ここは様々な種族が住む世界。人族の跡部と獣族の宍戸は同じ場所に住んでいる。辺りが
だいぶ秋めいてきた九月の終わり。明日は跡部にとっても宍戸にとっても特別な日だ。
「宍戸。」
「何だよ?」
「明日はテメェの誕生日だろ?どう過ごしてぇんだ?」
現在虎モードの宍戸は、そんな跡部の問いに尻尾をパタパタさせながら答える。
「誕生日なんて、そんな特別な日じゃねーし。いつも通りでいいんじゃねぇ?」
宍戸の虎モードはツンデレのツンのモードだ。すなわち、口ではそんなことを言っていて
も本当のところは跡部に誕生日はとても祝って欲しいと思っているのだ。
「俺様が祝ってやるって言ってるんだぜ?お前の望むことなら何でもしてやれるんだ。い
つも通りじゃもったいねぇだろ?」
もちろん宍戸もいつも通りでいいなんて思っていなかった。ただ、虎モードである為に自
分の思っていることが素直に言えないのだ。しかし、跡部にそこまで言われてしまっては、
ツンモードを続けるのは難しくなる。しましまの丸い耳がポムッと黒い長い耳に変わると、
宍戸は全く違った表情で跡部を見る。
「本当に何でもしてくれるのか?」
「ああ、俺様に不可能なことはねぇからな。」
「じゃ、じゃあ、明日は跡部とずっとエッチしてたい。」
顔を火照らせつつ、宍戸はそんなお願い事を跡部にする。まさかそう来るとは思っていな
かったので、跡部は少々驚きつつも、快くその願いを受け入れる。
「随分とやらしい過ごし方じゃねぇか。誕生日をそんなふうに過ごしたいだなんてよ。」
「だって、跡部とするの俺すげぇ好きだし。それに、跡部としてると、いっぱい愛されて
るって感じと体全部が気持ちいいって感じでいっぱいになって、すごい幸せだなあって思
えるから。誕生日の間中、そんな気分でいれたらいいなあと思ってよ。」
「ま、俺もテメェとするのはすげぇ好きだからな。いいぜ。明日は一日中、テメェを抱い
てやるよ。」
「本当か!?」
「ああ。言ったろ?お前の望むことは何でもしてやるって。」
跡部が自分の願いを聞き入れてくれたので、宍戸はドキドキ感とわくわく感から真っ黒な
耳をピコンピコンと動かす。そして、早々と布団の中へもぐり込んだ。
「明日はいっぱいするから、今日は早めに寝る!」
「そうだな。俺もそうしとくか。」
「へへへ、明日の誕生日、激楽しみだ!」
「俺も楽しみだぜ。」
明日が待ち遠しくて仕方ないと、宍戸はニコニコした様子で布団をかぶる。跡部にとって
も宍戸のしたいことは、かなり楽しみなことであった。どちらも明日することに胸を躍ら
せながら早々と眠りについた。
次の日の朝、跡部は体の上の重みで目を覚ます。跡部より先に宍戸は目を覚ましていて、
早く跡部が起きないかと思いながら、跡部の上で待っていたのだ。
「おはよう、跡部。」
「ああ、おはよう。」
しっかりと目を開け、宍戸の姿を見て、跡部は一気に目が覚める。跡部の体を跨ぐように
座っている宍戸は、下は何も穿いておらず、上半身もシャツを羽織っているだけであった。
そんな誘うような格好をしている宍戸を前に跡部が我慢出来るはずがない。ふっと口元を
緩ませると、宍戸の頭を引き寄せ、柔らかい唇にキスをした。
「・・・・・っ!」
二度三度、啄ばむような口づけをした後、軽く宍戸の口を開かせ、より深いキスをする。
舌を弄ばれるような激しい口づけに、宍戸の気分は一気に高まる。
「はっ・・・んん・・・・んっ・・・んんん・・・・」
鼻にかかった甘い声を聞きながら、跡部は宍戸の肌に指を滑らせる。シャツの合間に見え
隠れする胸の突起に触れてやると、宍戸の体はピクンと跳ね、キスの合間に漏れる声もあ
からさまな喘ぎに変わる。
「んぅっ・・・んっ・・・あぁ・・・」
この反応はたまらないと、跡部は激しい口づけはし続けたまま、両方の胸の突起を指の先
で弄る。次第にその固さを増し、コリコリとした手触りになるそれは、宍戸に言いようも
ない快感を与えた。
「ふあっ・・・あっ・・・んんっ・・・んぁ・・・・」
どちらのものとも分からなくなった唾液を口の端から溢れさせながら、宍戸は跡部の与え
てくれる快感に夢中になる。顔は紅潮し、呼吸は乱れ、瞳は自然と潤んでくる。そんな宍
戸の表情を唇が触れ合う近さで眺めながら、跡部はこれからこんな宍戸が一日中見ていら
れるのかというようなことを考えていた。
「朝からこんな顔が見れるなんて最高だな。」
「ハァ・・・んっ・・・だって、今日は一日中するって決めたんだから・・・」
「分かってる。ふっ、ただキスしてちょっとココを弄ってやっただけだっていうのに、随
分と濡れてきてるじゃねぇか。アーン?」
先程のキスと胸への愛撫で、宍戸の熱はすっかり硬くなり、その先端からは透明な蜜が溢
れ始めていた。そんなことを指摘され、宍戸は真っ黒なうさ耳をピクピクさせながら、恥
ずかしがるような反応を見せる。
「跡部にちゅうされるの・・・すごい気持ちよかったから・・・・」
「ほぅ、ここを弄られるのはどうなんだ?」
「ひっ・・あんっ・・・・そ、そこも・・・気持ちいい・・・」
「じゃあ、もっと弄ってやるよ。ほら。」
「ああっ・・・いっ・・・あっ・・・・!」
宍戸が気持ちいいと口にするので、跡部はすっかり立ち上がり赤くなっている突起を力い
っぱい抓んでやる。痛みも感じそうなそんな激しい責めにも、宍戸はビクビクと体を震わ
せながら、感じまくっていた。
「ああぁんっ・・・いっ・・・うあっ・・・あぁっ・・・・」
「こんなに強くされるのがいいだなんて、やっぱお前はドMだよな。」
「るせ・・・気持ちいいもんはいいんだから、しょうがねぇだろ!」
「ま、俺はひどくするくらいに責めるのが好きだから、ちょうどいいと思うけどな。」
そんなことを言いながら、跡部はしばらくそこを責める。そこを責められるたびに、宍戸
の熱はビクビクと反応し、跡部の目を楽しませていた。
「ふっ・・・ハァ・・・あっ・・・・」
「こっちはもう十分か。さてと、次はどこを責めてやろうか。」
「指でも、オモチャでもいいから・・・ココがいい。んで、俺は跡部のしたい。」
足を開きつつ、宍戸は自分の蕾に指を運び、ここを弄って欲しいと跡部に頼む。何てエロ
い誘い方をしてくるのだろうと、跡部はひどく胸が高鳴るのを感じる。
「俺様のをしたいってことなら、オモチャの方が都合がいいかもな。」
そう言うと、跡部はベッドのすぐ側にある棚の中からいくつかのオモチャを出す。
「ほら、どれでして欲しいかテメェが選べよ。今日はお前の誕生日だからな。お前が決め
ていいぜ。」
跡部が出したものはどれもかなりの大きさと迫力があるものばかりだ。そんなオモチャを
前に、ドキドキしながら宍戸は自らを責める道具を選ぶ。
「じゃ、じゃあ・・・コレ・・・・」
宍戸が選んだオモチャは、自分のうさぎの尻尾よりも二回りほど小さな球体がいくつも連
なったものであった。跡部が所有しているものということもあり、そのオモチャはただの
丸い球体ではなく、表面には突起のような凹凸がいくつもあった。
「いきなり入れるのは無理だろうから、軽く指で慣らしてからにしてやるよ。その方が気
持ちいいだろ?」
「お、おう・・・」
「そうだ、コレでテメェのココを弄ってやるのと、テメェが俺のをするんだったら、こう
した方がやりやすいんじゃねぇか?」
そう言って、跡部は宍戸の尻を自分の顔の方へ向けさせる。跡部を跨ぐような形で四つん
這いになると、ちょうど咥えやすい位置に跡部の熱が来る体勢となった。それは、所謂シ
ックスナインと呼ばれるような体勢であった。
「確かにこれはちょうどいいかも。てか、跡部のすごいデカくなってる。」
跡部の熱を取り出しながら、宍戸は嬉々とした様子でそんなことを言う。別に触れてもな
いのにこんなになっているのはすごいなあと思いつつ、それが宍戸にとっては嬉しかった。
「テメェの顔とか反応見てたらこうなるのは当然だろ?今もすげぇいい位置にケツがある
しな。」
「跡部のエッチ。」
「アーン?それはテメェだって変わらねぇだろ。」
クスクスと笑いながらそんな会話を交わすと、二人はそれぞれ自分のすべきことを始める。
宍戸はすっかり大きくなっている跡部の熱を口に含み、跡部は指にたっぷりローションを
絡め、目の前にある宍戸の蕾を弄り始めた。
「んむっ・・・んっ・・・・んんっ・・・!!」
「テメェの口の中、熱くてたまんねぇな。すげぇ気持ちいいぜ。」
「ふっ・・・んっ・・・んん・・・・」
跡部の言葉に胸を躍らせながら、宍戸は跡部の熱を咥えた口を上下に動かす。根元から先
端まで唇と口内で擦られる感覚は跡部にこの上ない快感を与えていた。そんな宍戸の奉仕
に応えるかのように、跡部は宍戸の入口を丹念にほぐし、蕾の内側を弄ってやる準備をし
てやった。
「んっ・・・ん・・・ん・・・・」
「ローション使ってると、やっぱ楽にほぐれるな。そろそろ大丈夫だろ。」
「ぷあっ・・・オモチャ、入れるのか?」
「ああ。コレ、俺的にもオススメだぜ。テメェのココにはピッタリの代物だ。」
「ハァ・・・すげぇドキドキする・・・・」
「最高によくしてやるから、覚悟しとけよ?あと、口でするのは止めんなよ。」
「お、おう・・・」
すぅっと軽く息を吸うと、宍戸は再び跡部の熱を咥える。そして、次の瞬間、入口を無理
矢理開かれる感覚と共に、内側へオモチャが挿入された。
「んぐっ・・・んんん――っ!!」
「まだ一つ目だぜ。ほーら、二つ目。」
「んっ・・・んんぅっ・・・んんん――っ!!」
凹凸で入口と内側を激しく擦られながら大きな球が入ってくる感覚に、宍戸は跡部の熱を
咥えたまま、ビクビクとその身を震わせる。ひくひくと目の前の蕾が収縮するのを眺めな
がら、跡部は次から次へと宍戸の内側へそのオモチャを挿入していった。
「五つ目、六つ目。」
「ひぐっ・・・ふっ・・・んあぁ・・・・」
「おら、口がお留守になってるぜ。」
「んっ・・・んんっ・・・んんんぅ・・・・」
「八つ目、最後の一個だぜ?ほら、九つ目。」
「んんん――っ!!」
一列につながった大きな球を九つも入れられた宍戸は、がくがくと下肢を震わせ、ぎゅう
ぎゅうと蕾を収縮させる。入口が収縮すると、内側も締まるので、入れられた球の凹凸が
内側を激しく刺激し、宍戸に大きな快感を与えていた。
「あっ・・・中・・・奥までいっぱいで・・・すげ、たまんねぇ・・・・」
「ここからが本番だぜ?これはこうやって抜くときが一番いいんだからな。」
そう言って、跡部は入口の外に出ている輪っかに指を入れ、オモチャを引っ張り出すよう
に指を引く。
「ひあっ・・・!!あっ・・・ダメぇ・・・!!」
「アーン?ダメじゃねぇだろ。」
「いやっ・・・ふあっ・・・ああぁんっ!!」
凹凸がゴリゴリと内側を擦りながら、外側へ出る感覚に耐えられず、宍戸は白く濃い蜜を
放つ。胸のあたりに熱い雫を浴び、跡部はニヤリと笑った。
「もうイっちまったのか?まだ、半分残ってるぜ。」
グイッ・・・
「あああっ・・・ああぁんっ!!」
「お前だけ気持ちよくなるってのはずるいよな。ちゃんと俺のもしてくれねぇと。」
全てを抜いてしまっても、再び跡部はそのオモチャを宍戸の中へ入れ始める。敏感になっ
た蕾は先程よりも大きな快感を宍戸に伝えていた。そんな快感に頭を真っ白にされながら、
宍戸は必死で跡部の熱を咥え、大きくその口を動かす。快感に震えながら、口でされる感
覚は跡部にとってもたまらなく、次第に跡部の中の快感も高まっていった。
「ふぅ・・・うっ・・・・んっ・・・んんっ!!」
「ハァ・・・そろそろイキそうだぜ、宍戸。」
「んんっ・・・んっ・・・」
「さあ、もう一回お前もイっちまえ。」
跡部自身もかなり呼吸を乱しながら、宍戸の中に埋めているオモチャを一気に引き抜く。
そんな刺激に宍戸がもう一度達した瞬間、跡部も宍戸の口内に熱い雫を放った。
「んっ・・・んっ・・・んんん〜〜っ!!」
跡部の放った蜜をゴクゴクと飲み込みながら、宍戸はどうしようもないほどの絶頂感を感
じる。気絶しそうなほどの気持ちよさと幸福感に、宍戸はうっとりとして跡部の熱から口
を離した。
「ハァ・・・ハァ・・・・」
「最高に気持ちよかったぜ。宍戸。」
「ハァ・・・俺も・・・すっげぇ気持ちよかった。」
体を起こしつつ、振り返る宍戸の表情に跡部はドキッとする。絶頂の余韻に浸る宍戸の顔
はひどく色っぽく、跡部の熱を再び硬くさせるには十分であった。
「跡部のまだ全然おさまってねぇな。」
そう口にする宍戸の口元は笑っていた。くるっと体を反転させると、宍戸はいまだにかな
りの大きさと熱を持っている跡部の楔を自分の蕾に押しつける。
「今度は跡部ので、中を気持ちよくさせて?」
首を傾げて笑みを浮かべてそう言うと、宍戸はそのままぐっと腰を落とす。オモチャで十
分に慣らされたそこは、いとも簡単に跡部の熱を飲み込んでゆく。
「ああっ・・・跡部の・・・入ってくる・・・・・」
「ああ。テメェの中、いい感じになってるな。」
「跡部の・・・おっきくて・・・激気持ちいい・・・」
全てを自分の中に収めると、宍戸はゆっくりとその腰を動かし始める。始めはゆっくりと
した動きも、すぐに激しさを増し、自分のいいとこばかりを抉るように、宍戸は大きく腰
を動かした。
「あっ・・・ひあっ・・・んっ・・・ああっ・・・!!」
「随分と激しいな。そんなに俺のコレが好きなのか?」
「好きっ・・・跡部の熱くて大きいの・・・大好きっ・・・・」
「俺もテメェの中、大好きだぜ。ここまで俺のことを最高に気持ちよくさせてくれる場所
は他にはねぇな。」
「もぉ・・・ずっと繋がっててぇ・・・・あっ・・・あんっ・・・・」
「今日は出来る限りテメェの中にいてやるよ。」
「うん・・うんっ・・・・あっ・・・ヤバっ・・・またっ・・・・」
切羽詰まったような声で、そう呟くと宍戸は一際激しく動き、自分の一番感じる場所へ跡
部の熱を擦りつける。そして、ビクンとその身を震わせると、跡部の腹に熱い蜜を放った。
「ハァ・・・ハァ・・・」
「テメェは一回イクとすげぇイキやすくなるよな。」
「しょうがねぇだろ。気持ちいいのおさまんねぇんだから・・・」
「うさぎが性欲が強いってのは本当なんだな。まだまだ足りてねぇんだろ?」
「・・・うん。」
「それじゃあ、今度は俺が動いてやるよ。」
宍戸を一旦自分の上から退かすと、跡部はベッドの下に下りる。そして、宍戸もベッドか
ら下ろすと、ベッドに手をつかせ、腰を自分の方へ突き出させた。
「この体位もなかなかだと思うぜ。バックだから奥まで入るし、動きやすいからな。」
「早く・・・跡部の入れて・・・・」
「ああ。」
すっかり跡部とのまぐわいに夢中になっている宍戸は、興奮に染まった表情で跡部を誘う。
そんな顔を見せられては、跡部のやる気も上がる一方だ。立ちバックの体位で、宍戸の中
に自らを挿入すると、大きく腰を揺らし、奥の奥まで抉るように犯す。
「ひあっ・・・ああっ・・・これ・・・ヤバっ・・・・」
「だろ?奥まで入るし、こっちとしてもすげぇいいぜ。」
「跡部のが・・・俺ん中、たくさん出たり入ったりして・・・あっ・・・すごっ・・・」
「でも、アレだな。これだと、俺がそんなにもたねぇかも。」
「俺も・・・これは・・・またすぐイキ・・・そ・・・・」
かなり激しい動きが出来るので、二人は快感を貪るように腰を揺らす。あまりの刺激にど
ちらもそんなに時間をかけることなく、絶頂へと導かれてゆく。
「ああっ・・・もうダメっ・・・イクっ・・・!!」
「くっ・・・俺もっ・・・」
ドクンドクンと熱い雫を放つと、二人は脱力するようにその場に崩れ落ちる。しかし、ま
だまだ終わらせる予定は毛頭なかった。その後もベッドの上で体位を変え、何度か交わっ
た後、二人は風呂場へと向かう。
「だいぶ汚れちまったし、とりあえず一回風呂入るか。」
「そうだな。でも、まだちょっとし足りないかも・・・」
「さすがだな。ま、俺もまだまだ余裕はあるし、そもそもまだ今日は終わらねぇからな。」
「跡部は人族なのにすげぇよな。俺は獣族だし、うさぎモードだからこんなになっちゃう
のも仕方ないことだけどよ。」
「アーン?テメェが可愛すぎるからだろ。テメェ相手だからこんだけやってても、まだま
だしたいと思えるんだぜ。」
それは嬉しいことだなあと宍戸は顔を赤らめながら笑う。とにかくお風呂に入り、体を綺
麗にしてから次のことは考えようと、宍戸は跡部よりもほんの少し早くバスルームへ入っ
た。跡部も入ってくると、二人は軽く体を洗った後、湯船に入る。そこまで熱すぎないぬ
るめのお湯は、火照った二人の体にはちょうどよかった。
「そういえば、ちょっと試してみてぇものがあるんだよな。」
「試してみたいもの?」
「結構前に出来上がってたんだけどよ、なかなか使うタイミングが掴めなくて使ってなか
ったんだ。」
「・・・また、エッチな薬みてぇなのか?」
「まあ、間違ってはいねぇな。」
そんな読みが出来るようになっているのはさすがだなあと思いつつ、跡部はそう笑いなが
らそう答える。まだまだしたい気分いっぱいの宍戸は、ドキドキと胸を高鳴らせながら、
試してみたいとねだる。
「それ、使ってみてぇ。」
「そうか。風呂場のが後処理が楽だし、今持って来てやるからちょっと待ってろ。」
「ああ。」
いったん湯船から上がると、跡部はそれを取りに行く。湯船に入ったままだと使えないだ
ろうと思った宍戸は、湯船から上がり、跡部が帰ってくるのを待った。
「待たせたな。」
そう言う跡部の手には透明な液体が入ってビンが握られていた。今回はどんなものなのだ
ろうとドキドキしながら、宍戸は跡部を見上げる。
「それ、どうやって使うんだ?」
「これはな、こうやって使うんだ。」
「ひゃっ!!」
そう言いながら、跡部はそのビンの蓋を開け、宍戸の体に垂らす。その液体は、水のよう
にさらっとしたものではなく、どちらかと言えばローションのように若干の粘り気を帯び
た感じであった。
「これを全身に塗るんだ。俺様が塗ってやる。」
「なんか・・・スースーするし、この匂い・・・」
「ああ、テメェ用に作ったからな。テメェの好きなミントの匂いにしてやったぜ。」
「匂いはすごいいい感じだな。ちょっと冷たい感じがするけど、これってどんな効果があ
るんだ?」
「もう少ししたら分かるぜ。」
腕にも足にも胸にも腹にも背中にも、余すとこなく跡部はその液体を宍戸に塗りつけてい
く。後ろから抱きしめるような形で、塗ってやっていると、次第にその効果が表れてきた。
(あ、あれ・・・?なんか・・・)
跡部の手が自分の肌に触れると、ゾクゾクとした感覚が宍戸を襲う。それは先程液体を塗
られた全ての部分で同じように感じられた。ゾクゾクとした感覚はあっという間に快感と
呼べるものに変わり、宍戸は体のどこに触れられても感じるようになっていた。
「んっ・・・あんっ・・・・」
「そろそろ効果が表れてきたか。なあ?宍戸。」
ニヤリと笑いながら、跡部は指先ですーっと宍戸の足をなぞる。ただそれだけのことで、
宍戸は高い声を上げ、ビクビクとその身を震わせる。
「ひゃあっ・・・ああぁんっ・・・!!」
「どうよ?もうどこ触られても感じるだろ?」
「うんっ・・・これは、ヤバイ・・・」
「たくさん触ってやるから、もう好きなだけイっちまえ。」
効果が抜群であることを確認すると、跡部は宍戸の体の至るところに触れる。特に性感帯
と呼ばれる場所ではないところに触れられても、宍戸は感じまくり、あっという間に硬く
なった熱の先から蜜を溢す。
「ハァ・・・あっ・・・んんっ・・・・」
「どこ触ってもビクビクして、可愛いぜ、宍戸。」
「な、なあ・・・跡部・・・・」
「どうした?」
「さっきのって、獣族だけに効くとかそういう感じなのか・・・?」
「まあ、そうだな。俺につけたところで、テメェみたいになることはねぇと思うけどよ。」
「じゃ、じゃあ・・・」
跡部のその言葉を聞くと、宍戸は息を乱し、顔を真っ赤にしながら先程跡部が持って来た
ビンを手にする。そのビンの中にはまだ半分ほど中身が残っていた。そして、そのビンの
ふたを開けると、宍戸の反応を見て、すっかり元気になっている跡部の熱にたっぷりと垂
らす。
「何してやがる?」
「跡部のに塗って・・・俺の中に入れたら・・・すげぇ気持ちよくなれるかなあと、思っ
て・・・・」
「フン、それは間違いねぇが、ただでさえ全身で気持ちよくなってるのに、内側からもそ
うしちまったら、大変なことになると思うぜ?」
「それでも構わねぇよ。なあ、跡部・・・また、俺の中に来て。」
「ああ。テメェの好きにしろ。」
跡部にそう言われ、宍戸は跡部の膝の上に座るような形で、自分の中へ跡部を入れる。熱
にたっぷりと垂らされた液体と、もともと何度も交わっているおかげで、ぐぷっと濡れた
音を立てながら、宍戸の蕾は跡部の楔を奥の奥まで飲み込んでゆく。その液体の効果は粘
膜に対してはほぼ即効性のようで、跡部の全てが入った瞬間、宍戸は耐えがたい絶頂感に
襲われる。
「ひっ・・・ああぁっ・・・あっ・・・ああぁんっ!!」
「入れた瞬間イっちまうなんて、本当やらしい体だよな。けど、テメェがイクと中ぎゅう
ぎゅう締まって、俺も最高に気持ちいいぜ。」
「あっ・・・跡部っ・・・これ、ダメっ・・・気持ちイイ・・・の・・・全然なくならな
くて・・・イってるのに・・・ああっ・・・・!!」
「だから、言ったろ?大変なことになるって。」
「ああぁ――っ・・・ひうっ・・・あっ・・・ああぁ――っ!!」
「ハァ・・・いいぜ。ほら、もっともっとイっちまえよ。死ぬ程イって、俺のこともたく
さんイカせてみせろよ。」
「ああっ・・・気持ちイイっ・・・跡部っ・・・あっ・・・あああぁ――っ!!」
少し動くだけでも達し、跡部に体のどこかに触れられても達してしまう。ほとんどイキ続
けているような状態で、宍戸は跡部と繋がる快感にその身をゆだね、声が枯れるほどに叫
び続けた。
「ああぁんっ・・・イクっ・・・あっ・・・んんんっ――っ!!」
「くっ・・・俺もまたイキそうだぜ?」
「あぁんっ・・・中に・・・跡部のが出て・・・くっ・・・ああぁ―――っ!!」
「テメェの中、本当気持ちよすぎて、おかしくなっちまいそうだ。」
「気持ちイイっ・・・あんっ・・・もっと・・・ああぁ――っ!!」
どちらも際限のない絶頂の波に呑まれ、時間を忘れ交わり続ける。宍戸としてはもう何度
イったか分からない状態になり、跡部もかなりの回数達し、結合部からは跡部の放ったた
くさんの蜜が溢れ出る程になっていた。
「ハァ・・・はっ・・・あと・・べっ・・・俺・・・もう・・・そろそろ限界・・・」
「ああ、もうずっとイキっぱなしだもんな、お前は。」
「でもっ・・・また・・・イキ・・・そ・・・」
「ああ、イッちまえ。」
「跡部っ・・・んっ・・・ああぁっ・・・・」
もう何度目か分からない絶頂を迎え、宍戸はそのまま気を失ってしまう。そんな宍戸の中
でもう一度果てた後、跡部はゆっくりと自身を抜く。ピクピクと耳や尻尾を痙攣させたま
ま、宍戸はその身を横たえ、赤く熟れた蕾から跡部の白い蜜をコプリと溢れさせた。
「少しやりすぎちまった感はあるが、宍戸的にも満足出来ただろ。」
そう呟くと、跡部は宍戸の体を丁寧に洗い、後で宍戸が辛くならないように、しっかりと
後始末をする。綺麗になった宍戸を抱き上げると、跡部はそのままベッドへと連れて行っ
た。
宍戸が目を覚ましたのは、日付が変わる三十分程前であった。いつの間にかしっかりと服
を着せられ、ベッドに寝かされている。少し体は重いが、宍戸が目を覚まして感じたのは、
この上ない充足感と幸福感であった。
「ん・・・跡部・・・?」
「ああ、目覚めたか。」
「今、何時?」
「十一時半だな。」
「じゃあ、そろそろ俺の誕生日終わっちゃうな。」
「そうだな。どうだ?今日は一日中してやったけど、満足出来たか?」
跡部にそう尋ねられ、宍戸は顔を赤く染めながら、コクンと頷く。まさか気を失うとは思
っていなかったが、それだけ気持ちよかったのは確かだ。
「跡部といっぱい出来て、本当すっげぇ気持ちよくて、最高だった。俺、やっぱ跡部のこ
と大好きだ。」
「俺も今日は最高の一日だったぜ。そういや、朝からするのに夢中で言ってなかったな。」
「えっ?何を?」
何か言われるようなことがあったっけ?と宍戸はハテナを頭に浮かべる。そんな宍戸の髪
をかき上げ、跡部は額にちゅっと軽くキスをしてやった。そして、穏やかな笑みを浮かべ
てその言葉を口にする。
「ハッピーバースデー、宍戸。」
先程までの激しい交わりとは打って変わった優しいキスとその言葉に、宍戸は逆に恥ずか
しくなってしまう。しかし、その言葉を言われ、宍戸の胸は嬉しさでいっぱいになった。
「ありがとう、跡部。俺、本当跡部のこと大好きだぜ!跡部の誕生日ももうすぐだから、
俺も精一杯祝ってやるからな!」
「ああ、楽しみにしてるぜ。」
宍戸の言葉に跡部は更に笑顔になる。長く大きなうさ耳に口を近づけて、跡部は心からの
自分の想いを口にする。
「愛してるぜ、宍戸。これからもよろしくな。」
「・・・お、おう。」
甘い跡部の囁きに宍戸はもう撃沈だ。今日は本当に最高の誕生日だったと思いながら、宍
戸は抑えきれない嬉しさを最高の笑顔という形で、跡部に見せるのであった。
END.