お出かけバレンタイン
〜Before Valentine〜(比嘉)

甲斐×平古場

甲斐Side

1.朝
甲斐 「えぇ。後ろ、寝ぐせすごいさー。」
平古場「はあ?誰が寝ぐせがすごいって?」
甲斐 「えー、なんで怒るばー?わざわざ教えてやったんどー。」
平古場「この髪型、結構セットするの大変だったんどー。」
甲斐 「あー、髪型変えてみたのか。そのウネウネしたとこ?」
平古場「ウネウネって・・・裕次郎、失礼すぎやっし。」
甲斐 「それ、寝ぐせじゃなかったんだなー。」
平古場「・・・・・」
甲斐 「あがっ!ちょっ、待った!似合う、でーじ似合うって!」
平古場「もう裕次郎なんて知らん!」
甲斐 「行っちゃったさー。似合うって言ったのに・・・」

2.夕方
甲斐 「あっ。」
平古場「あっ、裕次郎。」
甲斐 「ちょうどいいとこで会ったさー。わっさいびーん。」
平古場「何で謝るかよ?」
甲斐 「凛、この前からずっとプンプンしてる気がするからよー。」
平古場「別に怒ってなんかあらん。」
甲斐 「してるって。髪のこと、まだ怒ってるばー?」
平古場「だから、別に怒ってないって言ってるだろー。」
甲斐 「声がなんかちょっと怒ってるさー。」
平古場「そんなに気にすることでもねーだろ。ったく・・・」
甲斐 「あんし気になるさー。凛が不機嫌だと、寂しいっつーか・・・」
平古場「へぇ。でもまあ、いつもと違うってことに気づけたのは偉かったかもな。」
甲斐 「・・・でも変化に気づけたのは偉い?」
平古場「裕次郎以外のヤツは、別に何も言って来なかったしよ。きっと気づいてもなかったんだろ。」
甲斐 「そういうもんかな。見た目変わってたら、すぐわかりそうだけどよー。」
平古場「それはいつも俺を見てないと無理だろ。」
甲斐 「それだけ俺が凛のこと、よーく見てるってことやんに。アハハ。」
平古場「・・・なんでそういうこと恥ずかしげもなく言えるんば?」
甲斐 「・・・ん?俺、なんか変なこと言ったかやー。」
平古場「何でもないさー。」

3.休日
甲斐 「おーい!こっちこっち!」
平古場「裕次郎。どうしたんばー?」
甲斐 「買い物来たら、凛がいるからよー。びっくりしたさー。」
平古場「そんなデカイ声で声かけなくてもいいだろー。」
甲斐 「そんな声、でかかったばー?やしがそうしないと聞こえなかっただろ。」
平古場「そんなことないやし。」
甲斐 「何回か呼んだのに、全然気づかんかったからさー。」
平古場「あんまりデカイ声で話しかけられると、ちょっと恥ずかしいさー。」
甲斐 「もう誰も見てないさー。やしがよー。」
平古場「何か?」
甲斐 「せっかく会ったんだから、そっちに喜んだりしろよなー。」
平古場「まあ、偶然裕次郎に会えたのは嬉しいけどよ。他の友達もいるからなー。」
甲斐 「・・・友達?なんだ、一緒に来てるヤツいたんだな。」
平古場「さっきからいたって。」
甲斐 「全然気づかなかったさー。凛しか見えてなかったし。」
平古場「また、そういうこと・・・」
甲斐 「俺も一緒について行っちゃおうかな。」
平古場「さすがに・・・でもまあ、少しなら・・・」
甲斐 「うそさー、邪魔はしないって。そんじゃまたな。」
平古場「冗談かよ。また今度一緒に買い物でも行くさー。じゃあな。」

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平古場Side

1.朝
平古場「えー、急がんと遅刻どー。」
甲斐 「マジか!また遅刻したら何言われるか・・・」
平古場「はは、冗談どー。焦り過ぎだろ。」
甲斐 「なんだ冗談か。じゅんに焦ったさー。」
平古場「よんなー歩いてるから、ついちょっかい出したくなってよー。」
甲斐 「そこまでよんなー歩いてないさー。ちょっとボーっとはしてたかもしれんけど。」
平古場「とぅるばってるほうが悪いんどー。なんてな。」
甲斐 「凛はすぐからかってくるさー。今度は俺がリベンジしてやるさー。」
平古場「いつかリベンジ?お、やる気かやー。上等さー。」

2.夕方
平古場「よう。俺に用かー?」
甲斐 「へっ?べ、別に用なんてないさー。」
平古場「忍び寄ってくるからよー。もしかして驚かすつもりだったばー。」
甲斐 「そんなことないやっし!」
平古場「学校でも狙ってただろ。裕次郎はわかりやすいんどー。」
甲斐 「うー、バレてるとは思ってなかったんばーよ。」
平古場「俺に挑もうっていう心意気は買うけどよー。」
甲斐 「作戦失敗したさー・・・」
平古場「そう落ち込むことないさー。機会はいくらでもあるしよー。」
甲斐 「そっか。そうだよな!」
平古場「って、俺が励ますのおかしいやんに?」
甲斐 「そうか?俺は凛にそう言われて嬉しいけど。」
平古場「あいっ、すいぶん暗くなってきたな。」
甲斐 「まあ、この時期は暗くなるのも早いからな。」
平古場「早く帰ったほうがいいさー。あまり遅いと家の人に心配されるからよー。」
甲斐 「それを俺に言うか?凛の方はおばあとかが心配しそうだけど。」
平古場「宿題も出てるしな。ちゃんと忘れずにやれよ。」
甲斐 「凛が風紀委員みたいなこと言ってるさー。余計なお世話やし。」
平古場「余計なお世話ってことないやんに?じゃ、また明日な。」
甲斐 「おう。また明日学校でな。」

3.休日
平古場「よう。買い物かやー。」
甲斐 「おう。凛はいつも俺が凛を見つけるより先に俺を見つけてくれるさー。」
平古場「いつも先に見つける?あー、そういえばそうかもな。」
甲斐 「だからよー。結構学校以外でも会うやんに?」
平古場「裕次郎が俺の行くとこに現れるからよー。運命かもなー。」
甲斐 「あはは、そうかもな。」
平古場「・・・いや、今のはナシ。おかしなこと言ったさー。」
甲斐 「バッチリ聞こえたさー。運命、いいやんに?」
平古場「聞こえなかったことにしろっつってんのに・・・」
甲斐 「何でか?」
平古場「そこでキョトンとすんな。ったく、天然さー。」
甲斐 「凛、照れてるやっし。」
平古場「あんし、ここで何してるば?」
甲斐 「んー、とりあえず買い物?」
平古場「やっぱ買い物か。何買いに――」
甲斐 「えっと・・・」
平古場「まぁ、深くは詮索しないさー。この時期いろいろあるんだろうしよー。」
甲斐 「そういう空気が読めるとこ、さすが凛だな!」
平古場「いい買い物できるといいな。期待・・・じゃなくて、応援?してるさー。」
甲斐 「はは、頑張って気に入ってもらえるもん見つけるさー。」

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