おもちゃなラブvv

全国大会も終わりホッと一息ついている頃、特に用事のなかった跡部はレギュラー専用部
室で、読書をしていた。読書と言っても、今跡部が読んでいるのは、漫画本だ。いつもの
読書をしているときと同じ表情で読んでいるので、傍から見たらとても漫画本を見ている
とは到底思えない。
「はあー、今日も疲れたぜ。」
突然、部室のドアが開き、宍戸が入ってくる。今日は部活がない日なので、自主練をして
きた後といったところだろう。跡部はちらっとそちらの方に目をやるが、すぐにまた読ん
でいる本に目を落とす。
「あれ?跡部もいたんだ。」
「いちゃ悪ぃかよ。」
「別に悪いなんて言ってねぇし。てか、何?読書?」
「まあな。」
自分のロッカーに向かいながら、宍戸は跡部に話しかける。パラっとページをめくり、視
線は本に向けたまま、跡部は宍戸の言葉に答えた。ひとまず着替えは済ませてしまおうと、
宍戸は制服に着替え出す。ある程度着替え終わり、使っていたラケットやジャージを鞄に
しまうと、おもむろに跡部の側へ行き、一番近いソファに腰を下ろした。
「読書だったら、図書室で読みゃいいのに、何でわざわざここで読んでんだ?」
「内容が内容だからな。図書室で読むには気がひける。それに今日は部活がねぇから誰に
も邪魔される心配もねぇし。」
「ふーん、何読んでんだ?そんなにすげぇ本なの?」
宍戸の問いに、跡部は意味ありげな笑みを浮かべ、いったん宍戸を見る。そして、何も答
えずに再び手に持っている本に視線を移した。
「・・・って、おい!!聞いてんだから、答えろよ!!」
「そんなに気になるか?」
「おう。」
「漫画だ。」
「へっ?漫画??」
「ああ。まあ、普通の漫画とは言えねぇけどな。」
漫画ということを聞いて、宍戸は意外だなあと素直に驚く。しかも、普通の漫画と言えな
い漫画とはどういうものだろうと、さらに興味がわく。
「へぇ、どんなん読んでんだよ?俺にも見せろ。」
「別にいいけどよ、後悔しても知らないぜ?」
「はあ?どういう意味だよそれ?」
ニヤニヤしながらそんなことを言ってくる跡部に、宍戸はハテナいっぱいの言葉を返す。
何はともあれ、実際に見てみないことには始まらないと、宍戸は跡部が読んでいる漫画を
後ろから覗き込んだ。そこに描写されている内容を見て、宍戸の顔はボッと火がついたよ
うに赤くなる。
「うわっ・・・」
「な、図書室で読めるような本じゃねぇだろ?」
「そうだな。てか、跡部もそんな漫画読むんだ。しかも、それ、結構激しいっつーか、ノ
ーマルな内容じゃねぇよな。」
「まあ、そういうのがテーマなヤツだからな。」
「へぇー、ちょっと俺も見てみたいかも。」
跡部が読んでいた漫画とは、所謂成人向けの漫画というやつだ。しかも、内容は「玩具特
集」というちょっとアブノーマルなテーマになっている。そんな漫画を跡部が読んでいる
ことに驚きつつ、宍戸はこの時期の男の子ならではの好奇心に駆られた。
「途中からだけど、一緒に読むか?」
「お、おう!」
まさか宍戸がこんな反応を示してくれるとは、全く予想だにしていなかったので、跡部は
少し驚きつつ、もっと興味を持たせてやろうとそんな誘いの言葉を口にする。素直に頷く
宍戸の隣に移動し、宍戸にも見えるようにその漫画を開く。ページをめくるたびに宍戸の
口から発せられる驚きの声を隣で聞き、跡部は何とも言えない楽しさを感じていた。
「うわあ、すげぇ。」
「テメェはこういうのは、読まねぇのか?」
「読まなくはねぇけど、ここまですごいのはちょっと買う勇気がねぇ。」
「ほぅ。じゃあ、興味はあるんだな。」
「ま、まあ、俺も一男子だからな。」
なかなかよい反応を見せてくれる宍戸に、跡部はそんなことを問う。興味があるのであれ
ば、この漫画にあるようなことを実践出来るのではないか。そんな考えが跡部の頭をよぎ
った。読み進めていくうちにも、宍戸の興奮は高まっているのが分かる。顔を紅潮させつ
つも、その表情はどこか楽しそうだ。跡部は思いきって、今しがた考えていたことを口に
した。
「なあ、宍戸。」
「ん?何だよ?」
「こういうこと、俺達も試してみねぇ?」
「・・・は?」
「ぶっちゃけた話、前々からこういうプレイをテメェとしたいと思ってたんだがな。さす
がにこれは強制出来ねぇだろ。テメェがこれを今読んで、興味持って、してもいいっつー
んならやりてぇんだけど。どうよ?」
いきなりの大告白に宍戸はしばし混乱。確かにこれを見る限りでは、アブノーマルである
がいつもとは違う刺激があってよいかもしれないと思ってしまう。Mっ気のある宍戸なら
なおさらだ。しかし、それを実際にやってみようとなると話は別だ。強い好奇心とそれは
やってはいけないんじゃないかという気持ち、それが混じりあって、宍戸の頭を悩ませる。
「うーん・・・興味はあるけど、実際やるとなるとなあ・・・」
「興味があるならしてみようぜ。絶対悪いようにはしねぇからよ。」
「まあ、次の日が休みでゆっくり休めるって保障があるなら・・・してやってもいいかな。」
興奮が治まりきっていない宍戸の出した答えはそれだ。次の日、予定があるというのにや
るのは勘弁だが、どんなに激しくされても休めば何とかなることを経験から分かっている。
だから、そんな答えを出した。それを聞いて、跡部の胸は期待に躍る。
「それじゃあ、次の休みの前日にしようぜ。それなら文句ねぇだろ?」
「おう。まあ、試すくらいだしな。俺も興味あるし。それでいいぜ。」
「ふっ、楽しみにしてるぜ、宍戸。」
表面上はいつも通りを装っているが、跡部の胸は興奮で高鳴っていた。宍戸と玩具プレイ
が出来る。そう考えただけで、アドレナリン指数がいつもの倍になっているのではないか
と思うほど興奮する。何とか平常心を保ちつつ、跡部は宍戸と見ていたその本を閉じ、鞄
の中へとしまった。

そして、その週の金曜日、宍戸は跡部の部屋でぐっすりと眠っていた。そういうことをす
るとなると、嫌でも体力を消耗してしまう。出来るだけ体がもつようにと、今寝ておいて
体力を蓄えようとしているのだ。時計の針が夜11時を越えた頃、宍戸はやっと目を覚ま
す。宍戸が眠っている間に跡部はきっちりとこれからすべきことの用意をしていた。
「起きたか、宍戸。」
「おう。ふあー、よく寝た。これなら結構いけると思うぜ。今日の疲れはバッチリ取れた
し。」
「そうか。とりあえず、シャワー浴びてこいよ。そのままやるってのは微妙だろ?」
「そうだな。じゃ、ちょっと行ってくるぜ。」
目を完璧に覚まさせるのと行為前の身だしなみということで、跡部は宍戸にシャワーを浴
びて来るように言った。その間にも跡部はよりそのようなことをしやすいように部屋の中
を整える。
「ふぅ、こんなもんだろ。」
ある程度の用意が終わると、跡部はタンスの奥から一つの箱を取り出した。その中には、
たくさんの玩具が入っている。それをベッドの横にある棚に置くと、跡部はベッドに座り、
宍戸が戻ってくるのを待った。
「待たせたな、跡部。」
「ああ、来たか。」
宍戸が戻ってくると、跡部は自分のベッドに手招いた。宍戸をベッドの上に座らせると、
棚に置いておいた箱を手に取る。そして、その箱のふたを開け、中身をシーツの上にぶち
まける。
「すっげぇ・・・」
シーツの上にばらまかれた様々な玩具を見て、宍戸は胸を高鳴らせる。見たことのあるも
のもあったが、大半が初めて見るものだった。この間、二人で読んだ漫画に出てきたよう
なものもいくつかあり、これを使うのかと思うと、ドキドキしてたまらなかった。
「これ、全部使うのか?」
「一応、そのつもりだ。どうしてもテメェが耐えられねぇってなったら、無理には使わね
ぇけどな。」
「何つーか、怖いの半分、楽しみなの半分って感じだな。でも、今の心境を一言で言うん
だったら、わくわくしてるって感じかも。」
「さすがだな。とりあえず、服脱げよ。いろいろ着けなきゃいけねぇからな。」
いかにもな玩具の他に、そこには手枷や足枷、口枷などSMチックな拘束具もいくつかあ
った。宍戸が全ての服を脱ぎ去ってしまうと、跡部は順番にそれらのものを宍戸の体に着
けてゆく。まずは、後ろに手を回し、手枷をはめて手の自由を奪う。次に足を広げさせた
状態で足枷をはめ、そのまま閉じられないようにしてしまった。
「うわあ、マジでこれ足閉じらんねぇ。」
二つの足枷が鎖で繋がっていて、それが前ではなく、後ろに回されている。長さがギリギ
リなので、座ったままでは足を閉じることは不可能なのだ。せっかくなので、口枷もつけ
てやれと、跡部はそれを手に取る。
「それ、マジでつけんの?」
「せっかくあるんだし、着けなきゃ勿体ねぇだろ。」
「でも、それしたら、俺の声、聞けなくなるぜ?」
「初めだけだ。それに口枷越しの喘ぎ声ってのもなかなか燃えると思うんだよな。」
「まあ、途中でとってくれるなら別にしてやってもいいけど。」
宍戸からのお許しが出たので、早速跡部はボール状の口枷を宍戸に装着させる。思ったよ
り大きなボールであることに困惑しつつも、宍戸は妙な興奮を覚えていた。
(ここまで拘束されてされるのって、久しぶりかも。うわあ、何かすげぇドキドキする。)
完璧に抵抗不可能な格好にされ、宍戸は次に何をされるのかという期待に胸を膨らませて
いた。
「いい格好だぜ、宍戸。それなら、どんなことしても抵抗出来ないよな?」
跡部も宍戸のそんなあられもない姿に激しい興奮を覚えている。まずは何で攻め立ててや
ろうかと、一つ一つの玩具を手にし、初めに使うにふさわしいものを選び出す。まず、跡
部が手にしたのは、何の変哲もないピンクローターだった。しかも、何故かこれは二つも
用意されている。
「まずは、これでいくか。いきなり下ってのも面白いが、やっぱり上から順番に攻めてい
かねぇとなぁ。」
初めから両方のスイッチを入れ、ブルブルと震えているそれを一つずつ手に持つ。そして、
ニヤリとやらしい笑みを浮かべながら、跡部はピンクのそれを、宍戸の胸の突起にぐっと
押し当てた。
「ふぅっ・・・んんっ!!」
その瞬間、宍戸の身体はビクビクと震える。しかし、身動きが取れず、口も塞がれている
ため、抗うような素振りは見せられない。小刻みに振動するローターが敏感な突起を規則
的に擦り、あっという間にその突起は赤く染まり、ぷくりと立ち上がった。
「ちょっと当ててやっただけで、あっという間にコリコリになったぜ。もっと、振動強く
してやろうか?」
跡部の意地悪な質問に宍戸はぶんぶんと頭を横に振る。しかし、嫌がられれば、もっとし
たくなるのが、跡部だ。容赦なくローターの振動をMAXにし、さらに強く宍戸の赤く熟
れた突起にそれを押し当てた。
ヴ――ッ!
「うぅ―っ・・んっ・・・んん――っ!!」
擦られれば擦られるほど、その突起は感度を増してゆく。抗うことも出来ず、ただ与えら
れるだけの強烈な快感に、宍戸はとにかく身を任せるしかなかった。口枷のために開けっ
放しにさせられた口からは、飲み込めない唾液が滴り落ちる。
「そんなに涎垂らして、まだここしか弄ってないんだぜ?テメェの身体はホーントやらし
いよな。」
「んっ・・・んぅ・・・」
羞恥心を煽るようなセリフを言われても、何も言い返すことが出来ないもどかしさに、宍
戸は目を潤ませて、跡部を睨む。しかし、それがさらに、跡部の嗜虐心を煽った。跡部は
いったんピンクローターのスイッチを切ると、引き出しの中から真っ赤なリボンとローシ
ョンが入っていると思われるボトルを出す。
「下も随分涎垂らしてるじゃねぇか。もうこっちにも欲しいんだろ?このローターはここ
につけといてやるよ。」
振動が止まっている状態で、跡部は二つのローターを既に勃ち上がっている宍戸の茎に、
赤いリボンでしっかりと縛りつける。
「んんっ!?うぅ、んんぅっ!!」
嫌だというようなことを言葉にしたいのだが、口枷のためにそれは全く言葉にならない。
さらに跡部は、ローションでしっかり宍戸の蕾を濡らすと、また新しい玩具を手に取った。
「見ろよ、宍戸。超リアルなイチゴだぜ。しかも、小粒なのと大粒なのがあるんだぜ。」
跡部が手にしたのは、本物と見紛うほどリアルなイチゴ型のバイブレーダーだった。しか
も、大きさの違う二種類がある。それを見せられ、宍戸は自分が次に何をされるかをすぐ
に察知した。
「んんっ!んんんっ、んんっ!!」
どんなに言葉を発しようとしてもそれは叶わない。何を言っているのかが分からなければ、
跡部は自分のしたいように進めるだけだ。まずは小粒の方のイチゴからと、練乳をかける
かのように、跡部はイチゴにローションをたっぷりとかけた。
「上の口はもう塞がっちまってるから、こっちの口に食べさせてやるよ。」
ローションでトロトロになったイチゴをまずは一つ、宍戸の下の口に食べさせてやる。小
さかったこともあり、何の問題もなく宍戸の口はイチゴを美味しそうに呑み込んだ。
「うっ・・・んぅっ!!」
ピンク色のコードがいやらしく下の口から伸びている。その先にあるリモコンのスイッチ
を跡部はカチャっとONにした。すると、宍戸の呑み込んだイチゴが内側でくるくると回
転するかのように蠢き始める。
「んんぅっ!!んっ・・・ふっ・・・んんっ・・・」
リアルなイチゴはその種までも細かく再現されている。ぶつぶつとした表面が内壁を擦り
回し、宍戸は今までに感じたことのない部類の快感を感じる。ローターが二つくくりつけ
られている茎の先からはじわじわと蜜が溢れ出してくる。
「んっ・・・ぅう・・・んっ!」
「イチゴ、美味いか?宍戸。」
あまりの気持ちよさに宍戸はこくこくと頷いていた。イチゴを咥え込んでいる下の口は、
これだけでは足りないと言わんばかりにヒクヒクと収縮を繰り返している。それを見て、
跡部は大粒の方のイチゴにもたっぷりとローションをかけ、宍戸の口元へと持ってゆく。
「もう一つ、食べさせてやるよ。今度はもっと大きいから、テメェのここも満足すると思
うぜ。」
宍戸としては、今入っているイチゴを抜いてからそれを入れると思ったのだが、その予想
に反し、跡部は小粒のイチゴが入ったままの状態で、大きなイチゴを食べさせてきた。中
ではまだ、小さなイチゴが蠢いているのであるから、その衝撃は尋常ではない。しかし、
宍戸の下の口は、大きなイチゴもしっかりと呑み込んだ。
「うっ・・・うう――っ・・・」
小粒のイチゴが奥に押し込められ、かなり深いところを掻き回される。ふぅふぅと息を乱
し、生理的な涙が次から次へと溢れてくる。しかし、確かにそれは快感によるものであり、
苦痛では決してない。それが分かっているため、跡部は大粒のイチゴの方のスイッチもO
Nにしてやった。入り口付近で蠢き始めるそれは、宍戸の新たな快感をもたらした。
「んぐっ・・・ぅ・・・んん――っ!!」
「随分感じてるみてぇだな。二つもイチゴを咥え込んで、テメェのここは相当食いしん坊
だな。」
「んっ・・・んんっ・・・うっ・・・」
奥と入り口をイチゴ独特の表面で激しく擦られ、宍戸は言葉に言い表すことの出来ないよ
うな果てしない気持ちよさを感じる。まさか玩具でここまで感じることが出来るとは思っ
ていなかったので戸惑っている面もあるが、それ以上に今までにない快楽を発見した感動
の方が強かった。しばらく内側を擦られているうちに、だんだんと絶頂感が高まってくる。
「うぅっ・・・んっ・・・ふぅ・・・」
今まで以上に下肢の痙攣が激しくなったので、そろそろ限界なのだと跡部は悟った。玩具
でイッてしまう宍戸を見るのは、普段ではなかなか味わえない興奮が伴う。早くその瞬間
が見たいと、跡部はピンクローターのスイッチも一気にMAXでONにした。
「んんっ・・・んん――――っ!!」
ドピュっと茎の先端から白い蜜が放たれる。下半身にある全てのバイブレーダーが動き続
けているために、なかなか絶頂感が治まらない。快感に全身を痙攣させている姿が、どう
しようもなく魅力的に感じられ、跡部はなかなかスイッチを切ろうとはしなかった。
「んっ・・・んっ・・・んっ・・・・」
もう身体がおかしくなってしまうのではないかと思うほど快感のために身を震わせ、宍戸
は助けを求めるように跡部を見る。さすがにこれ以上は、可哀想だと感じ、跡部は全ての
バイブレーダーのスイッチを切った。
「ふぅ・・・ふぅ・・・」
肩で息をしながら、宍戸は全身を脱力させる。次の玩具もあるので、跡部は大小二つのイ
チゴを宍戸の内側から抜き、前についていたピンクローターも外してやった。
「前も後ろもトロトロじゃねぇか。そんなにこのイチゴは美味かったか?」
ぽーっとする意識の中、宍戸は跡部の問いに頷いてみせる。今日の宍戸は素直でいいと、
跡部はニヤリと口元を緩ませた。
「口枷越しの声もなかなかいいけどよ、やっぱ、ちゃんとした声が聞きてぇ。これ、とっ
てやるよ。」
もっとちゃんと声が聞きたいと、跡部は宍戸の口に着けていた口枷を外した。口を塞いで
いたものが外され、宍戸は大きく息を吸った。
「はぁ・・・・はっ・・・」
「どうよ?玩具使ってするのは?」
「う・・・結構、気持ちイイかも・・・」
少なくともさっきのはたまらなかったと、宍戸は素直にそんな感想を述べる。それなら、
問題ないと、跡部は次の玩具を手に取った。
「次はこれあたりいってみるか。」
「えっ、ちょっ、もう!?」
「大丈夫だろ?せっかく後ろが慣らされてるんだから、次から次へとやってかないと勿体
ねぇじゃねぇか。」
「そ・・だけど・・・」
まだ、身体に力が入らない状態なのに次へいくと言われても困ってしまう。もうちょっと
待ってくれないかなあと思いながら、ちらっと跡部の顔を見てみると、今までになくキラ
キラと瞳が輝いている。そんな顔を見てしまったら、嫌だとは言えない。
「・・・分かった。いいぜ、跡部。」
「じゃ、取り合えず、四つん這いになれよ。」
「えっ・・・わっ!!」
手枷がつけられているため、手をつくことが出来ない。顔面から布団にダイブするような
形で前のめりに倒され、宍戸は腰だけを突き上げるような形で膝をついた。
「こ、こんな格好・・・恥ずかし・・・」
「これからもっと恥ずかしいことすんだから、大したことじゃねぇよ。」
そういうと次に使う玩具を跡部は宍戸に見せつける。直径が2cmほどのパールが取っ手
に6つほど繋がっている。そんなものがこれから自分の中に入るのかと思うと、宍戸はそ
れから目が離せなかった。
「これも気持ちイイぜ、きっと。一つ入るごとに、きゅっとあそこが締まって、そこにも
う一つ入れる。どうよ、想像するだけで興奮しねぇ?」
跡部の言葉をそのままリアルに想像してしまい、宍戸は顔を真っ赤にしながら、唾を飲む。
心臓がバクバクと速くなっているのが分かり、これからそれを入れられる場所がヒクヒク
しているのが嫌というほど感じられた。
「じゃ、入れるぜ。」
曝け出されている宍戸の蕾に跡部はゆっくりとそれを挿入してゆく。一つ一つが入ってい
くのをリアルに感じさせるために、跡部は一つ入るたびに数を数えた。
「まずは一つ目。」
「ひっ・・・!」
跡部のさっきの言葉通り、一つのパールを呑み込むと宍戸のソコはきゅっと締まる。閉じ
たソコをこじ開けるように二つ目のパールを押し込む。
「二つ目。」
「あっ・・・ぅ・・・」
「三つ目。」
「んんっ!!」
「まだ半分だぜ?ほら、四つ目。」
「ひゃっ・・あっ・・・・」
一つのパールが入っていくたびに、宍戸はビクンと身を震わせる。宍戸のそんな反応が、
楽しくて、跡部は少し虐めたくなる。せっかく入った四つ目のパールを跡部はいったん引
き抜く。
「やっ!!抜くなっ!」
思わず宍戸は叫んでいた。思ったとおりの反応に跡部は、声を噛み殺して笑う。そして、
四つ目と五つ目のパールを一気に中へ押し込む。
「あっ・・あぁんっ!!」
「あと一つだぜ。おら、六つ目だ。」
ぐぷっと跡部は六つ目を宍戸の中に入れた。全てのパールが内側に埋め込まれると、宍戸
はふるふると身体を震わせ、激しく呼吸を乱していた。
「入れるだけじゃ、物足りねぇだろ?安心しろ、ちゃーんとスイッチ入れてやるからよ。」
「う、嘘っ・・・これ、入れるだけじゃねぇの?」
「アーン?当然だろ。この取っ手にスイッチがついてんだよ。」
カチッ
跡部がスイッチを入れると、中のパールはまるで生を得たかのように動き回る。内壁を擦
り回されるような感覚に宍戸は、声にならない声を上げる。
「・・・ぁ・・・ぁ・・・っ・・・」
「何だよ?気持ちよすぎて声も出ねぇか?」
目を見開いて、がくがくと下肢を震わせる宍戸に、跡部はさらなる刺激を加えようとする。
いったん宍戸の身体を起こし、腰を上げたままの状態で膝で座らせると、ビーズほどの大
きさの玉が繋がった今宍戸の後ろに入っているものと形の似た玩具を手にする。
「なっ・・・何っ・・・?」
嫌な予感がし、宍戸はやっとのことで質問の言葉を口にする。しかし、跡部はその質問に
は答えずに、ただ意味ありげに笑い、その玩具をペロッと舐めた。そして、それを蜜が溢
れている茎の中心へと持ってゆく。
「っ!?・・・なっ・・やだっ・・・跡部っ・・・やだぁ!!」
「安心しろ。初めはちょっと痛いかもしれねぇが、すぐに気持ちよくなっちまうよ。」
ボルボルと音を立て、それは宍戸の茎の内側へ入ってゆく。一気に根元まで入れられ、宍
戸はビクビクと身体を痙攣させた。
「ひっ・・ああ――っ!!」
背中を仰け反らせるほど感じているのだが、それが入っているために出すべきものが出せ
ない。しかし、それはもうイッてしまったも同然だった。
「空イキかよ?でも、もっと気持ちよくなれるぜ。見ての通り、こっちにもちゃんとスイ
ッチついてるからな。」
コードの先にあるスイッチを跡部はONにする。前の方を内側から弄られることなどそう
滅多にないので、宍戸はもう気を失ってしまうのではないかと思うほど、感じまくってい
た。
「あっ・・ああ――っ!!跡部っ・・・やあぁっ・・・!!」
「可愛いぜ、宍戸。見てるだけでイケそうだぜ?」
「あっ・・・あふっ・・・もうっ・・・イッ・・・」
「いいぜ。別にイッちまっても。」
「んんっ・・・くぅうんっ!!」
がくがくと身を震わせるのだが、やはりミルクを放つことは出来ない。これだけでも十分
気持ちイイのだが、やはりちゃんとイキたいと宍戸は跡部に懇願する。
「あ・・・とべ・・・跡部ぇっ・・・」
「どうした?」
「出したい・・・空イキじゃなくて・・・・ちゃんと出したいっ・・・」
「そんなに出したいのか?」
「うんっ・・・お願いっ・・・跡部っ、出させてぇ・・・」
快感に喘ぎながら、そんなことを必死で言われれば、心が揺り動かされるのは当然のこと
だ。しかし、ただ抜くだけでは面白くないので、跡部は前も後ろもバイブの振動に合わせ、
何度か抜き差しをしてやった。ただでさえ、刺激が強すぎると感じているのに、そんなこ
とをされれば、絶頂感はまたすぐにやってくる。
「はぁっ・・ああっ・・・あっ・・あぁんっ!!」
「ほら、イキてぇんだろ。だったら、それを俺に教えてくれなきゃイカせられねぇぜ。」
「も・・・もう・・・いっ・・いく・・・イクっ・・・!!」
宍戸の言葉に跡部は背筋にぞくぞくとした快感が走る。たまらない、そんなことを思いな
がら、前と後ろ、同時に玩具を抜いてやった。激しく振動しているまま、ずるりと抜けて
いく感覚は、宍戸を快感の高みに運ぶには十分な刺激だった。
「あっ・・・ああぁ―――っ!!」
「・・・っ!」
今まで出したくても出せなかったミルクを存分に放つと、宍戸はそのままベッドに倒れ込
んだ。しかし、気を失うまではいっていなかった。
(ヤベェ・・・思わずイッちまった。)
宍戸がイクのを見て、跡部も達してしまった。まさかただ見ているだけで、イケるとは思
っていなかったので、跡部は自分自身に対して苦笑する。そんなことには気づいていない
だろうなあと思いつつ、宍戸をちらっと見ると、かなり苦しそうに息を乱している。
「ハァ・・・ハァ・・・」
「おい、大丈夫か?宍戸。」
「ま、まあ・・・何とか。でも、ちょっと休まして。」
「あ、ああ。」
自分を見る目が信じられないほど色っぽく、跡部は動揺してしまう。しばらくそのまま休
ませていると、だいぶ落ち着いてきたのか、呼吸がいつも通りに戻り、虚ろだった瞳にも
しっかりと光が灯る。
「ふぅ・・・もう平気だぜ、跡部。待たせちまって悪かったな。」
「い、いや、全然構わねぇけどよ。」
「次はどれ使うんだ?俺的にはまだまだいけるぜ。」
「マジかよ・・・」
思った以上に玩具プレイに順応している宍戸に驚きつつ、跡部は次の玩具を選ぶ。使う玩
具を選び出すと、跡部はおもむろにベッドから下りた。そして、大きな窓のあるところま
で移動し、そこから宍戸を手招きする。
「ちょっと来い。」
「お、おう。」
足枷のために歩きにくさを感じるが、何とか宍戸は跡部のところまでやってきた。ピッタ
リ閉まったカーテンの前までくると、跡部は手枷同士を繋いでいた鎖を外した。
「?」
手を自由にしてもらえると思いきや、今度は前で止められてしまう。そして、ぐいっと腕
を頭の上に持ち上げられた。
カチャン
カーテンのレールから垂れ下がったフックのようなものに、その鎖を引っ掛けられる。次
の瞬間、宍戸の体は上に引っ張られる。
「うわっ!」
どういう仕組みになっているのか、フックは上に上がった。ギリギリ爪先が床につくくら
いまで引っ張られ、宍戸は完璧に重心を失う。
「な・・・何?」
「こういうシチュもありかなあと思ってよ。」
「どんなシチュだよ・・・」
「これも全然抵抗出来ねぇだろ?いい格好だぜ。」
確かにこれはあまりにも重心がとれなすぎて抵抗するなど不可能だ。この状態で何をされ
るのかと、ドキドキしていると、跡部はさっき選び出した玩具を宍戸の目の前に晒した。
「次のって・・・それ?」
「ああ。なかなかよさそうだろ?しかも、今度のはコードレスだぜ。」
跡部が手に持っているのは、それこそ本当のバイブレーダーと呼べるような代物だ。先程
使ったものとは、比べ物にならない大きさに宍戸は多少の不安を感じる。
「心配すんな。もうある程度、テメェのココはほぐれてんだ。この程度の大きさなら簡単
に入っちまうよ。」
「やっ・・・触んなよ!」
ふにふにと蕾を突っつかれ、宍戸はかあっと顔を赤くする。確かにもう嫌というほどほぐ
れてはいるが、質量のここまで違うものを入れられるとなるとやはり身構えてしまう。そ
んな宍戸の不安を知ってか知らずか、すんなり入るようにと跡部はそのバイブにたっぷり
とローションを絡ませた。
「入れるぜ、宍戸。」
耳元で妖しく囁かれ、宍戸はぎゅっと目をつぶる。ヌルッとした先端が蕾に触れたかと思
うと、ズプズプと音を立て、あっという間に奥まで入ってしまった。しかし、やはり先程
のものに比べると圧倒的な存在感がある。
「うあっ・・・おっきぃ・・・」
「でも、根元までちゃーんと入ったぜ。手離しても落ちねぇし。ちゃんと咥え込んでるみ
てぇだな。」
「ハァ・・・これもバイブなんだろ?」
「まあな。でも、普通のバイブだと思ったら大間違いだぜ?」
ニヤニヤと笑いながら、跡部はベッドまで戻り、リモコンを手にする。そのまま、ベッド
の端に座ると、足を組んで宍戸の姿をじっくりと堪能する。宍戸の中に入っているそれが
そこに馴染むのを待って、やっとリモコンのボタンに指をかけた。
「そろそろ馴染んできたろ?」
「んっ・・・そ・・だな。ちょっと慣れてきた・・・」
「それじゃ、ここからがお楽しみだ。」
ふっと笑いながら、跡部はまず青いボタンを押す。すると、宍戸の顔が驚愕の色に染まっ
た。信じられないという瞳で跡部の方を見る。
「あっ・・・あ・・・嘘っ・・・」
「このバイブ、スイッチ一つで突起が出せるんだぜ。中、すげぇことになってんだろ?」
「ありえ・・ねぇ・・・ぅ・・はぁ・・・」
ただでさえギリギリ咥え込んでいる状態のバイブからいくつもの突起が出てきたのだ。そ
の衝撃は言葉では言い表せない。内側の至るところに突起があたり、ガクガクと足が震え
てくる。
「それだけじゃないんだぜ。このボタンを押すと・・・」
そう言いながら、今度は赤いボタンを跡部は押す。その瞬間、宍戸の体がビクンと反応し
た。
「――――っ!!」
声も上げられないほどの衝撃が宍戸を襲う。バイブ音と共に内側が掻き回される。それも、
バイブ自身が震えるのではなく、出てきた突起の一つ一つが振動しているのだ。
「いい音がここまで聞こえてきてるぜ。どうだ?気持ちイイだろ?」
「あっ・・・あ・・はっ・・・あ・・ぁ・・・」
目を見開いて、宍戸は下肢を激しく痙攣させる。すっかり勃ち上がっている竿からはポタ
ポタと先走りの蜜が滴り落ちていた。あまりの快感に宍戸は喋ることさえままならない。
そんな宍戸のもとへ、跡部は一歩一歩近づいてゆく。
「おら、どう感じるのか俺様が聞いてんだ。ちゃんと答えろ。」
「あっ・・ひっ・・き、気持ち・・い・・・」
「ぐちゅぐちゅイイ音立ててんもんなあ。先走りもこんなに垂らしやがって。本当、淫乱
な身体だぜ。」
「だ、だって・・・」
「これ、抜き差ししたらもっといい感じになるんだろうなあ?」
「い、いやっ・・・そんなことしたら・・・あっ・・・あはぁっ!!」
ブルブルと振動しているそれに手をかけ、跡部はぐいっと引っ張る。回転しつつ振動して
いる突起が宍戸の内壁を擦り上げながら、半分ほど外に出る。抜けてしまうギリギリまで、
引き抜くと、跡部は再びをそれを宍戸の中へと戻した。突起が蕾の入り口に引っかかりな
がら入る感覚は全身が粟立つような快感を伴う。
「ひぃんっ・・・あはっ・・あっ・・・あぁんっ!!」
「いいぜ。もっと啼けよ。気持ちいいんだろ?アーン?」
「もっ・・・イッちゃう・・・あっ・・あっ・・・ああ――っ!!」
どくどくと茎の先から白い蜜が溢れる。しかし、宍戸のそれはまだ全く萎える気配がなか
った。宍戸の蜜が身体にかかったことで、跡部はさらに興奮する。
「まだまだイケるよな?もっとイっちまえよ。何度でも何度でも。ココ弄られて、たまん
ないんだろ?」
理性の箍が外れた跡部は恍惚としながら、宍戸のそれを激しく抜き差しする。絶頂を迎え
たすぐの身体は感度が落ちるというが、宍戸の場合は逆であった。何度もイカされれば、
イカされるほど、次第に感度は上がってゆく。
「ふああっ・・・気持ちイイっ・・・跡部っ・・・もっと・・・もっとしてぇ・・・!!」
「ああ、何度でもしてやるよ!玩具でテメェのココをぐちゃぐちゃにして、トロトロにし
て、その後で俺のをぶち込んで、テメェの中を俺様でいっぱいにするんだからな。」
そんな跡部の言葉を聞いて、宍戸に再び絶頂感がやってくる。言葉の刺激と身体の刺激が
相乗効果で感度をより高めているのだ。
「あぁんっ・・・またっ・・・跡部っ・・・跡部ぇっ!!」
「ちっ、どうしてそんなに可愛いんだよ。くそっ・・・俺もっ・・・」
宍戸の身体を抱きしめつつ、奥の奥まで跡部はバイブレーダーを宍戸の中に埋め込んだ。
その瞬間、二人は同時に達した。宍戸の熱を臍のあたりに感じると、跡部は奥まで埋め込
んだバイブレーダーを抜いてやる。
「んんんっ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
「ハァ・・・あー、もうズボン気持ち悪ぃ。脱いじまえ。」
さっきも一回イっているので、そのままズボンと下着を穿いたままでいるのは、かなりの
不快感があった。汚れたズボンを脱いでしまうと、跡部は宍戸の手枷を外してやる。自由
になった腕を宍戸はそのまま跡部の首に回した。
「跡部ぇ・・・」
「大丈夫か?」
「もう玩具はいい。早く跡部のが欲しい・・・」
「宍戸・・・」
そんなことを言われれば、跡部の熱も元気を取り戻す。そのまま抱えるように、宍戸をベ
ッドに運んでやると、足枷も外し、思いきり足を開かせた。
「もう我慢出来ねぇ!!入れるぜ、宍戸。」
「おう、早く入れて・・・」
トロトロになっているそこに跡部は容赦なく自分自身を突き刺した。たくさんの玩具で存
分に慣らされたそこは、いつもより強い力で跡部の熱を締め上げる。
「くっ・・・すげぇ締まる。」
「あっ・・・跡部の・・跡部の・・・すげ・・イイっ・・・」
「アーン?どうイイんだよ?」
「跡部の・・・おっきくて・・・熱くて・・・ドクンドクンいってるから・・・」
恍惚とした表情で宍戸は言う。それを聞いて、跡部のそれはまた質量を増した。
「さっき使った玩具と、俺のとどっちがイイ?」
「そんなん・・・跡部のに決まってるじゃんかぁ・・・」
「くそっ・・・そんなこと言われたら、もうメチャクチャにしたくなっちまうじゃねぇか。」
「メチャクチャにして・・・俺ん中ぐちゅぐちゅ掻き回して・・・・いっぱいいっぱい気
持ちよくしてぇっ・・・」
素直に快感を求める宍戸の言葉は、跡部の本能的な部分を完全に引き出した。足を抱えた
まま、激しく腰を打ちつけ、宍戸の中を抉るように犯す。固くて、熱くて、脈打っている
跡部の楔は、宍戸にとっては最高の快楽を与えてくれるものだ。それはどんなに性能のよ
い玩具も決して敵いはしない。
「ああっ・・・跡部っ・・・跡部ぇっ!!」
「ハァ・・・もう・・ヤベェ・・・テメェん中、ありえねぇくらい・・・イイっ!」
「跡部の・・・中にいっぱい出して・・・お願いっ・・・腹いっぱいになるくらい・・・
いっぱい出してぇ・・・」
「くっ・・・あっ・・・宍戸っ・・・もっ・・・イクっ!!」
宍戸の言葉が引き金となり、跡部はビクンと身体を震わせ、宍戸の中に熱い飛沫を放った。
その瞬間、宍戸の蕾はきゅうきゅうと収縮し、跡部の吐精を出来る限り促す。
「ヤベッ・・・気持ちよすぎて・・・止まんね・・・すげぇ出る・・・」
「あっ・・あっ・・・跡部のいっぱい・・・気持ちイイ・・・もっ・・・もうっ・・・」
自分の中が跡部で満たされていく感覚に、宍戸は今までに感じ得なかった何かを伴う快感
に支配される。跡部が全てを注ぎ終わると同時に宍戸は、自分自身の精を放った。
「あっ・・・ああ―――っ!!」
宍戸も達したのを感じると、跡部は無意識に自分の熱を宍戸の中から抜き、ぐったりと宍
戸の身体に自分の身体を重ねる。栓のなくなった宍戸の蕾からは、たっぷりと放たれた跡
部の蜜がトロトロと溢れ出す。その感覚にさえ、宍戸はえも言われぬ心地よさを感じるの
であった。

それから数時間が経ち、二人はベッドの中で肌を合わせて横になっている。宍戸は達して
しまった直後に、気を失うように眠ってしまったが、跡部はある程度気分が落ち着くと、
きっちりと身の回りを片付けた。もちろん宍戸の事後処理も完璧にしてやった。
「う・・・んぅ・・・」
「・・・宍戸?」
「跡部・・・?」
宍戸が小さな声を上げるのを聞き、跡部は目を覚ます。声をかけてやると、宍戸も眠そう
な目を開いた。
「疲れてんだろ?まだ、寝てろ。」
「うー・・・はれ?ベッド綺麗になってる。跡部、片付けてくれたのか?」
「まあな。あんな汚れたシーツじゃ寝れねぇだろ。」
「もしかして、俺の始末もしてくれた?」
内側に異物感がないので、宍戸は恥ずかしそうにそんなことを問う。跡部は笑いながら頷
いた。
「当然だろ。それも俺の仕事だ。そのままにしておくと、後がツライからな。」
「サンキュー・・・」
「それより、今はちゃんと休め。結構無理させちまったからな。」
自分を気遣ってくれる跡部の言葉が嬉しくて、宍戸はぎゅうっと跡部の背中に抱きついた。
「おいおい、どうした?」
急に甘えてくる宍戸に、苦笑しながら跡部は尋ねる。そのままの状態で、宍戸はポツリポ
ツリと言葉を紡ぐ。
「今回のプレイ・・・」
「ああ。」
「結構・・・いや、かなり・・・気持ちよかった。」
「へぇ。そうか。」
「玩具使うの・・・すげぇ興奮して・・・どれ使ってもメチャクチャ気持ちよくて・・・」
「ああ・・・」
「だから・・・・また、したい。」
肩に埋めて隠しているが、宍戸の顔は相当真っ赤に染まっている。意外な言葉に驚く跡部
だが、嬉しさの方が上に立ち、顔が自然と緩んでくる。
「テメェがいいなら、いくらでもしてやるぜ。でも、また今度な。」
「おう・・・」
「今は本当休まねぇと、明日以降がキツイぜ。」
「分かってる。」
「それじゃあ、お喋りはここまでだ。俺が一晩中抱いててやるから、とにかく今は眠れ。」
「分かった。おやすみ、跡部。」
「ああ。おやすみ。」
宍戸の体のことを考え、跡部は半強制的に眠らせる。瞳を閉じると宍戸は、すぐに深い眠
りに落ちていった。
「また、したい・・・か。ホーント、こいつの言動には驚かされるぜ。」
嬉しさを伝えるかのように軽く宍戸の唇にキスをすると、跡部はゆっくり目を閉じる。今
日はいい夢が見られそうだと思いつつ、跡部も宍戸と同じように甘い甘い眠りの世界に落
ちてゆくのであった。

                                END.