君への想い色を越ゆ 〜義鬼続き〜

文次郎と伊作を部屋に送った後、義丸と鬼蜘蛛丸も自分達の部屋へ戻る。自分達が休む用
意はまだしていなかったので、部屋に入ると布団を敷き、寝間着に着替えた。
「こんなに天気が崩れるとは思ってなかったけど、潮江くんや善法寺くんといろいろな話
が出来て楽しかったな。」
「そうだな。あの年頃のそういう話はやっぱり初々しさがあるよな。」
「確かに。でも、俺達が子どもの頃よりはそういうことに関しても落ち着いていると思わ
ないか?少なくともあの年頃で、善法寺くんが考えてたようなことは考えてはなかった気
がするな。」
「はは、お前は自分のことでいっぱいいっぱいだったもんな。」
「鬼蜘蛛丸だってそうだろう?」
「まあな。忍術学園の生徒さんは本当しっかりしてると思うよ。」
自分達の子どもの頃を思い出し、文次郎と伊作のしっかりとした考えに感心する。文次郎
と伊作と話していた内容を思い出しながら、鬼蜘蛛丸はふと気になっていたことを義丸に
尋ねてみる。
「なあ、義丸。さっき潮江くん達と話していたことなんだけどな。」
「ああ。」
「俺のこと、お前はいろんな意味で大切な存在だって言ってくれただろ?」
「そうだな。」
「それ、もっと俺に分かりやすく伝えてくれないか?」
思ってもみない鬼蜘蛛丸の言葉に、義丸は驚きつつもどんなふうに伝えようか考える。分
かりやすくと言うならば、それぞれの好きの気持ちを伝えようと義丸は決めた。
「鬼蜘蛛丸とは子供の頃から何をするにも一緒で、今でもあのときと同じように鬼蜘蛛丸
と一緒にいたいと思うし、鬼蜘蛛丸のこと好きだぞ。」
「お、おう。」
これは何となく幼馴染や親友としての好きだと鬼蜘蛛丸は理解する。もちろん義丸として
もそのような意味として伝えていた。
「俺は鉤役だけど、鬼蜘蛛丸はもっと重要な山立として仕事を担っていて、そこは本当に
尊敬しています。もちろん、そんな山立の鬼蜘蛛丸に負けないくらい、それから、そんな
大事な鬼蜘蛛丸を守るためにも、兵庫水軍一の鉤役として、鬼蜘蛛丸のことを想いながら
仕事をしています。」
仕事中にも鬼蜘蛛丸を想っていることを伝えるために、義丸はわざと敬語を使う。これは、
仲間として、ライバルとしての想いだと鬼蜘蛛丸はその言葉を受け取る。
「あ、ありがとう。」
「最後はもっと心を込めて伝えてやるよ。」
「えっ・・・?」
ニッと笑った後、義丸はぎゅっと鬼蜘蛛丸のことを抱き締める。そして、強く抱き締めた
まま、鬼蜘蛛丸の耳元でその想いを口にした。
「俺にとって、鬼蜘蛛丸は唯一無二の存在だ。ずっと一緒に居たい。大好きだ。」
義丸のそんな言葉を聞いて、鬼蜘蛛丸の顔は真っ赤に染まり、心臓の音がうるさいくらい
に速くなる。しかし、義丸のその言葉が心から嬉しいと思うのは間違いなかった。
「どうだ?俺の想いはちゃんと伝わったか?」
「すっげぇ伝わった。ドキドキしすぎて死にそうだ。」
「はは、そりゃ大変だな。じゃあ、今度は鬼蜘蛛丸の番だぞ。」
「えっ!?」
まさかそう来るとは思わなかったので、鬼蜘蛛丸は戸惑うような反応を見せる。
「俺だけ言うのは不公平だろ。」
「で、でも、俺は義丸みたいに器用じゃないから、そんなにたくさん分けて伝えられない。」
「別に分ける必要はないさ。鬼蜘蛛丸らしく、鬼蜘蛛丸の言葉で、想いを伝えてくれれば、
それで十分だ。」
抱き締めている腕を緩めてくれているので、鬼蜘蛛丸は義丸から少し離れ、俯きながらど
んな言葉を言おうか考える。どんなに考えても、やはり義丸のようにいくつもの言葉は思
いつかない。真剣に考えている鬼蜘蛛丸の顔も可愛らしいなと思いながら、義丸はそんな
鬼蜘蛛丸をしばらく眺めていた。
(全然思いつかねぇ。もういいや。一言に全部気持ちを込めよう。)
たくさんの言葉を紡ぐのは諦め、鬼蜘蛛丸は気持ちだけは精一杯込めようと決めた。
「よ、義丸!」
義丸の寝間着の胸の辺りをぎゅっと掴み、上目遣いで義丸の顔を見上げる。この表情だけ
でも結構クるなあと思いながら、義丸は続く言葉を待った。
「俺は義丸のこと、すごく、すごく・・・大好きだ。」
ひどくシンプルな言葉ではあるが、鬼蜘蛛丸のその言葉には義丸をいろいろな意味で大好
きだという気持ちが存分に込められていた。
(この一言にここまでいろんな気持ちを込められる鬼蜘蛛丸さすがだな。)
鬼蜘蛛丸の言葉から伝わる想いをしっかりと受け止め、義丸の胸は鬼蜘蛛丸を愛おしく想
う気持ちでいっぱいになる。
「ありがとう、鬼蜘蛛丸。」
「こ、こんな言葉でしか伝えられなくて、すまん。」
「何で謝るんだ?鬼蜘蛛丸の気持ちは、ちゃーんとここに響いてるぞ。」
「本当か?」
「ああ。本当どうにかしたくなっちまうくらい。」
そう言いながら、義丸は布団の上に鬼蜘蛛丸を押し倒す。突然押し倒され、多少は驚く鬼
蜘蛛丸であったが、抵抗するような素振りは見せなかった。
「してもいいか?」
「お、おう。」
「素直に頷くの珍しいな。」
「・・・さっき、お前があんなこと言ってくるから、俺もちょっとしたくなった。」
恥ずかしそうに目を逸らしながら、鬼蜘蛛丸はそんなことを口にする。こんなに可愛いこ
とを言ってくるのはずるいと思いながら、義丸は嬉しそうに鬼蜘蛛丸の唇に口づけた。

鬼蜘蛛丸の手を布団に押しつけるようにしっかり握りながら、義丸は深い口づけを鬼蜘蛛
丸に施す。舌と唇を吸われ、歯の裏をなぞられる。どこに触れられても気持ちよく、下肢
が疼くような甘い感覚に鬼蜘蛛丸は足をもぞもぞと動かす。
「んっ・・・ふぁっ・・・ぁんっ・・・」
(初めから思ったより激しくて、気持ちよくなってきちまう・・・)
鬼蜘蛛丸が気持ちよくなってきていることに気づき、義丸は口づけたまま鬼蜘蛛丸の寝間
着の帯をほどき、褌も外してしまう。
「ふっ・・・ぁ・・・ヨシっ・・・」
(この状態で脱がすの本当器用だよなあ・・・)
脱がされていることに気づいてはいるが、これからすることを考えれば別に困ることでは
ない。鬼蜘蛛丸の褌を外すと、義丸は唇を離し、ちらりと鬼蜘蛛丸の下肢に目をやる。
「結構分かりやすく反応してるな。」
「しょ、しょうがないだろ!」
「別に悪いなんて言ってないだろ。鬼蜘蛛丸のココ、もっと気持ち良くさせてやりたいん
だけど、手と口どっちがいい?」
「!!」
軽く熱に触れながら、義丸はさらっとそう問いかける。どっちがいいかを答えるのは恥ず
かしいと、鬼蜘蛛丸は困惑したような表情を見せる。
「え、えっと・・・」
「口で言うのが恥ずかしいなら、指差してもらってもいいぞ。」
そっちの方がまだマシかもしれないと、鬼蜘蛛丸は義丸の唇に触れ、恥ずかしそうに答え
る。
「・・・こっち。」
その一連の行動が愛らしすぎると、義丸はそこまで顔には出さないが心の中では悶えてい
た。
「了解。」
布団の下の方へ移動すると、義丸は既に勃ち上がっている鬼蜘蛛丸の熱をつつっとなぞる。
ピクンと鬼蜘蛛丸が反応するのを確認した後、顔の横にかかる髪をかき上げ、義丸はパク
ッとその熱を口に含んだ。
「あっ・・・あんっ・・・!」
まずは先端をちゅっと吸い、その後で裏筋をゆっくりと舐め上げる。
「ひあっ・・・やっ・・・ん・・・っ!!」
その下にある蜜の詰まった柔らかい袋を食んでやると、鬼蜘蛛丸の下肢はビクンと震える。
「ああぁっ!!」
再び硬くなっている熱を咥え、舌と唇でそこを刺激してやると、鬼蜘蛛丸は快感に濡れた
甘い声を上げる。
「んあっ・・・ぁ・・・ヨシっ・・・ああっ・・・!!」
「どうだ?大好きな親友にココをしゃぶられる気分は?」
鬼蜘蛛丸が恥ずかしがると分かっていながら、わざと義丸はそんなことを尋ねる。
「そんなこと・・・聞くな・・・!」
「ちゃんと答えないとやめちまうぞ。」
「うっ・・・」
義丸に口でされるのが気持ち良くてたまらないのは間違いなかった。しかし、それを口に
するのはひどく恥ずかしく、鬼蜘蛛丸はどうしようか悩む。口を噤んでいる間は義丸はそ
こに触れるのを止めているので、鬼蜘蛛丸のそこは次第に疼いてくる。
「義丸・・・」
「どうした?」
「やめるな・・・」
「どうしてだ?」
「義丸に口でされるの・・・気持ちイイから・・・」
「どうして欲しいって?」
「もっと・・・して欲しい・・・」
恥ずかしさを堪えながら涙目でおねだりをする鬼蜘蛛丸に義丸はゾクゾクしてしまう。
(これは予想以上に可愛いな。)
あまりの鬼蜘蛛丸の可愛さに口元を緩ませながら、義丸は鬼蜘蛛丸の熱を再び口に含む。
「ああぁんっ!!」
焦らされ、疼いていたそこを咥えられ、鬼蜘蛛丸は先程よりも大きな反応を見せる。今度
はイクまでちゃんとしてやろうと、義丸は先程よりもしっかりとそれを咥え込む。
「あっ・・・んんっ・・・義丸っ・・・あぁんっ・・・!」
(さっきよりもすげぇ気持ちいい・・・こんなのすぐ・・・)
本気を出した義丸のテクニックに翻弄され、鬼蜘蛛丸はあっという間に落ちる。達かせる
気満々の義丸は鬼蜘蛛丸のそこから口を離そうとはせず、より大きな刺激を与え続ける。
「ああぁっ・・・もう・・・無理だっ・・・いっ・・・イクっ・・・!!」
ビクビクと下肢を痙攣させ、鬼蜘蛛丸は義丸の口内に白濁の蜜を放つ。鬼蜘蛛丸が出した
蜜を一滴残らず口の中で受け止めると、義丸はそれをごくんと飲み込んだ。
「ハァ・・・ハァ・・・」
「イクときの鬼蜘蛛丸、本当可愛いよな。」
「うるせー・・・ハァ・・・はっ・・・」
「まだ少しも触ってないのに、ココはヒクヒクしてるし。」
軽く口を拭いながら体を起こすと、ヒクヒクと蠢いている鬼蜘蛛丸の蕾が目に入る。その
光景がたまらず、義丸はそのヒクつく蕾に指を入れる。
「ひあっ・・・ちょっ・・・義丸!!」
「もっと奥弄ってって指引き込まれるな。」
「ちがっ・・・」
「鬼蜘蛛丸はこのへん弄られるの大好きだもんな。」
ニヤリと笑いながら、義丸は鬼蜘蛛丸の弱い部分をぐりっと擦る。
「ああぁんっ!!」
「早く鬼蜘蛛丸の中入りたいし、ココたくさん弄ってほぐしてやるからな。」
「だ、ダメっ・・・ひっ・・・んあっ・・・ああっ!!」
達してからそれほど時間を置かずに、内側の敏感な場所を集中的に弄られ、鬼蜘蛛丸は強
すぎる快感にガクガクと脚を震わせる。義丸の思惑通り、そこを集中して弄ってやれば、
いつもよりも早いペースで鬼蜘蛛丸のそこはほぐれていった。
「や・・・んっ・・・そこばっか・・・ダメぇ・・・」
「ダメな顔には見えないけど?」
「気持ちよすぎて・・・たえらんねぇ・・・」
「別に我慢する必要ないだろ。イキたいならイけばいい。」
そう言いながら、義丸は少し強めにそこを擦る。
「ああっ・・・ああぁっ・・・!!」
ぎゅうぎゅうと義丸の指を締めつけながら、鬼蜘蛛丸は再度達する。中の収縮が治まると、
義丸は鬼蜘蛛丸の中から指を抜き、鬼蜘蛛丸の顔を見る。
「はっ・・・はぁ・・・はぁっ・・・」
「鬼蜘蛛丸、すげぇエッチな顔してる。」
「ハァ・・・してねぇ・・・」
呼吸を乱しながら否定している鬼蜘蛛丸もひどく可愛らしいと思いつつ、義丸はしゅるり
と下帯をほどき、鬼蜘蛛丸の脚を抱える。
「さてと、鬼蜘蛛丸。この後どうして欲しい?」
「っ!!」
鬼蜘蛛丸の乱れる姿を見て、十分に大きくなっている熱をヒクヒクと痙攣している蕾に押
し当てながら義丸は問う。
「んっ・・・そこまでしといて・・・何で聞くんだよ・・・?」
「鬼蜘蛛丸の声で聞きたくて。」
「くっ・・・」
「言わないのか?」
当たっている部分をゆるゆると擦りながら、義丸は畳み掛ける。
「んあっ・・・義丸っ・・・!」
入口を擦られるもどかしさに鬼蜘蛛丸は腰を揺らす。口にはなかなか出せないものの、身
体は義丸が欲しくてたまらなくなっていた。
「早く・・・」
「早く?」
「義丸を・・・挿れてくれ・・・」
「仰せにままに。」
切羽詰まった鬼蜘蛛丸のおねだりを聞き、義丸は嬉しそうな表情で腰を進める。にゅぷっ
と濡れた音を立て、義丸の熱は一気に鬼蜘蛛丸の中に入った。
「ひあっ・・・ああぁんっ!!」
「一気に入っちまった。そんなに挿れて欲しかったのか?」
「そんなこと・・・」
「けど、鬼蜘蛛丸のココは、挿れられてすごく悦んでるみたいだぜ?」
「ひぅ・・・やっ・・あぁんっ・・・!!」
軽く中で熱を動かしてやると、鬼蜘蛛丸のそこは嬉しそうにぎゅうぎゅうと義丸を締めつ
ける。
「鬼蜘蛛丸の襞が絡みついてくる感じ、本当気持ちいい。」
「そんなこと・・・言うな・・・!」
「素直な感想言っただけだぞ?」
「だってなんか・・・恥ずかしい・・・」
恥ずかしそうに目を逸らす鬼蜘蛛丸を見て、義丸はきゅんとしてしまい、中の熱も大きく
なる。
「ちょっ・・・何で・・・!?」
「鬼蜘蛛丸が可愛すぎるのが悪い。」
大きくなった熱はより強く鬼蜘蛛丸の中で締めつけられ、義丸が感じる快感を強める。も
っとその気持ちよさを感じたいと、義丸は大きく動き出した。
「あっ・・・ふあっ・・・んんっ・・・!」
(動かれると、やっぱ気持ちいい・・・)
義丸のモノで中を擦られるのが心地よく、鬼蜘蛛丸はうっとりとした表情でその気持ちよ
さを享受する。
(すごく気持ちいいけど、もう少し奥に・・・)
「鬼蜘蛛丸。」
「んっ・・・はぁ・・・何だ?」
「もっとこうして欲しいとかあるか?」
「えっ!?えっと・・・あの・・・」
まるで思っていることを見透かされたような質問に鬼蜘蛛丸はドキっとしてしまう。ドギ
マギしながらも、鬼蜘蛛丸はその質問に答える。
「その・・・もっと奥に・・・義丸のが欲しい・・・かも。」
「なるほどな。」
気持ちよさそうだがほんの少し物足りなさそうな顔をしている理由はそれかと義丸は納得
する。それならばリクエストに応えてやろうと、ギリギリまで引き抜いた後、勢いよく奥
を突く。
「んあっ・・・ああぁんっ!!」
先程よりも明らかに良い反応を見せるので、義丸はふっと笑いながら、何度もそこを責め
る。
「ひあっ・・・あんっ・・・そこ、気持ちいっ・・・」
「こんな奥がイイなんて、鬼蜘蛛丸はやらしいな。」
「だって・・・お前のが奥までくると・・・深く繋がってる感じがして・・・」
「たまらないって?それは俺も同感だ。それならもっと深く繋がれるように・・・」
膝は曲げさせたまま、鬼蜘蛛丸に覆い被さるように義丸は上半身を倒し布団の上に手をつ
く。身体が全体的に前に移動したため、当然のことながら、中に入っているそれもより奥
へと入ることになる。
「んっ・・・ああぁっ・・・!!」
「ほら、さっきより深くなっただろ?これで鬼蜘蛛丸の好きなところ、存分に突いてやれ
るぞ。」
熱の先を最奥に触れさせたまま、義丸はぐりぐりと鬼蜘蛛丸の中を突く。その感覚がたま
らず、鬼蜘蛛丸は背中を仰け反らせ、ビクビクとその身体を震わせる。
「ひああぁぁんっ!!」
「くっ・・・そんなにイイ反応されると、こっちも結構クるな。」
「あっ・・・ヨシっ・・・ああぁっ・・・!!」
「これ、気持ちいい?俺はすげぇ気持ちいいけど。」
「気持ちいいっ・・・奥、すごい・・・」
「だったら、イクまでココを突いててやるよ。」
自分も鬼蜘蛛丸もこの上なく気持ちいいので、義丸は鬼蜘蛛丸の奥を何度も突く。頭の中
が真っ白になりそうな快感を感じていると、文字通りに目の前がピカっと明るく白く光る。
その瞬間、お互いの快感に溺れている顔が目に写り、少し経った後、大きな音が二人の耳
に響く。
『――――っ!!』
大きな雷が落ちただけなのだが、その光と音にビクっとしてしまい、二人は図らずも達し
てしまう。
「雷に驚いてイっちまった・・・」
「俺もだ。なんだかちょっと納得いかないから、もう少ししてもいいか?」
「ああ・・・今度はちゃんと一緒に気持ちよくなってイキたい。」
「はは、そうだな。」
今しがた達してしまったのは納得がいかないと、二人はもう少し続けることにする。義丸
が動くと奥に放たれた熱い蜜がぐちゅっと動き、先程とは少し異なる感触に鬼蜘蛛丸はビ
クっとする。
(義丸が出したのが中でかき混ぜられる感じ、かなり気持ちいいかも。)
「んっ・・・」
「これ、さっきとちょっと違う感じで気持ちいいな。」
「分かる。義丸の出したやつが中に擦りつけられるの、すげぇ気持ちいい・・・」
「鬼蜘蛛丸も気持ちよく感じてるなら、問題ないな。」
そう言って、義丸は大きく動き出す。
「んあっ・・・ああぁっ・・・あんっ・・・」
「ハァ・・・鬼蜘蛛丸、キスしてもいいか?」
「ああ・・・してくれ・・・」
もっと深く繋がり合いたいと、義丸は鬼蜘蛛丸に口づける。唇が触れるだけでは飽き足ら
ず、互いに舌を絡める。粘膜同士が擦れ合い、体液が混じり合う。その心地よさにどちら
も夢中になっていく。
「んむっ・・・んっ・・・ぁんんっ・・・!!」
(中も口も熱くてぬるぬるしてて、気持ちいい・・・)
(さっきイったばかりだが、これはそんなに持たなそうだ。)
ゾクゾクと身体の奥からわき上がってくる快感に義丸も鬼蜘蛛丸も余裕がなくなってくる。
限界が近くなると、鬼蜘蛛丸は口を離し、義丸にそのことを伝えようとする。
「ハァ・・・義丸っ・・・俺もう・・・んっ・・・」
「俺もそろそろヤバそうだ。」
「だったら・・・」
「そうだな。一緒に・・・」
そこまで言うと、義丸は再び鬼蜘蛛丸の口を塞ぐ。鬼蜘蛛丸の最奥を穿つように動くと、
義丸はその奥をさらに濡らすかのように熱い雫を放つ。中で義丸の熱がビクビクと動くの
を感じながら、鬼蜘蛛丸も一際大きな絶頂感に身を任せた。

後始末をし、寝間着や布団を整えると二人は同じ布団の上に座っている。
「潮江くんや善法寺くんが他の部屋で寝てるのに、結構がっつりやっちまったな。」
「はは、そうだな。まあ、あの二人もお楽しみ中かもしれないぞ?」
「確かに否定は出来ないな。」
「だろ?あっ、そうだ。」
ふと気づいたように、義丸は枕元に置いておいた袋からあるものを出す。
「今は大丈夫そうだけど、一応飲んでおいた方がいいと思ってな。」
「ああ、善法寺くんがくれた陸酔い止めの薬か。ありがとな。」
「飲ませてやろうか?」
「自分で・・・いや、せっかくだから飲ませてもらうか。」
「おっ、そうくるとは思わなかった。いいぜ、飲ませてやるよ。」
袋から出した丸薬を口に含むと、義丸は口移しでそれを鬼蜘蛛丸に飲ませる。予想はして
いたものの、いざされてみると思ったよりドキドキしてしまう。
「んっ・・・」
ごくん
「はい、終わり。薬だけあってやっぱ美味くはねぇな。」
「そりゃ仕方ねぇだろ。陸酔いするよりは何倍もマシだし。」
自分から口に含んでおいて美味しくないと口にする義丸の言葉に、鬼蜘蛛丸はくすくす笑
う。そんな鬼蜘蛛丸を眺め、義丸はふっと笑う。
「ん?どうした?」
「いや、俺の大切な想い人は何をしてても可愛いなーと思って。」
「なっ!?」
しみじみとそう口にする義丸の言葉に鬼蜘蛛丸は赤くなる。しかし、似たようなことは鬼
蜘蛛丸も思っていた。
「お、お前だって・・・」
「何だ?」
「雷が鳴ったとき、一瞬明るく光っただろ?そのとき見えたお前の顔が、すげぇカッコよ
くて色っぽくて、こんな奴に抱かれてるのか俺ってなって、すっげぇドキドキした。」
そんな鬼蜘蛛丸の言葉を聞いて、義丸はどう返せばいいか分からなくなってしまう。あの
とき、そんなことを思っていたのかと今更ながらドキドキしてしまう。
「そんなこと言ってくるのずるいだろ。」
「お前が先に似たようなこと言ったんじゃねぇか。」
どちらも赤くなりながら、ちらりと互いの顔を見る。
(あー、やっぱ鬼蜘蛛丸超可愛い。好きだ。)
(照れててもカッコイイとかずるいだろ。好きすぎる・・・)
胸のときめきが止まらず、義丸は鬼蜘蛛丸の腕を引きながら布団の上で横になる。
「うわっ!!」
「もう鬼蜘蛛丸が可愛すぎて仕方ないから、今日はこうしながら寝る。」
寝転がりながら、義丸は鬼蜘蛛丸をぎゅうっと抱きしめる。多少驚きつつもそうされるの
は嫌ではないので、鬼蜘蛛丸は苦笑しながら義丸の寝間着をぎゅっと握る。
「しょうがねーなあ。この甘えん坊め。」
「甘えん坊で結構。やっぱり鬼蜘蛛丸を抱いてると落ち着くな。」
「はは、ならぐっすり眠れるかもな。」
大好きな相手と触れ合い、ドキドキしながらもどこか安心する感覚。そんな感覚を味わい
ながら、二人は楽しげに会話を交わす。外ではまだ雨音が響いているが、そんなことはお
構いなしに、義丸と鬼蜘蛛丸はもうしばらく二人きりの甘い時間を堪能するのであった。

                                END.

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