ほろ酔いLover

「ただいまー。」
「おかえり、丈。」
大学から帰ってきた丈をゴマモンはぴょこぴょこと走ってきて迎える。
「やっと、実習と試験終わったよ。明日からの連休はちょっとゆっくり出来るかな。」
「お疲れ様ぁ。何かいろいろ買ってきてるみたいだけど、それ何?」
「ああ、明日休みだし、実習と試験から解放されたから、ちょっとだけお酒買ってきてみ
た。」
「お酒飲むなんて珍しいね。丈って、お酒強いんだっけ?あんまり飲んでるイメージない
けど。」
「んー、そんなに強くはないかな?まあ、こんなタイミングじゃないと飲めないからね。」
お酒が入った袋を手に下げ、丈はリビングへ向かう。テーブルの上に買ってきたお酒を置
くと、大学の荷物を置きに一旦寝室へと向かった。
「あっ、お酒飲みながらゆっくりしたいから、先にお風呂入ってきちゃっていいかな?」
「うん!お風呂沸かしておいてあるから、すぐ入れるぜ。丈がお風呂入ってる間に、軽く
食べれるもの作っておくね。」
「ありがとう、ゴマモン。じゃあ、ささっと入ってきちゃうね。」
「はーい。」
丈がお風呂に向かうのを見送ると、ゴマモンはキッチンに立っておつまみになりそうなも
のを作り始める。
(いつも忙しそうにしてるから、本当丈がお酒飲んだところほとんど見たことないなー。
丈って酔うとどんな感じになるんだろ?泣き上戸とか?あは、ありえそー。)
丈がお酒を飲んでいるところも酔っぱらっているところも見たことないので、ゴマモンは
丈が酔っぱらっているところを想像して、ふふっと笑う。冷蔵庫にあるもので、適当にお
つまみを作ると、ゴマモンはそれをリビングのテーブルに運ぶ。
「お待たせ、ゴマモン。」
「おっかえりー。」
お風呂から出て、テーブルを見ると何種類かのメニューがテーブルに乗っているのを見て、
丈は驚きつつも、嬉しそうな声をあげる。
「この短時間で、こんなにちゃんと作ってくれたんだ。すごいな、ゴマモン。」
「へへーん、オイラの料理の腕も上がってるからな!」
「美味しそー。あっ、ゴマモン用にジュースも買ってきてあるから、一緒に乾杯しよう。」
「わーい、やったー!」
自分の分の飲み物もあることを知り、ゴマモンは素直に喜ぶ。コップを持ってきて、自分
には買ってきたお酒を、ゴマモンにはジュースを入れると、丈はそのコップを持って軽く
持ち上げる。ゴマモンも両手でコップを持った。
「それじゃあ・・・無事に実習と試験が終わったことに乾杯!」
「かんぱーい!」
乾杯をすると、どちらもコップに入っている飲み物をごくごくと飲む。
「あんまりお酒お酒したのはアレかなーと思って、甘そうなの買ってみたんだけど、結構
飲みやすいかも。」
「へぇ、そうなんだ。」
「さすがにゴマモンにはあげられないけどね。」
「大丈夫、オイラはジュースで十分だから。それに、もし丈が酔いつぶれたら、ちゃんと
介抱してやらなきゃだしな。」
「そこまでは飲まないよ。たぶん。」
そこまでたくさんは買っていないが、普段あまり飲まないため、どれくらい飲んだら酔い
つぶれてしまうか、丈自身あまりよく分かっていなかった。
「まあ、飲みすぎないようには気をつけるよ。」
「最悪家だし、多少は大丈夫だと思うけどね。オイラもいるし。」
「うん。よっし、ゴマモンがせっかくいろいろ作ってくれたし、今日はたくさん食べて、
たくさん飲むぞー!」
注意はしようと思いつつ、丈は実習と試験が終わった解放感から、なかなかのハイペース
で買ったお酒を飲んでいく。度数が高いものはほとんどないが、もともとそこまで強いわ
けではないので、コップ2杯を飲み終えたところで、丈はほろ酔い気分になってきていた。
「ちょっといい気分になってきた。」
「確かにいつもより緩んだ顔してる。」
「ゴマモンの作ってくれたおつまみもすごく美味しいし、お酒も美味しい。ゴマモン、も
っとこっちにおいでよ。」
ほわほわとした雰囲気を纏いつつ、丈はゴマモンを呼び寄せる。手の届く場所にゴマモン
が移動してくると、その手でゴマモンを抱き上げ、胸のところでぎゅっと抱き締める。
「ゴマモンは本当に可愛いなあ。顔も手もふにふにだし。」
「じょ、丈!?」
「こんな可愛い君が僕のパートナーだもんな。ふふ、嬉しいー。」
だいぶ酔っているようで、ふにゃっとした笑顔を浮かべながら、丈はそんなことを言う。
そんな丈に戸惑いつつも、ゴマモンは丈にされるがままだ。少し体を持ち上げられ、丈の
顔が目の前にくると、デジモンのままのゴマモンの口に丈はちゅっとキスをする。
「っ!!」
まさかそんなことをされるとは思っていなかったので、ゴマモンの鼓動は一気に速くなり、
顔が熱くなると同時にその姿を変える。人のような姿になったゴマモンを見て、丈は嬉し
そうに目を細める。
「ゴマモンが人間になったー。」
「丈が急にちゅうしてくるからだよ。」
「僕、その姿のゴマモンも大好きだよ。」
人の姿になったゴマモンに対しても、丈は愛情を持ってぎゅっと抱き締める。普段とは少
し異なる丈の言動に、ゴマモンは困惑半分、嬉しさ半分でドキドキしてしまう。
(丈、酔っぱらうとこんな感じなんだ。予想してた感じと違うけど、結構というか、かな
り可愛いんじゃ・・・)
「丈、結構酔っぱらってるでしょ。」
「んー、そうかも?でも、すっごくイイ気分だよ。」
そう言いながら、まだコップに半分ほど入っているお酒を丈は口に持っていく。こくんと
一口飲むとまた顔が緩む。
「そんな無防備で、可愛い顔されると、オイラも丈にちゅうしたくなっちゃう。」
「ちゅうしたいの?」
「そりゃね。だって、オイラも丈のこと大好きだもん。」
「いいよ。して、ゴマモン。」
ニッコリと笑って、丈はゴマモンにそんなことを言う。お酒の影響もあってか、ほのかに
赤く染まった頬でキスを待つような顔をされ、ゴマモンは我慢出来なくなる。
(本当可愛いのはどっちだし!ええい、丈がいいって言うならしちゃえ!)
キス待ち顔の丈にゴマモンはうちゅっと口づける。一度してしまうと、一回では済まなく
なってしまう。何度もしているうちにゴマモンは夢中になってしまい、いつの間にか丈を
押し倒し、甘いお酒の香りがする唇を貪っていた。
「んん・・・んっ・・・んんっ・・・・」
「ハァ・・・丈。」
丈の唇を十分に堪能すると、ゴマモンはいつの間にかイッカクモンに進化していた。ゴマ
モンのキスと甘いお酒にすっかり酔っている丈は、とろけたような表情でイッカクモンを
見上げる。
「ゴマモンがイッカクモンに進化してる・・・」
「まあ、あれだけ丈とキスすればね。」
「イッカクモン。」
「何?丈。」
「今日も気持ちいいこと、する?」
「っ!?」
丈の口からそんなセリフが出てくることはほとんどないので、イッカクモンは一瞬固まっ
てしまう。しかし、こんなに積極的な丈を前にして何もしないのはもったいないと、イッ
カクモンは大人っぽい笑みを浮かべて、丈に尋ねる。
「丈は?丈はどうしたい?」
「僕は・・・イッカクモンと気持ちいいことしたい。」
「了解。じゃあ、しよう丈。」
丈のセリフにすっかりその気になっているイッカクモンは、丈の誘いを受け入れる。イッ
カクモンの言葉を聞いて、丈は嬉しそうに頷いた。

床に押し倒されたまま、丈はTシャツを捲り上げられ、部屋着のズボンと下着はイッカク
モンの手によって取り去られていた。しかし、丈もその気なので、そのことに対して嫌が
ることもなく、イッカクモンに全てを任せる。
「丈、えっちくてすごく可愛い。」
「そんなことない・・・」
「あんまりちゃんと見たことなかったけど、丈のおへそ可愛いー。」
丈のおへそに触れながら、イッカクモンはそんなことを口にする。急に思ってもみない部
分に触られ、丈は思わず声を上げる。
「ひゃっ・・・ぁ・・・!」
その声を聞いて、イッカクモンはわくわくとした表情で丈を見る。
「丈、おへそ感じるの?おへそ弄られると気持ちいい?」
「やっ・・あん・・・イッカクモン・・・そんなとこ、触っちゃ・・・や・・・」
「気持ちよさそうじゃん。だったらこれは?」
丈がなかなか良い反応を見せるので、イッカクモンは丈の腹に顔を埋め、おへそをペロっ
と舐めた後、ちゅっと吸う。
「あっ・・・あ・・んっ・・・!!」
「可愛い声ー。もっと聞かせてよ、丈。」
「んっ・・・ぁ・・・イッカクモン・・・・」
おへそに何度かキスをすると、丈はビクビク震えて可愛らしい声を上げる。酒に酔ってい
るためか、恥ずかしがって声を抑えるということもない。耳に心地良い声を聞きながら、
イッカクモンはご機嫌な様子で丈の肌に触れる。
「ハァ・・・」
「えへへ、丈の新たな弱点見つけちゃった♪」
「イッカクモン・・・」
「こっちも結構いい感じになってるじゃん。今度はこっちを舐めてあげる。」
おへそへのキスや感じやすくなって肌に触れられることで、丈の熱はすっかり大きくなっ
ている。おへそから少し下へ顔をずらし、イッカクモンは愛おしそうに丈の熱に触れる。
「んっ・・・あっ・・・」
「今日も丈の美味しいミルクたくさん飲ませて。」
パクンと丈の熱を咥えると、イッカクモンはその舌と口を使って丈を気持ちよくさせる。
「ひゃ・・ぅ・・・あっ・・・あぁっ・・・」
(今日の丈は本当素直に感じてくれて可愛いなあ。いつもは口ではダメだよって言ったり
するけど、今日はそういうちょっと嫌がってる感じのこと全然言わないし。)
「イッカクモンっ・・・ひあっ・・・ああぁ・・・そこ、気持ちイイ・・・・」
「本当?丈が気持ちいいとオイラすごく嬉しい。」
にぱっと笑いながらそう言うと、イッカクモンは更に丈をよくしてあげようと、深くそれ
を口に含む。イッカクモンの唇と舌が熱を行き来するたびに、丈の腰は快感に揺れる。
「んっ・・・あ・・ん・・・あっ・・・んんっ・・・」
(さっきよりもちょっと大きくなってるし、ビクビクしてきてるから、そろそろイキそう
なのかな。丈の出すの好きだから、早く出してくれないかなー。)
早く丈のミルクが飲みたいと、イッカクモンは舐めるよりも吸う回数を多くして、丈の吐
精を促す。濡れた口で熱全体を覆われ、溜まっているものを吸い出されるような刺激に丈
はほどなくして限界を迎える。
「やっ・・・あぁ・・・イッカクモンっ・・・・ひあっ・・・ああぁ――っ!!」
丈が放ったミルクをイッカクモンは喉を鳴らして飲み込む。パートナーの放つミルクはパ
ートナーデジモンにとっては、極上の蜜と言っても相違ない。そんな丈のミルクを取り入
れたイッカクモンは体の奥から力がみなぎり、ズドモンに進化する。
「丈、ズドモンに進化出来たよ。」
「本当だ。なら、今からはズドモンが相手になるんだね。」
「ああ。今度はどうして欲しい?丈。」
「次は、ここを弄って欲しい・・・」
今しがたイッカクモンに弄られていたところより、もう少し下の部分を丈は自らの手で示
す。普段は羞恥心からそんなことはしないのだが、酔っぱらっているため、かなり自分の
欲求に忠実になっている。
「丈ってば、やらしいー。でも、丈がそんなに素直にして欲しいこと教えてくれるの超嬉
しい。」
そう言いながら、ズドモンは軽く濡らした指を丈の中に入れる。ゴマモンやイッカクモン
よりはいくらか大きく男らしい指でそこを弄られ、丈はひくんと腰を揺らす。
「んんっ・・・うあっ・・・」
「丈のココ、指に吸い付いてくるみたい。そんなに触って欲しかった?」
「だって・・・」
さすがに恥ずかしそうな表情を見せ、丈はズドモンを見る。その表情もたまらないなと思
っていると、途切れ途切れではあるが丈は言葉を続ける。
「僕と君が少し離れていた期間あるだろ・・・?」
「そうだね。」
「そのとき、どうしても・・・こういうことがしたくなっちゃって・・・・何度か自分で
してみたことがあるんだ・・・」
「えっ!?」
突然、丈が予想だにしていなかったことを話してくるので、ズドモンの心臓はドキンと跳
ねる。
「でも・・・君がしてくれるみたいには、全然上手くいかなくて・・・・やっぱり僕は君
がいないとダメなんだなあって・・・心の底から思った。」
「丈・・・」
「だから、今ズドモンにしてもらえるの・・・すごく嬉しいんだ・・・・」
丈の話にズドモンの顔は一気に熱くなる。そんなことを聞いたのは初めてであった。普段
の丈なら絶対に秘密にしておくような内容を嬉しそうな顔で口にしている。お酒の力はす
ごいなあと思いながら、ズドモンは胸の高鳴りを抑えられないでいた。
「そんなこと告白されたら、本当余裕がなくなっちゃうんだけど。」
「いつも通り、僕を気持ちよくさせて・・・ズドモン・・・」
軽く呼吸を乱しながら、笑顔で丈はそんなことを頼む。そんな丈に心を掻き乱され、ズド
モンは丈の弱い部分を重点的に責めながら、そこを慣らす。
「あっ・・・くっ・・ぅん・・・・ズドモンっ・・・・」
「今日の丈は本当可愛すぎて敵わないよ。オイラの指でもっと気持ちよくなって。」
「んっ・・・あっ・・・ひぁ・・んっ・・・!」
ズドモンの指が自分の中に入っていることがたまらず、丈は素直に声を上げる。指で弄っ
ているだけでもイってしまいそうな雰囲気であったが、ズドモンはあえてそうはさせず、
丈が達する直前で中を弄るのを止めた。
「んっ・・・ズドモン・・・?」
「イクなら指じゃなくて、オイラのでイって。」
指を抜き、ズドモンは丈の脚を抱えながら、自身を丈の中に挿れる。指とは比べ物になら
ない質量のものを挿れられ、達する直前まで高められていた丈はその瞬間に達してしまう。
「ああっ・・・ああぁ―――っ!!」
「ああ、丈の中ヤバイくらいイイ。」
「はっ・・・あっ・・・ズドモン・・・・」
「平気?丈。苦しくない?」
「んっ・・・だいじょ・・ぶ・・・・むしろ、気持ちいいの治まらなくて・・・」
顔を真っ赤に染め、ビクビクと下肢を痙攣させながら、丈はそんなこと口にする。そんな
丈の顔に優しく触れ、ズドモンは丈の額に口づける。
「今日は丈のペースに合わせた方がいい?」
「ううん・・・ズドモンがしたいようにして・・・・」
「分かった。なら、ちゃんと丈がいっぱい気持ちよくなれるように頑張るぜ。」
自分のペースでいいと言われたが、ズドモンは丈の反応や様子を見ながら動く。そのおか
げで、丈はひたすら気持ちいい状態が途切れることなく続いていた。
(すごい・・・ずっとふわふわした感じで、ずっと気持ちいい・・・繋がってるとこ融け
ちゃいそう・・・)
「あっ・・・ズドモンっ・・・はっ・・ん・・・・」
「ハァ・・・丈。」
「ズドモンと繋がってるとこ・・・ずっと気持ちイイよ・・・ズドモンとするの・・・大
好き・・・」
「オイラもだぜ。してるときの丈、すごく可愛いし、丈の中半端なく気持ちイイ。」
「ズドモン・・・」
もっとズドモンと触れ合っていたくて、丈はズドモンに向かって両腕を伸ばす。そんな丈
に胸をときめかせながら、ズドモンはその体を丈に重ねる。ズドモンの首にしっかりと腕
を回すと、丈はズドモンの動きに合わせ自らも腰を揺らす。
「丈・・・その動き、結構ヤバイかも。」
「気持ちいいっ・・・あっ・・・ふあっ・・・ああぁ・・・・」
「丈が気持ちいいなら、それが一番だね。くっ・・・でも、そろそろ・・・」
「ズドモンっ・・・・んっ・・・ああっ・・・・!!」
「丈っ・・・」
身体の深いところで交じり合う熱が快感の高みへと誘う。どちらもお互いへの熱い想いを
迸らせ、その心地よさに身を沈めた。少し落ち着いてくると、ズドモンはゆっくりと体を
起こし、丈の様子をうかがう。
「大丈夫?丈。」
「ズドモン・・・」
「今、抜くからちょっと待ってね。」
「まだ、抜かないで・・・まだ、ズドモンと繋がってたいよ・・・」
切なげな瞳でそんなことを言われ、ズドモンはまた熱が高まるのを感じる。次の瞬間、ズ
ドモンの体が一瞬光り、またその姿を変えた。オレンジ色の髪がイッカクモンのような白
銀の髪になり、二本の角がついた兜が頭を覆っている。ズドモンより更に男らしくなった
その姿に丈は惚れ惚れしてしまう。
「ヴァイクモンだよね・・・?」
「ああ、この姿で究極体になれたのは初めてかも。」
「ヴァイクモン、すごくかっこいい・・・」
「ありがとう。なあ、丈。」
「何?ヴァイクモン。」
「このままもう一回してもいい?」
せっかく進化出来たので、まだ続けたいとヴァイクモンはそんなことを丈に尋ねる。丈も
まだ終わらせて欲しくはなかったので、ヴァイクモンのその質問に笑顔で答えた。
「もちろんだよ。」
「今日の丈はしたがりだな。」
「ヴァイクモンだって、そうだろ?」
「まあね。だって、今日の丈可愛すぎだもん。」
そんな会話をしながら、ヴァイクモンはゆっくりと丈の体を起こす。いまだに繋がったま
まなので、ズドモンより少し大きくなったそれが先程よりも奥に入る感覚に、丈はビクッ
とその身を震わせる。
「んんっ・・・ヴァイクモン・・・・」
「丈。」
丈の頬を両手で包み込むと、ヴァイクモンはすぐ目の前にある唇にそっと口づける。そし
て、ニッコリと笑みをたたえながら、丈への想いを口にする。
「愛してるぜ、丈。」
「・・・・・。」
ヴァイクモンのその仕草に表情に言葉に丈を心を奪われる。あまりのときめきに言葉を失
い、顔を真っ赤に染める。
「丈、顔真っ赤。可愛い。」
「だって、ヴァイクモン、すごくカッコイイのに・・・そんな君が僕のこと・・・愛して
るとか言うから・・・」
「嬉しくない?」
「嬉しいに決まってるだろ!」
素直にそう答える丈に、ヴァイクモンの胸は愛しさでいっぱいになり、ぎゅっと丈の体を
抱き締める。
「今日は丈の可愛い顔たくさん見てるけど、もっと見たい。もっとイイ顔見せて、丈。」
そんなことを囁きながら、ヴァイクモンは丈の腰を掴み、上下に動かし始める。ヴァイク
モンの熱で濡れた内側を掻き回され、丈は再び高まっていく快感に甘い声を漏らす。
「ふあっ・・・あんっ・・・ヴァイク・・・モンっ・・・・」
「やっぱり、この感じ最高。丈と繋がってて、丈の気持ちよさそうな顔が見れて、オイラ
も半端なく気持ちいい。」
「ヴァイクモン・・・んっ・・・ぁ・・・あのね・・・・」
「何?丈。」
「僕も・・・僕も・・・ヴァイクモンのこと、大好き・・・・」
快感の波にのまれながら、丈はヴァイクモンの顔を見上げ、ふわりとした笑顔を浮かべて
そんな言葉を紡ぐ。大好きなパートナーに大好きだと言われて、ヴァイクモンは丈に対す
る熱い想いがとめどなく溢れてくる。言葉では伝えきれないこの想いをどう伝えたらよい
だろうと、ヴァイクモンは困った笑顔を浮かべる。
「どうしてそんな顔・・・?僕に好きって言われたら困る・・・?」
「そんなことない。丈のことが好きすぎて、オイラがどれだけ丈が好きかってことをどう
伝えたらいいか分からなくて、どうしようかなってなってる。」
「それだったら、困った顔じゃなくて・・・嬉しそうに笑って、僕のこともっと好きって
言って・・・それから・・・・」
「それから?」
「僕の中に・・・ヴァイクモンをたくさん・・・ちょうだい・・・」
上目遣いでのこの上なく可愛らしいおねだりに、ヴァイクモンのときめきは最高潮に達す
る。丈に言われた通り、素直に嬉しさを表すような表情を浮かべ、丈に何度もその想いを
伝える。
「丈、大好き・・・愛してる・・・・」
「ヴァイクモン・・・」
「オイラの想い、たくさん受け取って・・・」
「うん・・・」
上気した表情でそう口にすると、ヴァイクモンは丈の身体を一際強く抱き締め、丈の中に
ありったけの想いを注ぐ。内側をヴァイクモンで満たされる感覚に丈は無上の喜びを感じ
る。果てしない心地よさの中、ヴァイクモンの想いを全身で感じ、丈はゆっくりと意識を
手放した。

事が終わった後もしばらくヴァイクモンのままでいられたので、ヴァイクモンは眠ってし
まった丈をベッドに運び、後始末をする。さすがにその後はゴマモンに戻ってしまったが、
テーブルの上の空き缶やコップ、空になった食器を片付けると、ゴマモンも丈の隣に横に
なって、丈の可愛らしい寝顔を眺めながら眠りについた。

(あれ?ベッド?僕、昨日お酒を飲んで・・・・)
次の日の朝、ぬくぬくとしたベッドで目を覚ました丈は、昨日のことを思い出し、がばっ
とその身を起こす。
「あっ、丈、おはよう。気持ち悪かったり、頭痛かったりしてない?二日酔いとかは大丈
夫?」
丈が起きたことに気づいたゴマモンは、眠そうに目を擦りながらそんなことを尋ねる。
「う、うん。二日酔いとかには全然なってなくて、そこは大丈夫なんだけど・・・」
だんだんと頬が赤く染まっている丈を見て、ゴマモンはあっと気づく。
「腰痛い?お腹痛かったりしない?昨日は丈が可愛すぎて、ついやりすぎちゃったから。」
ゴマモンの言葉を聞いて、丈は昨日の夜の記憶が夢ではなく、実際にあったことだと気づ
く。
「やっぱ、昨日したんだね。ヤバイ、昨日すごいことたくさん言った記憶ある。うわー、
恥ずかしい!ゴマモン、昨日僕が言ったことは全部忘れて!!」
昨日の時点では、酒に酔っていることもありそこまで恥ずかしさを感じなかったが、今に
なって、耐えがたいくらいの恥ずかしさが襲ってくる。真っ赤になる顔を両手で覆いなが
ら、丈はそう叫んだ。
「忘れられるわけないじゃん。だって、昨日の丈、すっごくすっごく可愛かったもん。丈
が可愛すぎて、大好きって気持ちでいっぱいになって、究極体にまで進化出来ちゃったか
らね!」
「・・・・・。」
そう言われてしまうともう何も言えないと、丈は顔を覆ったまま黙ってしまう。二日酔い
していないならと、ゴマモンは丈のベッドからピョンっと飛び下り、朝食を作りに行こう
とする。
「丈、朝ご飯食べれるよね?今、朝ご飯作りに行くからちょっと待ってて。」
「あっ、僕も一緒に行く。」
いつも通りベッドを下りようとする丈であったが、昨日散々使ったいろいろな箇所に衝撃
が走る。
「〜〜〜〜っ!!」
「丈はベッドで休んでて。ちゃんとオイラが持ってきてあげるから。」
「ゴメン、ゴマモン。」
これはそんなに動けないと、丈はベッドに逆戻りだ。ゴマモンの言う通り、少し休んでい
ようとベッドの上の部分に寄りかかり、膝に布団をかけた。
「まあ、ほぼオイラのせいだしな。あっ、そういえば、昨日のことで丈に言いたいことが
あるんだけど。」
「へっ!?何!?」
昨日酔っぱらっている間に口にしてしまったことについて何か突っ込まれるのかと丈はド
ギマギしながら返事をする。
「他の人とお酒飲むときは、酔っ払うまでは飲まないで欲しいな。昨日の丈は本当に本当
に可愛かったから、他の人の前でそうなっちゃったらって考えると、ものすっごい心配。
昨日みたいに家で飲む分には全然構わないんだけど。」
「うん。言われなくてもそうするよ。泥酔して記憶がないならまだしも、こんなにハッキ
リ記憶残ってると、恥ずかしくて耐えられないよ。」
「それ聞いてちょっと安心したー。んじゃ、朝ご飯作ってくるねー。」
ピョコピョコとゴマモンがキッチンに向かうのを見送ると、大きな溜め息をつきながら、
丈は再び熱くなっている顔を覆う。
「はあー、本当昨日の僕はなんて話をしたんだろう。酔っ払ってたからって、アレはない
だろぉ。でも・・・」
今思い出すと恥ずかしいは恥ずかしいのだが、ゴマモンとキスしたこと、イッカクモンに
してもらったこと、ズドモンと繋がっていたこと、そして、ヴァイクモンに言ってもらっ
たこと・・・全てが嬉しくて、心地よくて、幸せで、今思い出しても非常によい気分にな
るのは間違いなかった。
「ずっと気持ちよかったし、すごくいい気分だったんだよなー。自分が言ったことは忘れ
たいけど、ゴマモンやイッカクモンやズドモンやヴァイクモンにしてもらったことをここ
までハッキリ覚えてるのは、悪くないかも。」
独り言のようにそう呟くと、丈はふっと口元を緩ませる。この休みは心ゆくまでゴマモン
と一緒に過ごそうと考えながら、丈は朝ご飯を持ったゴマモンが戻ってくるのをのんびり
と待つのであった。

                                END.

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