ゴールデン・ウィークに入る数日前。樺地は宍戸に声をかける。
「宍戸さん・・・」
「お?どうした、樺地?」
「ちょっと頼みたいことがあるんですが・・・」
「?」
樺地が自分に頼み事をしてくるなんて珍しいと、宍戸は不思議そうな顔で樺地を見る。部
室のソファに座り、宍戸は樺地の頼み事を聞いてやる。
「で、その頼み事って何だよ?」
「もうすぐジローさんの誕生日ですよね?」
「あー、そうだな。あいつの誕生日、子供の日だっけ。」
「ジローさんにプレゼントあげたいんですよ。それで、そのためにはどうしても跡部さん
の協力が必要で・・・」
「は?跡部?」
跡部の協力が必要なのに、何故自分に頼んでくるのか、宍戸はさっぱり理解出来なかった。
「跡部に協力して欲しいなら、跡部に直接頼めばいいじゃねぇか。」
「跡部さんには・・・直接頼みにくくて・・・・」
「まあ、あいつには頼みにくい部分もあるかもしれねぇな。で、ジローに何あげるんだ?」
「・・・・・」
何をあげるかと聞くと、樺地は黙ってしまう。
「樺地?」
「笑いませんか・・・?」
「笑わねぇよ。」
「お菓子の家を・・・・作りたいんです。」
「お菓子の家・・・?」
これはまたすごいプレゼントだと宍戸は感心する。確かにお菓子の家を作るなんてことは
そう簡単には出来ない。しかし、跡部に協力してもらえば不可能ではない。
「やっぱり、おかしいですか・・・?」
「いや、そんなことねぇよ。ジローきっと喜ぶぜ。今、ここに跡部呼んでもいいか?」
「・・・ウス。」
樺地のやりたいことは分かったものの、それ以上は跡部の協力なしでは進まない。ともか
くまずは跡部本人に相談しようと宍戸は携帯を手に取った。跡部はちょうど生徒会の集ま
りが終わったところで、すぐに部室にやってきた。
「お菓子の家ねぇ。確かに俺様の協力なしでは出来ねぇプレゼントだな。」
「協力してやれよ、跡部。」
「別に協力してやらねぇなんて言ってねぇだろ。いいぜ。樺地の頼みだ。協力してやるよ。」
「ありがとう・・・ございます。」
「よかったな!樺地。」
「ウス。」
どうやらお菓子の家を作るという計画は実行されるようだ。ジローの誕生日まではあと数
日しかない。作ることが決まったのなら早く実行に移さなければと、その日から樺地は跡
部の家へ泊り込むことを決めた。
跡部の家にある小さなアトリエのようなところで、作業は始まった。材料の大量のお菓子
は全て跡部が用意してくれる。樺地は自分のイメージするお菓子の家を黙々と作り進めて
いった。
「こんなに大量のお菓子、どっから手に入れてくんだよ?」
「あーん?製造元に決まってんだろ?」
「そっから仕入れられるってのがすげぇよな。」
「俺様に不可能なことはねぇ。」
樺地が作業をしているのを跡部と宍戸は静かに見守っている。手伝おうかとも言ったのだ
が、樺地はそれをキッパリと断った。やはりジローへの誕生日プレゼントということで、
一人で完成させたいらしい。
「どんな家が出来るんだろうな?」
「さあな。でも、樺地はある意味天才だからな。俺達が想像出来る以上のものが出来んじ
ゃねぇ?」
「楽しみー。跡部、ここにいても樺地の邪魔になるしさ、いったん俺らは退散しようぜ。」
「そうだな。」
こんなところでぺちゃくちゃしゃべっていても邪魔になるだけだと、二人は跡部の部屋へ
戻ることにした。二人がそこから出て行ったことにも全く気がつかないほど、樺地は夢中
になって作業を続けた。
「ふぅ・・・」
何時間か作業をし、樺地はいったん休憩をしようとイスに座った。そして、ポケットの中
から完成図が描かれている一枚の紙を取り出す。
(喜んでもらえるといいな・・・)
樺地のイメージするお菓子の家は、ポッキーで作られた壁にマシュマロで作る羊が描かれ、
チョコレートの屋根には色とりどりの小さな飴玉が散らされている。ウエハースを幾重に
も重ねられたドアにはジローの名前が入った大きなクッキーの表札が掛けられ、飴細工の
ガラスの窓には星空が見えているかのようにコンペイトウが埋め込まれている。まだまだ
五分の一も出来ていないが、絶対に完成させるという意気込みが樺地にはあった。
「よし。」
十五分ほど休むと再び作業に取りかかる。必ずジローに喜んでもらおうという気持ちを胸
いっぱいに抱え、樺地はたくさんのお菓子を手に取った。
そしてついに五月五日。毎日可能な限り眠らずに樺地はお菓子の家を作り続けた。その甲
斐あって、何とかジローの誕生日には間に合う形で完成した。
「へぇー、すげぇー!!」
「あの短期間で、よくここまで出来たな。さすが樺地だぜ。」
「ウス。」
もうかなり疲れているのだが、ジローに見てもらうまでは休むわけにはいかない。樺地は
イスに座り、冷えたタオルを目に当てた。
「どうせだからさ、ここでジローの誕生日パーティーやらねぇ?俺らも一応プレゼント用
意したし。」
「それは、樺地が決めることだろ。なあ、樺地。」
「自分は全然構わないです・・・」
「なら決まりだな!岳人とか滝とか長太郎とかに連絡してさ、ここに来てもらおうぜ。後
主役のジローを忘れちゃいけねぇよな。」
「ジローでなくてもこれには驚くぜ。樺地、パーティーの用意は俺らでするから少し休ん
でろよ。」
「ウス。」
宍戸は他のメンバーに連絡を、跡部は飲み物やケーキなどパーティーの用意を始めた。連
絡を受け、他のメンバーがぞくぞくとやってくる中、このパーティーの主役、ジローだけ
がいつまで経っても姿を現さない。
「ジロー先輩遅いですね。」
「宍戸、ちゃんと連絡したのか?」
「ああ。メールも入れといたし、電話もさっきから何度もしてんだけどよ、繋がんねーん
だ。自宅にはいねぇみてぇだし、またどっかで寝てんじゃねぇのか?」
「せっかく樺地がこんなにすごいプレゼント作ったのにねぇ。」
家にいない上に電話にも出ない。おそらくどこかで眠ってしまっているのだろうが、携帯
で連絡が取れないとなるとどうしようもなくなってしまう。
「みんなで探しに行くか?」
「せやな。待ってても来うへんだろうし。」
「樺地は待ってろよ。ここんとこ毎日半徹夜状態で疲れてるだろ?」
宍戸の気遣いは嬉しいと思いながらも樺地は首を横に振った。自分も探しに行くと座って
いたイスから立ち上がる。
「自分も・・・探しに行きます。」
「大丈夫か?」
「ウス。」
どこで眠っているか分からないジローを探すことには他の人よりかはいくらか自信があっ
た。誰よりも早くジローを見つけようという気持ちを胸に樺地は他のメンバーと共に外へ
出る。
「跡部はそのお菓子の家が崩れたり、盗まれたりしないように見張っとけよな。」
「俺様は留守番ってことか?」
「誰か残ってないと樺地も不安だろ。なあ、樺地?」
「ウス。」
「仕方ねぇなあ。さっさと帰って来るんだぞ。」
じゃあ行ってくると跡部以外のメンバーは外へ出て行った。みんなで同じところを探して
も時間がかかるので出来るだけバラバラになり、それぞれジローが寝ていそうな場所へと
向かう。
樺地は迷わずいつもジローが寝ている野外テニスコートの近くの茂みに向かった。他のメ
ンバーはおそらく公園や街のベンチなど、外から見てすぐに分かりそうな場所を探してい
るだろう。しかし、ジローはそんなところにはいないのだ。人が寝るには不釣合いな、け
れど、静かで自然の多いところにジローは大抵眠っている。迷い猫や迷い犬を探すような
つもりで探さなければ、ジローは決して見つからない。
ガサガサ・・・
茂みをかき分け樺地は不規則に木が並んでいるエリアへと入ってゆく。しばらく歩き回っ
ていると、クローバーの花が咲き乱れている場所に辿り着いた。そして、そのクローバー
畑のど真ん中で今自分が探し求めていた人物が、気持ちよさげな寝息を立て、ぐっすりと
眠っているのを見つけた。
「Zzzzz・・・」
すぐに起こそうとも思ったがあまりにも気持ちよさそうに眠っているので、樺地は起こす
のをためらってしまう。もう少しこの寝顔を見ていたいなあと思いつつ、樺地はジローの
すぐ横に腰を下ろした。
(あったかい・・・)
ジローの眠っている場所は、いい感じに木漏れ日が降り注ぎ心地よい暖かさを作り出して
いた。その心地よさに樺地も思わず大きな欠伸をしてしまう。
(起こすの・・・勿体無いなあ。)
ジローの寝顔を眺めているうちに樺地はそんなことを心の中で思う。クローバーの花が咲
き乱れる場所の真ん中で眠っているジローはまるで眠り姫だ。いや、この場合は眠り王子
と言った方が正しいであろう。そんなことを思っていると、樺地の頭にふとあることがよ
ぎる。眠り姫と言えば・・・まさにそんな感じのことだ。
(少しくらいなら・・・バレないかな?)
樺地の頭によぎったこと。それは眠り姫を前にした王子が眠り姫にする行為。もちろん樺
地には全く同じようにするほどの勇気はない。軽く頬にするだけならば、大丈夫だろうと
そっと顔を近づける。
「んん・・・何かイイ匂い〜Vv」
何日間もお菓子に囲まれていた樺地の体にはすっかりその匂いが染みついていた。もちろ
んお風呂には入っていたが、それで落ちるほどの匂いではない。お菓子の甘い匂いを感じ
とったジローは寝ぼけながら樺地の髪をぐいっと引っ張った。
「わっ・・・」
髪を引っ張られ、バランスを失った樺地は自分のしようとしていた部分ではない、しかし、
物語上では本来すべき場所にキスをしてしまう。
「っ!?」
思ってもみない展開に樺地は少々パニック状態。しかも、唇同士がぶつかった衝撃でジロ
ーが目を覚ましてしまった。
「ん・・・んー、あれ?俺、何してたんだっけ?あー、何かイイ匂い。」
口を押さえて真っ赤になっているジローを真横にいるのを見つけて、ジローは完璧に目を
覚ます。
「あ、樺地ぃ。何でこんなとこにいるんだ?また、跡部に探して来いって言われたのか?」
今日が休みで、しかも自分の誕生日だということをジローはすっかり忘れている。いつも
通り樺地が跡部の命令で自分を探しに来たのだと思い込んでいた。
「今日は・・・跡部さんに頼まれたとかじゃなくて・・・・ジローさんを探してました。」
「へぇ。樺地が俺に用があったってこと?」
「ウス。」
あのプレゼントを見せたいという目的があるのだ。自分が用があったと言っても間違いで
はない。
「今日はもうゆっくり昼寝も出来たし、いいぜ!樺地の用、しっかり聞いてやるよ!!」
すっかり目が覚めたことでテンションの上がったジローは、笑顔でそんなことを言う。さ
っきのアクシデントにジローは気づいていないのだろうか?そんなことを思いつつ、樺地
は冷静なふりをして、一緒についてきて欲しいとジローに頼んだ。
「何かいいものでもあんのか?」
「ウス。」
「そりゃ楽しみだー。そういやさ、樺地今日すっげぇイイ匂いしねぇ?何か甘い匂いって
いうかさ。」
「そんなこと・・・ないです。」
「そうかぁ?絶対すると思うけどな。まあ、いいや。何でか分かんないけど、さっき樺地
とちゅう出来たC〜♪」
「!!」
やっぱり気づいてたのかと再び樺地は赤くなってしまう。跡部の家へと向かいながら樺地
は他のメンバーにジローが見つかったというメールを送った。そんな連絡を受けたメンバ
ーは急いで跡部の家へと戻る。これからあの樺地手作りの家で、壮大なパーティーが行わ
れるのだ。
跡部の家に着くと、樺地はあのお菓子の家があるアトリエへとジローを案内する。そこに
はもう他のメンバーが到着しており、ジローが入ってきた瞬間、クラッカーを鳴らしてや
ろうと待ち構えていた。
ガチャ
パーン!!
『おめでとー、ジロー!!』
「うっわあ、何々!?もしかして、これ、俺の誕生日パーティー?」
「それしかねぇだろ。ほら、早くこっちに来いよ。」
ジローを部屋の中心に呼ぶと樺地以外のメンバーは用意してきたプレゼントを順々に渡し
てゆく。一つ一つプレゼントを開け、その中身を見る度にジローは嬉しそうな声を上げた。
「うわあ、これ前から欲しかったゲームだ!サンキュー。」
「どういたしまして。」
「よし、これで全員渡し終わったな。」
「えっ、まだ、俺、樺地からもらってないぜ。」
樺地がまだプレゼントを渡していない時点で跡部がそんなことを言うので、ジローは慌て
てそう返す。二人が帰ってくる前に他のメンバーで、あの大きなお菓子の家を真っ白な布
で覆っていたのだ。ジローはそれを何だろうと思いながらも特に気には止めていなかった。
樺地以外のメンバーはお互いに顔を見合わせ、ニヤニヤと笑う。これからが最高のお楽し
みだとその白い布で隠された塊の周りに全員で集まった。
「あー、そういえば樺地のプレゼントはまだだったよな。」
「確かに。何だろうねー?」
わざとらしい口調でそんなことを話しながら、ジローの目線をその白い布の方へ向けさせ
る。さすがにそんなふうにされては、ジローはその布で覆われたものの中身が気になって
しまう。今だと言わんばかりに跡部がパチンと指を鳴らした。
「ジローさん・・・自分からのプレゼントです・・・」
樺地がそう言った瞬間、白い布が他のメンバーによって剥がされた。チョコレート色の屋
根に可愛らしい羊の描かれた壁、ドアにはローマ字で「Jiro」と書かれた表札が掛か
っている。
「・・・・・・」
あまりにも驚きすぎてジローは呆然としている。何も言わずにただ立ち尽くしているジロ
ーを見て、樺地は不安になってしまう。しかし、そんな不安は次のジローの態度で一気に
吹き飛んだ。
「・・・・スッゲェーっ!!これ本物!?夢じゃねぇよな?うっわあ、本物のお菓子の家
だよ〜!!超感激ー!!」
お菓子の家に感激したジローはその家へと駆け出した。ウエハースで出来たドアを開け、
その家の中へと入る。中にあるものも全てお菓子で出来ていた。大好きなお菓子に囲まれ
ジローは瞳をキラキラさせながら、ぐるりと周りを見回す。
「いいなあ。俺も入りてぇ。」
「ジローへのプレゼントなんやから、そうはいかないやろ。」
ジローの本当に嬉しそうな声を聞き、岳人もわくわくしてきてしまう。しかし、これはあ
くまでもジローへのプレゼント。入りたくてもここはぐっと我慢だ。
「このお菓子の家、マジですごいぜ!!みんなも入って来いよ。いいよな?樺地。」
「ウス!」
そんな岳人と忍足の会話を聞いてか聞かずか、ジローはこの感動を他の人にも伝えたいと、
お菓子の家に他のメンバーを招き入れる。それには樺地ももちろん大賛成だ。お菓子の家
に入り、他のメンバーはその細かさと完璧さに驚く。全てがお菓子で出来ているとは思え
ないほど、そこにあるものは本物に近かった。
「うわあ、すごーい。」
「これ、全部食べれるのか?」
「ウス。」
「本物のお菓子の家なんて初めて見た。すごいな、樺地。」
「こんなん作ってまうなんて、さすが樺地やな。うらやましいわ、ジロー。」
お菓子が好きだとか甘い物が好きだとかはこの中では関係がない。お菓子の家という物語
上でしかありえないものの中に自分達がいるのだ。その感動はそう滅多に味わえないもの
であろう。
「樺地!!」
コンペイトウの散りばめられた窓の前に立っている樺地に、ジローは飛びつくように抱き
ついた。この家と同じ匂いのする体に顔を埋めた後、ニッコリと笑いながら樺地の顔を見
上げる。
「もう超〜嬉しいぜ、樺地!!こんなすげぇプレゼント他にねぇよ!樺地の体がイイ匂い
だったのはこれ作ったからなんだな。マジあんがと!!」
「どういたしまして・・・」
「ジロー、激愛されてるよな。樺地、すげぇ頑張ってたんだぜ。」
「樺地、好き好き〜Vv今日はこの家に泊まる〜。」
「おいおいマジかよ。でも、ま、テメェがそうしたいんなら構わねぇぜ。」
一応跡部の家の敷地内なので、許しを出すのは跡部のようだ。そこまで喜んでもらえたな
ら作った甲斐があると樺地は満足そうに笑った。
「樺地も一緒にお菓子の家に泊まろうな!!こんな夢みてぇなこと、そうそうねぇもん。」
「ウス。」
「よし、じゃあここには机もあることだし、ケーキはここで食うか。」
『おう!』
結局その後のパーティーはお菓子の家の中で行われることになった。跡部の用意した大き
なケーキが運ばれてくると、さらにジローや他のメンバーのテンションは上がった。そん
なテンションのまま、パーティーは続き、楽しい時間は過ぎていった。
「あー、楽しかった。」
「それにしても・・・・」
「樺地って、こういうふうに見ると意外と幼いよね。」
「仲良さげでええやないの。」
はしゃぎすぎたジローと今までの疲労が頂点に達した樺地は、甘い匂いのする床の上で眠
ってしまった。横になっている二人の手は上手い具合に重なっている。それはまるで手を
繋いでいるようにも見え、何とも微笑ましい光景であった。
「せっかく仲良く寝てるの邪魔しちゃ悪いですからね。」
「もうそろそろ俺達はおいとましようか。」
「せやな。岳人、俺らも帰るで。」
「おう。じゃあな、跡部、宍戸。」
「ああ、じゃあな。」
二人の邪魔をしてはいけないと、跡部と宍戸以外のメンバーは次々と帰ってゆく。アトリ
エの外まで他のメンバーを送ると二人は,もう一度ジローと樺地の眠っているお菓子の家
を覗いた。
「ホント、いいペアだよな。」
「ああ。」
「ああいうの、ちょっとあこがれるかもー。」
「俺もお菓子の家、作ってやろうか?」
「あれはあの二人だからいいんだよ。俺らが真似していいもんじゃねぇ。」
「そうかもな。さてと、俺らも行くか。」
「おう。」
満足そうな二人の様子を見て、跡部と宍戸は顔を見合わせて笑う。樺地が一生懸命作って
いた姿を見守ってきた二人だからこそ感じる充実感があった。お菓子の家に残されたジロ
ーと樺地は他のメンバーが立ち去ったことも気づかずに眠り続ける。甘い甘いお菓子の匂
いに包まれ、二人は幸せいっぱいの夢を見るのであった。
END.