「だって、跡部の話エロいんだもん。」
「だったら、さっきまでのテメェらの話は何なんだ?あーん?」
「あれは別にエロくないよなあ?」
「うん。そこまで率直なこと言ってないし。」
「嘘つけよ。鳳や忍足のイク時の顔がいいとか言ってたじゃねぇか。」
「だから、そこまで率直に言ってないっての。」
「跡部がそういう話すると言葉が率直すぎるんだもん。」
「じゃあ、率直な言葉を使わねぇ。それでいいだろ?」
「仕方ない。聞いてやるよ跡・部・君。」
「何だその偉そうな態度は?」
「いいじゃない。で、跡部は何を話したいわけ?」
「ま、100%宍戸の話だと思うけどな。」
「いちいちムカツク奴らだな。まあ、いい。この前の英語の時間にな、宍戸がすげぇ大胆な告白してくれたんだぜ。」
「宍戸が?まさか。」
「嘘じゃねぇぜ。英語で『お前なしでは生きていけない』『お前のこと世界で一番愛して
る』『俺のこと抱いて』って、そう言ったんだぜ。」
「はいはーい。宍戸にはそれを言えるだけの英語能力がないでーす。」
「そうだよね。跡部、言わせたんでしょ?」
「言わせようが言わせまいが、そこセリフを言ったのは宍戸だ。それは事実だぜ。」
「言わせておいて、そこまで自慢気に話せるってのもすごいよね。」
「だよなー。やっぱ、跡部って超俺様。」
「それでな、あんまり不機嫌になるもんだから、帰りに喫茶店に連れて行ってやったんだ。」
「ふーん、跡部にしては偉いじゃん。」
「そこのケーキを奢ってやったら、宍戸、すぐに機嫌よくなったぜ。」
「宍戸、食べ物に弱いもんねー。」
「あいつ調子に乗って15個とか食ってたんだぜ?ちょっと食いすぎだよな。」
「ケーキ、15個!?ありえない!!」
「いや、うまかったらそれくらい食えんじゃねぇ?」
「本当に?岳人。」
「まあ、それは置いといて。そのまま、宍戸をうちに連れてったんだ。」
「お持ち帰りしちゃったよ。」
「そんだけケーキ食べたら、運動しなきゃダメだろってことで・・・」
「そういうことをしたってわけか。」
「ケーキをそんだけ食べてるもんだからよ、どこもかしこもいい匂いなんだ。」
「跡部って甘いもの好きだっけ?」
「基本的にはそんなに好きじゃねぇが、宍戸は別だろ?」
「あーそうですか。」
「身体全体が甘い匂いなもんだから、いい匂いだとか美味そうだぜって言いまくってやったらよ、顔真っ赤にして、恥ずかしがるんだぜ?もう可愛くてよぉ。」
「そんなセリフ言われたらそりゃ恥ずかしいだろうね。」
「甘いのは匂いだけでいいのにな。」
「セリフも甘い。」
「そこ、ごちゃごちゃうるせーぞ。」
「はいはい。すいませんー。」
「それで?その甘い匂いの宍戸とやってどうだったの?」
「美味かったぜ。どこもかしこも。」
「本当に食ったみたいな言い方すんなよ。」
「じゃあ、もっと詳しく言ってやろうか?唇も胸の飾りももっと下の・・・」
「はいはい、跡部ー、ここ学校だからねー。」
「何だよ、テメェらが聞きたがってんだろ?」
「いや、別にそんなこと言ってねぇし。」
「とにかくよかったとだけ言っておくぜ。」
「宍戸的にはどうなんだろうね?」
「さあ。何だかんだ言って宍戸も跡部のこと好きだもんなー。」
「だよねー。意外と楽しんじゃってるんじゃない?」
「当然だろ?俺様が相手なんだ。宍戸にとって全く不足はねぇぜ。」
「ちゃっかり聞いてるし。」
「不足はないけど過剰だよねー。」
「何だと?それはどういう意・・・」
キーンコーンカーンコーン
「あっ、昼休み終わっちゃった。」
「残念。この話はここで終わりだね。」
「そういや、次は移動教室だったな。」
「あっ、俺もだ。早く教室戻らなくちゃ。」
「そいじゃ、ひとまずここでお開きだな。」
「うん。じゃ、部活で。」
「じゃあな。跡部、あんまりエロい話学校ですんなよ。」
「あーん?してねーだろうが。」
「ほら、跡部も早く戻らなきゃ5時間目に遅れるよ。」
「ああ。ったく、岳人の奴・・・」
「じゃあね、跡部。また、後で。」
「部活、遅れんじゃねーぞ。」
「分かってるって。」
それぞれの授業に向かうため、三人は教室に戻って行ったがその顔は少し赤らいでいた。
あんな話をしまくっていたのだから当然であろう。
しかし、三人ともこの昼休みはなかなか楽しかったと思っているのであった。