心ヲ以ッテ心ニ伝ウ

(今回の仕事は結構長く感じたな。海の上だったから陸酔いはなかったけど、アイツとし
ばらく会えなかったからそう感じるのかもしれないな。)
数日間の海上での仕事を終え、鬼蜘蛛丸は水軍館に戻ってくる。同室の義丸は陸での仕事
だったため、義丸に会うのは数日ぶりであった。
「おかえり、鬼蜘蛛丸。」
「ただいま。」
「陸酔いは大丈夫か?」
「ああ。結構長いこと海にいたしな。海水スプレーも陸酔い止めの薬もちょっと多めに持
ってきたからとりあえずは大丈夫だ。」
「そうか。それならよかった。」
入浴などは既に済ませている義丸は昼間よりは髪をゆったりと結び、寝間着で本を読んで
いた。
(普段の義丸もいいけど、寝る前のゆるっとした雰囲気の義丸も好きなんだよなぁ。)
そんなことを考えながら、鬼蜘蛛丸は義丸の目の前まで歩いて行き、腰を下ろして話しか
ける。
「今日までは結構忙しかったから、明日は英気を養うために仕事は休みらしいな。」
「そうみたいだな。一緒にどこか出かけるか?」
ここ数日一緒いれなかったので、明日は一緒にいたいという期待を込めて義丸はそう誘っ
てみる。そんな義丸の誘いに、鬼蜘蛛丸は迷いもせず頷いた。
「それはいいな。どこへ行く?」
「鬼蜘蛛丸とならどこでもいいぞ。」
「だったら、あそこかなー。二人きりで過ごせるし、陸酔いもしないし。」
「鬼蜘蛛丸のお気に入りの場所か。いいな。そこでゆっくりしよう。」
「決まりだな。今日は仕事で疲れてるけど、明日が楽しみだ。」
嬉しそうにそう言いながら、鬼蜘蛛丸は寝間着に着替え始める。そんな鬼蜘蛛丸の姿を義
丸はじっと眺めていた。
(ほんの数日だったけど、鬼蜘蛛丸がいないのはやっぱり少し寂しかったな。明日は休み
だし少しくらいは・・・)
義丸にじっと見られていることに気づき、鬼蜘蛛丸はドキッとしてしまう。ドギマギとし
た気持ちを隠すように、鬼蜘蛛丸はふいっと目をそらす。
「着替えるとこ、そんなじっと見てんなよ。」
「数日ぶりの鬼蜘蛛丸を堪能してたんだよ。鬼蜘蛛丸のいない時間はすごく長く感じるか
らな。これくらいは許せ。」
平気でそんなこと言ってくる義丸の言葉に鬼蜘蛛丸はドキドキと胸を高鳴らせ、軽く頬を
染める。恥ずかしがっている鬼蜘蛛丸も可愛いなーと思いながら、義丸は鬼蜘蛛丸の手首
を掴み、ぐいっと自分の方へ引き寄せた。
「うわっ・・・ちょっ、危ないだろ!」
「何だか見ているだけじゃ我慢出来なくなっちまって。もうほぼ着替え終わっただろ?」
寝間着になった鬼蜘蛛丸を義丸はその腕の中に収める。鬼蜘蛛丸も義丸にしばらく会えな
かったことで義丸に触れたいと思っていた。そんな状態で抱き締められ、鬼蜘蛛丸の胸は
ひどくときめいていた。
「嫌がらないんだな。」
「・・・別にいいだろ。何だ?嫌がられたいのか?」
「いや、触れても構わないなら、もっともっと触れたい。」
鬼蜘蛛丸の表情や態度を見て、鬼蜘蛛丸が拒むことがないと義丸は分かっていた。
「仕方ねーなあ。」
「それならいいか?」
「ああ、今日は特別だからな。」
ふっと笑いながらそう言う鬼蜘蛛丸に義丸は胸を撃ち抜かれる。とりあえずもっと鬼蜘蛛
丸をしっかり感じたいと、ぎゅっとその体を抱き締めた。
(ああ、義丸の匂いだ。潮の香りが残ってて落ち着くし、いい気分だ・・・)
大好きな義丸の匂いに包まれ、鬼蜘蛛丸はうっとりとしながら義丸の背中に腕を回す。予
想以上に甘えてくるような態度を取っている鬼蜘蛛丸に、義丸はドキドキしてしまう。
(数日会っていなかったとはいえ、今日の鬼蜘蛛丸はいつもより可愛く感じるな。こりゃ
いろいろ我慢出来なくなりそうだ。)
「鬼蜘蛛丸。」
「何だ?」
義丸に声をかけられ、鬼蜘蛛丸は顔を上げる。ほのかに赤く染まっているその頬に手を添
え、義丸はじっと鬼蜘蛛丸の目を見つめる。
「明日は休みだし、鬼蜘蛛丸とイイコトしたい。」
「えっと・・・構わないぞ。」
「本当か?いつもは一旦嫌がるのに。」
「べ、別にいいだろ!」
思ったよりすんなり鬼蜘蛛丸が誘いに乗ってくれたので、義丸は嬉しそうな表情で目の前
にある柔らかそうな唇に口づける。何度か触れるだけの口づけをしていると、物足りない
と伝えるかのように鬼蜘蛛丸は義丸の名を呼ぶ。
「義丸・・・」
「確かにこれじゃ物足りないよな。」
そう口にすると義丸はより深い口づけを鬼蜘蛛丸に施そうとする。それを受け入れるよう
鬼蜘蛛丸は小さく口を開く。
「んっ・・・ぅ・・・」
義丸の舌が自分の舌に触れると鬼蜘蛛丸はピクンとその肩を震わせる。
(帰ってきて速攻こんなことされたら、もっといろんなことしたくなっちまう。もっとい
ろいろして欲しい・・・)
義丸のとろけるような口づけに夢中になりながら、鬼蜘蛛丸はぼんやりとそんなことを思
う。甘く深い口づけはどちらにとっても心地良く、その心地良さを存分に味わう。長い長
い口づけの後、唇を離すと鬼蜘蛛丸はくたっと義丸に寄りかかる。
「大丈夫か?」
「・・・ああ。」
(続きしたいけど、今日は布団に横になってじゃなくて、もっと義丸とくっついていられ
るような感じで・・・)
ふわふわする頭でそんなことを考えていると、義丸がぐるっと鬼蜘蛛丸の体を反転させ、
後ろから抱き締める。
「今日は鬼蜘蛛丸とくっついていたい気分だから、こうしたまま続きしてもいいか?」
「お、おう。」
自分がして欲しいと思っていたことを何も言わずに義丸がしてくれるので、鬼蜘蛛丸はド
ギマギしながらも頷く。鬼蜘蛛丸の許可を得ると、義丸は鬼蜘蛛丸の寝間着の帯をほどき、
下帯に手をかける。
「さっきのキス、気持ちよかった?」
下帯を取り去ってしまうと、既にある程度大きくなっている熱が目に入る。恥ずかしそう
な表情を浮かべつつ、鬼蜘蛛丸は小さく頷いた。
「それならこれからもっと気持ちよくさせてやるよ。」
鬼蜘蛛丸の耳元でそんなことを囁きながら、義丸はその掌に鬼蜘蛛丸の熱を収め、ゆっく
りと擦り始める。直接的な刺激に鬼蜘蛛丸は甘い声を上げる。
「んっ・・・あ・・んっ・・・」
「こっちも触っていいか?」
そう言いながら、義丸は寝間着に中に空いている方の手を滑り込ませ、胸の突起を抓む。
「ひあっ・・・んんっ・・・!」
「いい反応だな。もっと可愛い顔見せてくれ。」
潮の香りが残る鬼蜘蛛丸の髪に口づけながら、義丸は鬼蜘蛛丸の弱いところを責める。
(義丸に触られてるところ、メチャクチャ気持ちいい・・・これじゃそんなにもたねぇか
も・・・)
「あっ・・・ん・・・ハァ・・・」
義丸が手を動かすたびに、鬼蜘蛛丸はその身をびくびくと震わせる。自分の腕の中で非常
に気持ち良さそうな顔をしている鬼蜘蛛丸に、義丸はいい気分になる。
「ハァ・・・うあっ・・・義丸っ・・・」
「随分とよさそうだな。」
「ああ・・・義丸に触られるの・・・すごく、気持ちいい・・・」
蕩けたような顔で鬼蜘蛛丸は義丸の方に顔を向け、そう口にする。この上ない色香を放つ
鬼蜘蛛丸の姿に、義丸は魅了され夢中になる。
「そんな顔見せられたら、もっとひどくしたくなっちまう。」
「えっ・・・ひあっ・・・ああぁんっ・・・!」
もっと鬼蜘蛛丸が乱れているところが見たいと、先程よりも激しめに手を動かす。急に激
しくなった刺激に、鬼蜘蛛丸の絶頂感は一気に高まる。
「やっ・・・ヨシっ・・・そんなにされたら、もう・・・っ!」
「いいぜ。イっても。」
「あっ・・・も・・・イクっ・・・ああぁ――っ!!」
義丸の寝間着をぎゅっと握りながら、鬼蜘蛛丸がビクビクとその身を痙攣させて義丸の手
の中に熱い蜜を放つ。掌が鬼蜘蛛丸の蜜で濡れるのを感じ、義丸はひどく興奮する。
「ハァ・・・ハァ・・・」
「たくさん出たな。溜まってたのか?」
「う、うるせー。お前だって、さっきから当たってんだよ。」
「そりゃこんなに可愛くてエッチな鬼蜘蛛丸見てたら、こうなるだろ。」
「この後はどうする・・・?」
義丸の熱がだいぶ大きくなっているのに気づいている鬼蜘蛛丸は、ドキドキとしながらそ
んなことを尋ねる。そんな鬼蜘蛛丸も本当に可愛らしいと思いながら、義丸は嬉しそうな
声色で答える。
「そうだな・・・俺の方を向いて、俺の足を跨ぐようにしてくれるか?」
「お、おう。」
まだ絶頂の余韻に熱くなっている身体を動かし、義丸の言う通りに鬼蜘蛛丸は義丸と向か
い合わせになるような形で、義丸の足を跨ぐ。その間に義丸は寝間着の帯を緩め、下帯を
外す。ひらりと下帯が落ち、足の間にあるそれが目に入ると鬼蜘蛛丸の鼓動は一気に速く
なる。鬼蜘蛛丸の放った雫をその熱に絡ませ、義丸はさらに言葉を続ける。
「鬼蜘蛛丸のココを俺のコレに押し当ててくれ。もちろんまだ挿れようとしなくてもいい
から。」
恥ずかしいと思いつつも、鬼蜘蛛丸は言われた通りに義丸の熱を自分の入口に押し当てる。
自分のモノと義丸自身の先走りの蜜で濡れているそれは、まだ閉じている蕾にぬるりとし
た感触を与える。
「ん・・・」
「まだ、ちょっと当てているだけなのに、鬼蜘蛛丸のココ、ひくひくしてるな。」
「よ、余計なこと言うな!」
「もう少しこのままでいてもいいか。」
「ああ。」
しばらくそのままでいると、義丸の先端から蜜がじんわりと溢れ、鬼蜘蛛丸のそこは濡れ
てくる。その感触にもどかしさを感じ、鬼蜘蛛丸は小さく腰をくねらせる。
「そろそろ物足りない感じか?」
「そ、そんなことは・・・」
「今日はゆっくりと楽しみたいから、まずは入口だけ軽く擦ってやる。」
義丸としてもそろそろ物足りなくなってきていたので、鬼蜘蛛丸の入口を濡れた先端で擦
り始める。
「んっ・・・あっ・・・!」
「これだけでも結構気持ちいいな。」
「あっ・・・ヨシっ・・・あんっ・・・!」
ある程度濡れているので、義丸がそこを擦るたびにくちゅくちゅとやらしい音が響く。次
第に鬼蜘蛛丸の入口はほぐれ、柔らかくなっていく。
「結構柔らかくなってきたな。」
「んんっ・・・義丸っ・・・」
「ハァ・・・油断したら入っちまいそうだ。」
義丸のそんな言葉を聞いて、鬼蜘蛛丸はもっと奥深くで義丸を感じたくなる。次の瞬間、
鬼蜘蛛丸は無意識に腰を深く落としていた。
「ああぁんっ・・・!!」
「くっ・・・」
「ハァ・・・あっ・・・は・・・」
「そんなに挿れて欲しかったのか?」
「あっ・・・義丸ぅ・・・」
呼吸を乱しながら、名前を呼んでくる鬼蜘蛛丸に義丸はゾクゾクしてしまう。熱く狭い鬼
蜘蛛丸の中はもっともっととねだるように義丸の熱を締めつける。熱い息を吐きながら、
義丸は目の前にある鬼蜘蛛丸の頬に手を添える。
「鬼蜘蛛丸と繋がっているこの感じ、本当に気持ちよくて大好きだ。」
「ああ・・・俺も・・・」
「もっと気持ちよくなってもいいか?」
義丸の言葉に鬼蜘蛛丸は頷く。それならばと、義丸は鬼蜘蛛丸の腰を支え、突き上げるよ
うにその腰を揺らす。ギリギリまで引き抜かれ、一気に奥へと埋め込まれる。何度もそん
な動きを繰り返され、鬼蜘蛛丸の心と身体はあまりの快感にドロドロに蕩けていく。
「ああっ・・・あんっ・・・ひあっ・・・ああぁんっ・・・!!」
「ハァ・・・鬼蜘蛛丸・・・」
「気持ちいっ・・・ヨシっ・・・ふあっ・・・ああっ・・・!」
(これだけ揺らされてると、船に乗ってるときみたいだ。中気持ちよくて、ここが陸の上
だってこと忘れちまいそう・・・)
「もっと揺らしてやろうか?」
「っ!?」
心を読まれたのかと思い、鬼蜘蛛丸は驚いたような顔を見せる。その顔を見て、義丸はふ
っと笑い、鬼蜘蛛丸の唇に軽くキスをする。
「鬼蜘蛛丸の気持ち良さそうな顔、もっと見ていたい。」
「けど、これ以上揺らされたら・・・」
「イキそうなのか?いいぞ、いくらイっても。」
鬼蜘蛛丸がそうして欲しいと思っていることは義丸は分かっていた。鬼蜘蛛丸のより深い
ところを抉るように、義丸はより大きく動く。一番感じる場所を熱い楔で擦られ、鬼蜘蛛
丸はすぐにイキそうになる。
「やっ・・・あんっ・・・いっ・・・ああっ・・・!!」
「これはこっちも結構クるな。」
「あっ・・・ダメっ・・・もう、イク・・・イクっ・・!」
「ハァ・・・鬼蜘蛛丸。」
「あっ・・・ああぁ―――っ!!」
激しく中を突かれ、鬼蜘蛛丸は激しく達する。しかし、義丸はまだ達するまではいってい
なかった。
「鬼蜘蛛丸の中、ビクビクしていて最高に気持ちいい。」
「あっ・・・ああっ・・・」
「でも、俺はまだイっていないから、もう少し楽しませてもらうぞ。」
まだ絶頂感の治まっていない鬼蜘蛛丸の中を義丸は再び激しく擦り始める。たたみかける
ような快感に鬼蜘蛛丸の身体はビクンと跳ねる。
「やっ・・・ああぁんっ!!」
「本当にいい声で鳴くな。」
「ひあっ・・・ヨシ・・・ダメっ・・・ああっ・・・!!」
あまりの快感に鬼蜘蛛丸は義丸にしがみつきながら、甘い悲鳴を上げ続ける。今度は自分
も達きたいと、義丸は容赦なく鬼蜘蛛丸の中を責めた。
「ハァ・・・さすがにそろそろ、イキそうかも。」
「ああんっ・・・ひあっ・・・また・・・ああっ・・・!!」
「くっ・・・鬼蜘蛛丸・・・!」
「んっ・・・――――っ!!」
一際深く突くと同時に義丸は鬼蜘蛛丸の身体を強く抱き締める。奥の奥が熱い雫で満たさ
れる感覚に、鬼蜘蛛丸はこの上ない幸福感を覚える。声にならない声を上げ、がくがくと
下肢を震わせながら鬼蜘蛛丸も果てた。

後始末をし、寝間着を着直すと、義丸と鬼蜘蛛丸は一つの布団に二人で横になっていた。
事が終わった後、予防的に陸酔い止めの薬を飲んだため、鬼蜘蛛丸は陸酔いになってはい
なかった。
「随分とご機嫌だな。」
どこか嬉しそうな表情をしている鬼蜘蛛丸を見て、義丸はそう口にする。
「そう見えるか?」
「ああ。まあ、俺も今すごくいい気分だけどな。」
ふっと笑いながら義丸は答える。そんな義丸の顔に手を伸ばし、鬼蜘蛛丸は目を細めて言
葉を紡ぐ。
「久しぶりに義丸とこうしていられることが嬉しくてな。それに今日は俺がして欲しいと
思っていたことを何も言わなくてもお前がしてくれて、何だか以心伝心って感じですごく
嬉しかったんだ。」
鬼蜘蛛丸のあまりの可愛さに義丸は愛しく想う気持ちを止められなくなる。すぐ側にある
鬼蜘蛛丸の身体を抱き寄せ、ぎゅっとその腕の中に捕らえる。
「本当どこまで俺を夢中にさせたら気が済むんだよ。」
「それはこっちのセリフだ。」
「以心伝心って感じがするって言ってたけど、俺が今何を考えているか分かるか?」
かなり近い距離で義丸の顔を見ながら、鬼蜘蛛丸は義丸が今何を思っているかを考える。
これは自分じゃなくても分かりそうな気がするがと思いつつ、鬼蜘蛛丸は少し照れたよう
な表情で答える。
「俺のことを、大好きだと思ってる・・・とか?」
「正解。さすが鬼蜘蛛丸だな。」
「はは、まあ、この状況だしな。」
「でも、俺の口から聞きたいんじゃないか?」
「えっ?」
そんなことを言いながら、義丸は鬼蜘蛛丸の身体をぎゅっと抱き締め、耳元で囁くように
その言葉を口にする。
「大好きだぞ、鬼蜘蛛丸。心の底から愛してる。」
心のこもった義丸の愛の言葉を聞いて、鬼蜘蛛丸の胸はキューンとときめく。
(ヤバイ、メチャクチャ嬉しい・・・)
普段なら恥ずかしくて言えないが、今なら言えるかもしれないと、鬼蜘蛛丸は顔を上げて
義丸の目を見ながら自分の気持ちを口にする。
「俺も、義丸のこと大好きだぞ。」
「っ!!」
はにかむような笑顔でハッキリとそう口にする鬼蜘蛛丸に、義丸の心臓は撃ち抜かれ、そ
の顔は真っ赤に染まる。
「鬼蜘蛛丸にそう言われるのは、破壊力すごいな。」
「どういう意味だよ?」
「心臓が壊れそうなくらいドキドキして、嬉しいってことだよ。」
「ははは、確かに顔真っ赤だもんな。」
義丸の顔を見て、鬼蜘蛛丸は楽しげに笑う。そんな鬼蜘蛛丸を更に愛おしいと思いながら、
義丸はふっと笑う。
「本当今最高に幸せだ。」
「分かる。俺も今すごく幸せだ。」
「明日もこんな気分で一日過ごせるといいな。」
「そうだな。お前と一緒ならきっとそうなるさ。」
明日も一緒に過ごせることを楽しみにしながら、二人は笑い合う。心が通う幸せな時間。
そんな時間を満喫しながら、二人はゆっくりと夢の中へ落ちていった。

                                END.

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