一度目の熱を放った後の気だるさでうつ伏せる体の上を 先程まで自分を捕えていた指が再び這い出すのを感じ、
疾風は薄く眼を開けた。

二度目には早すぎる、と膨とした頭で考える。

それでも何となく身構えるが、どうもおかしい。

髪を撫でつけ、目元口元を這うその動きは、いつものこちらを昂めてこようとするものとは違い、
怪訝に思っていると後ろから体を引き起こされた。

「やはり寝たままだとやりにくいな」

情事の名残か乱れた長い黒髪を煩そうに後ろに流しながら、隻眼の男は呟いた。
いったい何をしているのか。問おうと顔を僅かに上げた瞬間、鼻腔をくすぐる微かな違和感。
先程の行為の激しさを物語る、むせかえるような雄の匂いのする部屋の中、
赤く染まった男の指先から立つ香の香りは、あまりにも異質であった。

「俺に紅なんか塗って、どうしようって言うんだ」

「ふふふ…、そう言うな。なかなか徒っぽいぜ」












興奮する、と耳元で囁かれ、口の中で笑いを噛み殺す。

(全く、この男は)

こんな事をしたとして、直にグチャグチャになってしまうのに…
そう思いながら疾風は振り返り、自分から背後の男に口づけた。














 「Happiness Cherry」の実和あむる様へ相互リンク記念に捧げた小話&イラストです。
 実和様が、私の44巻おバカ感想で書いた「太夫プレイ」に反応して下さり、
 『蜉疾で太夫プレイ!』とのリクエストを頂きましたので、気張って書かせて頂きましたv
 実和様によると、「太夫」には「最上位の遊女」「歌舞伎の女形」という意味もあるとの事で 
 その線で妄想致しましたが…なんだか微妙な仕上がりとなってしまいました;;
 しかも、実和様の爽やかなサイトにそぐわないよ!どう考えてもこれ…!
 ホント、ガチでスミマセン(大汗)
 実和様、こんなものでよろしかったら、捧げさせて下さい!
 愛はたっぷりとこめましたv(迷惑)

                                      2008.12.1

 (オマケ) 疾風の化粧前の顔はコチラ





 「猫じゃらし」のまるまる様から頂いた相互リンク記念のSS&イラストです。
 もう素敵過ぎますまるまる様!!
 太夫プレイ最高ですよvv
 蜉蝣さんも疾風さんも素敵過ぎますvvvvv 
 うちのサイト全然爽やかなんかじゃないですよ(笑)
 半数くらい裏小説・・・(ゲフゲフン)
 本当、こんな素敵すぎる小説とイラストありがとうございます!!
 この話とイラストでさらに蜉疾にハマっちゃいましたvvv
 

                                    2008.12.2



戻る