重を抱きしめたまま、舳丸はその手をすっと重の腰の下あたりへ持ってゆく。そして、ち
ょうどよい位置まで移動させると、もみもみと袴の上から重の双丘の片方を揉み始めた。
「ちょっ・・・舳丸、何してんだよ!」
「何がだ?」
「何がって、何で俺の尻揉んでるんだよ!」
「何でって言われてもなあ・・・ちょうどいい位置に重の尻があるから。」
「無茶苦茶じゃん・・・」
いきなり尻を揉まれて、重は思わずつっこむが、舳丸はいつもの冷静な表情を崩さず、飄
々とそう返す。恥ずかしいなあと思いつつも、重は舳丸の行動をやめさせようとはしない。
そんな重の態度に気をよくした舳丸は、真っ赤になっている重の頬にちゅっと軽く口づけ
をした後、自分の唇を重の唇に重ね合わせた。
「ふ・・・んむ・・・ぅ・・・・」
突然唇を奪われ、驚く重であったが、全く嫌な感じはしなかった。微かに塩味のある唇に、
柔らかく器用に動く舌。そのどれもが舳丸のものであるということを意識するだけで、重
の胸はドキドキと高鳴った。
(どうしよう・・・こんなにドキドキしてたら、舳丸に心臓の音聞こえちゃう。)
そう思うと余計に鼓動は速くなり、重の顔をより赤く染めてゆく。そんな重の様子を細く
目を開きながら眺めつつ、舳丸は双丘に回していた手を器用に動かし、重の袴と褌を脱が
していった。舳丸のキスにすっかりとろけてしまっている重は、そんなことに気付けるは
ずがなかった。
「ふぁ・・・ハァ・・・みよ・・・んっ・・・・」
いったん口を離しても、すぐまた口を塞いでしまい、重にしゃべる隙を与えない。そんな
ことをしている間に、舳丸は重がその体の下に身につけていたものを完全に脱がしてしま
った。
「んっ・・ふはぁ・・・ハァ・・・?」
(あれ?何か下に直接水が触れてる気が・・・?)
唇を離され、重はやっと自分のしている格好の異変に気がついた。海水の中で、自分の足
に触れてみると、今までそのあたりを覆っていた布が完全になくなっていた。
「ええっ!?何で!?」
「どうした重?」
「袴と褌が・・・って、舳丸、何持ってんだよ!」
「重の袴と褌だが、それがどうかしたか?」
「どうかしたかじゃなーい!何いつの間に脱がしてんだよ!」
気付かないうちに、袴と褌を脱がされたなら、そりゃ文句の一つも言いたくなるだろう。
しかし、そんな重の文句を聞き流すかのように、舳丸は重の袴を綺麗にたたみ、流されな
いように褌でそれを縛って、先程沈没船から取って来た宝物が入った袋に結びつけた。
「文句言ってるが、お前のここは、そういうことがしたくて仕方ないみたいだぞ?」
「あっ・・・」
ニヤリと笑って、舳丸は水の中の重の熱をきゅっと握る。あまりに直接的な刺激に、重は
思わず声を上げてしまう。もっと可愛い声で鳴かせてやろうと、舳丸はゆるゆると熱を握
る手を動かし、空いている手を双丘の間に持っていった。
「やっ・・・舳丸っ・・・ふあっ・・・・!」
「重のここは本当に素直だな。さっきよりも硬くなってきてるぞ。」
「だ、だって・・・舳丸がっ・・・弄るからぁっ・・・」
「私にこうされるのは嫌か?」
舳丸がそう尋ねると、重はふるふると首を横に振った。こういうところは本当に素直で可
愛いと、舳丸は口元を緩ませながら、熱を握っている手の動きを速くする。
「あっ・・・やぁ・・んっ・・・あっ・・・ああっ・・・!!」
「嫌ではないんだな?」
「んっ・・・んん・・・・」
舳丸にしがみつきながら、重は今度は首を縦に振る。それならば、思いきり続きをさせて
もらおうと、入口を軽く撫でていただけの指を、その中へと挿入させた。
「ひっ・・・ぅんっ・・・!」
「水の中だと入れやすくていいな。どうだ?重。痛くないか?」
「痛くは・・・ない・・・」
「そうか。それなら大丈夫だな。」
それなら何の問題もないと、舳丸は後ろの蕾に入れた指を動かし始める。始めはぎゅうぎ
ゅうときつくその指を締めつけていたそこも、だんだんとほぐされてゆき、より動かしや
すくなっていった。
「あっ・・・あぁ・・・みよっ・・・」
「ちゃんとほぐれてきてるぞ。ほら。」
「ひあっ・・・やだぁ・・・広げないでぇ・・・」
重の中に入れた二本の指を舳丸はぐっと広げる。そうされることによって、指と指の間の
隙間から海水が入り、やわやわと重の内壁に何とも言えない刺激が与えられる。
「だめぇ・・・水が・・・中に入っちゃう・・・」
「冷たくて気持ちいいだろ?重のここはすごく熱くなってるしな」
「んんっ・・・だ、ダメっ・・・ダメぇ・・・」
海水が中に触れる感覚が苦手らしく、重は息を乱しながら、そんな言葉を繰り返す。しか
し、それが逆に舳丸の興奮を煽り、その行動をよりエスカレートさせた。
「どうされるのがダメだって?」
「指広げるの・・・やっ・・・」
「ふーん、こうか?」
「あっ・・・やあ・・・だめ・・・ああっ・・・!!」
先程よりも更にそこを広げ、その部分に水が行くように使っていない指を動かす。指を動
かすことで生まれる水の流れが、重のそこを更に刺激し、ビクビクと重の下肢を震わせた。
「ああっ・・・舳丸っ・・・あっ・・あっ・・・」
「嫌だって言ってるわりには、随分と気持ちよさそうじゃないか。」
「そんなこと・・・な・・・い・・・」
「なら、これは何だ?さっきより先の方がぬるぬるしているぞ。」
前の熱を握っていた手を動かし、舳丸はその先端を指の先でぐりぐりと擦る。水の中でも
分かる程、そこはぬるぬると滑っていた。
「ひあっ・・・ああぁんっ・・・!!」
「嘘はいけないぞ、重。」
「嘘じゃ・・・な・・い・・・もん・・・」
「ほぅ。本当に嘘じゃないんだな?」
そう言いながら、舳丸は重の弱いところばかりを弄るように、中に入れている指を動かし
始める。舳丸の指の動きに合わせて、重のそこは収縮を繰り返し、外にあるものを誘い込
むような動きをし出した。そのため、指を抜くと舳丸が何も手を加えなくとも、重のそこ
は自ら海水を飲み込んでゆく。
「あっ・・・やあぁっ・・・ダメっ・・・くぅんっ・・・!!」
「今は別に重のココを広げたりはしてないぞ?」
「中に入ってきちゃう・・・うあっ・・・ひぅ・・・」
「嫌なのに、重のここは自分から水を飲んでるもんなあ。きゅうきゅう動いて。ほーら。」
「ああぁんっ・・・ダメ・・・ダメぇ・・・っ!」
ちゅぷっと舳丸が指を抜くと、大きな動きで重の蕾は海水を飲む。自分ではコントロール
出来ないその部分の動きに翻弄され、重は舳丸にしがみつきながら、海の水で内側を犯さ
れる感覚に喘いだ。
「重の中、海水で濡れてぐちゅぐちゅになってるぞ。これじゃあ、私にされているという
よりは、海にされてるって感じだな。」
「やっ・・・違っ・・・」
「すごく妬ける。重をこうしていいのは私だけだ。」
重の耳元でそう囁くと、舳丸は内側の一番感じる部分をぐりっと擦り、それと同時に先走
りの雫でぬるぬるになっている熱を下から上に向かって大きく擦り上げた。そんな大きな
刺激に耐えられず、重はビクビクとその身を震わせ、白濁の雫を海の中へと放つ。
「あっ・・・ああぁ―――っ!!」
この上なく甘い悲鳴に、舳丸の興奮は最高潮に達する。
(ああ、いつ聞いてもこの声はたまらないな。)
蕾から指を抜き、熱い精を放った熱から手を離すと、舳丸は、絶頂の余韻に可愛らしくそ
の身を震わせている重の頭を優しく撫でる。そして、頭を撫でているとは逆の手で、自分
の袴の紐を緩め、既に大きくなっている熱を褌の中から出した。
「重。」
「ハァ・・・舳丸・・・」
「もう、入れてもいいよな?」
もうだいぶ切羽詰まっているのだが、そんな素振りを全く見せず、舳丸はそう尋ねる。そ
んな舳丸の問いに、重はコクンと頷いた。
「んっ・・・んんっ・・・」
重の腰を引き寄せ、舳丸は熱の塊を重の蕾に押し当て、ぐっとその身を進めた。舳丸自身
が自分の中へと入ってくる感覚に、重は言いようもない甘い痺れを感じる。
「あっ・・・ハァ・・・みよ・・・し・・・まるぅ・・・」
「まだ少しきついが、水中だとだいぶ入れるの楽だな。」
「あっつい・・・よぉ・・・」
「これでもう水は入って来ないだろ?」
「入って来ないけど・・・中・・・いっぱい・・・」
呼吸を乱しながらそんなことを呟く重の唇に口づけ、舳丸はふっと微笑む。
「お前の中が、何でいっぱいだって?」
「舳丸で・・・舳丸でいっぱい・・・」
「まだ、完全にはいっぱいではないぞ。」
ある程度は入っているものの、まだ完全には入りきっていない。早く全てを入れてやろう
と、舳丸はずっとその全てを重の中に埋めてやった。
「ああっ・・・はあぁんっ!」
「ほら、これで全部入ったぞ。」
「あっ・・・ああ・・・み、みよ・・・」
「重の中、すごく気持ちがいいぞ・・・」
全てが中に入ると、その全てが重の内壁に締めつけられる。その感覚がどうしようもなく
心地よく、舳丸は熱い吐息を漏らした。
「んっ・・・ふあっ・・・あぁ・・・」
「重。」
「な・・に・・・?」
「自分で動いてみろ。出来るだろ?」
「・・・やってみる。」
自ら腰を揺らす重が見てみたいと、舳丸はそんなことを言う。出来るかどうかは分からな
いが、自分も舳丸と同じ水軍の中でも、トップクラスの水練なのだ。試しもせずに出来な
いなどというのは、重にとっては許せないことであった。
「んっ・・・んぅ・・・あっ・・・あ・・・」
「なかなかいいぞ、重」
「あっ・・くぅ・・・んんぅ・・・」
バシャバシャと水音を立て、足のつかない海中で重は懸命に腰を動かす。
(だめだ・・・うまく出来ないっ・・・もっとたくさん動きたいのにっ・・・)
「ふっ・・・ああ・・・み、舳丸っ・・・」
切なげな声で、重は舳丸の名前を紡ぐ。そんな重の声を聞き、舳丸の心臓はドクンと跳ね
た。
「どうした?」
「うまく・・・動けない・・・」
「そうか?私はかなり気持ちいいが・・・」
「だめなんだよぉ・・・これじゃあ・・・もっとちゃんと・・・したいのにぃ・・・」
ぽろぽろと涙を流しながら、そんなことを言ってくる重に舳丸の胸はきゅんとときめく。
一生懸命に動いている重を見るだけでも、かなりキていたのに、切なげな声でそんなこと
を言われたら、理性の糸も切れるというものだ。よしよしと幼い子供をあやすように、背
中を撫でてやると、舳丸はいつもとは少し違う視線を重に向ける。
「重はちゃんと出来てるよ。ただ少しお前自身物足りないんだよな。」
「うん・・・」
「大丈夫だ。ここからは私がちゃんと動いて、お前のこと最高に気持ちよくさせてやるか
ら、もう泣くな。」
ペロッと重の涙を舐め取ると、舳丸はすっと両手を重の腰のあたりへ持ってゆく。そして、
しっかりとその部分を支えると、水軍一の水練らしい動きで、重の中を責めた。
「あっ・・・ん・・・ああっ・・・ああぁんっ!」
「もっとしっかり動くにはな、波の動きに合わせてやればいいんだ。」
「んんっ・・・あっ・・・!」
「ほら、こんなふうに・・・」
「ひっ・・・ああぁっ・・・!」
波が身体を持ち上げ、身体が下がるタイミングに合わせて、舳丸は思いきり突き上げる。
奥の奥まで舳丸が入ってくる感覚に、重は背中を仰け反らせ、ビクンとその身を跳ねさせ
た。
「どうだ?分かったか?」
「んんっ・・・あっ・・・ああ・・・」
舳丸の楔で内側を抉られる感覚に喘ぎながら、重はこくこくと舳丸の言葉に頷く。こんな
状態でも、しっかりと自分の問いに答える重が本当に可愛いと思いながら、舳丸は更に激
しく動き始める。
「ひあっ・・・ふあぁんっ・・・あ・・はっ・・・ああっ・・・!!」
「重はここが弱いんだったよな。」
「〜〜〜っ!!ああぁ――っ!」
一番感じる場所を的確に突かれ、重は声にならない悲鳴を上げ、達する寸前まで高められ
る。しかし、舳丸は次の刺激をそうすぐには与えず、重を達かすということはしなかった。
「少しでも長く楽しみたいだろ?」
「ハァ・・・あっ・・・んんっ・・・」
「お前が気持ちよければ、私も気持ちがいい。そんな感覚をもっと味わっていたいからな。」
ニッコリと微笑みながら、そう言ってくる舳丸に、重の胸はひどく高鳴る。もうそれだけ
でも達ってしまいそうだと思いながら、重はゆるゆると自ら腰を動かし始めた。
「もっと動いて欲しいのか?」
「・・・うん。」
「じゃあ、ちゃんと言ってみろ。そうしたら、もう焦らすことなんてしないで、たくさん
動いてやるぞ。」
自らそういうことを口にするのは、かなりの恥じらいがあったが、それ以上に身体は舳丸
を求めていた。息を整えることもせず、重はその言葉を口にする。
「ハァ・・・もっと・・・たくさん動いて・・・舳丸。」
「了解。」
一言そう答えると、舳丸は先程と同じように激しく重の中を擦り始める。舳丸の熱いモノ
が中で動くたびに、重はどうしようもない快感を感じ、その口から甘い声を漏らし続けた。
「あっ・・ああぁんっ・・・ふあっ・・・ああぁっ・・・!!」
「気持ちいいか?重。」
「んんっ・・・気持ち・・い・・・舳丸のが・・・俺の中擦るの・・・すご・・い・・・
気持ちいいよぉ・・・」
「そうか。私も最高に気持ちいいぞ.」
重が快感を感じれば、同じくらい舳丸も気持ちよくなれた。その心地よさをもっともっと
感じようと、舳丸は重が一番よいと感じるところばかり責めた。
「はぁ・・・みよし・・・まる・・・俺、もう・・・もうっ・・・」
激しく息を乱し、切羽詰まったような声で重は言葉を紡ぐ。
「イキそうなのか?」
「んっ・・・んんっ・・・」
強い力でしがみついてくる重に、舳丸はそう尋ねる。そんな舳丸の問いに重はハッキリ頷
いた。
「私もそろそろ限界だ。一緒にイクか、重。」
重がその言葉に頷く前に、舳丸は海の呼吸を読みながら、一際大きく重の中を突き上げた。
大きな衝撃と共に感じる熱い熱い舳丸の雫。そんな雫が自らの最奥を濡らす感覚に、重は
今までとは比べ物にならない程の快感を感じる。身体も心も舳丸で満たされる。それがた
まらなく心地よく、重は聞くものをとろかせてしまうような、甘い甘い声を上げた。
「ああっ・・・ああぁ―――っ!!」
ビクビクと震える身体は、舳丸自身を包んでいる内壁にも伝わり、そこでしか味わえない
快感を舳丸に与える。
(気持ちよすぎて・・・とけてしまいそうだ・・・)
そんなことを考えながら、舳丸は長く続く絶頂感にその身をゆだねていた。とけてしまい
そうな快感の余韻に浸りつつ、舳丸は、自身を重の中から抜こうとする。しかし、あと少
し腰を引けば、するりとその楔が抜けてしまうというところで、重がその動きを止めた。
「やだっ・・・舳丸っ・・・」
「えっ・・・?」
「まだ・・・抜いて欲しくない・・・」
「でも・・・」
「もっと・・・舳丸と・・・繋がってたいよぉ・・・」
切なげな声で、甘えるようにそう言われ、舳丸のそれは完全にその硬さと熱を取り戻す。
そこまで言われてしまっては、このまま終わらせるわけにはいかない。
「うんっ・・・」
舳丸のその言葉に、ふっと笑みを浮かべながら、重は嬉しそうに頷く。青い青い海の中、
二人はもうしばらく身体を繋げ、交じり合う熱の心地よさを味わうのであった。
満足するまで身体を繋げ、存分にその感覚を楽しむと、二人はゆらゆらと海に身体を預け、
一休みをする。ある程度体力が回復すると、舳丸は宝物の袋に結びつけていた重の袴と褌
を手にする。
「重、ちょっとこっちに来い。」
「何?」
自分のすぐ近くまで重を呼び寄せると、舳丸は海面から顔を出したまま、重に褌を身につ
けさせる。水の中でよくもまあこんなに器用に人の褌を締められるなあと、重は素直に感
心してしまった。
「すごいな、舳丸。よく手元も見ないで、しかも、水の中で褌締められるな。」
「こんなこと朝飯前だ。私は重が赤ん坊の頃から、世話をしてやってきたんだぞ?おしめ
変えたり、着替えさせてやったり。これくらい出来て当然だろう。」
自信満々にそんなことを言ってくる舳丸の言葉を聞いて、重はちょっと恥ずかしくなりな
がらも、そんなに昔から自分は舳丸と一緒に居たのかということを再認識し、嬉しくなる。
「何をそんなにニヤけてるんだ?」
「別にー。何でもないよ。」
「変な奴だな。ほら、袴も穿かせてやるから、軽く足上げろ。」
「はーい。」
普段は子供扱いされることを嫌がる重であったが、今日ばかりは、そんな扱いをされるの
も悪くないと、素直に舳丸の言うことに従う。きっちり袴も穿かせてもらうと、重は満面
の笑みを浮かべて、舳丸にお礼の言葉を言った。
「ありがとう、舳丸。」
「ああ。」
「舳丸。」
「何だ?重。」
「大好き!」
屈託のない笑顔に、嘘偽りのない心からの言葉。そんな重の言葉が舳丸の心を鷲掴みにす
る。
(ああ、やっぱりこいつには敵わないなあ・・・)
少し驚いたような表情を見せるが、そこまで慌てた様子は見せない。しかし、胸の鼓動は
あり得ない程に速いリズムを刻んでいた。
「重。」
「ん?何?」
そう言われたならば、しっかり返事をしてやらないとと、舳丸は重の名前を呼ぶ。そして、
ニッコリと極上の笑みを浮かべ、心から想っているその言葉を口にした。
「私も重のこと、大好きだぞ。」
そう口にした舳丸も、そう言われた重も、胸の中がじんわり温かくなり、幸せな気持ちで
いっぱいになる。この幸せな気持ちと同じくらい大きな海に抱かれながら、二人はこの甘
く心地のよい時間を、ゆっくりと楽しむのであった。
END.