ただいまは昼休み。ここは交友棟。
授業が終わった氷帝テニス部レギュラー陣の何人かがここへやってきた。
「はあ、疲れた。今日はやけにノート取らされる授業だったな。」
「おっ、長太郎。奇遇だな。」
「何や、もう昼は食べたん?」
鳳が交友棟に入ると、宍戸と忍足が一緒のテーブルに座っている。
「はい。先輩達はもうお昼食べたんですか?」
「ああ。食べ終わったから一休みしにここに来たんや。」
「でも、珍しい組み合わせですね。跡部さんや向日先輩はどうしたんですか?」
「跡部は生徒会。でも、すぐに終わるって言ってた。」
「岳人は担任に呼び出されてん。係の仕事でもあるんやない?」
「そうなんですか。あっ、じゃあ、俺もここに座ってもいいですか?少し話しましょうよ。」
「ああ、いいぜ。な、忍足。」
「ええよ。あっ、そういえばこのメンバー・・・」
「何だよ?」
「いや・・・別に何でもあらへんよ。」
「気になるじゃないですか。教えてくださいよ。」
「そうだぞ。途中まで言ったんだからちゃんと最後まで言えよ。」
「べ、別に大したことやないんやけど・・・ここにいるメンバーって、みんな『彼女』的な方やない?」
「はぁ?『彼女』的?どういう意味だよ?」
「せやから・・・その・・・する時とか受ける側って言うか・・・・」
「た、確かにそうですね・・・」
「へ、変なことに気づくなよ!!」
「仕方ないやん。気づいてまったんやから。まあ、そんなん置いといて話題変えよ?」
「そうですね。」,br>
「そういやさぁ、聞いてくれよ。この前跡部が・・・・」
「跡部がどないしたん?」
「英語の時間さ、ペア作って発表みたいなの最近やってんじゃん?俺、跡部とペアだったんだけどさ。」
「跡部さんなら、何でも出来るんだから問題ないんじゃないですか?」
「それが大あり!!発表する場面が微妙でかなり困った。」
「あっ、それもしかして、映画のワンシーンをやってみようって奴か?」
「そうそう、それ!知ってるだろ、忍足?あれがどんな内容か。」
「ああ。俺は結構好きな話やけどな。」
「忍足先輩が好きな話ってコトは・・・ラブロマンス系ですか?」
「ご名答。でも、発表する場面ってそんな問題ありの場面やったっけ?」
「発表する場面はそんなに問題はなかったんだけどよ。」
「じゃあ、どこが問題だったんです?」
「跡部が・・・発表とは全然関係ない英語ばっか言って、俺、何言ってんだかさっぱりで
さぁ、跡部がこう答えろっていうのをボソボソ言ってるから、そのまんま言ったら・・・」
『言ったら?』
「クラスの奴ら笑ってるわ、先生は赤面してるわでもう俺わけ分かんなくてさ」
「跡部さん、何て言ったんですかね?」
「さあ?」
「あんまりにも周りの奴らの様子がおかしいから、怒って跡部に聞いてみたんだよ・・・」
「したら、何やて?」
「日本語訳だと・・・『私はあなたなしでは生きていけない。世界で一番愛してる。私を抱いて』だとよ。」
『うわあ・・・』
「宍戸、大胆発言やな。」
「俺が言ったんじゃねぇ!!言わされたんだ!!」
「それで、その後どうしたんです?」
「どうもこうも、とにかく怒鳴りつけてやった。」
「でも、跡部じゃそのくらいじゃ何の効果もないやろ?」
「まあな。でも・・・」
『でも?』
「帰りにな、すっげぇ美味いケーキがある喫茶店に連れてってもらったんだよ。」
「へぇ、あの跡部が。珍しいなあ。」
「それで、英語の時間のコト許しちゃったんですか?」
「うーん、本当は許したくなかったんだけどな、いっぱいいろんなもん奢ってもらったし、それに・・・」
「それに、何や?」
「もの食ってる時のアイツの顔って激カッコイイんだよ〜。マジでドキドキするくらい。」
「何や結局ノロケかい。」
「でも、跡部さんと宍戸さんって、ホントお似合いですよね。」
「そ、そうか・・・?」
「まあ、端から見たらそうなんやない。俺らから見たらただのバカップルやけどな。」
「テメェが言うなよ!ところで、お前らは何か面白い話ねぇのかよ?」
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