「あっ、跡部じゃん。」
「岳人か。相方はどうしたんだ?」
「さっきまで、先生に呼ばれててさ。侑士はたぶん交友棟だと思うぜ。」
「あれ?」
「あっ、滝。何してんだ?こんなとこで。」
「図書室で本借りてきた帰りだけど。珍しいペアだね。」
「今、そこで会ったんだよ。」
「へぇ。今から教室行って本読もうかと思ったんだけど、このメンバーで話すってのもおもしろそうだね。」
「あー、確かに。こんなメンバーで話すって滅多にねぇもんな。」
「俺様はそんなに暇じゃないぜ。」
「そんなこと言わずにさ。跡部なら結構面白い話あるんじゃないの?」
「面白い話って、例えば何だよ?」
「宍戸とのこととか?」
「宍戸とのことねぇ・・・」
「跡部ー、顔がニヤけてるぞー。」
「思い出し笑いはいいからさ、その考えてることを話してよ。」
「ここで話していいのか?」
「話せないようなこと考えてたのかよ?」
「まあ、跡部だし、それもありっしょ。」
「俺様の話は最後にとっておけ。テメェらから話せよ。」
「どうする岳人?」
「じゃあ、じゃあ、俺から話す!」
「じゃあ、岳人からね。」
「面白くなかったら教室戻るからな。」
「大丈夫だって。この前な、侑士と映画見に行ったんだよ。」
「ラブロマンス?」
「もち。侑士と映画行くと90%はラブロマンスだな。」
「それで、それがどうしたんだ?」
「これが結構いい話でさぁ、俺としたことが泣いちまったぜ。」
「岳人が泣くなんて相当な話なんだね。」
「君に読む物語ってやつなんだけど、知ってるか?」
「あー、聞いたことはあるな。」
「知ってる、知ってる!俺、原作本読んだ。」
「いい話だよな!!あれ。」
「うんうん!でも、映画と原作じゃラストとか違うみたいだよ。」
「へぇ、そうなんだ。それ見てて思ったんだけど主人公のあのカップルさぁ・・・」
「何だよ?」
「跡部と宍戸みたいだったよな。」
「あー、分かるかも。片方が金持ちで片方が庶民ってとことか、いつも喧嘩してるけど、
好き合ってるところとか。」
「最終的にそいつらどうなるんだ?」
「それは、映画か本見なきゃ。今、結末言っちゃ面白くないじゃん。」
「ちっ、仕方ねぇ。今度宍戸でも連れて、行ってやるか。」
「絶対泣けるぜ!あ、それでな、映画を見終わった後、公園に寄ったんだよ。」
「ふーん。昼間に見たの?」
「ううん。夕方。だから、公園に着いた時にはもう真っ暗だったぜ。」
「シチュエーション的にはなかなかじゃん。」
「あんな映画見た後だったからさ、雰囲気的にもかなりいい感じで月なんかも綺麗に出てるから・・・」
『出てるから?』
「茂みのあたりで侑士とヤっちゃったVv」
「やるねー。でも、忍足嫌がらなかったの?外でやるのとかメチャクチャ嫌がりそうじゃん。」
「侑士って雰囲気とかに弱いんだよ。それも映画見た後だろ?むしろ侑士が誘ってきたって
感じだったぜ。」
「外でやるのってなかなか燃えるよな。」
「さっすが、跡部。話分かるー♪あの何とも言えない雰囲気が最高だよな!」
「いいなあ。俺も長太郎としたい。」
「それでな、いつもと違う所為かすげぇ盛り上がって、侑士が超サービスしてくれんの。」
「どんなどんな?」
「かなりクるようなセリフいっぱい言ってくれたりとか、口でしてくれたりとかVv」
「宍戸はいつもしてくれるぜ。」
「跡部の場合はやらせてんだろ。宍戸が自らするわけないじゃん。」
「そんなことねぇ。可愛いんだぜ、あの時の宍戸はよ。」
「はいはい。跡部の話は後でねー。で、外でした感想は?」
「そりゃもう最高だぜ!!侑士は可愛いし、気分は盛り上がるし、気持ちイイし。
今度、滝もやってみろよ。跡部は言われなくてやってるみたいだけどな。」
「うーん、でも、長太郎嫌がりそうだし。嫌がることってあんまりしたくないんだよなー。」
「タイミングだろ?あんなもん。そういう雰囲気になったらドーンといっちまえよ。」
「そうそう。一度は体験してみた方がいいぜ。」
「そ、そうかな・・・?」
「一度やっちまえば、こっちのもんだ。もしかしたら、鳳もハマるかもしれねぇぜ?」
「じゃあ、今度試してみようかなあ。あっ、でもね、俺もこの前長太郎とデート行ったんだ。」
「へぇ。じゃあ、今度は滝の話だな。」
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