October 4

いつも通りの戦いが終わった後、ベッドに突っ伏しながら跡部を見る。やはりなかなか勝
てないと思っていると、ポスっと頭に手が乗せられる。
「どうした?」
「べ、別に何でもねぇよ。」
「もう少し回復させとくか?」
「いらねぇ。ちょっと寝りゃ勝手に回復するし。」
「そうか。」
ご機嫌な様子で、跡部は宍戸の頭を撫でる。魔王と勇者で敵対していると言えばしている
が、そんな雰囲気を微塵も感じさせないほど、二人の間には穏やかな空気が流れていた。
「なあ。」
「何だ?」
黙っているのは何となく気まずいと、宍戸は跡部に話しかける。話しかけたもののどんな
話題を振ろうかあまり考えていなかったので、パッと思いついたことを宍戸は口にした。
「お前の誕生日っていつ?」
「唐突な質問だな。俺様の誕生日は、10月4日だぜ。」
その答えを聞いて、宍戸は今日が10月に入ったばかりであることに気がつく。
「もうすぐじゃねぇか。」
「ああ、確かにそうだな。でも、まあ、生まれてこのかた誰かに誕生日を祝ってもらった
ことなんてねぇからな。別にどうでもいい。」
この城から出れない上、誰かが訪ねて来るまでは一人きりという状態であったため、跡部
は誕生日を祝ってもらうことはおろか、誰かと過ごしたこともなかった。そのため、跡部
にとっては、自分の誕生日が特別な日であるという意識はほとんどなかった。
「お前の誕生日はいつなんだよ?」
「俺の誕生日?9月29日だぜ。」
それを聞いて、跡部はがしっと宍戸の手を掴む。そして、少し不機嫌そうな声で言葉を返
す。
「どうしてもっと早く教えなかった。」
「えっ?」
「知らなかったから、何もしてやれなかっただろうが。」
「いや、別に何かして欲しいとかなかったし。」
「好きな奴の誕生日を祝いたいと思うのは当然だろ。お前が何かして欲しいことはなくて
も俺はしたかったんだよ。」
10月に入ったばかりということで、もうほんの数日早く知っていれば、宍戸の誕生日を
祝えたと跡部は非常に残念がる。自分の誕生日はどうでもいいと言っているわりには、人
の誕生日は気にするのだなあと、宍戸は苦笑する。
「しょうがねぇだろ。過ぎちまったもんは過ぎちまったんだから。」
「次の誕生日まで、あとどれくらいあると思ってやがる。」
「そんなにカリカリすんなって。それはさておき、明日ちょっと出かけていいか?」
「アーン?レベル上げにでも出かけるってか?」
「ま、まあ、そんな感じだ。」
「別に構わねぇぜ。」
跡部の城で過ごすことが多くなったとはいえども、特に外出を禁止しているわけではない
ので、宍戸はちょくちょく城の外へ出かけていた。
「まあ、そんなに遅くはならないと思うぜ。」
跡部の城に帰ってくるのが当たり前かのように宍戸はそんなことを言う。そんなちょっと
したことが嬉しくて、跡部は不機嫌顔を少し緩んだ顔に変える。
「とりあえず、今日はもう寝とくか。」
「そうだな。」
跡部にそう言われ、宍戸は跡部のベッドでそのまま眠りについた。

そんな話をした次の日は、宍戸はほぼ一日中出かけていた。そして、日が沈む頃に跡部の
城に戻って来た。
「跡部ー。」
「ああ、戻ってきたのか。今日も戦うか?」
「いや、今はいいや。ちょっとだけ休んでいいか?」
「いいぜ。ベッド貸すか?」
「おー、んじゃ、ちょっと借りるぜ。」
レベル上げをして疲れているのだろうと、跡部は宍戸にベッドを貸してやった。宍戸が休
んでいる間、跡部は宍戸のすぐ側で本を読みながら時間をつぶす。だいぶ夜も更けてきた
頃、宍戸は目を覚ました。
「ふあー、結構寝ちまったな。」
「随分、疲れてたみてぇだな。」
「そこまででもなかったんだけどな。ちょっと寝すぎちまった。」
「まあ、たまには悪くねぇんじゃねぇ?」
特に戦ったりしていなければ、跡部は優しいなあと思いつつ、宍戸はふと時計に目をやる。
時計の針は、日付が変わる数分前を指していた。
「ちょっと、取って来たいものがあるから、跡部はここで待ってろよ。」
「取って来たいもの?」
「いいから、いいから。」
跡部をその場に待たせると、宍戸はドアの外へ出て、どこかに行ってしまう。何をしてい
るのだろうと、不思議に思いながらも、跡部は宍戸が戻って来るのを待った。
「待たせたな。」
帰ってきた宍戸は真四角の箱を持っていた。そして、もう一度時計に目をやると、その箱
を持ったまま跡部のすぐ側までやってくる。
「それは何だ?」
跡部の問いに、宍戸はその箱を開けて、中身を跡部に差し出しながら答えた。
「誕生日おめでとう、跡部。」
宍戸が持っていた箱の中身は、二人では食べきれないほどの大きなホールケーキであった。
真ん中に飾られているチョコでできたプレートには、『Happy Birthday』と
大きく書かれていた。
「跡部、どんなケーキが好きか分からなかったから、とりあえず跡部のイメージで買って
みた。」
「・・・・・。」
あまりの突然のことで、跡部は呆然としてしまう。誕生日を祝われるなど、初めてのこと
なので、どんな反応をしていいかが分からなかった。
「あれ?跡部、甘いの嫌いだっけ?」
「あ・・・いや、ちょっと驚いただけで、全然問題ないぜ。」
「そっか。よかった。ちょっと多いけど、二人で食べようぜ!」
ケーキを持ってきたのと一緒に、宍戸はしっかりフォークも用意していた。贅沢な気分を
味わおうと大きなホールケーキをカットせずに、そのままの形で直接フォークを入れる。
「ほら、まずは跡部から食え。」
「あ、ああ。」
フォークで大きくケーキを掬い、跡部の口に持って行く。宍戸にケーキを食べさせてもら
えるなどとは、毛頭思っていなかったので、跡部はドキドキと胸を高鳴らせながら、口を
開ける。
「どうだ?」
「うまいぜ。お前も食べろ。」
そう言いながら、跡部も宍戸と同じようにケーキを掬い、宍戸の口へと持って行く。パク
ッと差し出されたケーキを口にすると、宍戸は嬉しそうな顔で笑う。
「本当だ。すげぇ美味いな!これにしてよかったぜ。」
「誕生日ケーキなんて初めて食べたが、なかなかいいもんだな。」
「喜んでもらえたならよかったぜ。跡部、誕生日なんて祝われたことがないなんて、言っ
てたからよ。さすがにそれは可哀想だと思って。」
「同情されるほどのことじゃねぇけどな。でも、まあ、嬉しいぜ。」
「そっか。」
跡部が喜んでくれたことを嬉しく思い、宍戸は満足そうな笑みを浮かべる。全ては食べき
れなかったものの、十分にお腹が満たせるまで誕生日ケーキを食べ、二人はベッドの上で
一休みすることにした。
「腹いっぱいだな。」
「ああ。」
お腹も満たされて、ゆったりした気分になっているはずなのだが、何故だか宍戸はそわそ
わしている。
「あ、あのな、跡部・・・」
「どうした?」
「本当は、ちゃんとプレゼントも買おうと思ったんだけどよ・・・」
「さっきのケーキがそうじゃねぇのか?」
「あれは誕生日ケーキで、プレゼントとは別だ。で、結構頑張って跡部が喜びそうなプレ
ゼントを考えたんだけど、何かしっくりくるのがなくてさ。」
「別に俺はプレゼントなんていらないぜ。さっきのケーキだけでも、十分だと思うんだが。」
誕生日を祝われたこと自体が初めてだったので、跡部はそれだけでもう十分満足していた。
しかし、宍戸としてはどうしてもプレゼントは別に用意したかった。
「それでな、俺なりにお前が喜ぶプレゼントを考えたわけだが・・・」
「思いついたのか?」
「い、一応。けど、それで跡部が喜んでくれるかはちょっと分からねぇ。」
「とりあえず、もらっといてやるぜ?」
いつも通り、俺様な態度で跡部はそんなことを言う。それならばと、跡部の目の前に座り
直し、宍戸はすーっと息を吸って言葉を紡ぐ。
「俺は・・・勇者だから、魔王のお前は今でも敵だと思ってるし、いくら勝負をしかけて
も全然勝てねぇし、ムカつくこともいっぱいあって、跡部のこと嫌いって言いたくなるよ
うなこともいっぱいあるけど・・・・」
「何だよ、いきなり悪口か?」
「最後まで聞けよ。それでも、俺は跡部を倒すことが生き甲斐で、跡部がいることが俺の
存在意義で、だから、お前を倒すまでは一緒にいてもいいって思ってるわけで・・・」
しどろもどろになりながらも、宍戸は一生懸命自分の思っていることを言葉にする。これ
はしっかり最後まで聞かなければと、跡部は少しの間口をつぐむ。
「それで・・・その・・・俺が伝えたいのは・・・・」
この言葉を言えば、跡部はおそらく喜んでくれるであろうと分かってはいるが、宍戸はな
かなかその言葉を口に出来なかった。心臓がバクバクと速くなり、顔が熱くなる。それで
も伝えなければいけないと、宍戸は顔を上げ、跡部の目をしっかりと見据えながら、言葉
を続ける。
「俺は、跡部のこと・・・すげぇ好きだ。」
言ってはみたものの、耐え難いほどの恥ずかしさが宍戸を襲う。これ以上、跡部の顔を見
ていられないと、跡部の肩に顔を埋めるような形で抱きついた。
「ああ、もうっ、激恥ずかしい!!無理っ!!」
「それは、俺を喜ばせるための嘘とかじゃねぇよな・・・?」
「ど、どれだけ俺が恥ずかしいの我慢して言ったと思ってんだよ!!」
「じゃあ・・・」
「嘘なわけねぇだろ!!本当もう、どうしてこんなドキドキしなきゃいけねぇのか分から
ねぇくらい・・・好きでしょうがねぇんだよ!!」
恥ずかしさのあまり、宍戸は半ばキレ気味でそう答える。今までハッキリとは聞くことの
出来なかった宍戸の気持ち。それを聞いて、跡部は表現出来ないほどの嬉しさとときめき
で、一気に顔が熱くなる。しばらく跡部が黙っているので、宍戸はチラッと跡部の顔を見
た。
「っ!?」
今まで見たことのない跡部の表情に宍戸は驚く。いつも自信満々な跡部からは想像出来な
い程赤面した顔から目が離せなくなっていた。
「跡部・・・?」
「あ・・・いや、まさかお前からそんな言葉が聞けるとは、思ってなかったからよ・・・」
「そ、そっか。」
「今のが、お前の考えたプレゼントか?」
「・・・ま、まあな。」
予想以上のプレゼントに跡部はこの嬉しさをどう表現したらよいのか分からなくなる。と
りあえず、行動でそれを示そうと、跡部は宍戸の体をぎゅっと力強く抱き締めた。
(うわ、跡部の心臓すげぇドキドキしてる。)
「最高のプレゼントだぜ。宍戸。本当、これ以上のプレゼントはないくらいだぜ。」
「そこまででは・・・ねぇと思うけど。何にも物はあげてないわけだし。」
「世界征服なんかするより、俺が欲しいもの、何度も教えてるよな?」
「・・・・俺、だろ。」
「そうだ。もう手に入れたも同然だとは思ってはいたが、お前の気持ちを聞けてなかった
からな。」
「だから何だよ・・・?」
「お前の言葉で、お前の気持ちが聞けて、心の底から嬉しいと思うぜ。」
赤く染まった顔に極上の笑顔を浮かべ、跡部はそう口にする。そんな跡部の表情に、宍戸
の心臓は壊れそうなほど高鳴る。
(そんなに嬉しそうな顔・・・ずりぃ・・・)
ぼーっとしながら、跡部の顔を眺めていると、顎を掴まれ、甘い甘いキスをされる。
「んっ・・・」
いつの間にか、跡部の手は服の下にあり、すっとその手が肌の上を滑る。
「ちょっ・・・跡部っ!」
「何だよ?」
「今日は・・・跡部の誕生日だし、戦うのはなしにしようと思ってたんだけど。」
「アーン?戦う?そんなんじゃねぇよ。」
「じゃあ、何だよ?」
「好き合ってる者同士がする愛を確かめ合う行為って感じか?」
「っ!!」
そう言われ、宍戸はカアっと顔を赤く染める。戦うことと違うのなら、しても構わないか
と宍戸は自ら跡部の唇に口づける。
「跡部がどうしてもしたいっつーんなら・・・してやってもいいぜ。」
「お前はどうなんだ?」
「へっ?」
「俺がどうこうじゃなく、お前はどうなんだよ、宍戸。」
それを言うのが恥ずかしいので、跡部にするしないを任せたのにと、宍戸は拗ねるような
顔をする。
「そんな可愛い顔して、誘ってんのか?」
「違ぇーよ!!」
「ほら、さっさと答えろ。」
「・・・・・したい。」
宍戸の言葉を聞いて、跡部は魔王らしい笑みを浮かべ、再び宍戸に口づけた。

何度も口づけを交わしているうちに、いつの間にか宍戸は一糸纏わぬ姿にされていた。戦
っている間に開発された様々な場所を弄られ、宍戸はすっかりとろけていた。
「んっ・・・ふあっ・・・」
「せっかくだから、早めに繋がっておくか。」
「あっ・・・!!んんっ・・・ああぁ―――っ!!」
座ったまま宍戸を上に乗せるような形で、跡部は宍戸の中に入る。数えきれないほど繋が
っている宍戸のそこと跡部の熱は、そうなることが当然であるかのようにピッタリと絡み
合う。
「ハァ・・・うっ・・・ん・・・・」
「お前と繋がってるこの感じ、やっぱすげぇいいな。」
そう言いながら、跡部は宍戸の首筋にキスをする。そんなちょっとした刺激にも宍戸は敏
感に反応する。
「んんっ・・・やっ・・・跡部っ・・・!!」
「ちょっと弱いとこに触れてやると、中もいい感じに反応してくれるな。」
「何か・・・戦ってるときと・・・ちょっと違う気がする・・・・」
「ほぅ、どう違うんだ?」
「いつもより跡部がたくさん俺ん中に入ってる感じで・・・内側からも外側からも・・・
全部が・・・・跡部に埋めつくされちまいそう・・・・」
戦っているときもほとんど同じようなことをしているのだが、それは勝負で跡部に勝ちた
いという気持ちが大きいために、宍戸はここまで純粋に跡部を感じることがなかった。し
かし、今は勝負ではない。ただただお互いの想いを伝え合うだけの行為だ。無理矢理与え
られる快感とは違う心の奥までとかされてしまいそうな心地よさ。それを全身で感じ、宍
戸は跡部に夢中になる。
「俺様の気持ちが分かったか。」
「えっ・・・?」
「今だけじゃなく、普段戦ってるときだってな、こんなふうに繋がっていると、俺の全て
はお前でいっぱいになるんだぜ。それがどうしようもなく心地よくて、いくらでもお前の
ことが欲しくなる。」
この感じをいつも感じているのかと、宍戸は跡部の言葉にドキドキしてしまう。
「だから、お前も俺でいっぱいになったらいい。」
次の瞬間、ぐんっと内側にある熱が大きく動く。突然のそんな刺激に耐えられず、宍戸は
ビクビクとその身を痙攣させ、達してしまう。
「ああぁ―――っ!!」
「ふっ、やっぱりこの感じ最高だぜ。」
「ハァ・・・ハァ・・・跡部・・・・」
「ほら、もっとイけよ。それで、俺をもっとたくさん気持ちよくさせてみせろ。」
宍戸がイクときの中の感じがたまらないと、跡部はあらゆる手段で宍戸をイカせる。中を
大きく穿ちながら、宍戸の熱を擦り、敏感になっている胸の突起も宍戸が一番感じる方法
で弄ってやる。
「ああっ・・・またっ・・・くうぅぅんっ!!」
「くっ、宍戸・・・」
宍戸が何度も達している間に、跡部も数回達する。しかし、まだまだ跡部は宍戸を解放す
る気はなかった。
「ハァ・・・ハァ・・・・」
(こんなに何回もイってるのに、まだ跡部と繋がっててぇ・・・)
「今日は俺様の誕生日だ。俺様が満足するまで離してやらねぇ。」
「好きにしろよ・・・跡部がそうしたいなら、俺は構わねぇし・・・・それに・・・」
「何だ?」
「こんなに気持ちいいなら・・・俺ももっとしてたい・・・・」
呼吸を乱しながら、上気した表情で宍戸は言う。本当に心も身体も全部持っていくなあと
跡部はほんの少しの悔しさを感じながら笑う。
「だったら、お望み通り夜通し繋がっててやるぜ。」
「おう・・・あっ、そうだ・・・」
「どうした?」
「せっかくだから、お前と繋がってるこの状態でも言っておきてぇ・・・」
「何をだ?」
後ろにある跡部の顔にちゅっと口づけると、宍戸はにっこりと笑ってその言葉を口にする。
「誕生日おめでとう、跡部。」
「ふっ、本当お前はどこまでも俺を夢中にさせてくれるぜ。」
今まで聞いたことのなかった言葉を今日だけで何度も宍戸に言われ、跡部は誕生日がこん
なにも嬉しいものだということを実感する。その嬉しさを感じたまま、夜が明けるまで二
人その身を繋げていた。

心ゆくまでお互いを求め合うと、二人は満足した様子で眠りに落ちる。二人が夢から覚め
たのは、太陽が高く昇ってからであった。
「起きたか?」
「お、おう。」
「こんなに気分のいい誕生日は初めてだぜ。ありがとな、宍戸。」
「ど、どういたしまして。」
眠る前のことを思い出し、宍戸は少し赤くなる。戦うのとは違うアレもなかなかいいなあ
と思いつつ、それはあえて跡部には伝えなかった。
「あ、あのよ、跡部。」
「何だ?」
「誕生日、祝われて嬉しかったか?」
「もちろんだ。今までこんなことなかったからな。」
「もっとたくさんの奴に祝われたら、嬉しい?」
「よく分からねぇが、まあ、そうなんじゃねぇか。」
「そしたら・・・」
跡部がこの城から出られないことを知っている宍戸は、たまには自分の友達もこの城に連
れてきていいかを跡部に尋ねる。倒すことが目的でない者が来るのは、あまり想像出来な
いが、それはそれで悪くないと跡部はその提案を受け入れた。
「ちょっと変わってるけどよ、みんないい奴なんだぜ。」
「お前がそう言うなら、きっとそうなんだろうな。」
「よし、じゃあ、来年はお前の誕生日パーティー開いてやるよ!」
楽しそうにそんなことを言う宍戸を見て、跡部はふっと笑う。宍戸といると、今まで経験
したことのないようなことがたくさん出来るなあと心底嬉しくなった。
「楽しみにしてるぜ。あとはアレだな。」
「何だよ?」
「来年はお前の誕生日を俺様がしっかり祝ってやる。」
「そうだな。俺も楽しみにしてるぜ!」
まだ誕生日は終わってないのだが、二人はもう次の誕生日の話をする。いつもとは少し違
う一日。そんな特別な日を跡部と宍戸はとことん楽しむのであった。

                                END.

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