キミとボクの日常

もう夜更けとも言える時分、光子郎はオフィスのパソコンに向かってカチャカチャとキー
ボードを叩いていた。そこまで急ぎの仕事ではないのだが、夢中になるとつい時間を忘れ
て作業をしてしまうのだ。
「光子郎はん。」
「ん?どうしたの?テントモン。」
「もうだいぶ遅い時間でっせ。そろそろ風呂に入って、寝る準備せんと。」
「ああ、本当だ。ありがとう、テントモン。」
声をかけてくれたテントモンにお礼を言いながら、光子郎はシャワーを浴びる準備をする。
オフィスではあるが、大学へ行っている間以外はほぼこの場所で過ごしているため、浴室
や寝室も備わっている。
「シャワーだけやなくて、ちゃんと湯船に入らなあきまへんで。その方が疲れもとれるさ
かい。」
「でも、これからお湯を溜めるのは・・・」
「もう沸かしてありまっせ。」
「さすがテントモン。ありがとう。せっかくだから、一緒に入る?」
「ほんなら、ワテが背中流してあげますわ。」
さらっと一緒に入ろうと誘ってくる光子郎に、顔には出さないがテントモンはドキドキし
てしまう。そのドキドキ感の影響か、テントモンの姿は人間のような姿になる。
「あれま。」
「不思議だけど、たまにその姿になるね。どういう仕組みなんだろう?」
「さあ、それはワテにも分からへんな。せやけど、この姿の方が光子郎はんの背中流すに
は都合がええな。」
「確かにそうかも。それじゃあ、お風呂に入りに行こうか。」
「はいな!」
人間のような姿になったテントモンと光子郎は、浴室へと向かう。デジモンの姿だろうと
人の姿であろうと、一緒に入浴をしたことは何度もあるので、光子郎は恥ずかしがること
もなく、脱衣所で服を脱ぎ浴室に入る。そんな光子郎をテントモンは思わず目で追ってし
まう。
「テントモン?入らないの?」
「あー、すぐ行きまっせ。」
光子郎に声をかけられ、テントモンは慌てて服を脱ぎ、浴室へ入る。今の光子郎と比べる
と、テントモンはかなり年下に見える姿なので、光子郎からすれば子供と一緒にお風呂に
入っている感覚になる。
「子供の頃は、テントモンは同い年くらいの雰囲気だったけど、今じゃボクの方が大きく
なってる感じだね。」
「せやなあ。光子郎はん、ホンマに大人になったんやなぁ。」
「あはは、そんなしみじみと言われるとちょっと照れるね。」
そんな会話をしながら、二人はシャワーを浴びる。光子郎が髪を濡らすのを見ると、テン
トモンは手にシャンプーをとり、光子郎を椅子に座らせる。
「髪の毛、ワテが洗ってあげますわ。」
「それじゃあ、お願いしようかな。」
人に髪の毛を洗ってもらうことなど、美容院以外ではあまりないことなので、光子郎はテ
ントモンの提案に素直に甘える。手の平でシャンプーを泡立てると、テントモンは優しく
光子郎の髪を洗い始めた。
「何かテントモンに洗われてるのに、本当に人が洗ってくれてるみたいで不思議な感じが
する。」
「まあ、今はホンマに人の姿になってるさかい、間違ってへんな。」
「テントモン洗うの上手だから、気持ちよくて好きだよ。」
「そ、そうでっか・・・」
ご機嫌な様子でそんなことを言ってくる光子郎にテントモンはドキドキしてしまう。そう
いうことをするにはまだ早いと、光子郎の髪を洗うことに集中する。
(この姿で一緒にシャワー浴びるんは、いろんな意味でアカンな。)
光子郎の裸にムラムラしてきそうな気持ちを必死に抑えながら、テントモンは髪を洗った
後、光子郎の背中も流し、自分の体も綺麗にする。
「すごくさっぱりした。あとはゆっくり湯船に浸かればいいかな。」
「せやな。」
「二人で入るにはちょっと狭いけど、テントモンは子供くらいの大きさだからきっと大丈
夫だよね。」
「光子郎はんがそれでええなら・・・」
「じゃあ、一緒に入ろう。テントモン。」
オフィスの一角にある浴室ということで、湯船はそこまで広いものではない。しかし、光
子郎はそんなことは全く気にする様子もなく、テントモンと一緒に入りたがる。いくらテ
ントモンが子供のような姿とはいえ、狭い浴槽に二人で入ると体が密着してしまう。
「思ったより狭いね。」
「すんまへん。ワテがこんな姿になってるばっかりに。」
「いや、テントモンのせいじゃないよ。それに・・・」
「それに何でっか?」
体が触れ合っているため、言葉にしなくても光子郎の言わんとしていることは伝わってき
た。触れ合った肌から伝わるいつもより明らかに速い鼓動。その鼓動をもっと感じたいと
テントモンは光子郎の胸に手をあてる。
「テントモン?」
「光子郎はんの心臓、メッチャドキドキしてまんな。」
「それは・・・テントモンとこんなにくっついてるからで・・・」
「ワテもメッチャドキドキしてます。」
こんなに密着しているとムラムラする気持ちが抑えられなくなってしまうと思いつつ、テ
ントモンは光子郎の顔を眺める。お湯で温まったためかドキドキしているためか、ほのか
に赤くなっている頬はテントモンにとってひどく魅力的に見えた。
「光子郎はん・・・・」
さすがに我慢ならなくなり、テントモンは光子郎により近づき、唇を重ねる。テントモン
の急な口づけに驚きはしたものの光子郎は全く拒みはしなかった。光子郎が嫌がっていな
いことを確認すると、テントモンは胸に当てていた手を少し動かし、さらに深い口づけを
施す。
「んっ・・・ふぅ・・・・」
ピクンと身体を震わせ、小さく開かれた口の隙間から漏れる声にテントモンの鼓動はさら
に速いリズムを刻む。指先に触れる胸の飾りも存在感を増し、そこに触れれば光子郎の反
応は大きくなる。
「んんっ・・・んっ・・・!!」
(どうしよう・・・テントモンに触られるの気持ちよくて・・・・)
口づけを交わしながら、敏感な部位を弄られ、光子郎の熱は素直に反応してしまう。当然
テントモンもそのことに気づいていた。静かな浴室でパシャパシャと水の音だけが響き、
二人はしばらく甘く心地の良い口づけに夢中になる。ふと気づくと二人で入っている湯船
は先程よりも狭くなっていた。
「そろそろ上がらんとのぼせてしまいそうやな。」
「・・・・ハァ・・・あれ?」
「どないしました?」
「カブテリモン・・・だよね?」
先程までは子供のような姿であったが、今目の前にいるのは自分と同じくらいの年齢に見
える青年であった。
「いつの間にか進化してもうたみたいや。」
人の姿のカブテリモンもカッコイイなあとその姿を眺めていると、ふわっとその体が宙に
浮く。
「うわっ・・・」
「せっかく進化出来たんやし、続きはベッドでしましょ。」
「つ、続きって・・・」
「光子郎はんもその気やろ?こないになってるし。」
「っ!?」
風呂場では当然のことながら全裸であるため、隠したくなる場所も丸見えであった。そん
なことを指摘され、光子郎の顔は恥ずかしさから耳まで真っ赤に染まる。脱衣所で軽く体
を拭くと、カブテリモンは光子郎にバスローブを羽織らせる。自分も肩に軽く羽織ると、
もう一度光子郎を抱き上げ、そのまま寝室へと向かった。

寝室に入ると、カブテリモンはベッドの上に光子郎をゆっくり下ろす。バスローブを羽織
り恥ずかしそうにベッドに座っている光子郎はカブテリモンの目を喜ばせた。
「光子郎はん。」
「何?」
「さっきの続きするの嫌でっか?」
「えっ!?べ、別に嫌ではないけど・・・ちょっと恥ずかしい。」
「ほんなら、してもええでっか?」
「・・・うん。」
恥ずかしそうに頷く光子郎に、カブテリモンは我慢ならなくなる。バスローブはあえて脱
がすことはせず、そのままベッドに光子郎を押し倒す。真上にあるカブテリモンの顔を見
上げ、ドキドキと胸を高鳴らせている光子郎であったが、すっとカブテリモンが離れる。
「カブテリモン?」
「今、準備するさかいちょっと待っててくれなはれ。」
「準備って何の?」
「そりゃ楽しいことする準備でっせ。」
楽しいこととは何だろうと頭にハテナを浮かべながら、光子郎は黙ってカブテリモンを待
つ。寝室にある棚の引き出しから、カブテリモンは一つの箱を持ってきた。
「何だい?その箱。」
「これは『玩具箱』や。」
「おもちゃ箱?どうしてそんなもの・・・」
その箱の蓋をカブテリモンが開けるのを見て、光子郎はカブテリモンの言う『玩具箱』の
意味を理解する。
「っ!?」
「とりあえず、ココをちょっと慣らさんとな。」
そう言いながらカブテリモンは、箱に入っていたローションを使って光子郎の入口を慣ら
し始める。
「あっ・・・ん・・・・」
「ぎょうさん使たんで、そんなに痛くはないはずやけど、大丈夫でっか?」
「うん・・・痛くはない・・・かな?」
「ほんなら、もう少しほぐしときますわ。」
「んっ・・あ・・・・カブテリモンっ・・・!」
痛くはないが、カブテリモンの長い指を入れられ、中で指を動かされると、痺れるような
快感が走る。光子郎の様子を見ながら、ゆっくりそこをほぐした後、カブテリモンは箱の
中の玩具を一つ手に取る。
「コレ、使うたことありました?」
「な、ないよ!というか、そんなものどこで買って・・・」
「通販でっせ。最近は何でも通販で買えるさかい便利でんなあ。」
どうしても仕事やパソコンに集中してしまうことが多い光子郎は、日用品や食料品の買い
物をテントモンに任せている。もちろんデジモンの姿のまま、一人で買い物に行くわけに
はいかないので、テントモンは通販を利用することが多く、光子郎もそれを承知していた。
「いつの間に・・・」
「あっ、光子郎はんが選びます?いろいろあるさかい、好きなの選びなはれ。」
「い、いや・・・こんなの自分で選ぶなんて無理・・・というか、僕は使っていいなんて
言ってないよ。」
急にそんな玩具を使うと言われても素直に頷くことは出来ない。すると、カブテリモンは
わざと残念そうな顔をして、玩具をしまおうとする。
「光子郎はんがそんなに嫌言うんなら仕方ないですわ。せやけど、光子郎はん、これ使う
たらどんな感じなのか知らへんのやろ?知らないこと知るっちゅうんは、楽しいことやと
思うんやけどなー。」
「知らないことを知る・・・・」
そう言われてしまうと、光子郎の中の知識の紋章が疼いてしまう。そう呟くと光子郎は、
箱の蓋を閉めようとするカブテリモンの手を止めた。
「どないしはったん?」
「えっと・・・あの・・・・」
使って欲しいと言うのは恥ずかしく、光子郎は真っ赤になりながらカブテリモンの顔を見
る。そして、口に出せる言葉を精一杯考え、それをカブテリモンに伝えた。
「・・・・知りたい。」
その一言で光子郎の言わんとしていることをカブテリモンはしっかりと理解する。嬉しそ
うに笑いながら、もう一度箱を開け、一度しまった玩具を取り出した。
「それでこそ、光子郎はんや!」
「恥ずかしいから、そういうこと言わないでよ。」
「使うのはコレなんてどや?なかなかおもろい形してるし、どんな感じか気になるやろ?」
「カブテリモンの好きにしていいよ。」
「はいな!」
光子郎の許可も得たので、カブテリモンは嬉々としながら小さな球体がいくつか連なった
ような玩具を手にし、先程しっかりとほぐした光子郎の蕾に持っていく。初めて使う玩具
にドキドキと胸を高鳴らせながら、光子郎はカブテリモンを見ていた。
つぷ・・・
「ひあっ・・・!」
一つ目の玉が中に入ると、光子郎はビクンと脚を震わせる。カブテリモンに弄られるとき
とは全く違う初めての感覚。その感覚を味わって光子郎の心に浮かんだのは、もっと知り
たいという気持ちだった。軽く呼吸を乱しながらもそこまでキツそうではない光子郎の様
子を見て、カブテリモンは二つ目、三つ目と玩具を奥へと入れていく。
「あっ・・・んぅ・・・ああっ・・・・!!」
「どないでっか?光子郎はん。」
「どうって言われてもっ・・・・ふあっ・・・!!」
「もう少しで全部入りまっせ。」
「やっ・・・んんっ・・・・」
連なった玉が全て入りきると、光子郎はその何とも言えない感覚に熱い息を吐く。思って
いたよりは余裕そうな光子郎に、カブテリモンはもっとこの玩具を使って責めたくなる。
「光子郎はん。」
「何・・・?」
「スイッチ入れてもええでっか?」
「スイッチ・・・?何の?」
「この玩具のでっせ。」
光子郎の返事を聞かずに、カブテリモンはその玩具の取っ手の部分にあるスイッチを入れ
る。その瞬間、光子郎の中から低いモーター音が響く。
「ひあっ・・・あああ―――っ!!」
「この玩具、スイッチ入れると振動するようになってますねん。」
「やっ・・・ああぁんっ・・・こんなの・・・あっ・・・ダメぇ・・・・」
「ホンマでっか?ワイには全然ダメっていう顔には見えへんけど。」
内側を掻き回すように動く玩具が与える快感に、光子郎は甘い悲鳴を上げる。口では嫌だ
というニュアンスのことを言っているが、その表情と声色はそれとは真逆であった。
「まあ、嫌なら抜いてあげますわ。」
スイッチは入れたままの状態で、カブテリモンはその玩具を引き抜くように引っ張る。震
える玉が入口を押し広げる感覚に、光子郎は入れられたとき以上に感じてしまう。
「あっ・・・はぁ・・んっ・・・・カブテリモンっ・・・抜くの・・・やぁっ・・・!!」
「抜かれるのは嫌なんでっか?ほんなら・・・」
あと一つ分の玉を抜けば抜け切るというところまで抜いていたが、光子郎のその言葉でカ
ブテリモンは再び中にそれを入れる。振動したまま再び中に入ってくる感覚は、先程とは
また違った快感を呼び起こす。
「んんっ・・・ああぁっ・・・・!!」
ビクビクと身体を震わせながら、甘い声を上げ続ける光子郎に、カブテリモンはゾクゾク
してしまう。もっと光子郎の気持ちよさそうな反応が見たいと、カブテリモンは手にして
いる玩具を入れては引き抜き、引き抜いては入れるという動作を繰り返した。
「あっ・・・ひあっ・・・あっ・・・ああぁっ・・・!!」
「気持ちええでっか?光子郎はん。」
「もっ・・・ダメぇ・・・お尻の中、気持ちよくて・・・・イっちゃ・・・・」
顔を真っ赤に染め、激しく呼吸を乱し、快感に震えながら光子郎はそんなことを口にする。
予想以上にエッチなセリフを口にする光子郎にカブテリモンは我慢ならなくなる。駄目押
しで玩具の振動をさらに強くし、光子郎の一番弱い場所に当たるようにそれを動かした。
「ひぅっ・・・ああぁ―――っ!!」
玩具にイカされている光子郎は、この上なく扇情的で、カブテリモンをひどく興奮させる。
スイッチを切り、玩具を中から抜いても、光子郎はしばらくビクビクとその身を痙攣させ
ていた。
(気持ちよかった・・・)
ハァハァと大きく息をして、脱力したようにベッドに身を横たえながら、光子郎はそんな
感想を心の中で呟く。
「大丈夫でっか?光子郎はん。」
「うん・・・」
「ちょっと汚れてしもたな。ワイが綺麗にするさかい、少し待っててくれなはれ。」
下腹のあたりに飛び散った光子郎の蜜をカブテリモンは身を屈めて舐めとる。敏感な部分
にほど近いところを舐められ、光子郎は図らずも感じてしまう。
「ふあっ・・・カブテリモンっ・・・」
「もう少しやさかい、我慢してや。」
「んっ・・・あ・・ん・・・・」
可愛らしい光子郎の声を聞きながら、カブテリモンは光子郎の蜜をゆっくり味わう。全て
舐めとると、カブテリモンの体は一瞬眩しい光に包まれる。光が消えると、カブテリモン
はまた別の姿になっていた。
「光子郎はんのがあまりにも美味いから、完全体に進化したみたいや。」
「そんなことで進化するなんて・・・」
進化のきっかけがきっかけなので、光子郎は何だか恥ずかしくなってしまう。
「光子郎はん。」
「何?アトラーカブテリモン。」
「そろそろ光子郎はんと繋がりたいんやけど・・・ええでっか?」
かなり率直なアトラーカブテリモンの言葉に光子郎は、少々戸惑いつつもコクンと頷く。
仰向けになっている光子郎の体をふわっと持ち上げ、アトラーカブテリモンは今まで光子
郎がいた場所に仰向けになる。そして、自分の腹のあたりに光子郎を下ろした。
「どうしてこんな体勢・・・」
「光子郎はんは少し運動不足やさかい、ちょっと運動してもらおう思て。」
ニッと笑いながらそう言うアトラーカブテリモンの言葉に、光子郎はドキドキしてしまう。
ハッキリとは言われていないが、この体勢は自分で挿れて自分で動かなければならない体
位だ。ほんの少し後ずさるように腰を後ろにずらすと、アトラーカブテリモンの大きなモ
ノが腰に触れる。
「っ!!」
「どうしても無理言うんなら、違う体位でもええですよ。」
「う・・・大丈夫、だと思う。運動不足なのは、自覚してるし・・・でも・・・」
「でも、何でっか?」
「どうしても無理そうなときは、手伝ってくれる・・・?」
恥ずかしそうに首を傾げながら、光子郎はそんなことを言う。その表情とセリフにアトラ
ーカブテリモンの胸は撃ち抜かれる。
「もちろん、手伝いまっせ!あ、とりあえず挿れやすいようにローションつけときますわ。」
少しでも光子郎の負担を減らそうと、アトラーカブテリモンは大きくなっている自身の熱
にローションをかける。これからアトラーカブテリモンと繋がることを考えただけでも体
が熱くなり、光子郎は羽織っていたバスローブを脱いだ。
「アトラーカブテリモン・・・」
後ろ手にアトラーカブテリモンの熱の位置を確認すると、光子郎はゆっくり息を吐きなが
ら、ぬるぬるとした熱いそれに腰を下ろす。入口にその先端が触れると、ビクンと下肢が
震えるが、そんなことはお構いなしに光子郎は自分の中へアトラーカブテリモンを埋めて
いく。
「くっ・・・んんんっ・・・」
「ハァ・・・光子郎はん。」
「アトラーカブテリモンの・・・おおきい・・・」
「光子郎はんが可愛すぎるさかい、仕方あらへん。」
「でも、ちゃんと入る・・・ハァ・・・あと、もう少し・・・・」
ローションの滑りも手伝ってか予想よりはかなり楽に奥へと入っていく。アトラーカブテ
リモンの熱を全て自分の中に取り込むと、光子郎は大きく息をつき、口元に嬉しそうな笑
みを浮かべる。
「んっ・・・全部、入った・・・」
「さすが光子郎はんや。」
「動くのは・・・もうちょっと待ってもらっていい・・・?」
「光子郎はんのペースでええで。」
アトラーカブテリモンのモノが自分の中に馴染むまで、光子郎はしばらくそのままでいる。
入っているだけでも光子郎にとってはかなり気持ちよく、ぎゅうぎゅうと中が収縮する。
その感覚がたまらず、動かれなくともアトラーカブテリモンはその熱の硬さを十分に保っ
てられていた。
(入ってるだけでこんなに気持ちいいのに、動いたりなんかしたら・・・本当すぐにイっ
ちゃいそう・・・)
そんなことを考えながらも、アトラーカブテリモンは間違いなく動いた方が気持ちいいの
を理解している。自分だけではなく、アトラーカブテリモンも気持ちよくさせたいと、光
子郎はゆっくりと動き始めた。
「んっ・・・はぁ・・・あっ・・・あっ・・・・」
「大丈夫でっか?光子郎はん。無理せんでもええで。」
「へい・・き・・・動いた方が・・・アトラーカブテリモン・・・気持ちイイでしょ?」
「そりゃもちろんそうやけど・・・」
「そんなに動くの・・・上手じゃないかもしれないけど・・・頑張るから・・・・」
(ホンマ光子郎はん反則や。この状況でそないなこと言われたら敵わへん。)
自分の上で一生懸命に光子郎が動くのを、アトラーカブテリモンはどうしよもない心地よ
さの中眺めていた。
「あっ・・・んんっ・・・はっ・・・ああっ・・・・」
「光子郎はん・・・メッチャ気持ちええ・・・・」
「僕も・・・気持ち・・いっ・・・」
「光子郎はんがメッチャ頑張ってくれてるさかい、ワイも光子郎はんのこと、もっと気持
ちよくさせたる。」
そう言いながら、アトラーカブテリモンは手を伸ばし、光子郎の熱をきゅっと握る。
「は・・ぁんっ・・・やっ・・・そこはっ・・・・」
「ここ触っとった方が光子郎はんは気持ちええやろ?」
「あっ・・・アトラー・・・カブテリモン・・・そこ触られてたら、すぐイっちゃ・・・」
「かまへん。ワイも光子郎はんの中よすぎて、そこまでもたなそうやし。」
光子郎の動きに合わせ、アトラーカブテリモンは手を動かす。内側を熱で擦られ、前を手
で擦られる。一気に高まる絶頂感に光子郎の甘く濡れた声が大きく響く。
「ああぁっ・・・んっ・・・あっ・・・ああっ・・・!!」
「くっ・・・光子郎はん・・・」
「アトラー・・・カブテリモン・・・んっ・・・ああぁ―――っ!!」
頂を求めてどちらの動きも自然と激しくなる。全身を満たす多幸感に身を任せ、どちらも
熱い想いを迸らせる。ドクンドクンと脈打つ熱が心も体もとろかすような快感をもたらす。
大好きなパートナーと交じり合う心地よさに浸りながら、二人はしばらく繋がったままで
いた。

事が終わって、片付けと後処理を終えると、光子郎は心地よい疲労感からすぐに眠ってし
まう。机で眠ってしまうことも多い光子郎がぐっすりとベッドで眠っているのを見て、い
まだに人の姿のテントモンはホッとしたような表情で笑う。
「ホンマ、光子郎はんはどんな顔してても可愛いなあ。」
汚れたバスローブやシーツなどを全て洗濯機にかけてから、テントモンは光子郎の隣に横
になる。
「玩具使うん、光子郎はん結構乗り気やったな。また今度新しいの探しとこ。」
玩具を使ったプレイはなかなかよかったとテントモンはそんなことを呟く。今度はどんな
ものを使おうかなとわくわくしながら、テントモンは光子郎の寝顔をしばらく眺めていた。

次の日の朝、テントモンは光子郎より早く起きて、朝食の用意をし、時間になったら光子
郎を起こしに行く。
「光子郎はん、朝でっせ。起きなはれ。」
「んー・・・おはよう、テントモン。」
「朝飯も出来てるさかい、いいタイミングで来てくれなはれ。」
「分かった。」
のそのそとベッドから起き上がると、一つ大きなあくびをして光子郎は着替え始める。
(昨日終わった後、テントモン、パジャマ着せてくれたんだ。体もそこまで辛くないし、
僕が寝てる間にいろいろしてくれたんだな。)
テントモンの心遣いに感謝しつつ、光子郎は大学へ行く準備をする。準備を終えると、テ
ントモンが待つ部屋へ移動する。
「ちゃんと朝飯食べなあきまへんで。」
「うん。せっかくテントモンが作ってくれてるんだもん。もちろん食べるよ。」
「ワテ特製お味噌汁飲んだら、元気100倍や。」
「テントモンが作るお味噌汁、美味しくて大好きだよ。」
光子郎のそんな言葉を聞いて、テントモンはちょっと照れながらも嬉しくなる。
「ほなら、食べましょ。いただきます。」
「いただきます。」
テントモンが作ってくれた朝食を光子郎はぱくぱくと食べる。仮に一人暮らしだったら、
こんなにしっかりとした朝食は食べれないよなあと思いながら、テントモンを見た。
「どないしはりました?」
「こんなに美味しい朝ごはん、毎日作ってくれてありがとう、テントモン。」
「そないに褒められると照れまんがな。」
「テントモンがパートナーで本当によかった。」
「ワテも光子郎はんがパートナーで、心からよかったと思ってまっせ。」
さらっとそんなことを言い合って、光子郎もテントモンも嬉しそうに笑う。光子郎が出
かける時間になると、テントモンは光子郎を部屋の入口まで送る。
「片付けはワテがやっておくさかい、光子郎はんは出かけて大丈夫やで。」
「ありがとう、テントモン。」
「光子郎はん。」
朝食を作るためか、また人の姿になっているテントモンはぐいっと光子郎の腕を引き、
少し屈ませる。光子郎の顔が自分の顔の目の前に来ると、テントモンはちゅっと光子郎
の唇にキスをした。
「いってらっしゃいのちゅうや。」
「い、いきなりするのはずるいよ。・・・まあ、いいや。いってきます。」
「いってらっしゃい、光子郎はん。」
光子郎を送りだすと、テントモンは朝食の片付けに部屋へと戻る。
「いってらっしゃいのキスとか、新婚さん感あってええな。」
そんなことを呟きながら、ひどくご機嫌な様子で、テントモンは光子郎が気分よく過ご
せるよう家事を始めるのであった。

                                END.

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