mel mundus 〜蜜世界〜

「あー、すっげぇ楽しかった!!やっぱ、跡部の力ってすげぇよな!ココに居ても、どこ
かに出かけてるみてぇな感じがするんだもんよ。」
「ふっ、このくらい当然だ。俺は別にテメェを監禁したいわけでもねぇし、何にもしちゃ
いけねぇなんて思ってねぇからな。」
悪魔である跡部と閉ざされた教会で暮らし始めてから数ヶ月。宍戸は、跡部と出会う前の
笑顔を保ち続けている。他の者と接触することは許していないので、外には出られないの
だが、跡部の力で教会内に居ながらも、まるでどこか遠くまで出かけて遊ぶような感覚を
味わえる。
「でも、やっぱ、跡部強ぇーよな!俺じゃ、全然敵わねぇぜ。」
「人間に負けるかよ。でも、テメェもだいぶ強くなってきてると思うぜ。」
「本当か!?よっしゃー、じゃあじゃあ、また、今度試合しような!!」
「いいぜ。受けて立ってやる。ま、また思いっきり負かしてやるけどな。」
「今度は絶対負けねぇ!!」
二人は今日、テニスの試合をした。場所としては教会内なのだが、跡部が空間を操り、教
会を見事なテニスコートに変えたのだ。今はもうもとに戻っているが、変わっている間は、
本当にテニスコートにいるようにしか思えなかった。跡部のこの力のために、宍戸は外出
を禁止されながらも、ある意味で行きたいところはどこにでも行けるのだ。そのため、外
に出てはいけないという制限がありながらも、宍戸は存分にこの生活を楽しんでいる。
「つーか、もう激夜だな。腹減ったし。跡部、シャワー浴びたら夕飯にしようぜ!」
「ああ。」
テニスをして流した汗を洗い流そうと、宍戸は浴室へと向かう。その後を追いかけるよう
に跡部が歩き出そうとすると、ふと自分の体の中の変化に気づく。ステンドグラス越しに
外を見つめ、跡部はふっと口元を緩ませる。
「今日は満月か。」
跡部の属する悪魔の種族は、満月の夜になるといつもの数十倍の力を持つことが出来る。
体の底から湧き上がってくる力を感じ、跡部は言いようもない興奮を覚える。跡部はこの
感覚が好きだった。気分が高揚していくのに身を任せ、跡部は宍戸の後を追った。

シャワーを浴び、夕食も食べ終えると、二人はしばらくの間、礼拝堂でくつろいだ。時間
が経つにつれ、跡部の高揚感はさらに高まる。ある程度、宍戸が休めたと判断すると、跡
部は目を赤々と輝かせながら、宍戸に絡み始める。
「宍戸。」
「うわっ、い、いきなり耳元で喋んなよ!!ビックリすんだろ!!」
「テニスの疲れ、取れたか?」
「は?あー、まあ、シャワー浴びて汗流したし、飯も食ったし、今もこんだけ休んだから、
だいぶ疲れは取れてるけど。」
「なら、アノ部屋行こうぜ。今日は、満月だからよ、力が有り余って仕方ねぇんだ。いい
だろ?宍戸。」
アノ部屋というのは、跡部が作った地下室だ。作りたての時よりも、だいぶ過ごしやすい
感じの部屋になっているが、そこに行ってすることはただ一つ。そのことを考え、宍戸は
顔を真っ赤にして、困惑したような表情を見せる。
「別に・・・いいけどよ。アノ部屋ってことは、やっぱ、そういうことすんだろ?」
「当然だ。しかも、今日はいつも通りにやるだけじゃ満足出来ねぇ。いつもとは違う快楽
をテメェに味あわせてやるよ。」
恥ずかしげもなくそんなことを言ってくる跡部に、宍戸は返す言葉もない。どうしてこう
恥ずかしいことをペラペラ言うんだと思いつつ、宍戸は跡部に腕を伸ばした。無言の頷き
に跡部は気をよくし、宍戸の体をふわっと持ち上げる。そして、姫抱きをするような形で
地下室へと歩き出した。
(何か・・・今日の跡部、すげぇイイ匂いする。どうしよ、激ドキドキしてきた・・・)
跡部の体から放出されるフェロモンに宍戸はすっかりあてられている。ぎゅうと跡部に抱
きつくと、さらにその匂いが強くなり、宍戸の鼓動はだんだんと速くなっていった。

地下室に到着すると、跡部は宍戸を床に下ろす。跡部のフェロモンの所為ですっかり興奮
させられている宍戸は、頬が綺麗な桜色に染まっていた。
「やっぱ、ここに来ると違うな。宍戸、とりあえず着てるもの全部脱げよ。」
「えっ、いきなり・・・」
「アーン?文句あるのか?」
跡部を怒らせるとろくなことがないので、宍戸は素直に着ているものを脱いだ。下着まで
すっかり脱いでしまうと、ペタンと床に座り、自らの手で局部を隠した。
「いい格好じゃねぇか。隠してるのが気に入らねぇが、まあ、いい。」
「さっきいつも通りにはしないって言ってたけど・・・どうすんだ?」
期待と不安の入り混じった声で宍戸は尋ねる。その質問に跡部はハッキリと答えず、座っ
ている宍戸の周りをゆっくり回りながら、聞き取れないほど小さな声でぶつぶつと何かを
呟いている。もと居た場所まで戻ってくると跡部はパチンと指を鳴らした。
ゴゴゴゴゴ・・・・
「な、何・・・?」
跡部が指を鳴らした途端、宍戸の座っている部分が赤く染まる。何が起こるか分からない
恐怖に駆られた宍戸は思わず立ち上がった。次の瞬間、宍戸の体が何者かによって持ち上
げられる。一際眩い光が煌めくと、宍戸はまるでイエスが十字架にかけられているかの如
く、地の底から現れた何かに磔にされていた。
「えっ・・・嘘っ、何で!?」
「今日はこいつを使って、テメェを存分に嬲ってやるよ。」
「こ、こいつって・・・?」
「テメェが今、磔になってるそれだ。ある意味じゃ、一種の生き物と言えるかもしれねぇ
が、意志は持ってねぇ。完全に俺の意志で動く。俺にとっちゃこういうことをするための
一つの道具にしか考えてねぇけどな。」
「一種の生き物ってどういうことだよ?」
「あっちの世界では、tentacleって呼ばれてる。まあ、要するに、触手ってこと
だ。」
それを聞いて、宍戸は顔色を変える。宍戸のイメージでは、触手はあまりいい感じのもの
ではなかった。むしろ、グロテスクなイメージが強く、そんなものに嬲られるのを想像し
ただけでも悪寒が走る。
「や、やだ・・・やだっ、跡部っ!」
「何が嫌なんだよ?こいつに弄られたら、この世のものとは思えねぇような快楽が味わえ
るんだぜ。もちろん、俺の意志で動くわけだから、俺に犯されてるのと変わらねぇしな。」
ニヤリと笑うと、跡部は磔にされている宍戸に近づき、その唇に熱のこもった接吻を施す。
ちゅくちゅくと角度を変えて、何度か舌を絡めた後、跡部はすっと宍戸から離れた。次の
瞬間、跡部のキスですっかりとろけていた宍戸の表情が、驚きの表情に変わる。
「ひっ・・・!!」
十字架の形をしたそれに触れている部分に何とも言いがたい刺激が走る。背中、腕、双丘
の表面に脚の裏側。その全てを細い毛で撫でられる感覚。今までに感じたことのない刺激
に宍戸は身をよじろうとする。
「やっ・・・何っ・・・あっ・・・ひっ・・・」
「すげぇだろ?何千、何万の白くて細かい触手がテメェの肌を撫でてんだ。しかも、それ
ぞれが予測不可能なぐらい不規則に動くからよ、絶対に慣れるってことがないんだぜ。」
「嘘っ・・・ひゃあっ・・・やだっ・・あぁんっ!」
不規則でありながらも全てが動いているという状態に、宍戸は為すすべもなく、ただただ
されるがままになっている。全身が粟立つような刺激に宍戸は否が応にでも感じてしまう。
「でも、この程度の刺激だけじゃ全然足りねぇよな。」
「そんなこと・・・な・・・」
「安心しろ。もっともっといろんなところを弄り回してやるからよ。」
そんなことを囁く跡部の目は、悪魔の目としか言いようのないものであった。そんな瞳で
見つめられ、宍戸は激しい興奮を感じる。恐怖を感じるべきところで、興奮を感じるなど
ひどく倒錯的だが、宍戸にとってはそれがもう日常になっていた。
「どこを弄って欲しい?」
「あっ・・・んなこと・・・言えね・・・・」
「なら、上から順番にいくぜ。」
そう言うと跡部はバサっと翼を羽ばたかせ、体を浮かせる。そして、ベルトに手をかける
と、宍戸の口元に熱り立っている欲望の塊を押し当てた。
「口、開けろよ。」
肌を細かい触手に撫でられる快感に身を震わせながら、宍戸は赤く染まった唇を開いた。
少しの隙間を抉じ開けるかのように、跡部は宍戸の口内へ自身を押し込む。
「うっ・・・ぐっ・・・!」
あまりの大きさに息が詰まりそうになるのを堪えて、宍戸はゆっくりと舌を動かし始める。
宍戸の髪を掴み、しっかり頭を固定すると、跡部は宍戸の与える刺激を存分に楽しむ。宍
戸がするのに任せるだけではなく、自らも腰を使い、口の中の粘膜を余すとこなく刺激し
てやった。
「ハァ・・・いいぜ、宍戸。テメェの口ん中、熱くてたまんねぇ。」
「んっ・・・んぅ・・・ぐっ・・・」
口を動かすことは許されるが、それ自体を口の中から完璧に出すことは許されない。しか
し、宍戸にとってはそれさえも恍惚を感じる一つの攻められ方だった。熱が高まるにつれ、
跡部の腰の動きは激しくなる。喉の奥を犯されているような感覚に、窒息しそうな苦しさ
を感じるが、それ以上に早く跡部の放つミルクが飲みたいと、宍戸は跡部の熱を貪るよう
に舐める。
「うっ・・・んぐっ・・・んんっ・・んっ・・・」
「なあ、テメェはバニラは好きか?」
「んん?・・・んん・・・」
快感に潤んだ目で、宍戸は小さく頷くような仕草を見せる。それを確認すると、跡部は宍
戸の頭はしっかり固定したまま、一際大きく宍戸の口内を穿つ。口に根元までそれを含ま
せたまま、跡部はたっぷりと熱いミルクを放ってやった。完全に頭を動かすことが出来ず、
ギリギリまで口を開けて咥えているため、宍戸は跡部の熱から口を離すことが出来ない。
ドクドクととめどなく放たれるミルクを、宍戸はただ飲み下すしかなかった。
「うう・・・んっ・・・んんっ・・ん・・ん・・・・」
(すげぇ、バニラの味がする・・・・)
跡部の放ったミルクは、濃いバニラの味であった。バニラの香りに酔いしれながら、宍戸
は一滴もこぼすことなく、跡部の熱を自分の体内に取り込んだ。
「ハァ・・・ハァ・・・どうよ、美味いだろ?」
「・・・ぷはっ、激バニラの味だった。すっげぇ、美味い。」
「しかも、今日のはただの精液じゃないぜ。人間の世界には絶対存在しないような、強力
な媚薬効果をつけたしてやった。本当は舐めるくらいでも、十分効果は現れるんだけどよ、
テメェ、俺が出すだけ全部飲んじまったよな?」
「えっ・・・」
「今日はもう何度でもイケるぜ。滋養成分も相当含まれてるから、途中でバテて失神しち
まうなんてこともねぇしな。」
「う、嘘・・・だろ・・・?」
「嘘なもんか。ほら、そろそろ効き目が現れてくるぜ。」
跡部の言う通り、宍戸の体には大きな異変が現れていた。全身が熱くなり、どうしようも
ない疼きが体の底から湧き起こる。少し肌をなぞられれば、そのまま達してしまいそうな
ほどの快感を感じる。それをもっと分からせてやろうと、跡部は少し動きを休めていた細
い触手での愛撫を再び開始する。
「ひあぁんっ!!」
先程とは比べ物にならないくらい強い快感が宍戸の体を駆け巡る。何とかその刺激から逃
れようとするのだが、腕も足もしっかりと固定されてしまっているので、それは叶わない。
痺れるような快感に宍戸の茎の先端からは、じわじわと透明な蜜が溢れ出していた。
「あっ・・やだぁ・・・ひっ・・・あぁんっ!!」
「いい感じに効き目が現れてるみてぇだな。それじゃ、ココも一緒に弄ってやるか。」
ストンと床に足をつくと、跡部は宍戸の胸の突起にちゅっと軽く口づける。そんなちょっ
とした刺激にも宍戸は過敏に反応した。
「あっ・・・ぅ・・・」
跡部が離れると、十字架の中心あたりから、半透明の触手が宍戸の突起に向かって伸びて
くる。左右一本ずつ突起のすぐ近くまで伸びてくると、その先端がまるで花の蕾が開くか
のようにパカっと割れた。
「な、何・・・?」
いくつもの花弁が宍戸の突起を包み込むように閉じる。次の瞬間、宍戸の胸に想像を絶す
る刺激が走った。
ちゅうぅぅぅ・・・・
驚くほどの吸引力で、まだそれほど固くなっていない突起を吸われる。たまらず宍戸は身
を仰け反らせ、跡部に助けを求めようとする。
「やあぁぁっ!!跡部っ、助けてぇ・・・あっ・・・ああっ!!」
「助けてって、もっと気持ちよくさせろってことか?」
ニヤニヤとやらしい笑みを浮かべながら、跡部はパチンと指を鳴らす。すると、何本もの
細い針のようなものが、花弁の中から宍戸の胸の突起を貫いた。
「ひああぁぁっ!!いっ・・・ああっ・・・っ!!」
細い針の先からは、じわじわと熱い液体が溢れている。媚薬効果があるのか、じんじんと
胸が熱くなり、どうしようもない疼きが内側から湧き上がる。
「跡部ぇ、変になっちまうよぉ・・・もっと、ココ、してぇっ!!」
「もっとしろって、どうすりゃいいんだ?」
「分かんねぇ・・・でも、もっとしてくれなきゃやだぁ・・・・」
すっかり快感に溺れている宍戸は、甘く濡れた声で跡部におねだりをする。
(ヤベェ・・・マジ可愛い。)
宍戸の可愛さにくらくらしながら、跡部はさらに触手を増やす。蛸の足のような吸盤のつ
いたものにプチュプチュと吸いつかせ、鯨の髭のようなブラシ状の触手でショリショリ擦
り上げ、小さな歯のついた触手に噛ませながら扱き上げる。何種類もの異なった刺激を休
む間もなく与えられ、宍戸の理性は完璧に消え去っていた。
「ふあぁぁっ・・・すごっ・・・いっ・・・ああんっ!!」
「乳首弄られてるだけで、そんなに感じてるなんて、ホーントやらしいよなぁ、宍戸は。」
「はぁんっ・・・だってぇ・・・」
「でも、マジたまんねぇ。そのやーらしい顔、超俺様好みだぜ。」
ありえないほどの快感を与えられ、開きっぱなしの宍戸の口からは、唾液が滴り落ちてい
る。そんな宍戸の唾液を舐め取ると、跡部はくちゅっと舌を絡めた。そして、一番初めに
宍戸の突起に喰らいついた触手を軽く指で弾く。すると、その触手は宍戸の突起に突き刺
していた細い針を不規則に動かし始める。刺さったまま上下に動かされる感覚に、宍戸は
激しい絶頂感を覚える。
「ひっ・・ぃ・・・あっ・・ああぁぁっ!!跡部っ・・イクっ・・・イッちゃうっ!!」
一際大きく身体を震わせ、宍戸は真っ白な熱を跡部に向かって放つ。熱には直接触れず、
放たれたミルクだけを手で受け止めると、跡部はそれを自分の口元へ持ってゆき、宍戸に
見せつけるかのように蜜を舐め取る。
「やっぱ、この味最高だな。」
「ハァ・・ハァ・・・あとべぇ・・・」
「乳首弄られただけでイッちまうなんて、どんだけ淫乱なんだよ?」
悪戯な笑みを浮かべ、そんなことを言う跡部に、宍戸は何も言えなかった。茎に触れられ
れていたわけでもなく、蕾を弄られているわけでもない。ただひたすらに胸の突起を弄ら
れていただけ。それだけであんなにも激しい快楽を感じ、達してしまったことに宍戸自身
が一番驚いていた。
「さてと、準備運動はこれくらいにしとくか。これからが本番だぜ、宍戸。」
跡部がそう言うと、宍戸の胸に群がっていた何種類もの触手はシュルシュルと十字架の中
に戻ってゆく。跡形もなく触手が十字架の中へ消えると、今度は手首を固定してる触手の
下の辺りから、何本かの触手が足首に向かって伸びてくる。そして、今まで、足首を固定
した触手が離れると同時に、それが左右それぞれの足へ絡みついた。
「ひっ!!今度は何っ・・・?」
跡部は何も言わず、ただ笑いを口元に浮かべながらその光景を眺める。足首に絡みついた
触手は、宍戸の足を開かせるように引っ張り上げる。膝を折られ、足が宙に浮くような状
態で、宍戸はM字開脚をさせられるような形で固定された。
「なっ!・・・やっ、やだっ・・・こんな格好っ・・・・」
跡部に茎も蕾も曝しているような格好に宍戸は激しい羞恥心を感じる。しかし、触手の力
は予想以上に強く、足を閉じることはどう考えても不可能だ。
「どこもかしこも丸見えだぜ?宍戸。」
「み、見るなっ・・・」
「立って見ると、高さがイマイチだな。おっ、この椅子に座ればちょうどいいんじゃねぇ?」
壁際にある椅子を持ってくると、跡部はその椅子に腰掛ける。そうすると、跡部の目線は
ちょうど宍戸の蕾の位置になる。かなりの近距離で、触れるわけでもなく秘部を観察され
るという状況に、宍戸は泣きたくなるほどの恥ずかしさを感じていた。
「今日はこっちはまだ弄ってやってねぇから、ピッチリ閉じたままだな。」
「・・・・っ」
「ここもゆっくりたっぷり嬲ってやるから、楽しみにしてろよ?」
羞恥心から何も言えないでいる宍戸に、跡部は容赦なく次の攻めを開始する。宍戸の閉じ
た蕾のちょうど真下のあたりから、ピンク色の細い触手が何本も伸びてくる。直径が数ミ
リ程のその触手は白濁色の粘液を分泌しながら、宍戸の蕾をぐにぐにとマッサージをする
かのように揉みほぐす。
「ふあっ・・・やぁっ!!」
敏感になっている宍戸の身体は、すぐにその刺激に対して反応を示す。少し緩んでも、性
急に入ることはせず、じっくりと入り口をマッサージしてやった。
「ひぅんっ・・あっ・・・あぁ・・・」
「テメェのココ、早く何かを挿れて欲しいって言ってるみてぇにひくひくしてるぜ。」
「うっ・・・くぅん・・・」
「早く欲しいか?」
「う・・うんっ・・・」
中途半端な刺激よりはもっと確かな刺激が欲しいと、宍戸は跡部の質問に頷く。しかし、
跡部はそれを聞いて、もっと焦らしてやろうと考えた。媚薬効果のある粘液をこれでもか
というほど塗りつけながらも、弄るのは本当に入り口の周りだけ。そんな切ない疼きだけ
を与えられ、宍戸は何かを求めるかのように腰を揺らす。
「ああ・・・跡部ぇ・・・焦らすなぁ・・・」
「別に焦らしてなんかねぇぜ。さっき言ったろ?ゆっくりたっぷり嬲ってやるって。」
「やだっ・・・早くもっとして欲しいんだよっ!なあ・・・跡部、お願い・・・してぇ
・・・してくれないと・・・俺、変になっちまうよぉ。」
「後悔しても知らないぜ?」
「それでもいいから・・・早くぅ・・・」
「ふっ、焦らすのもこれくらいにしてやるか。」
あまりにも可愛らしく宍戸がおねだりをしてくるので、跡部は焦らすのをやめる。その代
わりにもっと他の方法で虐めてやろうと、宍戸の蕾の周りで蠢いている触手を一気に収縮
する窄まりの中に挿れてやった。
ズチュズチュズチュ・・・・
「ひゃあぁぁんっ!!」
その瞬間、宍戸は達してしまう。粘液で十分に濡れているそこは何本もある触手の進入を
容易に許している。達してしまった余韻に浸り、ヒクヒクと身体を痙攣させている宍戸に
さらなる刺激が襲う。内側に感じる快感を伴うむず痒さ。それは、入り込んだ触手が先程
と同じ粘液を出しながら、内側の壁をチロチロと舐めているために感じる感覚であった。
「やあぁ・・・跡部っ・・・中、舐められてるぅ・・・」
「ああ。俺がそうさせてんだからな。」
「ひあっ・・・ど、どんどん・・・奥に入ってく・・・あっ・・ああ・・・」
「テメェの腸の中綺麗にしてやってるんだぜ。後で俺様の出す蜜を十分に吸収してくれる
ようにな。」
「くはぁんっ・・・腹ん中・・・気持ちイイ・・ひっ・・ああ・・・」
粘液と跡部に飲まされた強力な媚薬のおかげで、腸壁を舐められる感覚にさえも宍戸は底
知れぬ快感を感じている。ずるずると宍戸の中に、触手が入っていくのを眺めながら跡部
は言いようもない興奮を覚える。もっと腹の中を攻めてやろうと触手が宍戸の内側を舐め
る勢いを限界まで激しくしてやった。
「んっ・・・ああぁぁんっ!!中、すごっ・・・気持ちイイ・・・あっ・・・あっ・・・
ひっ・・・ああ―――っ!!」
身体を弓なりに反らせながら宍戸はまたイってしまう。しかし、まだ触手の掃除は終わら
ない。内側が完璧に綺麗になるまで、宍戸は3回も4回もイってしまった。
「ひぅっ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
「テメェん中、ありえないくらい綺麗になったぜ。」
「本当か・・・?」
「ああ。さてと、中も綺麗になったことだし、さっさとこの触手抜かねぇとな。」
腸内の奥の奥まで入り込んだ触手は、相当な長さになっている。それをただそのまま抜く
のは惜しいと、跡部はちょっとした工夫を施してやる。中に入っている触手に無数の吸盤
を出現させたのだ。触手が宍戸の中から出ようとすると、その吸盤が内側の壁にプチュプ
チュと吸い付き、壁全体に刺激を与えながら引き抜かれる。その刺激は、今の宍戸にとっ
ては、激しい快感にしかなりえなかった。
「ああぁんっ!!だ、ダメぇっ・・・また、またイッちゃぅぅっ!!」
ビクビクと身体を痙攣させて、宍戸は達する。なるべくこの快感を長い間味あわせてやろ
うと、跡部は入るときはまとめて入った何本もの触手を、今度は一本一本抜いてゆく。そ
のおかげで、全ての触手が体外に抜け落ちるまでに、宍戸は十数回も絶頂を迎えさせられ
た。
「ふぅ・・・ハァ・・・」
今までに体験したことないほど、何度もイカされ、宍戸の瞳はすっかり虚ろになっていた。
「疲れたか?」
「もう・・・無理ぃ・・・」
「何言ってんだ。まだ、俺様のを挿れてねぇじゃねぇか。でも、そんなに疲れてるんだっ
たら・・・」
跡部はさっきと同じようにふわっと身体を浮かせ、宍戸の口元に自分の熱をあてがう。条
件反射のように、宍戸はそれを口に含み、ちゅうちゅうと音を立てて吸い始めた。そうさ
れれば、すぐに跡部の熱は放出に向けて大きくなる。
「んっ・・・く・・・ふっ・・ぅう・・・」
「宍戸、次は何味がいい?」
「・・・は・・・ミント・・・」
「ミントだな。」
今度は宍戸の好きな味にしてやろうと、跡部は出す前にミルクの味を操作する。しばらく
宍戸の口での愛撫を受けていると、すぐに絶頂感がやってくる。
「くっ・・・そろそろ出すぜ、宍戸。」
「んんっ・・・」
カリッと小さく根元の部分を噛んでやると、跡部はあっという間に達した。今の宍戸では、
何もしなければ全ては飲み込めないと、跡部は先程と同じように頭をしっかりと固定する。
出すだけ出され、口を離すことが許されない宍戸は、ゴクゴクと喉を鳴らし、跡部の放つ
ミント味の蜜を一滴も残さず飲み干した。
「んっ・・・ハァ・・・」
「ハァ・・・どうよ?少しは疲れ取れただろ?」
跡部のミルクを飲み干すと、先程までのだるさが嘘のように消え去った。しかも、やはり
媚薬効果があるらしく、嫌でも身体が疼いてくる。
「おう。すげぇ楽になった。」
「だったら、続けられるよな?」
「・・・うん。」
素直に頷く宍戸に跡部はこれ以上なくよい気分になる。今度は自分の楔で存分に宍戸を鳴
かせてやろう。そんなことを考えながら、跡部は腕を固定している触手の力を緩め、自分
が一番やりやすい位置へと宍戸の身体を下ろす。腕と足を触手で支えられているという状
態で、宍戸は足を開いたまま仰向けになっているような形で、宙に浮かされた。
「なあ、さっきテメェ、吸盤付の触手で中弄られたとき、すげぇ感じまくってたよな?」
「だって・・・腹ん中がプチュプチュいって・・・半端なく気持ちよかったから・・・」
「だったらその気持ちよさ、また存分に味あわせてやるよ。」
「えっ・・・そ、そんな・・・」
それを聞いて宍戸は恐怖と期待感で、ゾクリとした感覚を覚える。あの触手の所為で、先
程自分は数え切れないほどの絶頂感を与えられた。再びそんなことをされたら、自分はど
うなってしまうのだろうと漠然とした不安を感じる。
「でも、さっきは少しイキすぎだよなあ?テメェはもう少し我慢ってもんを知った方がい
いぜ。」
「でも・・・あんなことされたら・・・嫌でもイッちまう・・・」
「自分の力じゃ我慢出来ねぇか。だったら・・・」
ニヤっと笑って、跡部は十字架から何本かの触手を宍戸の茎に向かわせる。胸の突起を一
番初めに弄っていたものと形の似た触手が宍戸の茎の先端を口を開けてパックリと包む。
そして、細い管のようなものを宍戸の蜜を出す入り口の小さな孔へと差し込んだ。
「ひっ・・ぃんっ!!」
「これで、そう簡単には出せなくなったぜ。ま、出せなくたってイクことは出来るけどな。」
「そ・・・んなぁ・・・」
「俺が満足するまで、存分に踊ってもらうぜ。」
妖艶な笑みを浮かべて、跡部はそんなことを言う。さっき宍戸に言ったことを実行するた
めに、何本かの触手を自分のもとに来させ、十分に熱を持った楔に巻きつけさせる。もと
もとある程度の大きさのそれが、触手が巻きついていることによりさらにその大きさを増
した。それを見て、宍戸は恐怖とともにくらくらするほどの期待感を覚える。
「それ・・・挿れんの・・・?」
「ああ。楽しみだろ?」
「そんなん・・・挿れられたら・・・壊れちまう・・・」
「テメェの身体はこの程度じゃ壊れねぇよ。あまりにも気持ちよすぎて、精神的には壊れ
ちまうかもしれねぇけどな。」
むしろ、壊してやりたいと思いつつ、跡部はそれを宍戸の蕾にあてがう。その瞬間、跡部
の楔に巻きついた触手は数え切れないほどの吸盤をむくむくと出現させた。
「いくぜ・・・」
そう呟くと跡部は容赦なく宍戸の中に、自分自身を埋め込んだ。吸盤が壁を刺激しながら、
一気に奥の奥まで入る感覚に宍戸は悲鳴を上げる。
「ひああぁぁ――っ!!」
「すげ・・・ありえねぇ力で締め付けてくる。」
「いやっ・・あっ・・・ああっ・・・」
「アーン?嫌だって?触手ではあんなに喜んでたくせに、俺様のを挿れられた瞬間、嫌だ
っつーのは、聞き捨てならねぇな。」
「ひっ・・・だって、吸盤・・・が・・・それに跡部の・・おっきいから・・・」
「問答無用。お仕置きだぜ。」
お仕置きと称して、跡部は激しく宍戸の中を擦り上げる。触手の動きとは比べ物にならな
いほどの激しいピストン運動に宍戸はガクガクと身体を震わせる。
「あっ・・ひっ・・・あはぁっ・・・!!」
「テメェん中で、吸盤がプチュプチュいい音立ててるぜ。ほら、気持ちイイんだろ?」
「あっ・・・ああぁぁんっ!!ひぃっ・・・ダメっ・・・イクぅぅ・・・っ!!」
激しく身体を痙攣させるが、熱の出口を塞がれている所為で、放出することが出来ない。
しかも、内側に入り込んでいる管から何かが熱いものが送り込まれ、堪えきれない程の疼
きがどんどん高まってゆく。
「あぁんっ・・・跡部っ・・・ああぁ――っ!!」
「どうよ?気持ちよくてたまんねぇだろ?その快感は、俺様がコレを抜くまで無限に続く
ぜ。」
「あふっ・・・そんなあ・・・ひっ・・ぅ・・・」
「今日は満月だからな。そう簡単には俺は満足しねぇ。テメェん中にたっぷり出して、テ
メェのことを死ぬほど気持ちよくさせてからじゃねぇと、抜く気になれねぇな。」
「そんなことされたら・・・死んじまう・・・・」
「バーカ。殺すわけねぇだろ。俺様の力をなめんなよ?テメェがそうなる限界ギリギリの
ところでずっと嬲り続けてやるからよ。テメェが感じるのは、至上の快楽。ただそれだけ
だ。」
悪魔の言葉は何て甘美なんだろう。そんなことを思いながら、宍戸は本能だけを残し、理
性はもう脳内から完璧に消し去った。本能のままに快楽を求めるというのは、跡部と出会
う前の宍戸には考えられないことであった。しかし、それが今は許される。それこそが自
分も跡部も満足出来る唯一の方法だと知ってしまった宍戸は、今までには感じることが出
来なかった部類の心地よさを感じていた。
「ハァ・・・そういや今日は全然こっちの方を弄ってやってねぇな。」
「んっ・・・はぁ・・・どこっ・・・?」
大事なことを忘れていたと言わんばかりに跡部は突然そんなことを口にする。ありとあら
ゆるところを弄られた感のある宍戸にとっては、その言葉の意味が全く理解出来なかった。
「ココだ。ココも可愛がってやらねぇと、テメェもつまんねぇだろ?」
つっと跡部が指先でなぞったのは、一本の触手が先端を覆っている茎であった。確かにい
つもに比べれば、あまり弄られていない気がするが、今は触手も取りついているし、中に
は管も埋め込まれている。これ以上、弄られたら大変なことになると宍戸は頭を横に振る。
「そこはいい・・・そこもされたら・・・俺っ・・・」
「言っただろ?限界ギリギリのところで嬲ってやるって。」
そういい終わった途端、先端だけを咥えていた触手がさらに大きく口を開き、茎全体を覆
う。その上、もう一本の触手が下のある蜜袋をピッタリと覆ってしまった。
「イイ声、聞かせろよ?」
次の瞬間、宍戸は背中を仰け反らせ絶叫する。宍戸の熱を覆った触手は、その内側に何百
という細かい襞を出し、その一枚一枚を絶妙に動かして、宍戸の茎を撫で回す。しかも、
それは外側だけではない。内側に埋め込まれた管からも細い羽毛のようなものが生え、小
刻みに動きながら宍戸を嬲った。
「あああぁぁっ!!やあぁぁっ・・・あぁぁんっ!!」
「すげぇ声。そんな声出されたら、もっと虐めたくなっちまう。」
宍戸の嬌声にゾクゾクしながら、跡部はしばらくの間止めていたピストン運動を再び開始
した。さっきよりもさらに激しく、宍戸の中を抉るように動く。この世のものとは思えな
いほどの強烈な快感に宍戸は目を見開き、愉悦に満ちた悲鳴を上げる。
「ああ・・・たまんねぇっ。身体中の血が沸騰しちまいそうだ。」
「うっ・・ああんっ!!跡部っ・・・ああっ・・・!!」
「本当テメェの身体は、最高だぜ、宍戸。くっ・・・そろそろ出るっ・・・」
一際奥へと自分自身を突き刺すと跡部は、ドクンと身を震わせる。宍戸の体内へドクドク
と熱い雫が注がれる。その感覚に耐えられず、宍戸も達するが、触手の所為で放出するこ
とが出来ない。放出出来ない代わりに、触手から大量の粘液が蜜袋へと送り込まれる。出
したいのに、出せない。それどころか、熱い粘液が管を逆流してくるという矛盾した状況
に、宍戸はただ泣き叫ぶしかなかった。
「ひぃああぁぁっ!!跡部っ・・・跡部ぇっ・・・おかしくなっちゃうぅっ・・・!!」
「ハァ・・・いいぜ、おかしくなっちまえよ。」
「いやあっ・・・お願いっ・・・出させて・・・出させてぇっ!!」
「別にいいけどよ、どうなっても知らないぜ。テメェがそれでもいいっつーんなら、その
触手、全部外してやるけどよ。」
「いいっ・・・どうなってもいいからっ・・・・ちゃんと出させてぇっ!!」
そこまで言うのならと、跡部は宍戸の茎から触手を全て取り去った。チュポンッと管が内
側から抜けると、今まで内側でわなないていた蜜を宍戸は思いきり放つ。
「ああぁぁんっ!!」
今まで塞き止められていたものが放出される快感。そんな快感に宍戸は恍惚としながら、
ヒクヒクと体を震わせる。
「やっぱ、テメェはとにかく出す方が好きみてぇだな。」
本当に気持ちよさそうな顔になっている宍戸を見て、跡部は呟く。そして、再び内側を犯
し始める。自分の放った蜜のおかげで滑りは半端なくよくなっている。もっと腸の奥の奥
へ自分の放った蜜を流してやろうと跡部は宍戸の腰を持ち上げた。
「ひゃあぁっ・・・跡部のが・・・奥に流れてくるぅ・・・」
「さっき綺麗に掃除してやったからな。俺が出したのは全部テメェの体に吸収してもらう
ぜ。」
先程よりも何倍も濡れた音を響かせながら、跡部は何度も腰を打ちつける。もっと吸盤の
吸着力を強くしてやろうと意識すれば、プチュプチュという音も必然的に大きくなる。そ
んな刺激に耐えられず、宍戸は何度も達する。しかも、今度はイけばイクだけ、たくさん
の蜜が放たれる。ある程度のところまでいくと、宍戸の茎の先端からは常に白濁色の蜜が
放たれ続けるという状態になった。
「ああぁぁんっ!!気持ちイイぃっ・・・出るの・・・止まらないぃっ!!」
「ふん、だから言っただろ?どうなっても知らねぇって。でも、テメェだけそんなにイク
ってのは不公平だよなあ?」
「じゃあっ・・・跡部も・・・出せよぉ・・・」
「そんなこと言っていいのか?テメェの中、すげぇことになるぜ。」
「いいぜ・・・跡部のだったら・・・どんなにたくさんでもいい・・・・いくらでも出し
てぇ・・・・」
悪魔である跡部は自分の快感と出す蜜の量を調節することなど、いともたやすいことであ
った。宍戸はそう言うのであれば、自分も至上の快楽に狂い、本能にまかせて出せるだけ
の精を宍戸の中に注いでやろう。そう心の中で思うと、跡部の身体に果てしない快感が駆
け巡る。
「ああ・・・出るっ・・・」
快感に身を任せ、跡部は宍戸をさらなる快楽に導く甜蜜を放つ。ドクドクと流れるその蜜
はとどまることを知らない。腸内全体に広がるほどの量の蜜は、その壁を擦り上げるかの
ような刺激を与え、じわじわと吸収されてゆく。それは宍戸にとって、今までで一番跡部
を直接的に感じることの出来る至上の快楽であった。
「はあぁぁんっ!!跡部が・・・跡部が・・・俺ん中に入ってくぅっ!!」
「あっ・・・ハァ、宍戸、もっともっとテメェの中に俺を入れてぇっ!!」
「入れて・・・入れて・・・もっといっぱい・・・これが一番気持ちイイからぁっ!!」
「くっ・・・はぁ・・・もう止められねぇ・・・宍戸っ・・・ああ・・・」
「ふああぁぁ・・・イイっ・・・跡部ぇ・・・・あはぁぁっ・・・!!」
どちらもまさにイキっぱなしの状態になり、身体を繋げている間、絶え間なく蜜を出し続
けていた。それは、満月が沈み、跡部の力がいつも通りに戻るまで続けられる。果てしな
い時間続けられる快楽遊戯。お互いの身体に溺れる幸福。二人にとって、この甘美な時間
は、これ以上ないほどの至福の時であった。

二人の身体が離れたのは、満月が沈み、太陽が昇り始めたころであった。跡部が宍戸の中
から楔を抜くと同時に、召喚されていた触手は跡形もなく消え去る。数時間にも及ぶ究極
の快感状態から解放され、宍戸は意識を失う直前のギリギリのところで、力なく倒れるて
いる。そんな宍戸の胴部と太腿は放たれ続けた自身の蜜の所為で、ビショビショに濡れそ
ぼり、白い雫が妖しい光沢を放っている。
ちゅっ・・・ちゅう・・・ちゅ・・・・
力なく倒れ、快感の余韻に浸っている宍戸の身体を跡部はさっきからペロペロと舐めまわ
している。宍戸が放った大量の白蜜を舐め取っているのだ。長い時間をかけ、少しも残さ
ず宍戸の蜜を綺麗に舐め取ると、満足気な溜め息をつき、宍戸の体を起こした。そして、
二度三度唇を重ね、ぎゅっとその体を抱きしめる。
「・・・あとべぇ・・・」
そうされると、宍戸は力の入らない体で跡部の体を抱きしめ返す。そして、跡部の顔を夢
見心地な瞳で見つめながらその名を呼んだ。
「どうした?宍戸。」
「まだ、離れたくねぇ。もっと、跡部とくっついてたい。」
「ふっ、嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか。安心しろ。俺もまだ離れる気はねぇからよ。」
そんな跡部の言葉を聞き、宍戸は嬉しそうに微笑みながら跡部の肩に頭を預ける。体力的
にも限界なのだろうと悟った跡部は、その場に豪華なキングサイズのベッドを出してやる。
宍戸の体を抱いたまま、跡部はそのベッドに体を預けた。
「このベッド・・・激寝心地いい・・・」
「そうか。そりゃ、よかったな。」
ベッドの寝心地のよさにうっとりとしながら、宍戸は呟く。そんな宍戸の頭を撫でながら、
跡部は口元に穏やかな笑みを浮かべている。
「跡部。」
「何だ?」
「今な、跡部の出したヤツが俺の体ん中ぐるぐる回ってるんだぜ。」
「ほう。」
「体ん中も跡部でいっぱいだし、外からも跡部に抱きしめられて、すっげぇイイ気分。」
先程の興奮がまだ冷めやらないないのか、宍戸の頬は綺麗な紅色に染まっている。頬を染
めつつ、そんなことを言う表情は偽りのない純粋な笑顔。その笑顔と言葉が、跡部をさら
に夢中にさせる。
「俺も今、すっげぇイイ気分だぜ。今までに味わったことがないくらいな。」
「へへへ、何か二人でイイ気分になれるっていいな。」
「そうだな。」
抱き合いながらくすくす笑い合っていると、ふっと宍戸の笑いが途切れる。そして、何故
かもじもじしながら跡部の顔を見上げた。
「あ・・のさ、跡部。」
「ん?どうした?」
「今日みたいなのってさ、跡部の力が高まってる時だったら、いつでも呼び出したり出来
んのか?」
「今日みたいなのって、あの触手のことか?」
「・・・おう。」
「いつでもってわけじゃねぇけど、少なくとも満月の夜だったら100%出来るぜ。」
それを聞いて、宍戸の目が輝いた。こんなことを口に出すのは、物凄く恥ずかしいが言わ
ずにはいられないことであった。
「だったら、満月のたびに・・・今日みたいなことしたい。」
「いいのかよ?触手はあんまり好きじゃねぇみたいなこと言ってなかったか?」
「だって、今日の・・・本当に本当に、マジありえねぇくらい・・・気持ちよかったから
・・・・何よりも跡部のが俺の体ん中に吸収されてく感じがすげぇよくて・・・」
「いいぜ。」
宍戸の言葉尻を掴むように、跡部は同意の言葉を口にする。それを聞いて宍戸の心臓はド
クンと高鳴った。
「本当か・・・?」
「ああ。つーか、もとはと言えば俺がしたいがために、半強制的にさせたようなもんだか
らな。それにテメェがハマってくれたんなら、どこにも断る理由はねぇだろ?」
恥ずかしさに染まっていた宍戸の顔が、パッと花が咲いたように笑顔になる。あの果てし
ない快感が一ヶ月に一度、必ず味わうことが出来る。そう考えただけでも、宍戸は天にも
昇るような気持ちになった。
「どうしよ・・・激嬉しい!!」
「そんなに嬉しいか?」
「おう!!」
「ふっ、本当テメェには敵わねぇぜ。次の満月、今から楽しみだな。」
「そうだな。今度もまた、跡部で俺ん中をいっぱいにしてくれよな!」
「俺は悪魔だぜ?そこはもう気にするとこじゃねぇのか?」
「確かに悪魔だけど、跡部は跡部じゃねぇか。俺は、他の誰でもない『跡部景吾』に心も
体も夢中なんだよ。」
「言ってくれるじゃねぇか。だったら俺だって、心底『宍戸亮』にハマってるぜ?」
『ふっ・・・あははははっ・・・』
自分達の言ってることがおかしくて、二人は声を上げて笑う。俗世間とは隔離された一つ
の教会。その中では、非日常的な日常が、当たり前のように作り上げられ、繰り返される
のであった。

                                END.

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