昼休みの過ごし方♪

やっと、昼休みー。ご飯もいっぱい食べたし、散歩にでも行こうかな。うーん、どこ行こ
う?校庭とかは人がいっぱいだし、校舎内だとつまんないしなあ。そーだ、裏庭に行こう。
あそこなら、人あんまりいないしー、大きな木があって涼しいから昼寝には最適なんだよ
ねー。
「裏庭行ってぇ、お昼寝しよ♪」
「あっ、ジロー!!」
「岳人と忍足じゃん。二人揃ってどこ行くの?」
「ちょっと、図書室にな。見たい本があるねん。」
「ふーん、そっか。じゃあね。」
いつ見てもあの二人はラブラブだね。さあてと、俺も早く裏庭行こうっと。おりょ、あの
大きな後ろ姿は・・・。
「かーばじ♪」
「!!」
ジローは思いっきり樺地に後ろから抱きついた。
ありゃ、びっくりしちゃったかな?いきなり抱きつくのはやっぱダメだったか。
「びっくりした?」
「ウス。」
「ゴメンねー。今日は跡部と一緒じゃないの?」
「ウス。」
「そっかあー。じゃあ、俺と一緒に来てくんない?裏庭に行くんだけどぉ。」
「?」
いいのかな?でも、ついてくるから、まあいいか。ちょっと出るだけだから上履きのまま
でもいいよね。あっ、良さそうな木発見!!
「ねぇ、樺地。あの木の下に行って座ろう。涼しくて気持ちいいんだよ。」
「ウス。」
樺地の手を引き、ジローは大きな木の下へ走り出した。そこへ着くと腰を下ろして、涼みな
がら、樺地に話しかける。
樺地って、ホント素直でいい奴だよな。うーん、やっぱここは気持ちイイー。
「ねぇねぇ、樺地ぃー。樺地ってさあ、跡部の言うこと何でも聞くじゃん?それって、嫌
だとか思わないの?」
「・・・ウス。」
「そっか。でも、嫌な時はちゃんと嫌だって言わなきゃダメだよ。跡部、わがままだから。」
ジローさんって、よく分からないんだよな。でも、跡部さんの言うこと聞いてるのは好き
でやってることだから嫌じゃないし、そんなに心配されることないと思うけど・・・。
「じゃあ、三年のレギュラーの中で誰が一番かっこいいと思う?やっぱ、跡部?それとも
宍戸とか?岳人はかっこいいって感じじゃないよな。あっ、でも忍足もなかなかだよね。」
うーん、そんなこと急に言われても・・・。困ったな。誰って答えればいいんだろう?
しばらく、悩んでもやっぱりかっこいいの一番は決められないので、自分が思っているこ
とを樺地は素直に言った。
「可愛いのは・・・ジローさんだと思います・・・。」
「!!」
うっそ、マジでマジで!?樺地ってば、何言ってんのーVvキャー、どうしよう。つーか、
可愛いのは樺地だって。
「マジで!?うれCー!!でも、樺地も可愛いって。」
「・・・・。」
樺地、赤くなってる。可愛いー。えへへ、何か気分いいから告っちゃおうかなあ。
「俺ねー、樺地のこと好きなんだあー。たぶん、跡部が樺地のこと気に入ってるのとは、
違う意味で。」
跡部さんが気に入ってくれているのは、たぶん、普通に後輩としてだから、それと違う意
味ってことは、えっと、つまり・・・。
ジローの言っていることに少し困惑して、樺地はうつむき黙ってしまった。
「どうしたの、樺地?」
こんなこと言ったら、普通困っちゃうよね。でも、樺地は俺のことどう思ってるかは、聞
きたいよなー。
「樺地は俺のコト好き?」
「ウス。」
うわっ、即答。でも、樺地は結構何にでもウスって答えるからなあ。確かめてみよ。
「じゃあ、俺のコト嫌い?」
「・・・・・。」
樺地は黙って首を振る。ジローのことは本当に好きなようだ。
首振ったってことは、やっぱり俺のこと好きってのはホントなんだな。やったー、うれし
いな。もっかい、抱きついちゃえ!
「ありがと、樺地。俺、とってもうれCーよ。」
「ウス。」
ジローさんは眠ってばっかりだから、他の人みたいに普段はあんまり目立たないけど、こ
ういう風に起きて話してる時は、とっても楽しそうなんだよな。そんなところは、確かに
好きだな。
樺地がボケッと考えていると、ジローはトロンとした目つきで見上げて、樺地に寄りかかっ
た。
「ねぇ、樺地。俺、眠くなっちゃった。ちょっとだけ、ひざ枕してー。」
「ウス。」
樺地って、体が大きいから枕がわりにすると、とっても気持ちいいんだよな。あー、マジ
で眠い。このまま、寝ちゃおー。
「Zzzz・・・」
樺地のひざを枕がわりにして、寝転がるとジローは気持ちよさそうに眠ってしまった。
本当にジローさん、眠っちゃった。もうそろそろ、昼休み終わるのになあ。あっ、チャイ
ムが・・・。でも、起こすのはかわいそうだし、保健室にでも連れていけばいいのかな?
教室に連れて行くよりかはマシだよなー。
「んー、かばじー・・・」
はにゃー、樺地が俺のこと抱っこしてる?うわあ、顔がこんなに近くにあるー。そうだ、
ほっぺにチュウしちゃおーっと。
ちゅっ
ジローは寝ぼけて、樺地のほっぺたに軽くキスをする。樺地は驚いて、一瞬抱えているジ
ローを落としそうになった。
「・・・・っ!!」
「えへへ、樺地大好きー・・・・Zzzz」
ジローさん、寝ぼけてる?わあ、ほっぺにキスされちゃったよ。それより、早く保健室に
連れて行って教室戻らないと、五時間目が始まっちゃう。

「失礼します。」
一応、断って入るが返事がない。どうやら、保健医は出張中のようだ。そのかわりに聞き
覚えのある声が、カーテンの閉まったベッドの中から聞こえてきた。
「おい、跡部。もうチャイム鳴ったぜ。」
「もうちょっとくらい、いいじゃねえか。」
あれ、跡部さんと宍戸さんの声?保健の先生はいないみたいだけど・・・。あっ、でも、
ベッドは一つ空いてるみたいだから、こっちにジローさんをこっちに寝かせて。
樺地はジローをベッドに寝かせると、保健室から出ようとした。跡部と宍戸は樺地に気づい
ていないらしく、保健室から出ようとする気配もない。
「早く帰んないと五時間目が始まる。」
「少しくらい遅れたって、平気だって。保健室に居ましたって言えば。嘘じゃねぇだろ?」
「そうだけど・・・。って、あっ・・跡部、やめ・・・」
何かあんまりいるとヤバそうかな。早く出よう。
跡部と宍戸があらぬことを始めようとしているので、樺地はそそくさと保健室を出た。
はあ、何かすごく長い昼休みだったな。さっき、ジローさんにキスされたとこ何か熱い。
やっぱり、普通にジローさんのこと好きなのかなあ。
さっき、キスされた頬にそっと手をそえて樺地は思った。とその時、廊下に五時間目の開
始を告げるチャイムが鳴り響く。
あっ、本鈴が鳴ってる。急がなきゃ。
樺地は慌てて、教室へと戻って行った。

急いで教室に向かったので、樺地は何とか五時間目には間に合った。眠ってしまったジロ
ーと隣のベッドにいた跡部と宍戸はみごとに五時間目をサボることになった。氷帝メンバ
ーの昼休みはそれぞれが楽しんでいるが、とっても問題アリアリの過ごし方であろう。

                                END.

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