猫耳メイドはおもちゃがお好き?

全国大会を終え、しばらくしてから甲斐と平古場は東京に観光に来ていた。オシャレな二
人は、やはり一度は行っておかないとということで、渋谷や原宿で買い物中だ。
「渋谷も上等な服たくさんあって面白かったけど、原宿は変わった服とかアクセサリーが
売ってて面白いな。」
「ああ、すごいネタになるような服も意外と安い値段で買えたしな。」
そんな甲斐が手に提げている紙袋には、コスプレっぽい服やゴスロリな服が比較的安い値
段で買える店で買ったメイド服が入っていた。別に着たいとは思わないが、罰ゲーム等々
に使うには面白いだろうということで買っておいたのだ。
「そんな服、誰が着るかよ?」
「俺は着たいとは思わないけど、凛は似合うと思うぜ。」
「そんな服似合うわけ・・・・あれ?」
甲斐と喋っていると、見たことのある顔が平古場の目にとまる。それと同時に向こう側も
二人に気づいたようであった。
「あれ?お前ら、沖縄の・・・・」
「比嘉中の甲斐と平古場だな。こんなところで何してるんだ?」
甲斐と平古場の前に現れたのは、氷帝の跡部と宍戸であった。
「何してるって、普通に買い物だけど・・・」
「お前らこそ、こんなところで何やってるんだよって感じさー。特に跡部なんかは、こん
な街じゃ買い物なんてしないだろー?」
「そんなことはないぜ。なあ、宍戸。」
「まあな。今日は俺の買い物の付き合ってもらってるだけだし。」
「というか、お前らが二人で買い物してること自体が意外やし。いつも連れてるあのデカ
イ奴はいないのかよ?」
「樺地のことか?生憎今日はあいつも用事があるらしくてな。」
それはさらに意外だと、甲斐も平古場も顔を見合わせる。樺地はいつも跡部と一緒にいる
イメージがあるので、逆に別行動をしているということが意外だった。
「で、その服はイメクラにでも使うのか?私服じゃねぇだろ、それは。」
『えっ!?』
跡部の言葉に、甲斐も平古場も驚いたような声を上げる。その服の入った袋は、色のつい
た紙袋でピッタリと口が閉じられているため、中が見えるということはありえない。
「この袋に何が入ってるか分かるば?」
「ああ、分かるぜ。」
「何でだよ?あんな袋の店で買い物したことねぇし、俺は何入ってるかなんて分からない
ぜ。」
跡部の言葉にツッコミを入れたのは、宍戸であった。店に入ったことがあるならいざ知ら
ず、自分達は甲斐の持っている袋の店には入ったことはないのだ。
「アーン?それくらい分かって当然だ。」
「まあ、確かに私服には着ないような奴だけどな。ちょっと面白いなあと思って買ってみ
ただけさー。そんなに高くなかったしよ。」
「なるほどな。それなら、もっとそれ使っていろいろ楽しめるように、俺様がちょっとし
たプレゼントをしてやるよ。テメェらの泊まってるホテル教えな。」
圧倒的に上から目線で少々イラつくが、何かプレゼントがもらえるならと甲斐は跡部に自
分達が泊まっているホテルを教える。全く何を考えているか分からないと、宍戸は呆れた
ような表情で跡部見た。
「そろそろ、行くか宍戸。まだ、買い物終わってねぇしな。」
「お、おう。それじゃあな、お前ら。」
「おー、またな。」
「じゃーな。」
とりあえず、買い物を続けたいと跡部と宍戸は比嘉中の二人と別れた。氷帝の二人を見送
った後、甲斐と平古場はふぅっと溜め息をつく。
「本当、跡部の奴は意味分かんないさー。」
「同感。俺達はだいたい買い物終わったし、そろそろホテル戻るか。」
「そーだな。」
もう十分いろいろな物を買ったしということで、二人は泊まっているホテルに戻る。ホテ
ルに到着する頃には、跡部が何かをくれると言っていたことなどすっかり忘れてしまって
いた。

ホテルに戻り、夕食を食べ、入浴も終えると、二人は部屋でくつろぐ。せっかくなので、
今日買ったメイド服を平古場に着せたいと、甲斐はダメもとで頼んでみる。
「凛、今日買ったあの服着てみろよ。」
「何でよ?あんな服着れるわけないだろー。」
「だって、せっかく買ったんだから着なきゃもったいないだろー?俺が着るよりは絶対凛
が着た方が似合うと思うし。」
「そんなこと言って、着たら笑うんだろ?」
「笑わないさー。だって、今、凛が着てくれなきゃ、誰も着ないで終わるぜ、この服。し
たら、買った意味ないやし。」
それはさすがにもったいないなあと、平古場は少し考える。どうせその姿を見られるのは
甲斐だけだし、一度着るくらいだったらよいかなあと思い始める。
「絶対絶対笑うなよ!」
「着てくれるば?」
「だ、誰も着ないのはもったいないなあと思うし、裕次郎がどうしてもって言うなら。」
「やったー!!じゃあ、はい、これ。着替え終わるまで、後ろ向いてるさー。」
「お、おう。」
平古場が着てくれるということで、甲斐は素直に喜ぶ。メイド服を着るなんて恥ずかしい
なあと思いつつ、平古場は甲斐に渡された紙袋の中身を出し、今着ている服を脱いで、着
替え始めた。
(意外とサイズはピッタリだな。もっとキツイ感じになるかと思ってたけど・・・)
メイド服を着て、レースのついた靴下を穿き、オプションでついていた猫耳つきのカチュ
ーシャを頭につける。とりあえず、着替え終わったと平古場は甲斐に声をかけた。
「い、一応、着替え終わったけど・・・・」
平古場に声をかけられ、甲斐は平古場の方を向く。平古場のメイド姿は、想像よりも可愛
く、甲斐の胸を打ち抜いた。
「・・・・・・。」
「や、やっぱ、変だよな?似合わないよな?」
おどおどしながらそんなことを口にする平古場の手をぎゅっと握り、甲斐はテンション高
く思っていることを口にする。
「そんなことないさー!!もう本当でーじ可愛い!!想像以上やしっ!!こんなに完璧に
着こなしてくれるとは思ってなかったさー!!」
そこまで褒められれば悪い気はしない。ちょっと着てすぐに脱いでしまおうと思っていた
平古場であったが、そこまで甲斐が喜んでくれるなら、もうしばらくこのままでいようか
と考える。
「な、なら、もうちょっとこのまま・・・」
コンコン
と、ドアをノックする音が二人の耳に入る。さすがにこの格好を見られるのはマズイと、
平古場はドアからは見えない部屋の隅に移動し、甲斐がドアへと向かう。
「はい。どなたですか?」
「甲斐様と平古場様宛に、お届け物をお預かりしております。」
部屋を訪ねてきたのはホテルのスタッフであった。何か届け物があるということなので、
甲斐はドアを開け、それを受け取る。
「ありがとうございます。」
「それではごゆっくり。」
ドアを閉めると、甲斐は受け取った箱を見て、差し出し人を確認する。差し出し人欄には
跡部の名前が書いてあった。
「ああ、そういえば、何かくれるとか言ってたな。何が入ってるんだろ?」
平古場のいる方に向かって歩きながら、甲斐はその箱の中身を確認する。その箱の中身を
見て、甲斐はその箱を落としそうになる。
(何考えてるかよ、跡部の奴〜!!)
箱の中に入っていたのは、いわゆる大人の玩具とかアダルトグッズと呼ばれるような代物
であった。箱の中身にドキドキしながら、甲斐は部屋の中へ戻る。
「何の用だったば?」
「あー、何か届け物だって。跡部が何かくれるって言ってたろ?」
「そーいえば、そんなこと言ってたな。で、何もらったば?」
平古場にそう尋ねられ、甲斐は何と答えようか迷う。猫耳メイドな平古場と箱の中身を交
互に見ていると、甲斐はどうしようもなくムラムラした気分になってくる。
「大したものじゃなかったさー。それより凛・・・」
「えっ・・・?」
つかつかと平古場に近づき、ベッドの方へ追いやる。そのままベッドの上に平古場を乗せ、
跡部からもらった玩具の入った箱をベッドの足もとに置きつつ、自分自身もベッドに乗っ
た。
「な、何かよ?裕次郎。」
「凛があんまりにも可愛いから、でーじしたくなった。」
そう言うと、甲斐は平古場の唇にキスをし、ベッドの頭の部分に平古場の身体を押しつけ
る。身動きがとれないまま、何度もキスをされ、平古場もすっかりその気になってしまう。
しかし、今はいつもとは違う格好だ。甲斐の口が離れると、平古場はうつむいて甲斐の服
を掴み、ぼそっと呟く。
「こんな格好でするのは・・・恥ずかしい・・・・」
しかし、その仕草と言葉が甲斐にとってはかなりツボで、俄然やる気になる。
「大丈夫さー。今の凛、でーじ可愛いし、何の問題もないさー。」
「けどっ・・・」
「凛がそれ脱ぐの待てない。」
「うー・・・」
平古場自身もある程度はやる気になっているので、甲斐の言葉にハッキリ抵抗するという
ことはしなかった。平古場がほとんど嫌がっていないのをいいことに、甲斐はスカートの
中に手を入れ、下着を脱がしてしまう。
「あっ・・・」
「こんな可愛い格好してるのに、このパンツはないだろ。」
「やっ・・・脱がすなよぉ・・・・」
「でも、凛のココ、まだそんなに触ってないのに、勃ってきてるぜ?」
あらわになった平古場の熱をぎゅっと掴み、甲斐はその手を軽く上下に動かしてやる。そ
れだけで、平古場はあからさまに感じているような声を上げる。
「ひゃっ・・・あっ・・・あんっ・・・・」
「弄ってやると、もっと分かりやすく硬くなるな。」
「んっ・・・直接触られたら・・・・そうなるに・・・決まってるだろっ・・・・」
「こんなに可愛いメイド服着てるのに、ココはやっぱ男だよな。今日はもっともっと気持
ちよくさせてやるよ。」
平古場の熱がある程度高まると、甲斐はニヤリと笑って、跡部からもらった箱に入ってい
た玩具のうち、二つのローターを手に取り、その熱にくくりつける。スカートの中で何を
されているのか分からない平古場は不安気な顔で、甲斐を見た。
「何してるば?裕次郎。」
「んー、内緒。」
「何か・・・変なのがくっついてる感じが・・・・」
「まあ、くっつけてはいるぜ。このダイヤルを回せばいいんだよな?」
カチカチカチ・・・・
ローターにつながっているコントローラーのダイヤルを甲斐は回す。その瞬間、平古場の
熱から二つの機械音が響いた。
「ひっ・・・ああぁ――っ!!」
予想だにしない振動が敏感な部分を刺激する感覚に、平古場は一際大きな声を上げる。
「やっ・・・やだっ・・・何だよぉ・・・コレ・・・・あっ・・・あ・・・」
「ブルブルするのが気持ちいーだろ?」
そう言いながら、甲斐はメイド服の背中のジッパーを下ろし、胸が見えるくらいまで脱が
す。そして、熱にくくりつけているのと同じローターを手にし、平古場に見せた。
「コレと同じのが凛のにくっついてるさー。」
「何だよ・・・?それ・・・?」
「大人の玩具ってやつさー。跡部がくれた箱の中にこーいうのがいっぱい入ってた。これ
がスイッチで、スイッチを入れるとこうなってな・・・」
手にしているローターのスイッチを入れ、甲斐はそれを平古場の胸の突起へ押し当てる。
突起を激しく擦られる振動に、平古場はビクンとその身を震わせる。
「ふあっ・・・ああぁんっ!!」
「ココもかなりよさそうだな。」
「あっ・・・ああ・・・それ・・・ダメぇ・・・・」
「でも、凛、しに気持ちよさそうだけど?」
「ブルブルするの・・・いっぱいされると・・・変になっちゃう・・・」
快感に染まった顔でそんなことを言われたら、もっとしたくなってしまう。ニッと口元に
笑みを浮かべると、甲斐は今スイッチを入れているもののダイヤルをさらに回し、一気に
振動を強くした。
「ああぁ――っ・・・ダメっ・・・ひぅっ・・・ああぁんっ!!」
「いい声。可愛いー。」
「やあっ・・・裕次郎っ・・・あっ・・・ああぁっ・・・!!」
「気持ちいいなら、気持ちいいって言えよ。その方が興奮するし。」
「あっ・・・強いの・・・気持ちいっ・・・・ひあっ・・・もう・・・イっ・・・!!」
未体験の大きすぎる刺激に平古場は達してしまう。イっていても振動は止まらないため、
しばらくビクビクとしながら、声にならない声を上げ、イキ続けた。
「―――っ・・・ぁ・・・っ・・・―――――っ!!」
(ヤバイ、このイってる感じはすごいツボかも・・・)
いつもより激しく達している平古場を眺め、甲斐は体が熱くなるのを感じる。もっと違う
感じの平古場も見たいと、とりあえずローターのスイッチは切り、熱にくくりつけてある
ものは外してやった。
「・・・・っ・・・ぁ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
「すげぇたくさん出したな。つけてたヤツがトロトロになってるぜ。」
「あんないっぱいブルブルされたら・・・そうなるやし・・・・」
「イってる凛、本当可愛くて、こっちまでイキそうになったさー。」
「冗談言うなし・・・もぉ・・・・」
呼吸を乱しながら顔を真っ赤にしている平古場は、甲斐をより夢中にさせる。平古場の呼
吸がある程度整うと、今度は四つん這いになって欲しいと甲斐は頼んだ。
「今度は後ろ弄ってやるから、ベッドに手ついてお尻こっちに向けろよ。」
「かなり恥ずかしー格好だろ、それ。」
「別に俺しか見てないんだからいいじゃん。ほら、早く。」
確かにそうだけどとぶつぶつ文句を言いつつ、平古場は指定されたポーズをとる。今度は
後ろの方を弄る玩具を使ってやろうと、甲斐はまずそこを慣らすためのローションを出し
た。
「ひゃっ・・・!!」
「あ、冷たかったば?大丈夫、ただのローションさー。」
「うぅ・・・でーじぬるぬるしてるし・・・・」
「でも、ぬるぬるしてるから、何の抵抗もなしに指入っちゃうぜ。」
「ふあっ・・・ああ・・・!」
たっぷりのローションを平古場の蕾に垂らし、指をぐっと中に入れる。ローションのおか
げで外も中もぬるぬるになっているため、平古場のそこはあっという間に甲斐の指を二本、
三本と飲み込んだ。
「あぅっ・・・あ・・・ゆうじろぉ・・・・」
「指で弄るのはこれくらいでいいかなあ。」
そう言いながら、甲斐は平古場の中から指を抜く。指を抜くとローションが糸を引き、何
だかとってもエロい感じになっているなあと、甲斐はドキドキと胸を高鳴らせた。そして、
跡部からもらった箱の中に入っている少し大き目のバイブレーダーを取り出し、平古場の
そこへ押し当てた。
「ひっ・・・な、何かよっ・・・?」
「今度はコッチを弄る玩具だぜ。本当跡部の奴、こんなのどこで買うんだろうな。」
「やっ・・・やだっ・・・そんなの入れ・・・ああぁ――っ!!」
平古場の言うことには全く耳を貸さず、甲斐はそれをぐいっと中へと押し込んだ。思った
よりすんなり入っていったのを確認すると、先程のローターと同じようにダイヤルを回し
てスイッチを入れた。
ヴイィィン・・・・
「ああぁ―――っ・・・嫌ぁ・・・ダメぇ・・・!!」
「凛のお尻、でーじビクビクしてる。結構デカイのにちゃーんと咥え込んでるし。」
「ああぁんっ・・・中・・・掻き回されるの・・・やあぁ・・・・」
「ただ掻き回されるだけじゃ物足りないって?」
平古場がかなりイイ反応を見せるので、甲斐はやらしい笑みを浮かべながら、平古場の中
に入っているものを抜き差しする。中で回転するような刺激と出たり入ったりする刺激に
平古場はシーツをぎゅっと掴み、イヤイヤと首振る。
「あっ・・・ひぅっ・・・やっ・・・ああぁっ・・・!!」
「嫌って言いながらも、すっげぇ感じてるじゃん。メイド服着て、猫耳つけて、四つん這
いで、玩具に弄られて喘いでるなんて、じゅんにエロい。」
「そんなこと・・・言うなよぉ・・・・」
「いや、でも、本当今の凛可愛いぜ。あ、そうだ!」
何かいいことを思いついたというようなニュアンスで、甲斐はポケットの中から携帯を取
り出す。そして、その携帯を平古場に向けた。
「今の凛、写メっていい?」
「だ、ダメに決まってるだろっ!!」
「えー、でも、こんなに可愛いのに。」
「それは本当に・・・勘弁してくれっ・・・本当にっ・・・やだっ・・・」
その声色と今にも泣いてしまいそうな表情から、平古場が本気で嫌がっていることが分か
った。さすがにそれで撮るのは可哀想だと、甲斐はとりあえずは携帯をおろす。しかし、
ただやめるのはもったいない。
「分かった。写メ撮るのは諦めるからよー、これから言うこと言って。その言葉、言って
くれたら、写メは撮らない。でも、どーしても言えないって言うなら、やっぱり撮る。」
「な、何を言えば・・・いいか・・・?」
せっかくなのでこの衣装にあった恥ずかしいセリフを言ってもらおうと、甲斐はどんなセ
リフがいいかを考える。しばらく考えて、これがいいというセリフを甲斐は口にした。
「『ご主人様、もう玩具じゃなくて、ご主人様のを入れて欲しいにゃ。』ってセリフを言っ
てもらおうかな。」
「なっ・・・!?」
「言えないなら、写メで許してやるよ。さあ、どっちにする?」
「うう・・・」
まさかそんな恥ずかしいセリフを言わされるとは思っていなかったので、平古場は悩む。
しかし、この格好を写メで撮られるよりは、一度その言葉を言ってしまった方が一瞬の恥
ずかしさで済む。そう判断した平古場は、指定されたセリフを言うことを選んだ。
「・・・様、も・・・じゃなく・・て、ご、ご主人様の・・・れて・・・欲しい・・・・
にゃ・・・」
「声小さくて聞こえないぜ。もっと大きな声でハッキリ言わないと、写メる。」
写メられるのだけはどうしても避けたいと、平古場は恥ずかしさを必死で堪えながら、よ
り大きな声でそのセリフを口にする。
「ご、ご主人様・・・もう玩具じゃ・・・なくて、ご主人様の・・・入れて欲しい・・・
にゃっ・・・・―――っ!!」
内側を弄られたままということもあり、そのセリフをハッキリ口にした瞬間、耐えがたい
程の羞恥心のために平古場は達してしまう。この感じはたまらないと、甲斐は玩具をそこ
から抜き、平古場の後ろに移動し、代わりに爆発寸前の自身の熱を押し当てた。
「本当最高。こんなに可愛くおねだりされたら、もう我慢出来ないさー。」
「あっ・・・裕次郎っ・・・んっ・・・ああぁ―――っ!!」
恥ずかしさと気持ちよさで平古場の頭の中はもうぐちゃぐちゃで、何が何だか分からず半
泣き状態であった。しかし、甲斐が自分の中へ入ってくると、もっと奥まで欲しいと言わ
んばかりに、大きく腰が動く。
「でーじ気持ちいい。凛の中、ぬるぬるで熱くて。」
「んっ・・・あっ・・・ああぁ・・・・」
「なあ、さっきの玩具とどっちがいい?玩具?それとも俺の?」
平古場に覆いかぶさるように手をベッドについて、甲斐は耳元でそんなことを尋ねる。そ
んな感覚にぞくぞくしながら、平古場は乱れる息の合間に言葉を紡ぐ。
「んなの・・・聞かなくても・・・・分かるだろっ・・・・」
「分からないさー。玩具に弄られて、凛、でーじ気持ちよさそうだったし。実際イってる
しな。」
「・・・裕次郎の・・・裕次郎のが・・・いいに決まってるやしっ・・・・」
「へへ、そっかぁ。じゃあ、もっと俺のでたっくさん弄ってやるよ。」
「あっ・・・ふあ・・んっ・・・あんっ・・・!!」
平古場の言葉に甲斐はテンションも興奮度も上がり、何度も激しく腰を打ちつける。熱く
それ自身も蜜を溢す甲斐の楔に、平古場ももう虜になっていた。
「ハァ・・・もう、凛の中気持ちよすぎて、イッちゃいそう。」
「あっ・・・ん・・・ゆうじろっ・・・俺も・・・いっぱい気持ちよくて・・・・」
「あっ・・・もうヤバっ・・・イクっ・・・!!」
「んんっ・・・あ・・・ああぁ―――っ!!」
奥の方へ熱い蜜が放たれると平古場も何度目かの絶頂を迎える。全てを出しきっても甲斐
はしばらく平古場の中からそれを抜かず、ぎゅうぎゅうと締めつけられる感じを楽しみな
がら、平古場の身体を強く抱きしめた。

事が終わると、平古場はメイド服を脱ぎ、ほとんど何も身につけていない状態でベッドに
横になっていた。ほどよい疲労感が眠気を誘い、うとうとしていると、甲斐が猫耳カチュ
ーシャをつけてくる。
パシャっ
甲斐の方を振り向こうとした瞬間、携帯で写真を撮られ、平古場はほんの少し不機嫌顔に
なる。
「やっぱ、凛、それ似合うさー。」
「勝手に写メ撮るなし。」
「だって、さっきは撮らしてくれなかったからさー。メイド服は脱いじゃったから、せめ
て猫耳な感じは撮りたいと思ってよ。」
どれだけこれが気に入ったんだと、少々呆れつつも、そこまで本気では怒らない。
「もう裕次郎なんて知らん。」
そう言いながら、平古場は猫耳カチューシャをつけたまま甲斐に抱きつき、顔を埋める。
言葉と行動が全くあっていないが、そんな平古場に甲斐はもうメロメロであった。
「このカチューシャもメイド服も、大人の玩具も全部沖縄に持って帰って、また今日みた
いなことしたいなぁ。」
「持って帰るのは百歩譲ってよしとして、向こう帰ってからやるのは無理があるだろ。」
「何でよ?」
「俺の家にも裕次郎の家にも、家族がいるだろー。そんな中で出来るわけないさー。」
「誰もいないときにすれば、問題ないさー。」
「どれだけしたいんだよ、全く。」
今日みたいなことは恥ずかしくてもうしたくないという気持ちとあの玩具はかなり気持ち
よかったのでまたしたいと思う気持ちが交錯し、平古場は無駄にドキドキしていた。そん
なふうに思っていることを気づかれたくないと、平古場は無愛想な顔をし、さらにその顔
を見られないように努める。しかし、甲斐は平古場が考えていることなど、お見通しであ
った。
「何だかんだで、凛も結構今日の感じは気に入ってるんだろ?」
「そ、そんなことないしっ!!」
「隠してもバレバレだぜ。また、絶対しよーな!」
本当に楽しそうな顔で甲斐がそんなことを言ってくるので、平古場は全力で拒否するとい
うことは出来なかった。
「・・・・誰もいなくて、俺もしたいって思ったらしてもいいさー。」
ぼそっとそう呟く平古場の言葉を甲斐は聞き逃さなかった。今日は平古場は本当いつも以
上に可愛いことを言ってくれるなあと思いつつ、甲斐はぎゅっと平古場の身体を抱きしめ、
顔を緩ませる。

東京での二人きりの夜。いつもとは少し違った雰囲気に、二人は胸をときめかせるのであ
った。
                                END.

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