炬燵に入って・・・

冬真っ只中の休日。甲斐は平古場の家に遊びに来ていた。沖縄とは言えども、冬はそれな
りに寒く、コタツを出す家も珍しくはない。平古場の家も例外ではなく、平古場はコタツ
に入りながら、ファッション雑誌を読んでいた。一方、甲斐は平古場の机の椅子に座って
携帯ゲームをしている。
(ちょっと寒くなってきたなー。)
そこまで厚着をせず、ずっと机でゲームをやっていた甲斐は体が冷えてきているのを感じ
る。いつの間にかゲームを持つ手はすっかり冷えていた。少し温まりたいと、甲斐は一旦
ゲームを止め、コタツの中に入ることにする。
(ゲームは一休みして、温まるか。あっ、そうだ。)
何かを思いついたような顔で、甲斐は平古場の入っている一角からコタツに入る。後ろか
ら平古場は抱きしめるような体勢で、甲斐は足をコタツの中に入れた。そして、すっかり
冷たくなった手を平古場の両頬にぺたっとくっつける。
「ひゃあっ!?」
驚いたような声を上げ、平古場はキッと睨むように甲斐の方を振り返る。
「何するかよ!?裕次郎!」
「凛がぬくそうだったからつい・・・ってか、実際でーじぬくいし。」
「いきなり冷たい手当てるなよなー。もぉ・・・」
呆れたような顔をする平古場であるが、そんな平古場の顔が思ったよりもすぐ近くにある
ことに気づき、甲斐はドキドキしてしまう。
(この距離はヤバいなー。凛の顔、しに近くにあるやっし。)
至近距離でじっと平古場の顔を見ているのと、ピッタリと体をくっつけていることで、甲
斐は何だかムラムラしてしまう。平古場の顔をぐいっと自分の方へ向けると、甲斐は思い
きり、すぐ目の前にある唇に口づける。
「んっ・・・!?」
軽くされるだけかと思っていた平古場であったが、思ったよりも甲斐は本気でしてきてい
る。抵抗するのも忘れ、されるがままになっていると、だんだんと気持ちよくなってきて
しまう。
(あー、ヤバ・・・なんかゾクゾクしてきた・・・)
「んっ・・・んん・・・ふっ・・・ぁ・・・・」
甲斐が唇を離すと、平古場の顔は真っ赤に染まり、軽く息も上がっていた。そんな平古場
の表情を見て、甲斐はよりやる気になる。
「凛、顔真っ赤やし。」
「い、いきなり裕次郎がちゅうしてくるからだろー!!」
「けど、気持ちよかったんだろ?ココ、こんなになってるし。」
コタツの中に隠れている平古場の熱をきゅっと握ると、それはもうある程度の硬さになっ
ていた。このままにしておくわけにはいかないだろうと、甲斐は器用に平古場が穿いてい
るものを脱がせてしまう。
「やっ・・・ちょっ・・・何してるかよ!?」
「ちゃんと弄ってやろーかなーと思って。」
「そんなんしなくて・・・あっ・・・」
「じゅんにしなくていいば?」
脱がした物はコタツの中に置いたままで、甲斐は平古場の熱を軽く握りながら、耳元でそ
う囁く。冷たい手でそれに触れられ、平古場はこの後に来る気持ちよさを想像し、胸がド
キドキと高鳴る。そんな状態で、やめて欲しいなどとは言うことが出来なかった。
「・・・・・やだ。」
「弄られるのが嫌って意味?」
「しないの・・・やだ。」
「なら、どうして欲しいば?」
「そのまま・・・手ぇ動かして。」
「りょーかい。」
平古場のおねだりを聞き、甲斐は上機嫌で平古場の熱を握っている手を動かし始める。直
接的な刺激を与えられ、平古場は声を抑えながらもあからさまに感じていた。
「んっ・・・ぁ・・・んんっ・・・・」
「別にそんなに声我慢する必要ないのに。」
「今日は・・・ねぇねぇもいるし・・・・あんまり大きい声出すと・・・バレ・・・ちゃ
・・・っ!!」
「出さないなら、もっと気持ちよくさせて出させてやるやし。」
「ひゃっ・・・そ、そんな激しくっ・・・するの・・・ダメぇ・・・・」
平古場に声を出させたいと、甲斐は先程よりも少しだけ激しく平古場のものを擦る。声を
抑えようとはするが、刺激が大きくなりほんの少しでも口を開けば、甘い声が漏れてしま
う。
「ひぅっ・・・んっ・・・・ふあっ・・・・・」
「せっかくだから、後ろも弄ってやるさー。」
前を弄る手を休めずに、甲斐は後ろの蕾も弄り始める。前から滴り落ちる蜜で、後ろの部
分も軽く濡れており、そこまで力を入れずとも指は内側に入っていった。
「ああぁっ・・・!!」
「それくらいの声がちょうどいいさー。やっぱ、後ろ弄られると違うば?」
「両方弄られたら・・・すぐ・・・イッ・・・ちゃ・・・・」
あまりの気持ちよさに平古場は、ビクビクとその身を震わせながら腰を揺らす。平古場の
腰が動くたび、甲斐の熱を刺激するので、直接何かをされているわけではないが、甲斐の
熱もかなり高まっていた。
「両方はダメかぁ。なら、後ろだけにしようかな。」
そう言いながら、甲斐は自分の熱をズボンから出し、ひくひくと震えている平古場の入口
にそれを押し当てる。
「やっ・・・まだ、無理ぃ・・・」
「大丈夫だって。だってほら、ちょっと力を入れたら凛のココ、ちゃんと開こうとしてる
し。」
「んんっ・・・あっ・・・ああ・・・・」
「じゃ、入れるぜ、凛。」
耳元でそう呟くと、甲斐はぐっと腰を上げ、平古場の中に自身を埋める。一気に内側が広
げられる感覚に、平古場の肌は粟立った。
「――――っ!!」
「ハァ・・・ほら、入っただろ。けど、凛の中、ぎゅうってしてきて、マジ余裕なくなり
そ・・・」
「あっ・・・裕次郎ぉ・・・・ひっ・・・う・・・・・」
「なあ、俺の入れられて気持ちイイ?」
入れられる瞬間は多少苦しいと思ったが、全部入ってしまうともうそんな苦しさはどこか
へ消え去ってしまう。少し時間が経てば、ほんの少し壁が擦れるたびにどうしようもない
ほどの快感が襲い来る。
「気持ち・・・イイ・・・・中、いっぱいで熱くて・・・・」
「俺も凛の中、でーじ気持ちイイと思うぜ。ただこの体勢だとあんまり動けないんだよな
あ。」
動けないものの、今日の平古場の締めつけはいつもより強く、甲斐にとってはたまらなく
気持ちがよかった。自分だけ気持ちいいのも不公平なので、甲斐は平古場の弱い場所を弄
り出す。
「あんまり動けないから、いろんなとこ弄ってやるさー。」
前をゆっくり擦りながら、胸の突起をこりこりと弄る。敏感なところばかりを弄られ、平
古場の身体はすっかり快感で埋め尽くされていた。
「あっ・・・あぁ・・・ん・・ぅ・・・・」
「いろんなとこ触ると、凛の中、ビクビクして俺もすごい気持ちいいんだけど。」
「あっ・・・だって・・・裕次郎に弄られるとこ全部気持ちよくて・・・・」
「じゃあ、もっといっぱいしてやるさー。」
平古場が本当に気持ちよさそうな表情をしているので、甲斐はもっとたくさんしてやりた
いという気持ちになる。平古場の反応を見ながら、一番イイ場所を見つけ、その場所を重
点的に責めてやる。そんなふうに全身を弄られ、平古場の絶頂感はあっという間に限界近
くまで高まっていった。
「ハァ・・・ゆうじろ・・・俺っ・・・もうイキそ・・・あっ・・んんっ・・・」
「まだ、ダメ・・・俺と一緒にイクんだから。」
「でもぉ・・・ひっ・・・ぁんっ・・・・ちょっ・・・やだ・・・」
平古場と一緒にイキたいと、甲斐は平古場の熱は強く握り簡単には達することが出来ない
ようにしてしまう。限界まで高まっているのに放出することを許されず、行き場を失った
快感は、甲斐の熱が入っている中が激しく収縮するという形で表れる。
「ああっ・・・裕次郎っ・・・んっ・・・ああぁっ!!」
「凛の中、しにぎゅうぎゅうして、でーじ気持ちイイ。もっとこの感じ味わわせて?」
「やあぁっ・・・あっ・・・あぁんっ!!」
イキたいのにイけず、しかし、甲斐は敏感なところを弄るのを止めない。半分イキっぱな
しのような状態で、平古場はビクビクとその身を痙攣させ、甲斐の熱を激しく締めつけ続
ける。
「ああぁっ・・・ゆうじろっ・・・ゆうじろぉっ・・・!!」
「くっ・・・もうさすがに限界かも・・・・」
「も・・・おかしくなっちゃう・・・・裕次郎っ・・・イカせてぇ・・・!!」
激しい締めつけといつもよりハッキリとした平古場のおねだりに、甲斐はもう我慢が出来
なかった。平古場の熱を握る手を緩め、溜まっていた精を絞り出すかのように大きく擦り
上げる。その瞬間、平古場の中も甲斐の熱を絞り出すかのように大きく蠢いた。
「あっ・・・ああぁ―――っ!!」
「・・・・・っ!!」
どちらも熱く濃いミルクを放ち、頭が真っ白になるほどの気持ちよさにその身を任せる。
しばらく繋がったまま、快感の余韻に浸り、二人は触れ合う肌からお互いのぬくもりを交
換し合った。ある程度の時間が経つと、甲斐は平古場の中から自身を抜き、そのままゴロ
ンと寝転がる。平古場もそんな甲斐の横に寝転がった。
「だいぶ体温まったな。」
「暑いくらいさー。俺はもともとコタツ入ってたし。」
「あ、中に出したのちゃんと処理しないと。」
「あー、そうだな。んー、でも、面倒くさいなー。」
そんなことを呟いて全然動こうとしない平古場を見て、それなら自分がしてやろうと、す
ぐ近くにあったティッシュに手を伸ばす。
「しょうがないなー。俺がやってやるさー。」
ティッシュを当てつつ、甲斐は平古場の中にあるものをかき出そうとする。後処理をして
くれているということは分かっているが、されていることがされていることなので、どう
しても反応してしまう。
「んっ・・・ふ・・ぅ・・・・」
「もう少しだから、あとちょっと我慢な。」
そうは言われても、中を弄られればどうしても感じてしまう。甲斐にしがみつき、真っ赤
になった顔を胸に埋めながら、平古場はそれが終わるのを待った。
(ヤバイ、このままじゃ・・・またイっちゃうかも・・・)
甲斐の服を掴んでいた手を、後ろへの刺激で再び勃ってしまっている熱に持っていき、そ
れを抑えようとする。しかし、ちょうどその手が熱に触れたと同時に、甲斐の指が一番感
じやすい部分に触れた。そんな刺激に耐えられず、平古場は再び達してしまう。
「あっ・・・んん――っ!!」
「よし、終わりと言いたいところだけど、凛またイっちゃったみたいだな。」
「しょ、しょうがないだろー!!」
恥ずかしそうな顔でそう言い返す平古場が可愛いなあと、甲斐はニヤニヤしてしまう。も
ちろん、こんな平古場の見ていて、甲斐が何も感じていないはずがなかった。狭いコタツ
の中でピッタリと体をくっつけているがゆえに、平古場は甲斐の熱も大きくなっているこ
とに気がつく。
「裕次郎だって、こんななってるし。」
「わっ!?ちょっ・・・凛!!」
「このままじゃアレだろうから、俺がヌイてやるさー。」
ニッと笑いながら、平古場は自分のもので濡れた手で甲斐の熱を弄り始める。ヌルヌルし
た手で弄られ、その感覚が何とも言えず、甲斐は程なくして達してしまった。
「んっ・・・凛っ!!」
「意外と早かったな。」
「そんな手ぇで弄られたら、そうなるって。」
「手ベタベタになっちゃったし、ちゃんと拭くかー。」
自分と甲斐のものですっかり汚れてしまった手を平古場はティッシュで拭う。甲斐の手も
だいぶ汚れてしまっていたので、とりあえずちゃんと拭いておこうと、ティッシュで拭き、
ちょっと離れたところにあるゴミ箱へそれをポイっと捨てた。
「おー、キレイに入ったな。やるやし。」
「凛の使ったのも入れてやろうか?」
「ああ。じゃ、お願いするぜ。」
平古場が使ったティッシュもゴミ箱に放り投げると、それもポスっとキレイに入る。後始
末も終わったし、少し休むかーと、二人はコタツに寝転がったまま目を閉じた。
「気持ちよかったな。」
「そーだな。」
「体温まったし、何か眠くなってきちゃったさー。」
「俺も。だいぶ疲れたしな。」
そんな会話を交わしているうちに、二人は夢の中へと落ちていく。とてもいい気分のまま、
コタツでうたた寝をして、気持ちよく疲れを癒すのであった。

二人が眠ってしまってから一時間程経ってから、平古場の姉が平古場の部屋へとやってく
る。
「凛、裕次郎くん、夕ご飯出来たよー。」
ドアの外から声をかけるが、全く返事が返ってこない。部屋のドアをガチャっと開けると、
コタツの一角でピッタリと体を寄せ合いながら眠っている二人の姿が目に入る。
「どれだけ仲がいいのかねー。」
あまりに仲のよさげな二人の姿に、平古場の姉は思わずニヤニヤしてしまう。起こしてし
まうのはもったいない気もするが、せっかくの夕飯が冷めては困るので、平古場の姉は二
人を起こそうと、先程よりもいくらか大きな声で声をかけた。
「凛、ご飯ってばよ。」
「んー・・・うわっ、ねぇねぇ!?」
「早く来ないと冷めちゃうから、裕次郎くんも起こして早く来なよー。」
平古場が起きたので、そう言い残して平古場の姉は部屋を出て行く。まさか姉が部屋に入
って来るとは思っていなかったので、平古場の心臓はかなりドキドキしていた。
(コタツの中に入っててよかったー。ズボンとかパンツとかまだ穿いてなかったし。バレ
てないよな・・・?)
ドキドキしつつ、平古場はコタツの中に脱ぎっぱなしにしてあった下着やズボンを身につ
ける。平古場がごそごそと動いているので、隣で寝ていた甲斐も目を覚ました。
「んー・・・・何してるば?」
「夕飯出来たから食べに来いってさ。ズボン穿いてなかったから、今穿いてる。」
「そっか。ふあ〜、だいぶ寝ちゃったな。」
「だからよ。起きたらねぇねぇがいて、でーじビックリしたさー。」
「あはは、確かにそれはビックリするな。」
ケラケラと笑いながら、甲斐も体を起こす。ぐーっと背伸びをすると、コタツから出て立
ち上がった。
「ご飯食べたら、風呂入りたいな。」
「あー、そうだな。」
「一緒に入ろうぜ。凛。」
「まあ、俺の家の風呂だからな。そうなるだろ。」
そんな会話をしながら、夕飯を食べに行くために二人は部屋を出る。まだまだ一緒にいる
ことを前提に、お風呂から出たら何をしようかなど話していると、姉に仲がよすぎだと突
っ込まれ、平古場はほんの少し恥ずかしい思いをするのであった。

                                END.

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