそれから口を離す。そんなことを尋ねてく
る宍戸の頭を優しく撫で、跡部はふっと笑った。
「確かにそんなに上手くはねぇけど、すげぇ気持ちいいぜ。」
「本当か?」
「ああ。テメェが俺のを咥えてくれてるってだけでも、十分興奮するしな。」
「そっか。なら、もうちょっと頑張るぜ。」
ぎこちなくではあるが、宍戸は跡部の熱を舐め、咥え、吸い上げ、一生懸命に跡部を気持
ちよくさせようとする。跡部の熱の先端から溢れる先走りの蜜と、宍戸の唾液が混じり合
い、口を動かすたびに濡れた音が響いていた。
(マジ気持ちいいな・・・こりゃ結構クるぜ。)
小さく呼吸を乱しながら、跡部は宍戸の髪を掴む。かなり強い力で髪を掴まれているのに
気づき、宍戸は跡部が感じてくれているのだということを悟る。ちゅっと先端を吸った後、
宍戸は一度顔を上げ、跡部の顔を見た。
「跡部・・・・」
「どうした?」
「これから言うことちゃんと聞いとけよ?一回しか言わないからな!」
恥ずかしそうに、しかし、悪戯っ子のような笑みを浮かべて、宍戸はそんなことを言う。
何を言うのだろうと、跡部が首を傾げると、宍戸は再び跡部の熱を口に含み、そして、声
は出さずに大きく口を動かし始めた。一文字目は大きく開き、二文字目は唇をその熱にく
っつけるようにして横に開く。三文字目では口を窄め、四文字目では二文字目と同じよう
に口を横に広げる。宍戸が熱を通して伝えた言葉を跡部は解読する。その答えが分かった
瞬間、跡部の熱はドクンと弾けた。
「なっ・・・!?」
「ふあっ・・・んっ・・・んんん・・・・」
まさかこんなすぐに出されるとは思っていなかったので、宍戸は驚いてしまう。しかし、
跡部のミルクをこぼすわけにはいかない。ほんの少し隙間があった口をしっかりと閉じ、
熱いミルクを口内に誘い込んだ。
(熱い・・・あー、でも確かにいつもより美味く感じるかも・・・)
初めだけ少しこぼしてしまったものの、後はほとんど全て跡部のミルクを宍戸は飲み込ん
だ。
「ん・・・はぁ・・・」
「今のは反則だろ。咥えながら大好きとかそんなこと言われたら、イっちまうって。」
「へへへ、ちゃんと分かってくれたんだな。」
「当然だろ。俺様を誰だと思ってやがる。」
宍戸の口元に残る雫を指で拭いながら、跡部は頬を緩めてそんなことを言う。跡部の指が
口元から離れると、宍戸はゆっくりと立ち上がり、ソファの上に膝をついて、跡部の首に
腕を回した。
「跡部・・・」
ハッキリと跡部の名を口にすると、その言葉を紡いだ唇を跡部の口に近づける。小さく口
を開いたまま唇を重ね合わせると、跡部の舌がその隙間から入り込み、宍戸の舌を捉える。
「んっ・・・んん・・・・」
舌と舌が絡み合い、お互いに自分自身の味を伝え合う。その何とも言えない感覚に宍戸は
うっとりしながら、甘い吐息を漏らす。
「ふっ・・・ぁ・・・・」
宍戸の色めいた息遣いを感じながら、跡部はしばらくその味を堪能する。お互いの口内か
ら溢れる蜜が混じり合い、もともと口に残っていた味が消えてしまうくらいになると、跡
部はゆっくりと唇を離す。二人の口を銀色の糸が繋ぎ、口づけを終わらせることへの名残
惜しさを示していた。
「そろそろ入れる準備しないとな。」
「・・・お、おう。」
率直な跡部の言葉に、宍戸の胸はトクンと高鳴る。どこからか跡部はローションの入った
小さなボトルを取り出し、たっぷりとそれを指に絡めた。ローションで存分に濡れた指を
跡部は宍戸の双丘の中心へと持っていった。クチュっと濡れた音を立て、跡部の指は宍戸
の内側へと呑み込まれる。
「うあっ・・・ああっ!!」
「やっぱ、ローション使うと違ぇーな。簡単に入っちまうぜ。」
「んぅ・・・指、が・・・俺ん中っ・・・・入ってる・・・・」
「これなら慣らすのにそんな時間はかからなさそうだな。」
少し指を動かしただけで、宍戸のそこはもっと奥へと引き込もうと大きく収縮する。そん
な宍戸の蕾の動きに合わせて、跡部はさらに奥へと指を進め、ぐちゅぐちゅと抜き差しを
繰り返した。
「あっ・・・んあっ・・ああぁっ・・・!!」
「たまんねぇなその声。すげぇ下半身に響く声だぜ。」
「うっ・・・ん・・・んんぅ・・・」
跡部にそんなことを言われ、宍戸は手の甲で口を押さえ、声を堪えようと試みる。そんな
宍戸を見て、跡部はニヤリと笑った。そして、宍戸の一番弱い部分を集中的に責める。
「ひうっ・・・んんっ・・・んっ・・・うぅんっ・・・!!」
ビクビクとその身を震わせながら、宍戸は堪えきれていない声を漏らす。必死で我慢しよ
うとしながらも、完全には我慢しきれていない様が、跡部の胸を非常に高鳴らせた。
「宍戸。」
「ふあっ・・・何だよ?」
「感じてんの我慢して、必死で声堪えてんの、すっげぇ萌える。」
「なっ・・・!!」
「だから、我慢しててもいいぜ。ほら。」
「ひ・・あっ・・・・!!」
油断していたところに大きな刺激を与えられ、宍戸は思わず声を上げてしまう。声を出し
ても、堪えていても、跡部は恥ずかしいことを言ってくる。もうどうしたらよいのか分か
らず宍戸は困惑したような表情を浮かべる。
「ま、俺的には素直に感じて、気持ちイイって言ってくれるのが一番ベストだと思うけど
な。」
「うう・・・」
自分の心を読まれているようで、宍戸は少し悔しいと感じる。しかし、宍戸にとってもそ
れが一番楽な選択肢であった。
「だったら・・・」
「ああ。何だ?」
「さっさとコレを入れて、もっと俺を気持ちよくさせろ・・・」
「ふっ、いいぜ。もう俺から離れるのが嫌っていうくらい気持ちよくさせてやるよ。」
跡部の熱に触れながら、宍戸は顔を真っ赤にしてそう呟いた。なかなか可愛いおねだりを
してくれると、跡部はさっきから緩みっぱなしの顔をさらに緩ませる。萌え要素満載の宍
戸の反応を見て、すっかり熱り勃っているそれに跡部はたっぷりとローションを絡めた。
そんな楔を宍戸の蕾にあてがうと、跡部は宍戸の腰を一気に落とす。
「ふあっ・・・ああぁっ!!」
「すげっ・・・一気に入っちまった。」
「あっ・・・あ・・・中ヌルヌルしてて、熱ちぃ・・・」
「でも、気持ちいいだろ?」
コクンと宍戸が頷くのを見て、跡部は下から突き上げるかのように腰を動かす。跡部の熱
い楔が滑りながら内側を擦る感覚に、宍戸はいつしか夢中になっていた。
「あっ・・・ひあ・・・あっ・・・ああ・・・んっ・・・!!」
「ハァ・・・すげぇ気持ちイイぜ。ヌルヌルだけど、ぎゅうぎゅう締めつけられて、マジ
たまんねぇ・・・」
「あ・・・んっ・・・俺も・・・俺も・・・あっ・・・ああぁっ!!」
「テメェもだいぶイイみてぇだな。俺が大して動いてなくても勝手に動いてくれてるもん
なあ?」
「んっ・・・だって・・・あ・・・・すげっ・・・気持ちイイ・・・からぁ・・・・」
自ら快感を求めているかのように、宍戸は腰を振っていた。そんな宍戸の動きに合わせ、
跡部も動いてやる。接合部から漏れる濡れた音は、二人をひどく興奮させ、その動きを一
層激しくさせていた。
「ハァ・・・あっ・・・跡部っ・・・跡部ぇ・・・!!」
「いいぜ、宍戸。ああ、もうすぐにでもイっちまいそうだ・・・」
「俺も・・・もぉ・・・イクぅ・・・・ふあっ・・・ああっ・・・!!」
「だったら、一緒にイクか?」
「う・・ん・・・一緒に・・・一緒に・・・」
そんなことを呟きながら、宍戸はぎゅうっと跡部にしがみつく。そんな宍戸の体をしっか
りと抱きしめ、跡部は宍戸の熱の裏側あたりを抉るかのように擦り上げた。その瞬間、宍
戸の体はビクンと跳ね、しがみつく腕に力がこもる。
「あっ・・・ああぁ―――っ!!」
「・・・・っ!!」
今までにないくらい強く自身を締めつけられ、跡部も宍戸の内側へ熱い飛沫を放つ。何度
も収縮を繰り返す宍戸の蕾は、跡部の放つ蜜を残さず絞り出した。
(ヤベェ・・・中出し、激気持ちイイ・・・)
自分の内側に放たれた跡部の熱の心地よさを存分に味わいながら、宍戸は跡部の肩に顔を
埋め、ゆっくりと目を閉じた。
しばらく余韻に浸った後、軽く事後処理を済ませ、二人はしっかりと服を着る。周りが汚
れていないかを確認すると、二人は再びソファに腰を下ろした。
「なあ、跡部。」
「どうした?」
「ずっと前から言いたかったことなんだけどな・・・」
「ああ。」
跡部の頷きの後で、しばらく間を置いた後、宍戸はポスンと跡部の肩に頭を預け、その言
葉を口にする。
「・・・ありがとう。」
「それは何に対しての礼だ?」
「跡部にしてもらったいろんなことだ。跡部がいたから、俺はここまで這い上がって来れ
た。」
「俺は別に何もしてねぇよ。テメェが這い上がってこれたのは、テメェの努力の賜物だろ。」
「いや、そんなことねぇ。跡部がダブルスを勧めてくれたから、跡部が監督に頼んでくれ
たから、跡部が俺のすることを黙って見守っててくれたから・・・今の俺がいるんだ。」
「俺はきっかけを作ってやっただけだ。それを物にしたのは、宍戸、お前自身の力だぜ。」
自分を心から認めてくれるような跡部の言葉に、宍戸は泣きたくなるくらいの嬉しさを感
じる。しばらくその嬉しさに浸った後、宍戸は顔を上げ、跡部の顔を見た。
「俺は俺なりのテニスでこれからも頑張る。もっともっとたくさん練習して、跡部に追い
つけるくらい強くなる!」
「そりゃ頼もしいな。」
「だから・・・」
「だから?」
「これからもずっと、テメェの側にいていいよな?」
そんな宍戸の問いかけに、跡部はふっと微笑んだ。そして、宍戸の頭に軽く手を置きなが
ら、その問いかけに答えてやった。
「当然だろ?一緒にもっと高い場所を目指そうぜ。」
跡部の言葉に、宍戸の顔に満開の花が咲く。満面の笑みを浮かべ、宍戸はその言葉に頷い
た。
「おう!!跡部と一緒なら100人力だぜ!!これからもよろしくな!!」
「ああ。」
宍戸につられ、跡部の顔にも綻んだ花が開く。一つになった後の甘い雰囲気の中、跡部と
宍戸は、前向きな気持ちと新たな誓いを胸に、近い未来のことを楽しげに話すのであった。
END.