跡部の家に遊びに来ていた宍戸は、ティータイムにお菓子を食べた後、跡部のベッドでぐ
っすりと眠り込んでしまう。数時間して目を覚ますと、宍戸はふと違和感を覚える。ゆっ
くと起き上がると、頬に触れる長い髪。寝ている間にウィッグをつけられたのか、それと
も・・・と宍戸が考えていると、隣に座っている跡部が声をかける。
「やっと起きたか。」
跡部の声であるのだが、いつもより少し高い気がする。そんなことを考えながら、宍戸が
跡部の方に顔を向けると、いつもとは少し違う跡部の姿があった。
「っ!?」
「何そんなに驚いてやがる。」
「だって、跡部が・・・っ!?」
言葉を放って気がついたが自分の声もいつもとは違う。視線を下に向けてそれを確かめる。
髪を切る前ほどに伸びた髪、高い声に胸の膨らみ。髪や顔はほぼ変わっていないものの跡
部を同じようなことになっている。
「何で俺もお前も女になってんだよ!」
「久しぶりにこういう感じで遊んでみるのも面白いと思ってな。」
「そういうことするときは、先に言えっていつも言ってるだろーが!」
「先に言うとお前嫌がるじゃねーか。それに黙ってした方が、お前の驚いた反応が見れて
面白ぇしな。」
「お前、本当ムカツク。」
知らないうちにこういうことをされると驚くし困惑すると、宍戸はムスッとした表情でそ
んなことを言う。少し女らしくなった宍戸のそんな顔も可愛らしいと跡部は楽しげに笑う。
「さてと・・・」
宍戸も起きたので、跡部は宍戸の頬を手でなぞり、すっと顔を近づける。急に近づいた顔
に宍戸はドキッとしてしまう。
「な、何する気だよ?」
「せっかく女になってるんだから、女同士でってのもいいんじゃねぇかと思ってな。まあ、
そのためにしたようなもんだしな。」
「変態。」
「今更だろ。」
宍戸に何を言われようと跡部は気にしない。ちゅっと触れるようなキスをした後、跡部は
そのまま宍戸をベッドの上に押し倒した。
宍戸を押し倒した後、跡部は宍戸の唇を捉え、その舌を貪る。手首をしっかりと押さえら
れ、体を重ねるような体勢になっているが、宍戸は明らかにいつもとは違う感触に戸惑っ
ていた。
(跡部の胸、何でこんな無駄にデカイんだよ。俺の胸に当たってすげぇ変な感じだ。)
いつもの跡部にはない柔らかい胸が自分の胸に当たり、宍戸はドキドキと胸を高鳴らせる。
今の体にしかない部分も大きさでは跡部に勝てず、宍戸はほんの少しの悔しさを感じる。
宍戸がそう感じているということは、もちろん跡部も同じような感触を味わっている。
「これ、直の方が気持ちいいんじゃねぇか?」
一旦唇を離すと跡部はそんなことを呟きながらシャツを脱ぎ、宍戸のシャツも脱がす。一
時的に女になっているだけなので、当然のことながらブラジャーなどはしていない。シャ
ツを脱ぐだけで露わになった胸に、宍戸はひどく慌てるような反応を見せる。
「ちょっ・・・お前、いきなり脱ぐんじゃねぇよ!」
「アーン?何そんなに慌ててやがる。」
「だって、お前、女になってんのに・・・すげぇ目のやり場に困る。」
顔を真っ赤に染めながら宍戸はそんなことを言う。そんな反応を見せる宍戸がどうしよう
もなく可愛らしいと、跡部はニヤリと笑う。
「仕方ねぇなあ。だったら、さっきみたいにキスしといてやるよ。そしたら、見えねぇだ
ろ。」
「んっ・・・」
そう言って、跡部は再び宍戸に口づける。先程まではシャツ越しであったが、今は柔らか
い胸が直に触れ合う。その感触が何とも言えないほど気持ちよく、宍戸はぞくぞくと下腹
部が熱くなる。何度も深い口づけを交わしている間に膨らみの先端にある突起がふとした
瞬間に擦れ合う。その瞬間、宍戸の身体はビクンと跳ねた。
「んっ・・・んんぅっ・・・!」
そこが擦れ合う感覚はもちろん跡部も気持ちいいと思ってはいるのだが、宍戸ほどではな
い。宍戸の反応に気をよくした跡部は、わざとそこを擦りつける。
「んっ・・・ふっ・・・んんっ・・・んっ・・・!」
激しいキスをされたまま、敏感な突起を擦られる。そんな刺激に宍戸はビクビクと良い反
応を見せ続ける。
「はっ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
「お前のココ、随分感じやすいみてぇだな。フッ、すげぇエロい顔してるぜ。」
「ウルセー・・・」
「そこがそんなにイイなら、もっと弄ってやるよ。」
宍戸の身体を起こし、跡部は宍戸を後ろから抱くように座る。そのまま腕を前に回すと、
両手で宍戸の胸を鷲掴みにした。
「んっ・・あっ・・・」
「大きさは俺様の方が上だが、感度はお前の方が圧倒的に上っぽいな。」
「そんなんで勝っても・・・嬉しくねぇ・・・」
「フッ、素直じゃねぇなあ。」
そんなことを言いながら、跡部は宍戸の胸を揉みながら、その先端をきゅっと抓む。やは
りそこは弱いようで、宍戸はビクッと震え、堪えきれない声を漏らす。
「あっ・・・あんっ・・・」
「イイ反応だぜ。もっとそういう声聞かせろよ。」
いつもより高い声で耳元でそう囁かれ、宍戸はぞくっとする。むき出しの背中には跡部の
大きな胸が押しつけられ、いつも以上に興奮してしまう。
(普段ねぇ場所なのに、何でこんな触られて気持ちいいんだよ。わけ分かんねぇ・・・)
跡部に胸を弄られながら、宍戸は心の中でそんなことを呟く。少し強めの力加減でその膨
らみを揉まれ、少し痛いくらいの力でぷっくりと勃ち上がった突起を抓られる。それが気
持ちよくてたまらず、宍戸は絶え間なく声を上げる。
「やっ・・・あっ・・・ひぅ・・・あんっ・・・」
「随分と良さそうじゃねぇか。」
「跡部がっ・・・強く弄るからっ・・・」
「けど、気持ちいいんだろ?」
「ふあっ・・・ああぁっ・・・!!」
一際強く先端を抓まれ、宍戸は背中を仰け反らせ、ビクビクと上半身を痙攣させる。こん
なにも感じてくれていると弄り甲斐があると跡部は顔を緩ませる。
「もうイキそうなくらいじゃねぇか。せっかくだし、下の方も弄ってやるよ。いつもとは
違う感じを楽しみな。」
胸を弄られる快感でぼーっとしている宍戸の穿いているものを跡部は全て脱がしてしまう。
ハッと気づくと宍戸はその身に何も身につけていない状態になっていた。
「な、何下も脱がしてんだよ!」
「脱がさなきゃ触れねぇだろ?ほら、少し足開け。」
「やっ・・・」
後ろから回している手で軽く足を開かせると、跡部は普段とは少し違ったそこに指を這わ
せる。既に宍戸のそこは奥から溢れる蜜で濡れており、ぬるりとしたその感触に跡部はぞ
くっとする。
「お前のココ、すげぇ濡れてるぜ。」
「・・・っるせ。」
「濡れてるおかげで、だいぶ指、動かしやすいぜ。」
溢れている蜜を掬い取り、割れ目から敏感な突起にかけて撫で上げる。小さく勃起したそ
れへの刺激は、普段ある熱に触れられている感覚と何ら変わらず、宍戸は下肢を震わせる。
「ひあっ・・・あ・・んっ・・・!」
「せっかくだから、上の突起も下の突起も弄ってやるよ。」
右手では下の割れ目を弄り、左手では柔らかな膨らみの中心にある突起を弄る。敏感な突
起を同時に弄られ、宍戸の快感は一気に高まる。
「あっ・・・跡部っ・・・やっ・・・ダメ・・・」
「全然ダメそうには見えないぜ。むしろ、かなり良さそうに見えるけどな。」
「そんなに弄られたら・・・イッちゃ・・・」
「いいんじゃねぇの?気持ちイイならイッちまえ。」
「あっ・・・ああぁ――っ・・・!!」
跡部の柔らかな胸に寄りかかるようにして宍戸は達する。普段のように何かが明確に出る
わけではないが、達したのは間違いないので、そんな宍戸を腕に抱きながら跡部は興奮す
る。
「ハァ・・・跡部ぇ・・・」
「フッ、可愛いぜ。」
「よく分かんねぇけど、跡部が触ってたとこよりもっと奥がジンジンする・・・」
「もっと奥ってここらへんか?」
宍戸の言葉を聞き、跡部は蜜の溢れてくる中心に指を入れる。普段はない場所であるが、
そこに触れられると、とろけるような快感が溢れ出る。
「ふあっ・・・あぁんっ・・・!」
「普段はねぇ場所なのに、随分と感じてるみたいじゃねぇか。」
「あっ・・・跡部っ・・・ひあっ・・・んんっ・・・!」
中で指を動かしてやると、宍戸は快感に濡れた声を上げる。弄っている場所から自然に溢
れてくる蜜で跡部の指は濡れていく。これはこれで堪らない感覚だと思いながら、跡部は
宍戸の弱い場所を探ろうとする。
「普段する方だとこの辺りが弱いが、今の状態だとどうなんだ?」
「ひゃっ・・・あっ・・・!?」
「ああ、同じみてぇだな。」
「やぁっ・・・そこ、ダメぇ・・・あっ・・・あぁんっ・・・!!」
あからさまに反応が大きくなった宍戸に、跡部は口元を緩ませる。その部分を集中的に弄
る。先程達して下半身が敏感になっていることもあり、宍戸はまたすぐにイキそうになる。
「はっ・・あ・・・跡部っ・・・また、イクっ・・・!」
「いいぜ。イキたいなら、何度でもイけばいい。」
「く・・ぅんっ・・・ああっ・・・!!」
大きく腰を揺らし、宍戸は再び達する。激しく呼吸を乱しながら、くたっと跡部に寄りか
かっていると、宍戸は跡部のある変化に気づく。先程までは背中に当たっていた柔らかい
胸の感触がなくなり、腰の下あたりに何かがあたるのを感じる。振り返ってみると、いつ
の間にか跡部は男に戻っていた。
「何で跡部だけ男に戻ってんだよ?」
「そういうふうになるように調整したからな。」
「調整って・・・意味分かんねぇ。」
「そろそろここに俺のを挿れて欲しいんじゃねぇの?」
「んんっ・・・やめっ・・・」
まだ中に入っている指をぐりっと動かされ、宍戸の肩はピクンと震える。確かに挿れても
らえるならそうして欲しいと、宍戸のそこはもっと大きなモノを受け入れたいと疼いてい
た。
「ほら、どうして欲しいか言えよ。」
「・・・言わねぇ。」
「だったら、挿れてやんねぇぜ?」
「・・・・・」
跡部の手を退けると、宍戸はくるっと跡部の方を向き、跡部を押し倒す。今自分が欲しい
ものを隠している下着を取り去ってしまうと、宍戸は跡部の身体を跨ぐように膝をついた。
挿れて欲しいとは言わずに自ら挿れることを選択した宍戸に、跡部は多少驚きつつも黙っ
てその動向を見守る。
「ハァ・・・」
顔を真っ赤にして、宍戸は跡部の熱を蜜の溢れるそこに押し当てる。ゆっくりと腰を下ろ
すと予想よりも遥かにすんなり跡部の熱を受け入れた。
「あっ・・・あ・・んっ・・・・」
「自分で挿れるなんてそんなに欲しかったのかよ?」
「ウ・・ルセー・・・」
「そのやらしい顔も柔らかい中も最高だぜ。自分で動いて満足してみな。」
その言葉に嘘はないようで、跡部の表情は明らかに快感を感じ上気しているようなものに
なっていた。そんな跡部を見て、宍戸はドキッとしてしまい、跡部と繋がっている場所が
ズクンと疼く。もうここまで来たら、自分の好きなように動いて楽しんでしまおうと、宍
戸は上下に腰を動かし始める。
「はっ・・・あっ・・・あ・・んっ・・・んんっ・・・」
宍戸が動くたび、普段はない胸の膨らみが揺れる。下からそれを眺めながら、跡部はこの
姿の宍戸も好きだなあと考えていた。
「あっ・・・跡部ぇ・・・んあっ・・・あ・・・」
「やるじゃねぇの。かなりイイぜ。」
「んっ・・・いつもと場所が違うからっ・・・あんまり上手く動けてねぇけど・・・」
「そんなことないぜ。でも、お前が物足りねぇっつーんなら・・・」
宍戸の腕を引き、軽く前傾姿勢にさせると、跡部は宍戸の中を下から突き上げる。先程と
は全く異なる場所に跡部の熱がぶつかり、全身が粟立つような快感が走る。その衝撃に耐
え着れず、宍戸の上半身は跡部の上に崩れ落ちた。
「ああっ・・・あぁんっ・・・!!」
「イイ具合に締まってるぜ。欲しいとこに当たったみてぇだな。」
宍戸がかなりよさそうな反応を見せるので、跡部は何度もそこを狙って突き上げる。跡部
の熱がそこに擦れるたびに宍戸の快感は高まっていく。
「やっ・・・跡部っ・・・そこばっか・・・ダメぇ・・・」
「アーン?もっとして欲しいって?」
「違っ・・・ひあっ・・・あっ・・・も・・・イクっ・・・!」
跡部がそこを責めるのをやめないので、宍戸はそのまま絶頂へと達する。しかし、跡部は
まだ達していないので、宍戸がイッてもそこを責めるのを止めなかった。
「ああっ・・・跡部っ・・・やっ・・・もぉ・・動くのやめっ・・・」
「まだお前だけしかイってねぇだろ。さすがにそれは不公平じゃねぇの。」
「けど・・・これじゃ・・・またすぐっ・・・んっ・・・ああっ・・・!」
イっているにも関わらず、敏感なところを責め続けられ、宍戸はビクビクと腰を揺らした
まま言葉を紡ぐ。ほぼイキっぱなしのような状態の宍戸の内側はぎゅうぎゅうと跡部の熱
を強く締めつける。
「この感じたまんねぇな。中も外もビクビクしててすげぇ気持ちいいぜ。」
「うあっ・・・んっ・・・ハァ・・・あっ・・・ああっ・・・!!」
「もう喋ってる余裕もないみてぇだな。だが、もう少し楽しませてもらうぜ。」
すっかり絶頂の波にのまれている宍戸の内側を跡部は存分に味わう。長く続く絶頂感に宍
戸はもうそれを受け入れるしかなかった。強い収縮を繰り返すそこに包まれている跡部の
熱は宍戸の蜜にまみれ、限界を迎えようとしていた。
「ハァ・・・さすがにそろそろヤベェな。」
「んっ・・・ぁ・・・跡部ぇ・・・」
「ほら、受け取れ。少しも溢すんじゃねぇぞ?」
「―――っ・・・あっ・・・ああぁ―――っ!!」
普段はない場所に熱い雫を注がれ、宍戸は一際大きな絶頂を迎える。ぐったりと跡部の胸
にその身を預けると、宍戸は身体がとけてしまいそうな心地よさの中、瞳を閉じた。跡部
の熱が中から抜けると同時に宍戸も男の体に戻る。短くなった髪を優しく撫でながら、跡
部は果てしない心地よさの余韻にしばらく浸っていた。
そのままベッドの上でしばらく休んだ後、宍戸はむくりと体を起こす。もう男の体に戻っ
てはいるのだが、長く続いたあの気持ちいい感じがまだ残っているような感覚に少し戸惑
う。
「どうした?宍戸。」
「さっきの体と全然違うのに、何となく感覚だけ残ってて変な感じだなーと思ってよ。」
「ほぅ。まだ足りないって?」
「そんなこと言ってねぇだろ!」
「俺はお前が相手なら、どんな姿だろうが何度でもしたいと思うぜ。」
跡部のそんな言葉を聞いて、宍戸の顔は真っ赤に染まる。
「お前はまたそういうこと・・・」
「お前はそうじゃねぇのか?」
「うっ・・・確かに女になってた跡部はすげぇ美人だし、胸も大きくて、マジで直視出来
ねぇくらいいいなって思ったけどよ・・・」
「お前にしては素直な答えだな。」
「べ、別に女になってた方がいいってわけじゃなくて、跡部だから好きなわけで・・・・」
跡部に言われたことが恥ずかしくて嬉しくて、若干テンパっている宍戸はいつものツンデ
レセリフも単に素直な気持ちを言葉にしているだけになっている。それが嬉しくて跡部は
思わずニヤついてしまう。
「あの感じでやるの悪くなかったし、またしてもいいな。宍戸もそう思うだろ?」
「そ、そんなことねぇし!てか、何度も言ってるけどいきなりするなっての!」
「だったら今度は事前に言ってからしてやるよ。その代わり拒否権はねぇからな。」
「何でだよ!?」
「あれだけよさそうな反応見せられて、それで嫌だとか言っても説得力ねぇんだよ。」
「別に拒否るなんて言ってねぇだろ!勝手に決めんな!」
売り言葉に買い言葉で自ら拒否しない宣言をする宍戸に、跡部は笑ってしまう。何だかん
だで宍戸も楽しんでいたことが分かり、跡部は上機嫌になる。
「フッ、今すげぇいい気分だぜ、宍戸。今なら何でも言うこと聞いてやるよ。して欲しい
こと言ってみな。」
時間も時間なので、美味い物が食べたいなど言い出すと予想していた跡部であったが、宍
戸はそんな跡部の予想を裏切ることを口にする。
「えっと・・・じゃあ、キスして欲しい。」
「アーン?」
意外そうな顔をしている跡部の顔を見て、宍戸は何だか恥ずかしくなってしまう。
「して欲しいこと言えっつったのに、何でそんな反応返すんだよ!」
「いや、ちょっと俺様の眼力が外れてな。いいぜ、いくらでもしてやるよ。」
「へぇ、お前の眼力が外れるなんて珍しいな。へへ、何かちょっと嬉しいかも。」
跡部の眼力を破ったのが少し嬉しくて、宍戸は笑顔を浮かべる。そんな宍戸も可愛らしい
と思いつつ、跡部は宍戸の頬を軽く撫でる。
「俺様のキスに酔いな。」
「そ、そーいうのはいいからさっさとしろよ!」
そういうことを言われると恥ずかしいと宍戸は軽く文句を言いながら、きゅっと目を閉じ
る。愛らしいキス待ち顔を見せる宍戸の唇に、跡部は心を込めて甘い甘い口づけを施した。
END.